カテゴリ:無季( 81 )

バス の俳句

バス の俳句

バス

あみ棚につつぱる棒鱈枯野バス 平井さち子 紅き栞
いぬふぐり三時のバスが通つたぞ 有働 亨
おでん屋の灯の正面にバス止る 大塚とめ子
オレンヂの幼稚園バス麦の秋 榎田きよ子
かりそめにここに居あはすバスの人ともに同じく揺れて忘るる 斉藤史 『密閉部落』
かんじき背にバス降りてくる渡り杣 矢田鹿苑子 『白雲悠々』
きみに逢う以前のぼくに遭いたくて海へのバスに揺られていたり 永田和宏
げんげ野を行くバス車体丸出しに 右城暮石
こぼれ出てバスの脊を押し冬山路 赤松[けい]子 白毫
さくらんぼ狩の観光バス横付け 高澤良一 素抱
スキーの子バスに会釈や追縋り 川端茅舎
すすき季岩手県北バスの旅 高澤良一 寒暑
すみれ摘みきし人と並べりバスの中 古沢太穂 古沢太穂句集
だるま市行きの増発バスぎうぎう 高澤良一 寒暑
とまりたるバスが大きく柳散る 高浜虚子
ななかまどバスはぬるりとあらわれる 瀬間 陽子
ねんねこ降りねんねこが乗る島のバス 茂里正治 『春日』
バスいたく揺るるに堪へて花野ゆく 木村蕪城 一位
バスおのが幅を知りをり崖紅葉 林原耒井 蜩
バスが行く漁村岩蓴も少し干し 高浜虚子
バスが行く漁村石蓴も少し干し 高浜虚子
バスが著き冬木の間に人散りぬ 高木晴子 晴居
バスが灯をつけしを見ずや春田打 猿橋統流子
バスで行きその日帰りの桜狩 高澤良一 暮津
バスで逃げる粉と風来る赤い空 阿部完市 絵本の空
バスといふ函に揺られてお中日 高澤良一 素抱
バスとほるこんなほそみち秋遍路 小川軽舟
バスとまる次郎長寺の花まつり 桂樟蹊子
バスに乗りそこねて買ひし桜草 広瀬志津女
バスに席得て目をつむり十二月 橋本風車
バスに跳ねる炎天の尾や明治村 原裕 葦牙
バスに来し木犀の香すぐ吸ひつくす 篠原梵 雨
バスの雨漏わらふ他なく甘藷提げて 原田種茅 径
バスの菊挿しかへて車掌運転手 佐野良太 樫
バスの座の高さで馬橇追ひ越しぬ 平井さち子 完流
バスの尻ばかり見せられ街薄暑 桜井博道 海上
バスの尻バスより見えて十二月 行方克己 無言劇
バスの尻豊かに曲る若葉の中 並木鏡太郎
バスの跡蝶翔たんとし片翅あぐ 原田種茅 径
バスの窓かたく閉じられてゆく師走 市原正直
バスの窓紅葉の山がはづむなり 瀧春一 菜園
バスの窓新樹たまゆらしかと位置占む 梵
バスの窓雪の結晶つけしまゝ 星野 椿
バスの棚の夏帽のよく落ること
バスの棚夏帽のよく落ること 高濱虚子
バスの中寒梅抱いて目つむるなり 佐野良太 樫
バスの天井が風船押へ酔つて居り 北野民夫
バスの灯がゆれ曲るとき冬田なり 米沢吾亦紅 童顔
バスの灯の過ぎて夜寒の川明り 石塚友二 光塵
バスの胴歪み走れり春の霜 原田種茅
バスの日々此処にとまれば木槿咲く 京極杞陽 くくたち上巻
バスの扉が開いて山茶花停留所 鈴木鷹夫 千年
バスの腹歪み走れり春の霜 原田種茅 径
バスの旅倶にし岩手県の蠅 高澤良一 随笑
バスの旅盛夏の下北くんだりまで 高澤良一 随笑
バスの埃浴びてひるまずラムネ飲む 右城暮石 声と声
バスは去るもろこし売を置きざりに 森田峠
バスまたも田水のあふれを過ぐ音す 篠原梵 雨
バスを降り一人一人の夏の終り 中山純子
バスを追ひ雪の角巻翼ひろぐ 岸田稚魚
バス遠く薬師寺裏のれんげ雨(薬師寺付近二句) 河野南畦 『風の岬』
