人気ブログランキング |

カテゴリ:無季( 1162 )

拙句 緑の俳句

拙句 緑の俳句


緑雨の忌コラムニストが取り上げて(齋藤緑雨) 高澤良一 石鏡


願掛け杉辺りの緑に囲まれて 高澤良一 暮津


万緑の入口に佇つ肩の冷 高澤良一 暮津


緑さす料理一品一品に 高澤良一 暮津


新緑にメリハリつけて塔描かむ 高澤良一 暮津


納骨の日どり決まれり万緑に 高澤良一 暮津


ぶんぶんは緑の鎧着し騎士(ナイト) 高澤良一 暮津


毒舌家齋藤緑雨の忌なりけり 高澤良一 石鏡


緑立ち放題年金暮らしかな 高澤良一 石鏡


書き損じくしゃくしゃにして紅緑忌 高澤良一 石鏡


広辞苑割れば新緑殺到す 高澤良一 石鏡


磐梯を覆ふ萬緑ひやし酒 高澤良一 石鏡


万緑の中の一川ルアー釣 高澤良一 石鏡


舞ふ落葉緑政局の管轄下 高澤良一 石鏡


緑陰に重なり透ける葉のかたち 高澤良一 鳩信


公園の緑陰街騒音縦横 高澤良一 鳩信


人も又鳩の目をして緑陰に 高澤良一 鳩信


大緑陰人・鳩・とかげ憩はしめ 高澤良一 鳩信


泊船の一つ緑に冬灯 高澤良一 素抱


緑亀はびこる池の暑さかな 高澤良一 素抱


万緑に磐を配す立石寺 高澤良一 素抱


緑立つ明治憲法草せし地 高澤良一 素抱


新緑に慣れたところで山下る日 高澤良一 素抱


鎖樋伝ひて緑雨たらたらと 高澤良一 素抱


新緑の押し寄せてゐる一山村 高澤良一 素抱


新緑の此岸に村はかたまりて 高澤良一 素抱


宿一歩出て新緑に目を細む 高澤良一 素抱


緑さす窓を雨滴の徒競走 高澤良一 素抱


緑陰に未練残して去る素振り 高澤良一 素抱


緑陰に入りて得るものあるごとし 高澤良一 素抱


大緑陰雀らしきが遠く跳ね 高澤良一 素抱


鳩の発つ風の及べる緑陰は 高澤良一 素抱


緑陰に人馴れ貌の町雀 高澤良一 素抱


緑陰の雀とんとん走り根越ゆ 高澤良一 素抱


次の旅物色しをり緑の日 高澤良一 素抱


緑陰に取り出して飲む烏龍茶 高澤良一 素抱


緑陰に莫迦げて大き忠魂碑 高澤良一 随笑


病院は緑陰ナースは白き風 高澤良一 随笑


二輪草暗緑浄土広がれり 高澤良一 随笑


足伸ばす松も緑の大仏へ 高澤良一 宿好


八幡様の緑陰貰ひ屋台建つ 高澤良一 寒暑


緑さす富貴寺の面取り柱かな 高澤良一 寒暑


英名は緑の狐のしっぽ草 高澤良一 燕音


緑さす鴻山妖怪財布かな 高澤良一 燕音


緑さす籐編み籠に籐の鳥 高澤良一 ぱらりとせ


天気もちにもって新緑寸又峡 高澤良一 ぱらりとせ


緑蔭のベンチあそこが空いてをり 高澤良一 さざなみやつこ


サイクリスト緑蔭に汗拭へるも 高澤良一 さざなみやつこ


アスパラガス長けて緑の棒畠 高澤良一 ももすずめ


つまさきだち緑蕚梅を嗅ぐ男 高澤良一 ももすずめ


万緑に抑へ込まるゝ一堂宇 高澤良一 ももすずめ


緑蔭を彼方の人も立つところ 高澤良一 ももすずめ


(末尾は句集名)

以上


by 575fudemakase | 2019-05-20 04:33 | 無季 | Trackback | Comments(0)

熊谷守一の俳句

熊谷守一の俳句


幹赤く守一夏の木を画ける 高澤良一 ももすずめ

守一の泉なるべし納戸に日 佐藤鬼房

守一忌知る由もなしどの蟻も 阿波野青畝

改めて蟻を見たまへ守一忌 阿波野青畝


以上


by 575fudemakase | 2019-05-20 02:51 | 無季 | Trackback | Comments(0)

供養

供養

あけぼのの桜開眼供養かな 石井保
おくつきにとゞきし藤や熊野供養 百合山羽公 春園
かなかなの貪る万巻供養塔 松山足羽
ギヤマンに氷を盛りて一供養 高野素十
くもり来し重さの藤の熊野供養 能村登四郎
くり出して 供養踊のすみてより 長谷川素逝 村
ここ行きて倒れし人に雪供養 山口誓子
この海の供養にともす燈籠かな 河東碧梧桐
さゞ波に源氏供養か魂祭 露川
さへづりや暁台先生塚供養 星野麥丘人 2002年
しばし火に耐へて供養の扇燃ゆ 吉田速水
そのいもを此仏にも供養かな 高浜虚子(いも供養季題創定者佐々木水天老の死去の報に接して)
ちりし花にさかりも共に供養かな 右城暮石 句集外 昭和十二年
つと起ちて供養の花を買ひにけり 比叡 野村泊月
とりかぶと部落出口の供養塔 松崎鉄之介
のびる萌ゆ間引せし世の供養塚 荒井正隆
ふぐ供養憲吉すすむ玄秀雄 尾村馬人
ほととぎす杖の仲間の杖供養 村越化石「蛍袋」
ほととぎす亡き友の杖供養せり 佐藤母杖 『一管の笛』
ゆかた着のこころにおもふ供養かな 飯田蛇笏 白嶽
わが生涯さかなに賭けてふぐ供養 尾村馬人
わが墓に散華供養を受くるところ
逢ふ人も供養の花の簪かな 比叡 野村泊月
芦の芽のはや角ぐめり蟹供養 小西康之
袷着て馳せ行くもあり橋供養 袷 正岡子規
袷著ておくれしと行くや橋供養 袷 正岡子規
一山の千灯供養月祀る 岩崎悦子
一僧の供養の雪の関ケ原 高野素十
一盆の古き文殼盆供養 高野素十
飲み食ひも供養の一つ曼荼羅会 右城暮石 虻峠
雨どうと今年の歯塚供養かな 星野立子
雲ふかく結夏の花の供養かな 飯田蛇笏
縁蔭に兜供養の祝詞あぐ 前田時余
遠来の友が供養の亥の子餅 秋葉治江
奥嶺より郭公啼きて反古供養 飯田蛇笏 山響集
黄落の宙に雲中供養佛 右城暮石 句集外 昭和六十二年
夏萩に海女が供養や志度詣 柊 村
家の人供養踊に掌をあはす 長谷川素逝 村
河童の供養句つゞる立夏かな 飯田蛇笏 霊芝
火に非ず雪の大文字何供養 山口誓子
火を焚きて餞暑の磯に供養せり 茨木和生 倭
花と降露も供養の光かな 桜井梅室
花の塵うち敷く茶筌供養かな 上田五千石『森林』補遺
花冷えの石積みあげて鳥供養 下田稔
花剪つてすぐ吹き降りの盆供養 広瀬直人
芽柳の触れゐる鰻供養の碑 花田由子
餓死供養塔にふれては朴落葉 小川 真砂二
戒名のみな美しき盆供養 外川玲子
海峡の真中にふぐの供養船 玉井深水
蟹供養夜雨なごりの船だまり 大森杏雨
貝まつり栄螺供養の味となり 飯島ちゑ子
額の花雨の日多き竹供養 肌勢円女
寒木に目白寄せたり鳥供養 石塚友二 玉縄抄
棺の母に 最も近寄り 一枝供養 伊丹三樹彦
岩桔梗路傍供養の石積めり 篠田麦子
帰り来て踊るも盆の供養かな 浜岡常生
鬼をこぜ鰭をひろげて供養膳 手塚美佐「中昔」
泣くもまた笑ふも盆の供養かな 田邊正人
供養されゐて生鰒が目をつむる 一丸文子
供養とて鰻を湖に捨てをれり 相生垣瓜人 負暄
供養とは語り継ぐこと梅白し 杉村凡栽
供養碑の梵字つやめく杏花雨 湯浅晴見
供養米提げて片蔭ひろひゆく 関戸靖子
業平と母とに花の供養莫し 阿波野青畝
空蝉や娼妓とありし供養塔 山岡よね子
熊供養勢子は古代をよそほへり 小野誠一
桑の実の一枝を供へ繭供養 熊田鹿石
啓蟄や敵も味方も供養の碑 角川源義
検校碑ふぐ供養塚蓮の香に 高澤良一 素抱
護摩壇に供養の扇飾りけり 高須賀得二
喉仏無き人形の供養かな 中嶋秀子
江ノ島の春ふかまりし貝供養 太田昌子
江ノ島の春深まりし貝供養 太田 昌子
紅をもて子規忌供養す曼珠沙華 右城暮石 句集外 昭和四十七年
荒海へ供養の蜜柑投げ続く 相生垣瓜人
菜の花や母が供養の仏たち 小林康治 『四季貧窮』
三味線を弾いて供養の葉ざくらや 久保田万太郎 流寓抄
思ひ出すことも供養の雪割草 気田妙子
施主の座といふもいつまで盆供養 北見さとる
紫陽花を溢れ手向けし塚供養 高木晴子 花 季
蛇穴に入る苔寺の供養塔 長沼史子
秋の蛾の張りつく万霊供養塔 川崎展宏
秋の宿先代供養の茶を饗す 大野林火 飛花集 昭和四十三年
秋刀魚食ひ放題秋刀魚供養とよ 塩川昭子
秋冷の日々新たなる供養華 松村蒼石 寒鶯抄
十夜寺投銭供養の音つづく 浜野桃華
順礼千人止宿供養碑曼珠沙華 西本一都 景色
初夏や漆の街の箆供養 塚原允子
初竃祖先供養の火打ちかな 池上奈々子
初天神兼ねて筆塚供養とよ 石塚友二
初盆の供養踊をうけてをり 長谷川素逝 村
小春日のクルスうするる供養塔 塩谷はつ枝
小雪舞ふ扇供養の篝かな 山本義久
松の芯兜供養の数珠繰れり 岡田小夜
丈六に白息供養 五尺の身 伊丹三樹彦
畳這ふ蟻を見逃し盆供養 大上すみ枝
織初も供養心に一糸一糸 福田蓼汀 秋風挽歌
森供養百の仏に石を積む 佐藤栄美
神官の咳き込んでをり鱈供養 小野誠一
人形の供養に揺るる糸ざくら 石川英子
人形供養末期の水も貰はずに 菖蒲あや
水澄むや忘れぬことを供養とす 牧川昌子
清盛も三成も来よ盆供養 高野素十
青い目の人形も供養花の寺 山本英子
惜しみなき千草の花の供養かな 西島麦南 人音
蝉時雨のなかや雲中供養佛 森澄雄
川地蔵供養稲の香むせるなか 高澤良一 ぱらりとせ
扇焚く供養はなやかにも哀し 村上杏史
善き人の花の供養や仏生会 正岡子規 仏生会
僧兵の石仏蝶の供養飛び 右城暮石 句集外 昭和五十五年
想ひ起すことが供養の原爆忌 石山佇牛
掃苔や一村餓死の供養塚 田崎英治
草の絮飛び来る石の供養塔 右城暮石 天水
苔に花咲かせ永代供養石 北野民夫
大根の供養のあとの法話かな 比叡 野村泊月
大仏の落慶供養鹿もうく 右城暮石 句集外 昭和五十五年
滝供養とも滝の句碑供養とも 後藤比奈夫
昼月に炎を供養なる芦火かな 宮武寒々 朱卓
朝からの何の供養ぞ華鬘草 後藤比奈夫
潮入川潮押しもどす盆供養 能村登四郎
蔦の芽や禽獣蟲魚供養塔 海老原真琴
釣釜の環大いなる供養かな 神尾久美子
冬山路一石一宇供養塔 福田蓼汀 山火
湯殿詣で師の句碑に置く供養銭 菅原庄山子
答案用紙どんどに託す供養かな 村山砂田男
撞かねの供養も果てゝ合歓花 子曳
道傍におにぎり供へ森供養 石川慶治
毒で死ぬ世のなつかしきふぐ供養 鈴木貞雄
栃の実や一村餓死の供養塔 高橋八男
南瓜供養中風の気などなかりけり 今井良枝
南方にさまよふ魂を盆供養 阿波野青畝
日焼童女の弾みや雲中供養仏 加藤知世子 花寂び
濡れて着く忌明の供養花葵 宮武寒々 朱卓
猫の名を供養幟に寺の秋 加藤元子
八講の湖にとどろく法螺供養 片岡青苑
晩涼や川の中なる供養塔 吉屋信子
百日の夏書の筆を供養かな 菅原師竹
漂着の平家供養の盆踊 山口誓子
負ひ来り杉苗栽うる供養かな 西本一都 景色
附き人が菩薩を扇ぐ練り供養 右城暮石
焚火して妻のみの知る供養かな 右城暮石 句集外 昭和五十六年
片腕が残り人形供養果つ 藤岡筑邨
墓のべの草を焼きしも供養かな 高野素十
母たちの供養乳房や根雪解く 能村登四郎
法灯のさゆらぎおぼろ蟹供養 藤田隆子
忘却も供養の一つ秋彼岸 森白象
北方の土を供養す冬ごもり 宮武寒々 朱卓
盆の燈を点す鰻の供養にも 山口誓子
無宿人供養の寺やみむらさき 北見さとる
茂山に反古の煙たつ供養かな 飯田蛇笏 山響集
落選の句の供養せむ納め酒 鷹羽狩行
緑雨たつぷりそそぎて魚鳥供養の碑 鷲谷七菜子 一盞
練り供養鞍馬の山の雲珠桜 田口一穂
路地裏の細き三国の蟹供養 酒井久子
蝋涙の指に伝はる星供養 沢木欣一
巫女一つづつ雲丹海に雲丹供養 上甲 明石
盂蘭盆会馬の供養に水一升 奈良英子
贅つくす水子供養の風車 清崎敏郎
鶫啼く○に卍の供養塔 佐藤哲夫

