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カテゴリ:自作( 38 )

拙句 道北行 (高澤良一)

拙句 道北行 (高澤良一)


山妻 同行 バス旅。

(第十句集 素抱 所収)


羽田から空路で旭川へ。以降 以下を巡って帰途に就く


名寄 和寒 中頓別 猿払 (オホーツク海 海岸線を走行)宗谷岬 稚内 礼文島 利尻島 (日本海 海岸線を走行)留萌 旭川


男山酒造雪山正面に

酒水は万年雪水男山

和寒(わつさむ)の防雪林横ふきのたう

白樺の用途かってはスキー材

秋っこと土地人の云ふそのみどり

*秋つこは秋蒔小麦

町木はヤチダモ残雪うち敷きて

道北の残雪退いて里青む

榛の木の芽吹きまだまだ天塩川

家ぽんと置いて名寄の雪間かな

浜頓別

押麦を白鳥に撒く作業員

白鳥のあれゆく浜頓別のそら

皆若く白鳥撮りのテレビクルー

白鳥の録音係こゑ拾ふ

白鳥の放送中継風の音

目の子算ざっと一万コハクチョウ

鮭トバでちびりちびりと男山

あざらしの腹の上なる春入日

宗谷岬

隈笹に残る雪見て最北端

海猫の糞皚々宗谷暮れんとす

ノシヤツプ岬

野寒布と宗谷の間の昼がすみ

利尻島霞もやもや引き出せり

訛り暖かガイドは礼文高校出

ふきのたう全島まかなふ発電所

昼食に煮付礼文の黒がしら

*黒がしらは鰈のこと

まなかひに礼文近みて春かもめ

礼文沖ほっけを追ふか木っ葉舟

きうきうと海猫鳴く岬カスベエ干す

*カスベエは土地言葉でエイのこと

海猫・鴉ごちゃまぜ礼文の風に乗り

海猫退けて埠頭を占むる島鴉

潮青む礼文を皮切り雲丹採漁

沖ゆくはリマン海流カスベエ干す

突き進む船首礼文は霞みづめ

海上に利尻全容霞切れ

海上に霞める利尻その内着く

岳樺呑み込む海霧の迅さかな

須古頓の風に揉まれてほっけ干す

蛸漁のその大方は朝の内

利尻島

フェリー追ふ春の鴎の数減りて

春光をやはらかに投げ利尻富士

利尻町春寒灯の入る赤提灯

父ちゃんと母ちゃん居酒屋焼ほっけ

活ホタテ開きほっけに地酒酌む

利尻メカブおじやうましよ当店は

値の張って然り利尻の厚昆布

島土産利尻昆布のピンからキリ

小平町

親方の漁場差配の赤毛套(あかけつとう)

春の蝿番屋の客に蹤いて来ぬ

留萌

留萌川留萌本線春景色

玲瓏と雪頂いて暑寒別岳(しよかんべつ)

又の旅夏と定めて青富良野

畦青み雪嶺しざり秩父別(ちつぷべつ)

榛芽吹き神居古潭(かむいこたん)の川景色

富良野産ラベンダー入り線香とよ

氷点下四十一度てふクッキー


以上


by 575fudemakase | 2019-05-19 05:02 | 自作 | Trackback | Comments(0)

二輪草 拙句(高澤良一)

●二輪草 拙句(高澤良一)


二輪草雑草(あらくさ)一つ交へずに 燕音

二輪草暗緑浄土広がれり 随笑

この谿の落葉に肥ゆる二輪草 随笑

飛んでくる虻真っ黒け二輪草 随笑

私語一つ洩らさぬ二輪草の群れ 寒暑

(末尾は句集名)


以上


by 575fudemakase | 2019-05-17 07:09 | 自作 | Trackback | Comments(0)

五月五日頃の拙句(高澤良一)

五月五日頃の拙句(高澤良一)