バス下りる出迎への中とんぼの中 皆吉爽雨
バス何處を馳すや黄葉の山ん中 高澤良一 素抱
バス曲るたび山つつじ山つつじ ふけとしこ 鎌の刃
バス傾しぎ林檎の花に風の渦 畑中余枝子
バス見えてきて臘梅の下離る 窪田久美
バス遣り過す背に一俵の炭かばひ 栗生純夫 科野路
バス吾を枯野にひとり残し去る 岩切徹宵
バス向きを替ふ海光の爽やかに 舘岡沙緻
バス降りし下校児一人の大青野 奈良文夫
バス降りし婆が一礼稲穂道 岸田稚魚
バス降りてみな芒野に沈みけり 村松知津子
バス降りて主人帰るや避暑の宿 星野立子
バス降りて春泥の道あるばかり 安藤紫開
バス降りて女寺門に消え夜寒 大熊輝一 土の香
バス降りて徒歩で十分曼珠沙華 河村玲波
バス降りる高天原は花野にて 品川鈴子
バス止まり呉れて横切る耕耘機 浅井八郎
バス止めて買ふや国府津の青蜜柑 石塚友二 光塵
バス遅日雪の鳥海山ついて来る 下村梅子
バス着けば点火一斉牡丹鍋 山縣輝夫
バス長し退屈すれば蜜柑むく 高濱年尾 年尾句集
バス通りに大根干して街に住む 植村可南
バス通る時刻枯野の中にあり 百合山羽公
バス動いてゐる颱風が迫るといふ 原田種茅 径
バス薄暑少女ひそかに隅を愛す 吉田耕夢
バス発つやそれぞれ大き枯野得つ 栗生純夫 科野路
バス揺れるたびに破魔矢の鈴が鳴り 松本穣葉子
バス来るや虹の立ちたる湖畔村
バス涼し聖の尼らの帽ふれあひ 田村了咲
バス涼し津軽訛に馴染みつつ 山田弘子 こぶし坂
バス囃す小わっぱどもや独活の花 富安風生
バス囃す小わつぱどもや独活の花 富安風生
はとバスが老舗に並ぶ鰻の日 中西永年(橡)
はとバスに乗りて貰ひし団扇かな 栗原稜歩
ハンカチを顔にひとりの夜行バス 丸田美年
ふと男月のこと言ふ深夜バス 本庄登志彦
ふり向けば空席のみが僧えてゆく最終バスのわれは乗客 齊藤史 風翩翻
ぽんかんを配りてバスの席決まる 高橋悦男
マスコット搖れゐる春の雪のバス 西島麥南
まづバスを祓ひてよりの山開 松村節子「雉俳句集」
もうバスがない夏の川見てゐる 清水径子
やがてバスは自殺名所の滝へかな 櫂未知子 蒙古斑以後
ゆきすぎて戻るバスあり氷水 石橋秀野
わかれたる顔おぼろなるバスの中 阿部みどり女 笹鳴
綾取の手のままにバス降り行けり 津野美都江 『ひなげし』
磯路ゆくバスに飛びつく波の花 水田江葦
一番バス受験子と乗り合せたる 鈴木しげを
一列に待つ二階バス春隣 白井良治
稲妻やバスは怒涛の方へ行く 前川弘明
稲妻やバスは怒濤の方へ行く 前川弘明
稲雀女ばかりのバスの旅 安斉君子
稲田バス軽き老母の揺れどほし 津田清子
宇陀越えの花の峠をバス徐行 西浦立子
雨のバス夜学終へたる師弟のみ 肥田埜勝美
卯波立つバス江ノ電に追ひ越され 小竹梅堂子
嘘つきのバス時刻表雪もよひ 丸田余志子
雲海に乗り出してバス向きを変ふ 品川鈴子
雲海やホテルの地下にバスの駅 澤田 緑生
雲野のバス算盤塾へ子を運ぶ 鈴木貞雄
炎暑のバスに油田櫓の空しさは 平井さち子 完流
遠足バスいつまでも子の出できたる 小澤 實
黄いろい蝶舞いあがり行楽バスのたまり 古沢太穂 古沢太穂句集
仮橋でバス折り返す秋出水 高橋悦男
夏めくと頬炎えバスの新車掌 赤城さかえ
夏老いぬバスのあげゆく砂ほこり 久保田万太郎 流寓抄
火をこぼし停るバスあり町の冬 森田峠
花の露地遠く過りしバスの銀 香西照雄 対話