以上

by 575fudemakase | 2019-05-16 17:30 | 無季 | Trackback | Comments(0)

法事 法要 法会

法事 法要 法会

お法会に影絵あるよし朧かな 飯田蛇笏 山廬集
しぐれして日曜毎の法事かな 大野林火 月魄集 昭和五十五年
しやぼん玉父の法事にはじけおり 宝 法子
ぞろぞろと焼野より来る法事人 野澤節子 八朶集
ただ眠き法会づかれや秋の雨 河野静雲 閻魔
にぎやかに別れて余花の法事かな 茨木和生 丹生
ひとしきり剌羽渡りし法事かな 本村蠻
ふるさとは法事の膳につくし飯 田中冬二 俳句拾遺
ゐのこづちとりきれず法事はじまりぬ 小間さち子
牡丹の残りし花に法事かな 松本たかし
夏雨に母が炉をたく法事かな 杉田久女
夏炉辺に電灯ひきし法事かな 杉田久女
夏炉辺に電燈ひきし法事かな 杉田久女
寒いのでほんの身内だけの法事梅さく 荻原井泉水
魚類でも法事はさびし杜若 鈴木道彦
金剛寺法事待つ間の端居弟子 村山古郷
御法会の埓もとらぬに春の雨 松窓乙二
紅葉見や法事くづれの女たち 草間時彦 櫻山
山茶花や法事普請も三年振 野坡
散はなの村へ酒もる法事哉 露川
十夜法要堂を破らんばかりの鉦 高澤良一 随笑
十夜法要囃す鉦方念仏(ねぶつ)方 高澤良一 随笑
新じやがをほろほろむけば法事来る 大木あまり 山の夢
生甲斐に今日の法事や燕飛ぶ 増田龍雨 龍雨句集
青故郷法事一つに繋がりて 高澤良一 さざなみやつこ
雪霏々と日暮れて帰る法事僧 村山古郷
扇風機の風強くして法事終ふ 大吉敬子
藻の花に日高くなりし法事かな 大峯あきら
替へられし障子のうちの法会かな 大橋櫻坡子 雨月
大太鼓会式法要導きて 小松まり子
陳者と十夜法要の通知かな 小山繁子
追儺法要転読海東法窟に 高澤良一 石鏡
庭先の山吹を折る法事かな 山吹 正岡子規
藤垂るる法事の僧を呼びにゆく 廣瀬直人
道にたたむ法事戻りの雪の傘 大野林火 青水輪 昭和二十三年
萩あかり雨の法要長びきぬ 井上 雪
萩見るや法会の後チの酒の後チ 尾崎迷堂 孤輪
武家紋の羽織でありし法事客 猪俣千代子
風光り雲も飛天の大法会 狹川青史
菩提寺の法事にまぎる花の客 角川春樹 夢殿
法事すみ心安けし若葉雨 田中冬二 俳句拾遺
法事の座早稲田を渉る風入れて 河島唯成
法要につぐ観劇のもみぢ狩 飯田蛇笏 雪峡
法要に一人遅れし寒さかな 山崎ひさを
法要のあとの母ゐる紫蘇畑 河野真(白露)
法要の家出て落花浴びゐたり 沢木欣一
法要の座を駈け抜けて恋の猫 上山本一興
法要の妻の咳きうしろより 上野泰
法要の朱扇も秋の扇かな 渡辺大円
法要の集りよくてかりんの実 高澤良一 ねずみのこまくら
法要の足を投出し十夜婆 脇坂佳治
法要の箸とる僧や雪起し 飯田蛇笏
法要茶会時雨よりややにぎやかに 石田波郷
蜩の鳴き高まりし法会かな 森田 愛子
蜩やふくめばとける法事菓子 長谷郷子
鰆一匹とどけくれたり法事かな 高島茂

以上

by 575fudemakase | 2019-05-16 17:30 | 無季 | Trackback | Comments(0)