●端午

端午の湯踵きれいに磨きけり 素抱

●子供の日

紙兜折つてかむつてみせにけり もも

洗濯機朝から始動こどもの日 さざ

今にして躾け足らざるこどもの日 さざ

共用の水色ポロシャツこどもの日 ぱら

ミドリ虫鞭毛使ふこどもの日 燕音

子供の日近し葉っぱのフレディ読む 随笑

鉛筆は2Bが好きこどもの日 石鏡

●菖蒲

しやうぶ見る腰ポケツトに扇子かな ねず

立ち寄りて菖蒲青張る八日堂 ぱら

天が下菖蒲の剣葉折葉かな 随笑

買物籠菖蒲の尖が見えてゐる 素抱

葉菖蒲の香ごとくるめり新聞紙 素抱

葉菖蒲の邪気祓ふ気にあやからん 素抱

●幟のぼり

川中島過ぐる辺りか幟見ゆ ぱら

●柏餅

柏餅誰にでもある佳き時代 素抱

連休は何處へも行かず柏餅 石鏡

柏餅人物談義言ひ得て妙 石鏡

●菖蒲湯

はやばやと入りて菖蒲湯匂はすか ねず

菖蒲湯の菖蒲に術後の身を寄せぬ 鳩信

菖蒲湯をざんぶりと出づ赤仁王 寒暑

菖蒲湯に貝の切り傷いたく沁み 石鏡

菖蒲湯の菖蒲に倣ひ横たはる 石鏡

熱き湯を押し退け入る菖蒲どき 寒暑

菖蒲湯にざっと浸りて若返る 素抱


末尾は句集名。

但し、「ねず」は句集「ねずみのこまくら」、「もも」は句集「ももすずめ」、「さざ」は句集「さざなみやつこ」、「ぱら」は句集「ぱらりとせ」の略。


以上


by 575fudemakase | 2019-05-17 06:48 | 自作 | Trackback | Comments(0)

拙句 さみだれ

拙句 さみだれ


保(も)つまいとおもふ空から五月雨 高澤良一 素抱

五月雨の降り込む椎と槇の間 高澤良一 さざなみやっこ

道灌の墓五月雨を聴くばかり 高澤良一 さざなみやっこ

さみだるる尿道造影剤検査 高澤良一 鳩信

(末尾は句集名)


以上


by 575fudemakase | 2019-05-13 03:14 | 自作 | Trackback | Comments(0)

拙句 山吹 (高澤良一)

拙句 山吹 (高澤良一)


山吹は雨にもたつく塔ノ沢

山吹や雨に一つの残り花

山吹に響(とよも)しよどみなき山水

ずり落ちし路肩もろとも濃山吹

山吹を打ちて雨脚強まり来

ここ最も奥まる塔頭濃山吹

山吹に隠れもあらぬ山気かな

山吹や沢鳴りのする観音堂

山吹のここより奥は入れません

山吹の花が正面土間明り

山吹に奥州鎮護願う寺 宿好

山吹の黄を突っ切りて正受庵 燕音

いくらかは山吹黄葉してゐたり ぱらりとせ

ご門前朝の山吹なまなまと ぱらりとせ

そこそこに山吹黄葉したりけり さざなみやっこ

山吹の上の断崖底技けし さざなみやっこ

宿の灯のくつきり点る濃山吹 ももすずめ

岳麓の朝日きびきび山吹に ももすずめ

山吹や川波めくれめくれゆく ももすずめ

山吹におはようのこゑ響かせて

開山堂山吹の冷えのぼり詰め

山吹の花散りかかるわさびの葉

山吹にどぶんと鯉の立てる音

山吹のさきセキレイの水遊び

この上にもう一つ村濃山吹

正受庵かすむ山吹明りかな

山吹や人は本来無一物

山吹に一本調子車輌音

山吹のかたまり咲くや身延線

山吹の脇よりのぼる七面山

山吹の塚と云へるに菊手向け

毛越寺の山吹栄ゆる鏡池

山吹咲く毛越寺道を三々五々

義経に背く泰衡濃山吹

山吹の光射し込む旧覆堂

山吹の寺訪ひ阿弥陀来迎図

曲り家の戸口越しなる濃山吹

曲り家の山吹どきの目暗がり

山吹はいささか冷えし風好む

山吹の葉に瑠璃蝿の翅たたむ

かんばせに山吹映ゆる浴仏会

誕生仏山吹いろの甘茶浴み

山吹に登りのバスのエンジン音

山吹とはったと出会ふ九十九折

(末尾は句集名)