花煙草昨日のバス道高みに現れ 平井さち子 完流
花明り経し顔なめらかバスの燈に 香西照雄 素心
花野ゆくバスの母子の笑顔よし 草太
霞より下り来しバスに拾はるる 山田弘子
芽起しの雨よ循環バスが来る 長尾小夜子
介護バス来るを婆待つ春なれや 高澤良一 素抱
海沿ひの狭きバス道鰯干す 宮田俊子
柿の村バスゆ吐かれし人濡るゝ 林原耒井 蜩
柿百顆バス満員の顔過ぎて 香西照雄 素心
笠沙行きバスは長閑に遅れけり 邊見京子
葛咲くやバスを支へし道の肩 大島民郎
寒の需バスの遠くのまへうしろ 篠原梵 雨
管楽器バスより下ろす西日中 星野明世
幾度びも宙に乗り出し霧のバス 安田春峰
起きぬけのぬくさとねむさバスひびく 桜井博道 海上
鬼灯の束抱へ混むバスの中 折井紀衣
救世軍人バスにて深き昼寝せる 北野民夫
距離と時間バスのみが知り麦矮し 栗生純夫 科野路
魚の匂いを持ちこみ岬始発のバス 津根元潮
魚臭きバス降り花の風に会ふ 館岡沙緻
峡の口バスと飛燕と折り返す 平井さち子
玉虫の飛び入りはやる遍路バス 櫛田と志子 『繭玉』
桐一葉デイサービスのバス止まる 吉川康子
金魚玉中を時どきバス走る 上田恵子
空つぽで発つ山のバス鵙日和 山田弘子 初期作品
栗咲くや二便のバスの医者通ひ 三嶋 隆英
蛍の野居残つてバス洗ひゐる 鈴木六林男「谷間の旗」
月へ行くバスが一台花野発 中嶋秀子
犬ふぐり三時のバスが通つたぞ 有働亨 汐路
故障なほりたる後もバスに雪積る 津田清子
枯野バス映画ポスター胴に巻き 宮坂静生 青胡桃
枯野行くバス幾駅も通過して 渡辺昭男
紅葉谿遥の上にバスは著く 高濱年尾 年尾句集
行商と乗り合はせたる霧のバス 西村和子 かりそめならず
行方まかせのとび乗りバスは花野行 上田日差子
濠の月青バスに乗る河童かな 飯田蛇笏 霊芝
今日会ひて明日会はぬ顔バスに丸つ 山本正信
混むバスの中にて背にたしか蚤ゐる 篠原梵 雨
最北のバス地吹雪に呑まれゆく 小笠原弘順
歳晩のバスとまりては婆拾ふ 行方克己 知音
歳晩の街が終点福祉バス 長谷川 宏
祭に心のこる驟雨のバスに乗り 川島彷徨子 榛の木
祭笛獅子頭めきバスが来る 香西照雄 対話
菜の花やワンマンカーの昼の楽 高井北杜
鮭下げて師走のバスを乗り過す 河野南畦 湖の森
三組の紅葉狩客会津バス 高澤良一 石鏡
三伏の三途の川をバスで越す 泉 ゆう子
山のバス夏蚕が匂ふ軒に着く 殿村莵絲子 花 季
山のバス夏蚕の匂ふ軒につく 殿村菟絲子
山峡をバスゆき去りぬ蕗の薹 三好達治
山国に行く苗売のバスに立つ 茨木和生
山吹や川魚提げてバスに乗り 片山由美子 天弓
珊瑚と銅像くらく 最終バスが着く 伊丹公子 陶器の天使
残雪の土に傾きとまるバス 新谷氷照
始発バス郭公の声入れて発つ 明才地禮子
子猫くれに薄暑のバスに身を揺られ 田中英子
師走のバス水に沿うては鳥の翔つ 原田種茅 径
事故おそれマイカーやめてバスが事故 澤村魯萬 「オール川柳」平成九年十二月号
次第に雪流離のバスは動きはじむ 岩田昌寿 地の塩
自動車とバスの間に風花が 京極杞陽 くくたち上巻
七五三しつかりバスにつかまつて 綾部仁喜
七福神巡りのバスが停まる寺 高澤良一 寒暑
室の津へ混み合ふバスや小正月 富竹雨
室生口桜紅葉の下にバス 星野恒彦
漆黒に秋を灯してバス行けり 稲畑廣太郎
社会鍋バス光点を移すのみ 香西照雄