手向け

手向け

いちまいの瓦の上の手向け雛 友岡子郷
うぐひすにもらひ啼して手向哉 梢風尼
グラジオラス手向けてガイド嘉門次碑 宮脇白夜「天使」
さくら子に手向の花やよしの帋 馬場存義
しぐれ来ぬ手向けの笹の音にのりて 久保田万太郎 流寓抄
とし/\や煤よう掃て手向水 炭 太祇 太祇句選後篇
とし~や煤よう掃て手向水 炭太祇
どの墓もさかりの菊の手向かな 吉武月二郎句集
にぎやかに手向けて淋し草の花 正岡子規 草の花
ばせを忌に薄茶手向る寒さ哉 樗良
みそはぎもゆかりのいろぞ手向水 玉牙 百羽かき
むらさきに見よや桔更を手向艸 高井几董
めざましき手向草なり百合つゝじ 成田蒼虬
メロンーつ手向けられたり流れ星 阿波野青畝
よみ哥をひそかに星の手向哉 高井几董
りんだうをしとど手向けてしまひけり 小池文子 巴里蕭条
わが手向冬菊の朱を地に点ず 橋本多佳子
わが庭の鶏頭手向け安心す 星野立子
綾羅着て星の手向けの母娘かな 高橋淡路女 淡路女百句
粟稗の間にならべし手向酒 暁雨 解夏草
遺句集を手向ける墓に法師蝉 中里行雄
一ひらの濃ゆき紅葉を手向かな 富安風生
一鍬を手向にとるや新糀 基角
一本の手向草なる紅芒 石田勝彦 秋興以後
姥神に手向けむ山の白桔梗 雨滴集 星野麥丘人
乙姫の手向の歯朶かうき身宿 松窓乙二
何がなと茶の口切を手向かな 斜嶺
花菖蒲手向く翁に木曾殿に 山口青邨
海山の夏をも借て手向かな 桜井梅室
外様迄手向の梅を拝みけり 基角
寒椿黒き佛に手向けばや 寒椿 正岡子規
忌ふたつ黄菊白菊手向くべし 福田蓼汀 山火
菊幾霜かれぬ命を手向哉 五明
菊栽て身の手向とはよもやそも 小西来山
京舞の手向けもありて大石忌 中田はな
金魚手向けん肉屋の鉤に彼奴を吊り 中村草田男
君に会ふ年に一度の百合手向け 皆谷露子(青海波)
軍旗に手向うなの気球に北風の吹きつけている風景 栗林一石路
血塚ありわが白息を手向けけり 阿波野青畝
健次の墓仏桑花にも水手向け いさ桜子
堅固なる所手向よ菊の花 露川
古き香に白菊咲いて手向かな 菊 正岡子規
枯菊を焚いて忌日の手向けとも 太田きん子
紅扇手向け太夫の墓としぬ 阿波野青畝
国の子はわろさいふらん手向花 智月尼
魂祭舟より酒を手向けり 亀洞
在祭木葉山女を手向けとし 飴山實 『次の花』
在祭木葉山女を手向とし 飴山實 次の花
四九の文か手向の花を折懐紙 木因
師へ手向く焚火と云ひて囲みけり 今倉良杉
死なざれば月光の斑を手向草 小檜山繁子
紫陽花の厚物咲も手向かな 上田五千石『琥珀』補遺
紫陽花を溢れ手向けし塚供養 高木晴子 花 季
鹿も居らず樵夫下り来る手向山 正岡子規
釈迦銭や涅槃に帰る手向種(たむけぐさ) 椎本才麿
手にしたる赤のまんまを手向草 富安風生
手を合はす背きし人に百合を手向け 稲垣きくの 牡 丹
手向くはただ雨ゆく靴音雑草忌 古沢太穂 火雲
手向くべき線香もなくて暮の秋 夏目漱石
手向くるに似たりひとりの手花火は 馬場移公子
手向くるは今飛ぶ雪の他あらず 齋藤玄 『玄』
手向くるや余寒の豆腐初桜
手向けけり芋は蓮に似たりとて 松尾芭蕉
手向けたる榊の花も蕾ぞや 三条一女
手向けたる三鬼の酒をもらひ咳く 右城暮石 句集外 昭和六十二年
手向けたる七個の池の水の色 飯田蛇笏 霊芝
手向けて独語 鶏頭こそは亡父の花 伊丹三樹彦
手向けなん玉子の糸ととろろの糸 立花北枝
手向けの句ふところに秋深き旅 林三枝子
手向けばや余寒の豆腐初桜 正岡子規 余寒
手向けり雨にぬれたるはなの枝 森鴎外
手向なん玉子の糸ととろゝの糸 北枝
手向ばや梶の若葉に旅硯 中川乙由
手向ばや霜の小菊のしたしみの 梢風尼
手向山の紅葉に鹿を愛すかな 河東碧梧桐
手向山有明ざくら咲に鳧 加藤曉台
手向草石蕗の葉なども頼もしき 成田蒼虬
手向草半月はやき熟柿哉 尚白
秋は馬場の大盃も手向かな 内藤鳴雪
秋耕やあらはの墓に手向花 水原秋櫻子
十方の手向取次くひなかな 梢風尼
出帆に手向けし冬の虹衰ふ 山口誓子
飾る歯朶や門松が枝の手向草 季吟
水仙に筆勢も有手向草 中川乙由
水仙やまだ葉斗の手向草 成田蒼虬
雛舟や手向けのごとく桃一枝 大野林火 飛花集 昭和四十六年
雛流し手向けの花も濤の上 岡本 眸
星合や念仏手向る尼御前 三宅嘯山
石竹に小石もがなと手向けり 秋之坊
雪解水手向けて仏光らせり 白鳥あい子
絶せぬは手向の草の花かたみ 凉菟
草の花摘みて手向けむ塚もなく 富安風生
草枕あり其稲穂手向かな 杉風 (翁塚の記)
草枕有礒の稲穂手向かな 杉風
胎割らぬ通草を手向け母の墓 阿波野青畝
昼がほにあつい泪を手向哉 浪化
朝鮮の紅梅を手向け奉つる 紅梅 正岡子規
定家に手向けむ花やはつか草 片桐良保
庭稲荷にも手向けある冬至粥 藤田美乗
塗盆に星の手向けの大西瓜 高橋淡路女 梶の葉
土の黄な蝶に手向や花の露 笹分 俳諧撰集玉藻集
冬の菊手向けて永久の別れかな 施 春香
冬椿梅は憚かる手向かな 土芳
唐秬も糸をたれたる手向哉 基角
濡れ仏海女が手向ける曼珠沙華 児島千枝
年月の夢と時雨を手向かな 嵐竹
念仏を手向け吉野の雛流し 原田しずえ
芭蕉忌にうす茶手向くる寒さかな 樗良
拝殿の御簾あら寒の手向山 後藤夜半
白扇古郷と書て手向けり 田川鳳朗
白息も手向けるものぞ 枕経 伊丹三樹彦
爆竹を手向け精霊流しかな 瀬戸久子
畑人のくれしを星の手向とす 木村蕪城 寒泉
彼岸とて誰に手向けん蕗の花 正岡子規 彼岸
百合を手向け相剋つひに容れざりき 稲垣きくの 牡 丹
百合手向く天草望む父母の墓 安野良子 『篝火草』
芙蓉の実枯れ立つこれをしも手向けむ 山口青邨
仏にも神にも手向け菊の酒 針ヶ谷里三
墳らしき嵩に手向の木の実かな 鷲谷七菜子 天鼓
亡き母へ手向けの写経寒燈下 近江小枝子
北壁に手向けか天の春北斗 有働亨 汐路
野の花を手向けて里の雛送り 植松 昌子
薬草も花で手向る夏野哉 中川乙由
遥か来てりんだう手向く束ほぐす 小池文子 巴里蕭条
里人もこゝへ手向よ寒の紅脂 望月宋屋
流し雛手向けの花も濤の上 岡本眸
旅のあはれ手向せうものばせを仏 松窓乙二
旅人も手向けて居るや施餓鬼棚 比叡 野村泊月
良寛に春の形見の香手向く 竹内遊人
路の子に蜻蛉もらふ手向かな 一笑(金沢)
曼珠沙華信長廟に手向けあり 馬詰圭子
癩の墓暮夜来て手向けたる菊か 大野林火 白幡南町 昭和三十年
籬より折りて手向けよ花木槿 山口青邨
鵙も声手向く逆さま地蔵尊 右城暮石 句集外 昭和五十二年
鵙晴の一天手向けたる葬 桑田青虎

以上

by 575fudemakase | 2019-05-16 17:29 | 無季 | Trackback | Comments(0)

葬式 葬儀

葬式 葬儀

たいそうな葬式すんで秋高し 仙田洋子 雲は王冠
だんだんと仕上ってゆくお葬式 遠藤進夫
ビルの便所で見た顔と葬式の日に出会う 仲上隆夫
炎天の葬儀モノクロ映画のやう 岡崎光魚
絵硝子に冬日の咲ける葬儀ミサ 大石悦子 百花
擬宝珠咲く葬儀三日の夕間暮 廣瀬直人
空に浮く横目ばかりの屋上葬儀 金子兜太
空碧し朝は閑かに葬儀場 日野草城
鶏がしっかり歩くお葬式 田中いすず
口あけて見てをり豪華なる葬儀 佐藤鬼房
妻あるも地獄妻亡し年の暮(十余年病み疲れて逝きし妻の葬儀を了へ) 石原八束 『断腸花』
紫陽花頭を寄せて葬儀の人のごとし 大串章
秋の炉辺葬儀帰りの荷がひとつ 飯田龍太
春の西日明日の葬儀の樒運ぶ 右城暮石 声と声
寝不足の故にも寒しお葬式 高田風人子
喪の美し立子汀女を巻く落花(虚子先生御葬儀) 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
葬儀車の顔らに 緑樹の明が 暗が 伊丹三樹彦
葬式に従兄弟集まる柿の花 廣瀬直人
葬式に来ている故人龍の玉 森田智子
葬式のきものぬぐばたばたと日がくれる 尾崎放哉 須磨寺時代
葬式のだんだん前へ押し出され 鈴木里隹
葬式のもどりを少し濡れて来た 尾崎放哉 小豆島時代
葬式のやがて始まる蝿叩 小島健「木の実」
葬式のやがて始まる蠅叩 小島健 木の実
葬式の幕をはづす四五人残つて居る 尾崎放哉 須磨寺時代
葬式饅頭焼けてかうばし梅雨籠 嶋屋都志郎
霜の朝葬式にゆく園児達 飯田龍太
暖い大三十日の淋しい葬式が通る 荻原井泉水
竹煮草葬儀へ父の時計持ち 飯田龍太
天領の村の葬儀や納豆汁 木下咲子
同門の葬儀に参る薄かな 河東碧梧桐
汝よ汝の葬式に行く冬日低く 中村草田男
麦秋の亡者を埋むる土の音 麦南 (石原舟月君母堂葬儀)
百日紅町内にまたお葬式 池田澄子
父酔ひて葬儀の花と共に倒る 島津 亮
繭白し火事も葬儀もなき暮天 飯田龍太
明日逝く妻と葬儀のことを話合う 五十嵐研三
六月の穀象いでし葬儀米 萩原麦草
佗助や葬式まんじゅう大ぶりに 吉田朱鷺
囀る日葬式まんじゆう薄みどり 中尾寿美子
聲がして葬儀半ばの雀の子 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
苺買ひに行くや葬儀の委員として 右城暮石

以上

by 575fudemakase | 2019-05-16 17:28 | 無季 | Trackback | Comments(0)