以上


by 575fudemakase | 2019-04-30 06:16 | 自作 | Trackback | Comments(0)

【水鳥(みづとり)】 浮寝鳥(うきねどり)

【水鳥(みづとり)】 浮寝鳥(うきねどり)

俳句では鴨・鳰(かいつぶり)・百合鷗・鴛鴦(おしどり)など、冬に水上にいる鳥を総称していう。水に浮いたまま眠っている鳥を「浮寝鳥」という。


拙句 【水鳥 浮寝鳥 鴨】(高澤良一)


●水鳥

水鳥の日がなぴしゃぴしゃやってをり 鳩信

水鳥の水破る音夕間暮 鳩信

日当りて鳥羽の水鳥真珠粒 燕音

水鳥に水の一年明けにけり 燕音

水鳥の幽紋あたり暮れかかる 随笑

水鳥の羽摶ちごたへのある寒暮 随笑

水鳥の睡りに徹す直心(ひたごころ) 随笑

水鳥の行方追ひゐる鼻に風 寒暑

水鳥の羽ばたくことの終に無し 石鏡

●浮寝鳥

浮寝にはすこし間のある日向鳥 さざ

いざこざのなき隔たりに浮寝鳥 ぱら

浮寝とはゆかざる鳥羽のゆりかもめ 燕音

痩せ杭の彼方に一つ浮寝鳥 宿好

旧軍港浮寝の鳥もなかりけり 宿好

●鴨

鴨を見に常連さんの身拵ヘ さざ

手前より杭・葭・鴨の睡る水 さざ

鴨の水脈家鴨の水脈を打ち消して さざ

辷る鴨うづくまる鴨雪降れり さざ

先口の鴨南蛮(かもなん)忘れ居らぬかや ぱら

風上ヘリズムをとりて鴨の首 ぱら

割り込ませてもらひますよと鴨のこゑ ぱら

首猶も前へ前へと鴨助走 ぱら

派手好きな鴨の二三羽交じりゐし ぱら

鴨の水ばかりとらへて遠眼鏡 ぱら

鴨の首振って大きな波を越ゆ ぱら

川端の鴨の口々雪来ると 鳩信

鴨着水ざんぶとやってみせにけり 鳩信

鴨の名にいやに詳しき女ゐて 鳩信

湖上に降り鴨の比良組比叡組 鳩信

百千の鴨の一つとなり湖上 鳩信

尻振りて玩具めく鴨近寄り来 燕音

人を見て寄り来る鴨の日和貌 宿好

哲学の道沿ひ鴨も散歩する 宿好

鴨を見て京の五条の橋の上 宿好

観察小屋窓を覗けば鴨ばかり 宿好

くにゃくにゃと嘴広鴨の影曳きて 宿好

くつくつと鴨も寒さを諾へり 随笑

納税期鴨は汽水に遊びをり 随笑

風少し吹いて真鴨のよろけ縞 随笑

千鳥ケ淵

花の間鴨広がりて広がりて 随笑

鴨群るゝは寄合に似て池の央 随笑

茶のベスト着込み鴨見と洒落込まむ 随笑

鴨池を発たんとやっさもっさして

一団の鴨を脇見の鴨一団 随笑

夜の鴨に騒(ぞめ)きのありぬ納りぬ 随笑

おのづから一団を為し鴨すすむ 随笑

鴨群るゝ日向つづきに家鴨ゐて 随笑

がやがやと鴨ゐて池を凍らせず 随笑

箒川鴨横向きに流されて 寒暑

これとても着水の裡鴨滑る 寒暑

雑談の合間に鴨の移りをり 寒暑

税務署の窓越しに見る鴨の池 寒暑

確定申告済ませ鴨見て帰らなん 寒暑

被写体とするには動き過ぎる鴨 寒暑

底冷えに遇ひたる鴨の真顔かな 寒暑

鴨の陣崩してしまふさあ知らぬ 寒暑

鴨蹴って水裏返る春なりし 素抱

風きつく崩れ出したり鴨の陣 素抱

キンクロハジロ

これは粋小さきちょん髷ある鴨で 素抱

称名寺鴨も花見と洒落にけり 素抱

広がりて氷らぬものに鴨の水脈 石鏡

鴨急ぐ方面白きことあらむ 石鏡

鴨すいすい日曜画家の視野よぎり 石鏡

ハイカラな瑠璃首立てゝ鴨巡る 石鏡

分隊の鴨本隊に合流す 石鏡

掛茶屋に鴨見て風のひやつきぬ 石鏡

泛く鴨と原理同じや軍艦は 石鏡

口鉄砲あまりに鴨の多ければ 石鏡

くいくいと鴨鳴く蓮の池之端 暮津


(末尾は句集名)

(「ねず」は句集「ねずみのこまくら」、「もも」は句集「ももすずめ」、「さざ」は句集「さざなみやつこ」、「ぱら」は句集「ぱらりとせ」の略。)


以上


by 575fudemakase | 2019-04-28 03:16 | 自作 | Trackback | Comments(0)

拙句 上野周辺 高澤良一

拙句 上野周辺 高澤良一


上野駅出て直ぐ共同募金のこゑ

上野の山人出の秋となりゐたり

赤い羽根つけて上野の森に入る

太陽神ラーとミイラと昼鳴く虫

大英博物館古代エジプト展

石像のテーベ市長と遭ふ秋昼

死者の書は畏多しと紙魚云うも

虫音のごと木乃伊の音声ガイド洩れ

身に沁みてナイルの青の石像護符

一室に木乃伊六體そぞろ寒

露けさのここに極まるカノポス壺

*ミイラにする際に肺胃などの臓器取り去つて入れる壺


ネクタイをして花見とは上野山


ずぼらな吾東京に出て二科を観る

遠くを見るゴリラに園の晩夏かな

秋づくと上野の山を歩きけり


東照宮 松崎鉄之介句碑

偉丈夫な鉄之介句碑蟻攀ずる

上野山精養軒の蝉しぐれ

蓮見たくなりて上野の池之端

くさぐさの碑の中スッポン感謝之塔

紅蓮上野の山の負け戦

蓮の実の青き実弾抜きて見す

こなたよりあなたへ渡る蓮の風

岩崎邸百合も進取の香り立ち

岩崎邸木斛の実のあかがね色


美術の秋上野にぽんと降り立ちて


雨ありし上野の山の花の首尾

鳥ごゑに奥行き深き花の山

花揺るゝは船酔に似て昼日中


寛永寺

秋風が当りて上野戦争碑

不忍池

蓮葉をめくりにかかる池の風

煽られて蓮の棒茎ごっつんこ

蓮葉の大き葉を揺り大き風


上野動物園

動物園園児の点呼うさぎの前

春眠のゴリラの地下足袋めく蹠

日向ぼこするコンドルに成り下がり

徘徊す虎は四温の毛皮被て

蟻喰いのそはそは春の土を嗅ぎ

姿見の在らばとおもふ丹頂に

春水に河馬のうたた寝四六時中

胡座かく蜥蜴はこうもり安のさま


以上


by 575fudemakase | 2019-04-28 02:15 | 自作 | Trackback | Comments(0)