通夜

通夜

あかあかと通夜の焚火をうち囲む 鈴木 昭次
あたたかき蛇をり通夜の暗がりに 中村苑子
いちりんの菊うきうきと通夜の客 穴井太 土語
うそ寒や乱れて続く通夜の列 乙武佳子
おとり越炭盗人や通夜の僧 千那
お袋が泣いて栄坊のお通夜になる青枝豆の莢 橋本夢道 無禮なる妻抄
ががんぼの脚の震えや通夜の席 秋武つよし
こほろぎや通夜の返しの酒溜り 岡本眸
さそり座の尾にさされけり通夜帰り 杉山とし
しみじみと新酒噛みしめ通夜の客 白岩 三郎
ちゝろ鳴き一人となりし通夜の客 岩岡明子
つぎつぎて通夜の火鉢に炭乏し(長男十六郎逝く一月二十九日二句) 上村占魚 『球磨』
トイレの水音もあったりして通夜の中 植田次男
どつと笑ふ通夜客の座へ障子白し 草間時彦 中年
なずな季田沼の通夜は泊りがけ 高澤良一 石鏡
ひやゝかに扇しめりぬ通夜の暁 黄治
ほととぎす通夜の枕は扇かな 青峩 五車反古
まだ花のなき萩を詰め通夜仕度 中戸川朝人 星辰
ものうい通夜の星空へ夜業の煙が黒々とのぼつている 橋本夢道 無禮なる妻抄
わりなしや夜寒を眠る通夜の人 正岡子規 夜寒
遺族ら若い舌打 通夜の穴子汁 伊丹三樹彦
一の字に浮びし鯉も春の通夜 宇佐美魚目 天地存問
一蛾だに許さず通夜の刻更くる 岸風三樓
一人がないて通夜のひとびと凍み入りぬ 細谷源二 砂金帯
一村が通夜のしづけさ夏の月 鷹羽狩行
烏瓜の花におどろく通夜帰り 松崎鉄之介
嘘の髪かぶりて泣けりしぐれ通夜 平井さち子 紅き栞
鴎しきり鳴くこの通夜の明易き 富田木歩
黄菊白菊通夜の盃をんなにも 寒食 星野麥丘人
果樹園を照らして通夜の酔ひどれども 佐藤鬼房
火のかたちこゑのかたちや涅槃通夜 黒田杏子 花下草上
花の枝ふたたび通夜の灯に浮かび 南 うみを
華やぎは通夜の家のみ藪椿 鷹羽狩行
蚊遣火の匂ひが通夜の席にあり 本宮哲郎
外套やまだめぐりゐる通夜の酒 大野林火 青水輪 昭和二十六年
柿真赤弔者五人の通夜の座に 大野林火 白幡南町 昭和三十年
括り萩来馴れし家を通夜に訪ひ 岡本眸
刈田見てゐて通夜の時間の整ひし 能村登四郎
寒く笑って 通夜の線香の継ぎどき 知る 伊丹三樹彦
寒の闇動かして行く通夜帰り 神長裕子 『苦楽園』
寒の通夜猫よりもよく目が見えて 熊谷愛子
仰ぎゆく通夜の寺まで夏の月 高澤良一 寒暑
金鵄勲章虫鳴く通夜の枕辺に 亀井しげ子
九々表にないいとこ半の通夜に来てゐる 加藤郁乎
月下美人通夜の戸口に開きけり 池田鶴月
月島の祭の中の友の通夜 松崎鉄之介
月明の山々見ゆる通夜の家 茨木和生
元日の宵や通夜の灯ともさるる 村山古郷
古畳煌々と照り通夜に入る 伊丹三樹彦
五加木飯通夜もまつりのこころあり 岡本 高明
後の月ニコライ堂に通夜の弥撒 原田しずえ
御僧の一樽まゐる涅槃通夜 上田五千石『風景』補遺
御灯青く通夜の公卿衆の顏寒き 寒し 正岡子規
更けゆくや雨降り変はる夜の雪 碧童 (昭和十二年二月一日碧師病歿、通夜)
溝萩や笑ひももれて老の通夜 能村登四郎
紅燈は通夜小屋 四隣にもの炒る火 伊丹三樹彦
婚の膳通夜の夜食に衣被 甘田正翠
最も泣きぬ霜降る通夜の終の客 鈴木鷹夫 渚通り
妻の通夜裘着たる杣頭 三浦勲 『生きる』
祭好きの母の通夜なり祭笛 古賀まり子
祭注連断ち先生の通夜仕度(先生逝く) 中戸川朝人
祭注連断つ刃を使ふ通夜仕度 中戸川朝人 星辰
昨日までおはせし炬燵に通夜の雪 吉屋信子
山会の納めの会や君の通夜 山口青邨
四五人の新入生と通夜にゆく 岸本尚毅 舜
枝豆の運ばれてくる通夜の席 嶋名栄子
死後も貧し人なき通夜の柿とがる 西東三鬼
時鳥通夜の枕は扇かな 青蛾
煮大根を通夜の畳の上に置く 草間時彦
酒すこし飲んで別れぬ通夜の凍て 石原八束 空の渚
秋の雨通夜の座布団ゆづり合ふ 舘岡沙緻
秋の通夜その人の書をポケットに 奈良文夫
秋陰の濃く通夜堂といふとかや 後藤比奈夫
十六夜の光にさゆれて通夜の客 佐野美智
春さむし通夜の夜明の仮枕 鷲谷七菜子 天鼓
春ならば襖ひらきて通夜の座に白木蓮しづく闇を添ふべし 明石海人
春の蚊の血の腹透けてみゆる通夜 野ざらし延男
春の通夜土塀匂へり侍町 杉本寛
春寒やわが通夜に来し火喰鳥 磯貝碧蹄館
春昼のそのまま月となりし通夜 宇佐美魚目 天地存問
初秋や通夜の灯うるむ花氷 渡辺水巴 白日
少年の泣く夏菊の通夜なりし 蓬田紀枝子「青山椒」
硝子戸の秋風通夜をふかめけり 大野林火 海門 昭和八年
身に入むや通夜の灯として瞬けば 鈴木真砂女 夏帯
酢もづくが小鉢にありぬ通夜の酒 燕雀 星野麥丘人
星の通夜娘幾人すぐりたて 杉風
青嵐まだ吹き足らぬまゝ通夜へ 高澤良一 暮津
石道の露の奥処や通夜の燭 角川源義
積む雪や通夜のあかりの一つ消ゆ 井上雪
雪折や通夜の時また流れ出す 上田五千石『田園』補遺
先生の通夜の炭火でありにけり 鈴木しげを
線香火消えた と 揃って声出す通夜の衆 伊丹三樹彦
僧あまた炉辺に眠れる涅槃通夜 森白象
僧去りてより通夜の座の寒さかな 大熊輝一 土の香
草清水湧くこの村に通夜ありぬ 中田剛 珠樹
草踏んで通夜の飲食露けしや 岡本眸
霜くすべ通夜の大空蔽ひゐる 飯田龍太
霜の通夜不幸が会はすはらからなり 松崎鉄之介
霜の夜の膝送りせる通夜の席 朝妻 力
足袋先の冷えしんしんと父の通夜 鈴木愛子
大寒の橋一つある通夜の道 岸田稚魚 筍流し
沢庵をたづさへてくる通夜の客 佐川広治
炭ついで父のわれのみ通夜ひとり 上村占魚 球磨
短夜や隣の通夜の預り子 野村喜舟
地虫出づ一夜の通夜の薄明に 宮坂静生 雹
遅霜のことひそひそと通夜の客 桜井筑蛙
朝寒や通夜から戻る二人連 内藤鳴雪
長き夜や通夜の連歌のこぼれ月 蕪村
通夜あけて楡の下道梅雨乾く 飯田蛇笏 白嶽
通夜ありて良夜の句会一人欠く 高澤良一 ねずみのこまくら
通夜くらく津軽ねぶたの遠囃子 福田柿郎
通夜にすこし早く来すぎて葱暮色 登四郎
通夜に来る人みな草の実をはらひ 宮井港生
通夜のため大知識人枯野来る 鈴木六林男
通夜のテントに笛吹きて遺児街は祭 古沢太穂 火雲
通夜の家虫の仔細を聞くばかり 武田和郎
通夜の家田植えの話まぜこぜに 武田伸一
通夜の火鉢部屋の最中に人集む 松崎鉄之介
通夜の帰路月の物影選り歩く 大熊輝一 土の香
通夜の客が梅の花ほど梅の家に 西川徹郎 家族の肖像
通夜の客去りて底冷え始まりぬ 竹中寿一
通夜の客月下美人を見て帰る 浜田枯村
通夜の客籠の雲雀を覗き込む 岸本尚毅
通夜の兄弟ひとつ文旦むきにけり 邊見京子
通夜の月あまりに高くありにけり 寒食 星野麥丘人
通夜の戸口宵をはやむる月さして 大野林火 海門 昭和八年
通夜の座にあり風邪の身をいたはられ 安住敦
通夜の座にとび来て金亀子なりし 岸風三樓
通夜の座の飲食厚き舌鳴らし 国谷鬼灯子
通夜の座の浅き縁や隙間風 大沼栄子
通夜の座の端に柿剥くひとありぬ 寒食 星野麥丘人
通夜の座や梅雨の降り音またかはる 榎本冬一郎 眼光
通夜の時よりかゝなべて鳴く虫よ 安斎櫻[カイ]子
通夜の酒ふくみて友の秋思とす 萩原麦草 麦嵐
通夜の燭じじと燃えつく夜の蝉 小谷紫乃
通夜の席の詩集の話 花ゆらぐ 伊丹公子 沿海
通夜の雪指に影置く黒真珠 吉野義子
通夜の膳割きある茸の肉白く 北野民夫
通夜の窓ことり~と添水かな 内藤鳴雪
通夜の窓ごとり~と添水かな 内藤鳴雪
通夜の灯に夏藤しろき喜雨亭居 能村登四郎
通夜の灯に山茶花淡し遠汽笛 玉村夜音女 『さんご玉』
通夜の灯に照らし出されし捕虫網 中川須美子「花びら餅」
通夜の灯に飛び来し火蛾の打たれけり 名高栄美子
通夜の灯に来てはぶつかり金亀子 粟賀風因
通夜の灯のこぼれておりぬ雪柳 紺良造
通夜の灯のまぎるることのなき朧 片山由美子 水精
通夜の灯の洩れて突立つ一冬木 佐藤母杖 『一管の笛』
通夜の灯の溝に届かず半夏雨 菖蒲あや
通夜の灯の届くところも虫鳴けり 茨木和生 倭
通夜の灯の滲む余寒の水たまり 山田閏子
通夜の灯は裸がよかれ春時雨 青木重行
通夜の灯や嘴の如くに冬の百合 赤松[けい]子 白毫
通夜の賑ひ離れ寝の蚊帳風立ちし 小澤碧童 碧童句集
通夜の目を覚せと梅の雫哉 中川乙由
通夜の夜に喋る時計やエジソン忌 大熊坩火
通夜の夜の花魁草のまどろまず 後藤比奈夫
通夜の夜の冷酒菊正君も飲め 安住敦
通夜の梨さくさく噛んで人少な 占魚
通夜の燗人肌とふはすさまじき 西川 織子
通夜の鮨まぐろが赤き夜寒かな 草間時彦
通夜までのすこし暇(いとま)の昼蛙 松本たかし(1906-56)
通夜までのすこし暇の昼蛙 松本たかし
通夜までの仮寝に匂ふ根深汁 辻前冨美枝
通夜までをすこし暇の昼蛙 松本たかし
通夜まどろむ父の遺骸の裾に侍し 伊丹三樹彦
通夜をして戻りし日からたゞに冴ゆ 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
通夜寒からぬばせを葉の蔭 完来
通夜寒し居眠りて泣き覚めて食う 西東三鬼
通夜寒し波郷夫人を目に追ひて 石川桂郎 高蘆
通夜帰り雨降りしきる稲の花 江原博子
通夜客の果てて向き向き藺座布団 青谷小夜(春月)
通夜更くや嗚咽湧くかに遠蛙 聘 佐々木草馬
通夜更けて河鹿のことを誰か言う 味元昭次(蝶)
通夜更けて身内ばかりや霜の声 滝川名末
通夜混みて屏風が倒れかゝりけり 森田峠 三角屋根
通夜酒にこめかみいたむ枯れ三日月 山本つぼみ
通夜酒や死者讃う顔グラスに燃え 伊丹三樹彦
通夜僧の経の絶間やきりぎりす 夏目漱石 明治二十四年
通夜暖か母よみんなが来てゐます 荒井正隆
通夜堂にまだき夜寒を覺えける 正岡子規 夜寒
通夜堂の前に粟干す日向かな 粟 正岡子規
通夜堂や遍路の飯の高盛られ 松崎鉄之介
通夜堂や緑の中の百日紅 正岡子規 百日紅
通夜番の角々に立ち蚯蚓鳴く 山田節子
通夜明けてあふげる空に鰯雲 瀧春一 菜園
通夜明けぬましろき雪を掻きにいづ 大野林火 海門 昭和十一年
通夜余寒火葬許可証ふところに 田中鬼骨
通夜用意して秋晴を吟行す 茨木和生 倭
底冷えの職に殉ぜし友が通夜 渡久地 潔
底冷の通夜蝋燭の炎揺れ 小西禎子
冬の星仰ぎて通夜の聖堂に 稲畑汀子
冬の暮戻りて知りし通夜にゆく 大野林火 飛花集 昭和四十四年
凍星や通夜の泪を払ひ切る 吉井秀風
東山西山花の涅槃の図(専念寺通夜) 殿村菟絲子 『旅雁』
日向ぼこせり夜は通夜に行く身にて 大野林火 雪華 昭和三十八年
葱畑の暮色や通夜に早すぎて 能村登四郎
猫の子と通夜の僧侶を迎へに行く 福田甲子雄
年用意かててくはへて通夜二つ 鷹羽狩行
梅白し門灯に通夜明けし家 中拓夫
白き息賑やかに通夜の線路越す 岡本眸
白息の浮かびては消ゆ通夜の灯に 右城暮石 句集外 平成元年
白梅や旅装でもどる通夜の家 橋本榮治 越在
妃の供華をはじめ薔薇の通夜となる 皆吉爽雨 泉声
百合も蘭もふとにぎやかな通夜用意 平井さち子 紅き栞
貧しき通夜アイスキャンデー噛み舐めて 西東三鬼
夫、逝く、四月十六日京に着くと日記に標して専念寺にて通夜 殿村莵絲子 雨 月
夫の背を通夜へ送りし枇杷の花 岡田 和子
風鈴や廊下に坐る通夜の客 角川春樹「海鼠の日」
風鈴をつとはずしけり通夜の客 赤松一鶯
仏生会につづける通夜の冷えにけり 水口楠子 『泉汲む』
鮒忠の灯と並び冴ゆ通夜の灯 石原八束 空の渚
母逝きし通夜の裏戸の星月夜 角田ともえ
盆梅の開ききつたる通夜の家 本間ミツエ
埋火や通夜の戻りの酔すこし 草間時彦
満月に稚魚さんの通夜寒からぬ 上田五千石 琥珀
霧の通夜農夫ランプをいくつも借りて 細谷源二 砂金帯
明易の通夜酒なれば酔ひもせず 安住敦
木枯の吹きたまりけり通夜の屋根 草間時彦 中年
木曽寺や客と通夜して玉祭 水田正秀
夜寒さの通夜の御堂と壁一重 大谷句佛 我は我
夜明けぬと通夜の戸繰りぬ春の雨 佐藤紅緑
夕焼けて羅刹のごとく焦土ゆく(故小川貴章の通夜に参席して空襲にあひ、翌日東長崎より歩いて丸之内の勤先に出で、それより夜に入つて世田谷へ帰りつく、五月二十五日) 石原八束 『秋風琴』
竜角散なめて野分の通夜に行く 舘 柳 歩
涼しいねと通夜の遺影のおん眼もと(悼大野林火先生) 殿村菟絲子 『菟絲』
隣人の通夜にさそひあふ主婦たちのいきいきと夜の道に笑ふこゑ 田谷鋭
鈴虫の声噴きのぼる通夜の家 堀口星眠 営巣期
露の夜の空のしらみて来りけり 万太郎 (鏡花先生お通夜の末席にありて)
露ふかし見はからひ立つ通夜の席 能村登四郎
涅槃通夜この世の吾に影法師 三好潤子
筍の皮脱ぐ通夜のこぼれ雨 青木重行
蘆かりを舞うてお通夜の明易し 玉木里春
邯鄲や通夜の客みな会津びと 黒田杏子 花下草上
饅頭を夜霧が濡らす孤児の通夜 西東三鬼
鰒の座に娼家の通夜の鉦きこゆ 西島麦南 人音