拙句 落花 関連語の俳句

拙句 落花 関連語の俳句


花散る

あとは散るばかりの花にふふむ酒 高澤良一 随笑
けふあたり出向きおかねば散る花ぞ 高澤良一 寒暑
パッと散る花に飛出す韓国語 高澤良一 随笑
一巻の終りの花の水に散る 高澤良一 燕音
海浜の雨は曲者花散らす 高澤良一 燕音
山鳥の呂律に合はせ花の散る 高澤良一 石鏡
散るさくらタイムカプセル埋めし地に 高澤良一 ねずみのこまくら
称名寺殿の頭に花散れり 高澤良一 さざなみやつこ
石手寺に花は散るのみ徒( かち )遍路 高澤良一 寒暑
朝風に流離流離と花散るも 高澤良一 寒暑
堤より花の散り込む遊び舟 高澤良一 宿好
日曜の花散らす雨罪作り 高澤良一 石鏡

花吹雪

こんな日が三日続けば花吹雪 高澤良一 寒暑
横目にて象は吹雪ける花を見ぬ 高澤良一 随笑
花吹雪く度にバンザイする男 高澤良一 随笑
花吹雪こりゃまたなんと佳き風情 高澤良一 寒暑
花吹雪ぱっぱと金比羅大権現 高澤良一 寒暑
花吹雪易者は八卦うち振りて 高澤良一 石鏡
花吹雪喰らひ遊山のもつれ足 高澤良一 宿好
花吹雪次の一ト吹き待ちゐる眼 高澤良一 随笑
花吹雪小公園を突っ切りて 高澤良一 素抱
花吹雪人の話の腰折りて 高澤良一 随笑
花吹雪雪洞にまだ吹き足らず 高澤良一 素抱
花吹雪背に負ひ駈け出したくなりぬ 高澤良一 随笑
自転車にまたがったまま花吹雪 高澤良一 燕音
春疾風それに倍する花吹雪 高澤良一 暮津
吹雪くたびこれはこれはの山ざくら 高澤良一 随笑
谷戸住みの醍醐味は是花吹雪 高澤良一 石鏡
登り詰め櫻吹雪の別天地 高澤良一 燕音
林間を真一文字に花吹雪 高澤良一 寒暑

飛花

エナメルの靴先に飛花舞ひ込める 高澤良一 暮津
オオヘビガイ出土貝塚飛花よぎり 高澤良一 随笑
てのひらに飛花を掬へば浮き立つ彩 高澤良一 素抱
とびっきり遠くへとべる飛花一つ 高澤良一 暮津
一行に飛花ふるまへり山ざくら 高澤良一 寒暑
渓底の甌穴に飛花あやまたず 高澤良一 宿好
洪鐘( おおがね )に飛花の当たりてはたと落つ 高澤良一 暮津
腰下ろすところへ飛花の次から次 高澤良一 素抱
杖を突く音のぱったり飛花あふぐ 高澤良一 随笑
身延山ひたすら空を亘る飛花 高澤良一 燕音
青空へ一二三と飛花発ちて 高澤良一 燕音
石畳飛花着地して石のいろ 高澤良一 随笑
赤塗りのひょうげた仁王飛花よぎり( 弘明寺観音 観桜 ) 高澤良一 素抱
乳母車前へ前へと飛花の中 高澤良一 寒暑
飛花の風辺りが透けて見えにけり 高澤良一 素抱
飛花の風萬の落花のうへをゆく 高澤良一 素抱
飛花ひたすら風ある時も無き時も 高澤良一 素抱
飛花ひとひらとび来て亀の鼻さきに 高澤良一 寒暑
飛花よぎりけり北之坊岸之坊 高澤良一 燕音
飛花を追ふこども追ひ駈くこどもかな 高澤良一 寒暑
飛花当る雪洞舟和の芋ようかん 高澤良一 石鏡
飛花二三跳ね返さるゝ風の壁 高澤良一 寒暑
飛花舞はす風の一変フォルテッシモ 高澤良一 暮津
飛花浴びて小学生と勤め人 高澤良一 寒暑
鼻先をよぎりて飛花の舞踏団 高澤良一 寒暑
風太郎よこぎる飛花に眼を上げて 高澤良一 寒暑
本山の飛花つきあたる堂障子 高澤良一 燕音
繽紛と飛花のとぶ方衣川 高澤良一 宿好

落花

くろがねの朝礼台を落花馳せ 高澤良一 素抱
外人墓地十字架(クルス)の間を落花抜け 高澤良一 随笑
高館の落花しづしづ静の舞 高澤良一 宿好
上枝より落花飛脚の発つごとし 高澤良一 随笑
植込みに池に落花の選り好み 高澤良一 宿好
赤銅いろ陸上トラック落花馳せ 高澤良一 素抱
只管になること落花には如かず 高澤良一 鳩信
飛花の風萬の落花のうへをゆく 高澤良一 素抱
方円の落花一夜にして成れり 高澤良一 素抱
夕雀雨の落花を足蹴にす 高澤良一 寒暑
落花ひとひら二本松少年隊 高澤良一 宿好
落花受く地べた凹凸ありにけり 高澤良一 随笑
落花踏み歩む堤よ北上よ 高澤良一 宿好
落花嗅ぎ年寄る象の浜子さん 高澤良一 寒暑
立ちつくしそのまま落花浴びゐたり 高澤良一 随笑
鷲掴み落花放してみせにけり 高澤良一 素抱

花屑

シーソーの花屑吹いて跨りぬ 高澤良一 燕音
ひと摘み花屑風に舞はせけり 高澤良一 随笑
花屑に小旋毛風(こつむじ)立ちぬ愛宕山 高澤良一 燕音
花屑に斑(むら)あり次の風吹くも 高澤良一 鳩信
花屑に風そろそろとたちつてと 高澤良一 素抱
花屑のすこし汚れて権太坂 高澤良一 素抱
花屑の中のひとひら返す風 高澤良一 随笑
花屑の道を御苑に引き込みて 高澤良一 鳩信
花屑の犇めき合へる轍あり 高澤良一 随笑
走り根に花屑の風堰かれけり 高澤良一 燕音
唐破風をつゝと花屑奔りけり 高澤良一 ぱらりとせ
藩校の階(きざはし)花屑積らせて 高澤良一 鳩信
夕雀花屑蹴って発ちにけり 高澤良一 随笑
蹼のたわたわ花屑踏みつけに 高澤良一 燕音

花筏

花筏などとはとても云へぬもの 高澤良一 燕音
花筏日を経し彩を泛かべをり 高澤良一 石鏡
石組の石を押すなり花筏 高澤良一 暮津

花の塵

川原石の隙を見つけて花の塵 高澤良一 燕音


以上


by 575fudemakase | 2019-04-12 22:32 | 自作 | Trackback | Comments(0)

拙句 花見の俳句 高澤良一

拙句 花見の俳句 高澤良一



東京の花見がてらの通院日

花を見る目配りにさへお人柄

けふあたり出向きおかねば散る花ぞ

花見支度し居れば雨や肩すかし

お花見のおあづけとなる朝の雨

満開のけふを逃して何とする

腰どんと地べたに据えて花見かな


松山中学校跡

濠端の花見に夏目金之助

おぼろ夜の湯の梯子して椿の湯


花見客もう百段に顔見合はせ

棒切れで地図を描ける花の許

野毛花見

花愛づる毛唐の大首横濱絵


その頃となれば花見に徒心

かたばみの花見るものの無ければ瞰る

花見弁当ひらけば鳩の優しく寄る

沿線の花見切符を撫しながら

母の云へる

米寿まで生きたついでの花見せむ

花見むと来しリハビリに気散じに

酔どれのそれそれそれと散る花を

花見衆持ち込む小ぶりの瓦斯ボンベ

花見客に唸る屋台のバッテリー


藤右衛門さんのはちまき花談義

花を見る心ええならええ花見

日本の櫻を他国に植う話

名庭園ならんとさくらの木も努める

ソメイヨシノ

人間が構ってやって咲くさくら

雨ありてあとは櫻の花次第

振り返る桜がそこにあればなり


沿線の桜見ながら汽車ぽっぽ

花見客杖を忘れし身延線

ネクタイをして花見とは上野山

出来れば近場妻との花見何處にせん

川沿ひにセスナ機飛んで花見時

花どきの乳首の脇へ聴診器

花を見て花の生み継ぐ風を見て

人間の勝手放題花を見る


以上


by 575fudemakase | 2019-03-26 13:43 | 自作 | Trackback | Comments(0)