以上

by 575fudemakase | 2019-05-16 17:27 | 無季 | Trackback | Comments(0)

弔ひ

弔ひ

いざよひやけふ弔ひし魂のいろ 佐怒賀正美
いま聴き澄む予期もせざりし蛙の弔意 高柳重信
がちやがちやに何弔ふや鉦叩 森澄雄
しづかにて弔詞よむこゑきこえけり 日野草城
つつじ挿して七つの墓を弔へる 高野素十
とんぼうをふやしてゐたる弔辞かな 姜 たけを
なんということ 書き初めが弔句とは 向山文子
ハンカチを泣かす弔辞の長かりし 三枝青雲
ひろしまの弔花夾竹桃の白 居升白炎
マイクに乗せ弔辞読む声酩酊めく 伊丹三樹彦
みぞるゝや弔旗コーヒー店をかくし 岸風三楼 往来
亜浪忌の弔上げ墓参小春なる 松崎鉄之介
一隅に弔辞したたむ夜のおぼろ 松崎鉄之介
一慶事一弔事四月終りけり 村山古郷
一雷のあとの雨音弔歌とも 林翔
英雄を弔ふ詩幅桜生け
炎天へ弔鐘濺ぎ明治果つ 平井さち子 紅き栞
牡丹花に向ひて暁や弔詞書く 宮坂静生 春の鹿
温め酒弔辞褒められゐたりけり 小笠原和男
仮に建てし水練校のあと弔ふ 山口誓子
夏雲や諸人弔問のゆきかへり 飯田蛇笏 山廬集
夏山に切に行きたし弔問後 岸風三樓
河豚殿と市長の弔辞ふぐ供養 久芳木陽子
火取虫酒ひつかけて弔辞書く 茨木和生 野迫川
花の句の弔句の外の落花かな 正木ゆう子 悠
蚊柱を惑はせて一弔問者 鈴木節子「夏のゆくへ」
会津出の汝を弔ふに会津の冷酒(ひや) 高澤良一 暮津
海の弔みんなにやさしかつた晩夏 宇多喜代子
海越えて打つ弔電や秋の雨 山田弘子 こぶし坂
海沿ひを荻沿ひを人弔ヘ 蓬田紀枝子
柿真赤弔者五人の通夜の座に 大野林火 白幡南町 昭和三十年
寒に人るや否やの弔旗甲子園 阿波野青畝
寒雀午前に午後に弔慰便 伊丹三樹彦
寒晴や未だ弔意の文字なさず 藤田湘子 てんてん
寒谺高校生の弔銃に 中村草田男
寒靄の盆地戸毎に弔旗垂る 伊藤いと子
眼帯寒く弔問の用ありけり 安住敦
雁や祝婚にわれ弔に妻 川村紫陽
雁来紅弔辞ときどき聞きとれる 池田澄子
起き抜けに弔辞したたむ春曙 松崎鉄之介
逆縁の娘に触れ弔辞寒きかな 松崎鉄之介
休み田に弔客あふれ日向寒 下村ひろし 西陲集
仰臥して仰臥漫録の著者を弔ふ 日野草城
形影相弔ふこと三十八年あらおもしろの浮世哉 日夏耿之介 溝五位句稾
慶よりも弔多かりし青芒 飯田龍太
蛍の死弔ふ水をそそぎけり 安住敦
蛍の死弔ふ水をやりにけり 安住敦
鶏頭に日の当りゐる弔辞かな 鈴木鷹夫 千年
吾のみの弔旗を胸に畑を打つ 佐藤鬼房
黒蝶の弔衣高飛ぶ山上湖 秋元不死男
黒南風や浜に弔ふ鯨の死 勝山彦義
残る虫弔辞書きたる筆擱けば 雨滴集 星野麥丘人
子のごとく跡弔の花見けり 百里
思ひきや弔旗ある春場所を見る 阿波野青畝
紙の桜蝙蝠傘を弔旗とし 有馬朗人 母国拾遺
紫雲英田や弔鉦のだしぬけに 百合山羽公 樂土
紫陽花や墨も匂はず弔句書く 皆吉爽雨
事のあと弔旗のように畳みけり 久保純夫
七草の俄かにあげし弔旗かな 百合山羽公 樂土以後
七夕竹弔旗のごとし原爆地 沢木欣一
縞鯛はゆるゆる弔旗をビキニへ振る 八木三日女
秋晴の弔辞善きことかぞへつぐ 鷹羽狩行
秋潮に弔ふ眸して立上る 稲垣きくの 牡 丹
春霞奥壁仰ぎ師を弔ふ 岡田日郎
春寒の弔旗はためく松林 大井雅人 龍岡村
春宵の弔文遺著を積みて書く 皆吉爽雨 泉声
春潮に指をぬらして人弔ふ 橋本多佳子
初声やきのふは人を弔ひし 勝又一透
序句慶句弔句つづきし師走かな 鷹羽狩行
小町塚弔ふに摘む都草 小野たか子
松明あかし弔ひの火か枯るるなか 八牧美喜子
鉦叩弔詞と書きて書き継げず 関森勝夫
深淵を弔ふごとく草矢浮く 鷹羽狩行
身にしみて大封弔辞手に立たれ 亀井糸游
人づての弔意祝意や半夏雨 中原道夫
人弔ひ来て炎天の埃臭し 松崎鉄之介
水害の跡弔ふ田唄作らせよ 尾崎紅葉
水芭蕉消えたる址を弔ひぬ 山口青邨
数へ日の蜑を弔ふ冬かもめ 井上論天
数珠玉や子の事故現場弔へる 山田建水
生涯にまはり灯籠の句一つ 高野素十(須賀田平吉君を弔ふ)
生涯にまはり燈籠の句一つ 素十 (須賀田平吉君を弔ふ)
青山や弔砲鳴って冬の行く 正岡子規 冬
青年の病死弔ふ朝蝉に 日野草城
青葉木菟弔辞の紙のまだ白紙 宮田正和
雪国の雪嶺弔辞に答なし 鷹羽狩行
先生先生と兜太の弔辞梅天ヘ 山田みづえ まるめろ
走馬燈廻さずと決め弔慰文 松山足羽
送水会の松明百済弔ふごと 松崎鉄之介
村あげて弔了へし夏羽織 蓬田紀枝子「青山椒」
村うちに弔ひのあり代を掻く 安藤順一
待つてろと男の弔辞白絣 歌津紘子
大葱の熱さ弔意の中にかな 中村和弘
淡紅のカーネーシヨンも弔花なり 日野草城
苧環や身の丈ほどの弔辞よむ 静間まさ恵
弔いの後の蓴菜箸を逃げ 森田智子「掌景」
弔うて墓苔にほふ盛夏かな 飯田蛇笏 霊芝
弔うに燕一羽の口の泥 和田悟朗
弔はん苗代沢の雪の墓 高野素十
弔ひにゆく朧夜の待合せ 細川加賀 『玉虫』
弔ひに落葉臭さを持ち込みぬ 高澤良一 随笑
弔ひのあとの手を拭く冬旱 廣瀬直人
弔ひのうしろを通る裘 黛 執
弔ひのざわめきのある雪間かな 山本洋子
弔ひのピストルを撃つ春泥に 攝津幸彦 鹿々集
弔ひの黒衣冠りて盆踊 山口誓子
弔ふと女並びし膝がしら 伊丹三樹彦
弔へば今もきませる頭巾かな 黒柳召波 春泥句集
弔をしめくくり辞す春の寺 蓬田紀枝子
弔旗はためき村の若者日なたに寄る 穴井太 土語
弔旗行く雪掘つてある墓場まで 矢島渚男 延年
弔旗三日折目通りにたたむ冷 平井さち子 鷹日和
弔旗垂れ雁来月端(はな)紐育 高澤良一 随笑
弔旗垂れ黒き河なみはながれき 高屋窓秋
弔旗垂れ伸びる日脚のありながら 阿波野青畝
弔旗垂れ橙の照りつぶらなる 金尾梅の門 古志の歌
弔事もなく年を劃して松の花 平井さち子 完流
弔辞読む兜太の猪頸汗噴けり 小島健 木の実
弔辞読む眼に春日影おとろふる 吉武月二郎句集
弔辞二つ書きて夜長を長くせり 松崎鉄之介
弔電に追伸のなし日雷 中山純子
弔電の束に蟋蟀まぎれ込み 山口昭男
弔電や影の雪ふる雑木山 大木あまり 火のいろに
弔砲の谺は冬の山地駆せ 安田北湖
弔砲を虚空に放つ仕事せり 加藤佳彦
弔問にすこし間のある野火のいろ 飯田龍太
弔問に菊祝賀に菊の人生、長生する 荻原井泉水
弔問に踏まれぬかるむ春の土 鷹羽狩行
弔問に夫恋ひ話蛍の夜 井沢正江 湖の伝説
弔問に夫恋ひ話螢の夜 井沢正江
弔問のハンカチの白蟇鳴けり 鈴木鷹夫 大津絵
弔問の月あきらかに遠鳴子 西島麦南 人音
弔問の途中の枇杷が綺麗なり 鈴木伸一
弔問の扉を押して冬深かりき 鷲谷七菜子 一盞
弔問の部屋より見ゆる春炬燵 内田美紗
弔問へ春大根を提げてゆく 林 佑子
弔問やきさらぎの雨地を濡らし 伊東宏晃
弔問や数珠と日傘を一緒に持つ 助田素水
弔問や門辺の木槿白極め 大橋敦子
弔門の轍ぐるりと春の泥 鷹羽狩行
鳥帰ることにもふれし弔辞かな 小原啄葉
椎の木は弔辞聞く木か春北風 須山おもと
底紅や弔電のホ句とどくころ 上田五千石『天路』補遺
敵艦を弔す水仙挿しゝばかり 渡邊水巴 富士
天を衝く俳諧弔花閒石に 高澤良一 さざなみやつこ
冬の蝿人を弔ふ金軽し 小林康治
南国の雷鳴もまた弔ふか 鷹羽狩行
汝もわが弔辞に哭くやつばくらめ 古舘曹人 砂の音
二十日正月弔問の列にあり 廣瀬町子
日章旗しづかに垂れて弔旗なり 日野草城
年忘弔ひのため来られぬと 高田風人子
梅の句をもつて結びし弔辞かな 久保田万太郎 流寓抄以後
梅一分弔辞の終りさやうなら 鈴木鷹夫 渚通り
白菊や弔詞の中に友生くる 松崎鉄之介
氷問屋弔花でかこまる岬の町 田川飛旅子
風花の弔旗へさはれるを数ふ 秋元不死男
風花や弔辞ひそめし旅鞄 大島民郎
沸きたつように弔うように熊蜂晩夏 金子兜太
墨染に御弔や雪うづら 基角
墨淡く書いて涼しき弔句かな 上田五千石『琥珀』補遺
末黒野に弔ふごとく人佇てり 四宮輝代
稔田へ弔花の裏を並べたる 蓬田紀枝子
霧の町弔旗垂れたりよもすがら 三橋鷹女
網棚秋晴慶事弔事へゆく菊揺れ 伊丹三樹彦
野あざみや弔いの旗見送りぬ 足立美和子
燐光のくらげや号笛弔一声 平井さち子 紅き栞
鈴虫の終焉こそは弔はむ 安住敦
藁家解体紅きかまつか弔花とし 文挟夫佐恵 雨 月
呟いてから弔句書く 梅の花 伊丹三樹彦
諳んじて弔辞供へる薄暑かな 廣瀬直人

以上

by 575fudemakase | 2019-05-16 17:26 | 無季 | Trackback | Comments(0)