拙句 牛蒡連作 高澤良一

拙句 牛蒡連作 高澤良一


新牛蒡どちの雑談牛蒡語で 随笑

上の牛蒡が下の牛蒡に何やらいふ

喜雨聴きつ牛蒡をこそげおとす音

あつあつの牛蒡のささ掻き開化丼

繊維質をうんぬんけふも牛蒡出づ

牛蒡ばかり食はする妻のおたんこなす

目もさやに秋は来にけり牛蒡の葉 素抱

腸によき献立牛蒡一点張り 寒暑

腸の為よろしき牛蒡召し上がれ 随笑

託(ことづか)る注連・松・牛蒡忘れまじ 宿好

牛蒡サラダに軽井沢風コッペパン 燕音

朝市の牛蒡せり出す寺門脇 ねずみのこまくら 昭和六十一年

ごきげんよう朝の畑の新牛蒡

新牛蒡秩父の雨の荒叩き

みるからに黒土こんもり牛蒡引

(末尾は句集名)


【参考】


●「目もさやに秋は来にけり牛蒡の葉」の俳句で

「目もさやに」は どういう意味ですか


「目にもはっきりと」の意味になります。


これは『古今和歌集』巻四、秋歌上に見える、藤原敏行のよく知られた歌:


秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる

(立秋になって秋が来たと目にははっきりとその様子が見られないが、吹く風に秋が来たとはっと気づかされる)


を踏まえて、『古今集』の立秋の日を詠う古歌には「目にはさやかに見えねども」と詠うけれども、この俳句の作者は「牛蒡の葉」が風にそよぐのを見て、「目もさやに(=「目にもさやかに」を略した言い方)」、つまり、「目にもはっきりと」秋が訪れたのが見える、と言っているのです。(ウィキペディアより)


● 牛蒡ばかり食はする妻のおたんこなす

無礼なる妻よ毎日馬鹿げたものを食わしむ 橋本夢道


「無礼なる妻よ」「毎日馬鹿げたものを食わしむ」。最初、「えっ!」と思いましたよ。でもこんなことを詩でもある俳句にする筈がない、と思いながら繰り返し読んでましたら、そのうち何だか面白くなってきて、笑ってしまいました。

「毎日馬鹿げたものを食わしむ」、「不味いものを」ではなく、「馬鹿げたものを」という不可思議な言い回し、それに「無礼なる妻よ」という呼びかけにも似た呟き。

「不味いものを」でしたらもう字義通りに読むしかなく、「無礼なる妻よ」は怒っている時に使う言葉になってしまう。

「馬鹿げたもの」というのは「いろいろ残り物を工夫して作ったおかずで、何の料理かわからないもの」という意味だと思います。「食わしむ」は「食べさせてくれる」です。少しの詠嘆のニュアンスもあります。

つまり、「すまんこっちゃ、俺の稼ぎが悪いせいでこいつはあるものでどうにかやりくりして、いろいろ食事を作ってくれる。世間のやつだったら文句の一つも言うだろうにこいつは愚痴一つこぼさずにいやがる。ほんにすまんことじゃ。ほんにありがたいことじゃ」と。

いかがですか?以前この句、私は読んだことがありますのでたぶん私の読みは間違ってはいないだろうと思います。


今から橋本さんのことを調べますが、間違ってたらごめんなさい。

*橋本夢道=1903~1974。徳島県生まれ。「秋刀魚」創刊主宰。句集「無礼なる妻」「不類の妻」など。

(村上護著「きょうの一句」より)


以上


by 575fudemakase | 2019-03-26 01:43 | 自作 | Trackback | Comments(0)


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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