葬る 葬り

葬る 葬り

うの花や蛙葬る明り先 一茶 ■文化六年己巳(四十七歳)
かろやかに村葬りの黄色いシネマ 星永文夫
ここに葬る涼しき土の一坪ばかりか 荻原井泉水
ここほれの犬を葬りぬ根深汁 小林輝子
この畦を祝ぎに葬りに蕗の薹 小原樗才
さるすべりに夕日曼陀羅師を葬る 伊藤京子
じやがいもの花の向ふへ葬りにゆく 嶋倉睦子(壷)
その恋を葬るためのオーデコロン 松本恭子
つごもりの人気少なき葬り見る 鈴木詮子
どか雪のとどめさしたる葬りかな 清水基吉
とほく葬りをおもふかなかなしづまれば 大野林火 海門 昭和九年
はじめより水澄んでゐし葬りかな 波多野爽波
はらからと葬る一握の砂灼けたり 伊丹三樹彦
はらからと童女を葬る桃の野に 村山古郷
マント着せ大学生として葬る 西本一都
み葬りに秋の山川ひびきけり 中川宋淵 遍界録 古雲抄
めでたかる葬りに蹤けば浦のどか 佐野まもる 海郷
もう雪を卸すことなき葬りかな 北村かつを
ゆく春の月や近江の湖の上 麦南 (八重女を葬りて帰京車中)
らつぱ水仙芽吹くよあれは葬りの喇叭 三橋鷹女
われも知る梅雨の葬りのその蜑を 山口誓子
葦青き村に葬りのありたる日 宇多喜代子 象
暗し山影銀鈴の瀬を葬り人 金子兜太
闇汁の闇へ葬る鳩の骨 松野自得
遺愛の蕗か葬りの足々すでに去り 赤城さかえ
遺児幼なし葬りの西日まぶしがる 右城暮石 声と声
一八の旺んなる中葬りけり 高澤良一 ぱらりとせ
一湾の明るき虹に汝を葬る 榎本冬一郎 眼光
雲嶺の宙に泛きをる葬りかな 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
越冬燕あたためきたる手に葬る 百合山羽公 寒雁
炎天の一揖に人を葬りしや 小林康治 『潺湲集』
炎天も葬りの後の夕やつれ 能村登四郎
奥津城に犬を葬る二月かな 芝不器男
黄砂降る長城に立つ葬り終へ 杉本寛
黄葉樹林に仲間葬りて鴉鳴く 金子兜太
黄落を踏みて人散る葬りあと 和泉麻紗
下萌えや猫葬りてぐうたらに 鳥取芳子
夏蓬ばりばり刈つて父葬る 渡辺昭
夏葎人を葬ることに馴れ 高澤良一 素抱
河内なる葬り墓へ萩の道 安東次男 昨
火の葬り雪にまみれて木々立てり 大野林火 海門 昭和十一年
花びらをかたびらとして犬葬る 嶋田麻紀
花圃を踏む靴を咎めず葬りの靴 山口誓子
花野より花野へ抜けし葬り鉦 山崎羅春
海女葬る砂丘の南風夕なぎぬ 西島麦南 人音
樫は秋の紅芽するどし葬りけり 本宮銑太郎
寒の土一屍一壺を葬りけり 小林康治 『虚實』
寒葬りはや散ずべきとき至る 山口誓子
寒明けの榊さやさや母葬る 山田みづえ 草譜
寒夜覚め葬りし猫の鈴鳴ると 松本巨草
寒旱ひとの葬りにすこし泣き 岡本眸
巻きのぼる霧のけはしき葬り沢 加藤知世子 花 季
甘柿の方へ暮色の濃き葬り 神尾久美子 桐の木
雁渡し葬りの路に置団子 櫛田と志子 『繭玉』
義兄葬るその日の如き震災忌 松崎鉄之介
菊の季節の白菊をもて君を葬る 荻原井泉水
逆髪や北風の風渡野葬り道 文挟夫佐恵 遠い橋
泣けるだけ泣いてしまってから彼を葬るに兵営の規則 橋本夢道
巨き死やその葬りさへ炎天下 能村登四郎
漁装して梅雨の葬りにつかへたり 山口誓子
峡中に蛇笏の葬り黍長けて 秋元不死男
極寒に兄を葬るやこれも順 能村登四郎
金魚葬る吾子に薔薇も枝伸べて 林翔 和紙
駒返る草や葬り葬られ 高澤良一 素抱
君を葬る冬の浅間のとどろくとき 加藤秋邨
兄葬り戻れば庭の薔薇紅し 滝青佳
兄葬る笙ひちりきや歯の根合はず 西東三鬼
月澄めば女の髪を野に葬る 岩田昌寿 地の塩
枯山にのぼりておのれ葬るごと 井沢正江 火襷
枯枝折り隣家葬りの仕度かな 高澤良一 さざなみやつこ
枯草に叔母の葬りの穢を焚けり 星野麥丘人
枯野ゆく葬りの使者は二人連れ 甲子雄
湖凍るそがひの山に人葬る 木村蕪城 寒泉
五月闇高原のくまに葬り来る 角川源義
港を覆ふふなだま祭りの林立旗冬を葬りのこゑにはためく 鎌田純一
高階に葬りの往来いぼむしり 岡本眸
黒南風や嬰児葬る甕出土 宮坂静生 青胡桃
魂は高きへ葬り朴咲けり 手塚 美佐
妻葬る朝秩父嶺の初雪す 小川原嘘帥
妻葬る墓山初のきりぎりす 齋藤玄 『玄』
祭りの灯なかの一軒葬りの灯 中村苑子
菜の花のゆふべの葬り吾も欲らむ 伊丹三樹彦
三人のうから葬りし年を守る 上村占魚 球磨
子の葬り了へ来し人と青き踏む 赤城さかえ
子を葬りし縄文大甕五月闇 藤岡筑邨
子を葬る大都のほとり牡蠣むくなど 三谷昭 獣身
子供等の毛虫葬る遊び哉 正岡子規 毛虫
師を葬り鬼灯市を濡れ歩く 梶山千鶴子
師を葬り来し山茶花に泣きに来し 湯川雅
師を葬る遺児にも似たるわれら冬 松崎鉄之介
灼くる地にうつそ身立たす葬りかな 井沢正江
秋海棠ひとの葬りにひとと会う 河合多美子
秋蝉の声もろともに母葬る 成瀬桜桃子 風色
秋風や伊勢の平野の葬り鉦 村田治男
秋風や妻を葬るとその母負ひ 安住敦
秋風や路地に葬りの一たむろ 菖蒲あや あ や
秋濤の紺へ葬りの船すがる 角川源義
秋邨葬る梅雨明くるとも明けぬとも 松崎鉄之介
舟虫のぼる湾の干潮葬り終ヘ 中拓夫 愛鷹
春寒し夫の葬りに妻粧ひ 相馬遷子 雪嶺
春風にひよどり多き葬りかな 大峯あきら
初泣きと言ふも葬りの貰ひ泣き 石井紅楓
初野菊その坂の根に葬り送る 古沢太穂 捲かるる鴎以後
浄め塩ほどの雪降り葬り果つ 石井紅楓
神葬る秋涼の灯に髫髪童どち 飯田蛇笏 霊芝
身ほとりに葬りつづけり油照 近藤一鴻
人を葬り母を葬らず秋の暮 小林康治 『潺湲集』
人垣に銭投げて過ぐ秋葬り 石原八束 空の渚
人葬りきしとぞ銀河あはれうすく 下村槐太 天涯
人葬りきし手すすげと泉鳴る 井沢正江
人葬り来てたんねんに枇杷を剥く 片山由美子 風待月
人葬る煙雪解の風に垂る 角川源義
人葬る花散れば花散る底に 小林康治 玄霜
人葬る正しさにあり雪ふる手 成田千空 地霊
人葬る白きもの行き蝌蚪の水 松村蒼石 寒鶯抄
吹雪きて天も地もなき火の葬り 橋本多佳子
声悲し君葬る日の寒苦鳥 伊藤ゆめ
西行を葬りし寺の著莪の花 関戸靖子
西日中葬るに人馴れやすく 高澤良一 素抱
石蕗咲くや葬りすませし気の弱り 金尾梅の門
雪つけて来し葬りの雀の子 萩原麦草 麦嵐
雪の面に塵なづみゆく葬りかな 岸田稚魚 負け犬
雪吊りにかからぬ雪の葬りかな 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
雪暮るる白さただよふ葬りの炉 大野林火 海門 昭和十一年
雪崩音に音もうひとつ葬り銅羅 加藤知世子 花寂び
雪涅槃生きて葬りし死のいくつ 深谷雄大
蝉時雨能登も果なる葬り処に 清崎敏郎
蝉生るゝ狭き墓域に凡に葬る 殿村莵絲子 雨 月
千振の透く枯花や友葬る 新井盛治
戦病死せるを葬るや風ふく日 片山桃史 北方兵團
戦友正夫みちのくの枯野に葬る 金子兜太
全身で鳴く蝉花輪なき葬り 岡本眸
早稲刈の昨日葬りし家の前 宮田正和
葬りあと湖に向け蒲団干す 宇多喜代子
葬りあと身は萍に似て遊ぶ 桂信子 緑夜
葬りあと立上りては秋の濤 椎名書子
葬りある日はまたたびの散り急ぐ 大坂十縫「草笛」
葬りきて吾を離るる息白し 木村敏男
葬りし山は笑つてゐたりけり 仙田洋子
葬りすやむらにはむらの草萌えぬ 細谷源二 鐵
葬りすやむらびとせまき額ならべ 細谷源二 鐵
葬りたる手套を脱ぎて並べ置く 金久美智子
葬りたる土のあまりし冬旱 荒川一圃
葬りて西日切り裂く中にあり 高澤良一 素抱
葬りて蜂の分房見て帰る 榎本祐子
葬りて鮟鱇鍋をつつきをり 仙田洋子 橋のあなたに
葬りとて通るはよけれ稲の昼 上田五千石 琥珀
葬りに行くまではきれいな肺でいる 加川憲一
葬りの帰りはさくら見ざりけり 岸田稚魚 紅葉山
葬りの土より氷る諏訪の湖 古沢太穂 古沢太穂句集
葬りの冬木の沙羅となりて立つ 岸田稚魚
葬りの二月や空に鳴る滑車 渋谷道
葬りの日裾よりのぼる花の冷え 中村苑子
葬りの夜ががんぼ脚を忘れしよ 長谷英夫
葬りはひとのいとなみ秋祭 石田勝彦 百千
葬りを終へてミモザの只中に 仙田洋子 橋のあなたに
葬り果てて秋ぞら深き坂下る 中島斌男
葬り果てゝ秋ぞら深き坂下る 中島斌雄
葬り火か飯を焚かむと来て礼す 片山桃史 北方兵團
葬り火と見たり寒夜の噴煙を 堀口星眠 営巣期
葬り火の映ゆる冬帽を手にしたり 水原秋櫻子 岩礁
葬り火の火種となれよ曼珠沙華 三好潤子
葬り終ふ黒きレースに女透き 長田等
葬り処の梅白くして海暮れぬ 角川源義
葬り場へゆく見馴れたる寒の町 上崎暮潮
葬り待つママゴト雪の具がほそる 加藤知世子 花寂び
葬り沢しぐるる声を持ちて過ぐ 加藤秋邨
葬り来てやまあららぎは夜の花 小原澄江
葬り来て月の机を恃むかな 小林康治 『潺湲集』
葬り来て酢牡蠣みだらと思ふのみ 中原道夫
葬り来て白を深めし夜の梅 吉川与音 『琴柱』
葬り来て夜の百合の香を厭ひけり 吉川与音 『琴柱』
葬り路の桑の実黒く踏まれけり 西島麦南
葬る時むくろの猫の鈴鳴りぬ 日野草城
葬る日の久留里城跡に雪蛍 庄司圭吾
葬る日の朝より雪の別れかな 安原葉
霜月のさ筵かけし人葬る 萩原麦草 麦嵐
霜柱はや立つ父を葬りしに 津田清子
村の川葬りの旗が流れゆく 吉田さかえ
村の葬り一切見えて猟休む 中戸川朝人
村の葬り必ず通り灼くる橋 中戸川朝人 尋声
泰山木の一花や葬り永からず 北原志満子
地は凍ててこころ狷介父葬る 飯田蛇笏 春蘭
茶の花の一枝を添へて犬葬る 石田あき子 見舞籠
着ぶくれてわが潮騒を葬りぬ 櫂未知子
昼ふかく蛙ころころ鳴く葬り 森川暁水 淀
朝顔の紫紺葬りをきのふとす 高澤良一 素抱
墜死の鳩 葬る 灯台守の長子 伊丹三樹彦
椿や白椿や筆は葬り反故は焼く 荻原井泉水
鶴葬る火のほかに火の見当らず 友岡子郷 未草
弟子葬り帰りし生身塩に打たる 西東三鬼
天高し喜壽の嫗の葬りして 相馬遷子 雪嶺
田子葬る日の秋風に馬蹄音 飯田蛇笏 家郷の霧
冬の朝河岸に葬りの花環冴ゆ 大野林火 冬青集 海門以後
冬の廃鉱葬りの鐘やけに鳴る 岸田稚魚 負け犬
冬の鵙けふは遠きに母葬る 能村登四郎
冬田へも打ちて葬りの集ひ鉦 宮田正和
冬田へも打つ葬りの集ひ鉦 宮田正和
冬日たかく母葬る穴掘られ掘られ 大野林火 冬青集 海門以後
冬木とその影の錯綜葬り来て 鷹羽狩行
冬木中はらからつどひ母葬る 大野林火 冬青集 海門以後
唐辛子葬りのあとの月日かな 白井久雄
島の子の葬り見送るや春の山 村山古郷
筒鳥や閑古や鳴くに義母葬る 皆川白陀
楢落葉跫音寄せ合ひ葬りけり 鳥居美智子
二三日葬りに使ひ二月尽 伊藤敬子
猫葬り五月か一んと残りけり 北原志満子
猫葬る春近き土深く掘り 奈良文夫
年の瀬の大き葬りの中にあり 深見けん二
馬追や葬りしあとの父の部屋 長田 等
敗荷の晴れても人を葬るかな 寒食 星野麥丘人
梅ひしとあの日葬りの日の如く 三橋鷹女
梅雨も人も葬りの寺もただよすが 中村草田男
梅天のやうやくもちし葬りかな 細川加賀
白雨来て葬りの道を浄め去る 野澤節子 八朶集以後
白絹は葬りのごとし雛をさめ 井沢正江
彼を葬るとあな秋晴れし野に出しは 荻原井泉水
百日紅天に葬りのある如く 高澤良一 寒暑
夫葬る冬晴れ黄泉へつながれり 瀬野美和子 『毛馬堤』
父葬りその夜の雨を吾子と聞く 古家榧夫
父葬りたる土よりも地虫出づ 橋本一水
父葬り芽木山をただ下りたり(夫の父逝く) 細見綾子
父葬り戻りし宿の青葉木菟 樹生まさゆき
父葬る青葉に海のひとかけら 中拓夫
父葬る日の芍薬は姪も剪る 岸風三楼 往来
父葬る毛馬の春風頬きるよ 谿昭哉 『航跡』
武蔵野の樹々が真黄に母葬る 橋本多佳子
風死して葬る火をば熾すかな 中原道夫
焚火消す葬るごとく砂をかけ 福田蓼汀
文鳥を葬りて暮れし落葉かな 村山古郷
片かげを遠縁とする葬りかな 緒方 敬
母という名に 生きてきた 遺骨のかるさを抱く(母を葬る) 吉岡禅寺洞
母葬りひと日草ひく人避けて 高井北杜
母葬り菊の菜屑の冷え拾ふ 蓬田紀枝子
母葬り菊の葉屑の冷え拾ふ 蓬田紀枝子
母葬るいくささなかの梅日和 松村蒼石 寒鶯抄
母葬る春泥に砂打ち敷きて 宮田正和
母葬る処理事務的に木々裸 松崎鉄之介
母葬る天の隅よりのうぜん花 嶋田麻紀
母葬る土美しや時雨降る 橋本多佳子
紡績工女葬るにあひぬ春の野に 細谷源二 鐵
北風さむし人葬る地を深く掘りぬ 山口誓子
万緑や杣の葬りの吹流し 西本一都
夢いつも雪の葬りの傘さし遣る 玉村夜音女 『さんご玉』
夢のごとく葬りは過ぎぬ枯柏 草間時彦 中年
無惨やな人葬り来し黴の靴 小林康治 『虚實』
明けて葬り昏れて婚りや濃紫陽花 竹下しづの女
綿虫は頬かすめたり母葬り 伊藤敬子
綿虫や葬りの道を掃きいそぎ 岸田稚魚
盲眼寒く母葬るわれ不肖の子 金子晃典 『望郷独語』
木枯のとどかぬ深さ父葬る 岬雪夫
夜の火の葬り火なるを想起せり 林田紀音夫
野に兄を葬り春夜の皆既蝕 猿橋統流子
友を葬る老の残暑の汗を見る
友葬り来し菜殻火の夜を燃ゆる 木下夕爾
友葬り来て心老ゆ石蕗の花 川村紫陽
友葬る冬松風の真ッ下に 羽部洞然
夕がほや鼠葬るめくら児 高井几董
夕空を花のながるゝ葬りかな 飴山實 花浴び
夕空を花のながるる葬りかな 飴山實(1926-2000)
夕焼け居らんか母葬り来し墓地もかく 岡本眸
夕焼をしろしとおもふ葬り以後 神尾久美子 掌
妖僧を此所に葬りき夏木立 会津八一
落葉しげし葬りのかげをつらね行く 大野林火 冬青集 海門以後
露享けてはや胸中に妻葬る 齋藤玄 『玄』
露草や小鳥葬りし石ひとつ 井口光雄
浪がしら梅雨の葬りに寄せ寄せて 山口誓子
老いし友を葬りて早春根岸恋ふ 中村草田男
藁葬る火よ迅雲の西津軽 成田千空
囀の押し寄せて来る葬りかな 佐々木六戈 百韻反故 初學
夭折の木枯いづこにて葬る 中原道夫
杣人の葬りに山の粧へり 鷹羽狩行
荼毘小屋の木槿がこひに母葬る 宮崎とき女 『雪椿』
邯鄲を葬る一伍一什かな 富安風生

以上

by 575fudemakase | 2019-05-16 17:24 | 無季 | Trackback | Comments(0)

埋葬 本葬 密葬 仮葬 会葬

埋葬 本葬 密葬 仮葬 会葬

*ひつじ田の水を鏡に会葬者 金谷信夫
かたまつてをり花冷の会葬者 岸田稚魚
きつすぎる会葬あとの青山椒 高澤晶子「レクイエム」
シベリアが叩き込む黒埋葬図 高澤良一 燕音
やわらかいカーテンにとめ埋葬書 上月章
火山灰台地の埋葬灰の穴 三橋敏雄
花かげの埋葬遥かなる歌よ 高屋窓秋
会葬が再会の場に冬薔薇 長谷川治子
会葬のおほかた少女花萬朶 中島斌男
会葬の何人か鷹仰ぎをる 茨木和生 丹生
会葬の脚のぼりくる高野の冷え 山口超心鬼
会葬の時雨のをんな誰も知らず 後藤綾子
会葬の人に蹤きゆくしじみ蝶 高澤良一 素抱
会葬者羽化し蕎麦畑ばかり過ぐ 城取信平
顔にくる今朝のあつさや会葬日 高澤良一 素抱
近景薊 遠景傘松 僕埋葬 伊丹三樹彦
砕けたる虹の破片を埋葬す 野見山朱鳥 愁絶
秋澄むや天上希求埋葬図 文挟夫佐恵
秋蝉の大樹の下に埋葬す 塚原麦生
楯の埋葬巣ごもる鵠は星に目覚め 橋閒石
森に入る埋葬の列雪の傘 大野林火 白幡南町 昭和三十三年
石蕗の花会葬者ほぼ故人知らず 松崎鉄之介
積雪や埋葬をはる日の光り 飯田蛇笏
沈黙--天の埋葬いま始まる 富澤赤黄男
片蔭にゐる半分の会葬者 岸田稚魚
片蔭に入る半分の会葬者 岸田稚魚
埋葬のくらやみ私有して眠る 林田紀音夫
埋葬のやがてまろらに雪降らむ 文挟夫佐恵 雨 月
埋葬や恋猫の四肢やわらかく 岡村知昭
埋葬を終へ午後四時の竹煮草 永島靖子
埋葬後露けく下血走りけり 中村草田男
埋葬行森を隠して雪降れり 大野林火 白幡南町 昭和三十三年
埋葬行夜の白服に白釦 中村草田男
埋葬終へ海と水仙匂ひだす 文挟夫佐恵 雨 月
密葬の壺を身近に明易く 川崎展宏
密葬や雷贈られて夜の崖 秋元不死男
木の実添え犬の埋葬木に化(な)れと 西東三鬼
木の実添へ犬の埋葬木に化(な)れと 西東三鬼
老いぬれば会葬一つ夏日終ゆ 山口青邨
蠅が樹に群がり埋葬墓地の雨 西村公鳳
鴉あつまり赤屋根の密を埋葬する 八木三日女 赤い地図
鴉あつまり赤屋根の蜜を埋葬する 八木三日女

以上

by 575fudemakase | 2019-05-16 17:23 | 無季 | Trackback | Comments(0)


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

プロフィールを見る
更新通知を受け取る

カテゴリ

全体
無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
未分類

以前の記事

2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
more...

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...

メモ帳

▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

検索

タグ

最新の記事

渡御 の俳句
at 2019-05-20 06:59
拙句 五月雨の俳句
at 2019-05-20 05:05
拙句 青葉の俳句
at 2019-05-20 04:45
拙句 若葉の俳句
at 2019-05-20 04:38
拙句 緑の俳句
at 2019-05-20 04:33

外部リンク

記事ランキング