車庫に入りバスが灯を消す十三夜 猿橋統流子
秋雨の川端柳バスにふれ 京極杞陽
秋祭バスやりすごす小さき山車 水谷田鶴子
秋時雨夫には別のバスが来る 荒巻日出子
秋暑くバスの中から墓を見て 金田咲子
秋風やよくこのバスに僧とあふ 田村了咲
終着駅の先かなかなのバス一本 近藤一鴻
春の海へぐんぐんバスの一路陥つ 瀧春一 菜園
春山をいただくバスの馳せて来し 中村汀女
春著着て乗合自動車内宮前 高澤良一 燕音
春闘の解けて素直なバスの尻 松倉ゆずる
春服やバスの車体の漫画文字 小高沙羅
循環のバスがらがらや梅雨に入る 小堺遠佳
初髪の鼻先にありバスの中 田中冬二 俳句拾遺
女ばかりバス降りて来し福詣 杉崎月香
小春日や循環バスに拾はれて 北原登美子
昇天日駅に犇めく帰国バス 関森勝夫
松茸山バスの一団よぎるなり 瀧井孝作
乗り換へし山岳バスにきりぎりす 杉田竹軒
乗り遅れしバス遠ざかる炎暑かな 野村洌子
真冬日をバスは二時間来ぬつもり 櫂未知子 貴族
逗子駅やバスは四方へ三鬼の忌 石野 梢
水玉模様のつけに跳ね降り炎熱バス 平井さち子 完流
水著にて乗りしにバスに父ゐたり 川島彷徨子 榛の木
世田谷を行く初バスのよく曲がる 名井ひろし
青田闇バスの尾灯のなほありぬ 河合凱夫 藤の実
青葉月嬰児泣くバスが疾走す 松村蒼石 雪
青嶺攀ずよろよろ岩手県北バス 高澤良一 石鏡
赤とんぼ点呼してバス走り出す 苗村登志子
雪しろや遠のくほどに光るバス 平井さち子
雪のバス産屋で産みし人も乗る 坂根白風子 『彩雲』
雪の谷ひとりの客にバス走る 松本澄江
雪回廊バスの巨体を呑み込めり 小野寺和子
雪渓や白山指呼にバス走る 磯野多希
千曲バス案山子の顔で乗り合はす 北見さとる
栴檀の花散る島のバス乗場 高橋悦男
僧ひとり枯野に降ろしバス発てり 畠山譲二
走る落葉かぶさりてバスに水を注す 古沢太穂 古沢太穂句集
霜柱踏んで来て乗る始発バス 原村圭子
卒業や尻こそばゆきバスに乗り 西東三鬼
村営バス吹雪の女拾ひけり 戸塚時不知
村営バス朝刊下ろす露の村 高澤良一 寒暑
村営バス揺るたび熊除け鈴鳴れり 高澤良一 寒暑
他人の体温伝えくるバス冥府行き 上野ちづこ
待つときのバスは来ぬもの秋暑し 倉田青
大年のざはめき乗せる深夜バス 磯崎美枝
茸籠を負ひ雲表にバスを捨つ 望月たかし
誰も乗らぬバス炎昼の風運ぶ 藤原りくを
短日のバスのおでこが見えて来ぬ 高澤良一 随笑
短日の三時のバスはのがされず 坪川紀子
地ビールの店へ連なるバスの客 達山丁字
遅れて来たバス 炎天に歪みながら 荒木ゆきこ
秩父バスの最後部席夏帽子 石寒太 翔
茶摘女のはや靄がくれ始発バス 高井北杜
茶摘女乗るバスに青き香入るるごと 田中英子
虫分けて来るや麓の映画バス 長谷川かな女 雨 月
朝のバス荒き運転別れ霜 右城暮石 上下
町に来てそちこち寄りぬ枯野バス 遠藤梧逸
町への略図にある三日月と白いバス 阿部完市 絵本の空
吊し柿文學散歩バス連ね 石田あき子 見舞籠
停留所バスはかならずやって来る 門脇かずお 「オール川柳」平成九年十二月号
定期バス走るお山や蕗の薹 岡田日郎
田芹摘み来てバスの床濡らしけり 鎌田政利
田植機に横断ゆづり定期バス 壺井久子
土工らを乗せて着くバス葛の原 大橋敦子 手 鞠
冬の阿蘇玩具のやうなバス登る 柴田かほる
冬の運河に光渡してバス廻る 田川飛旅子 花文字
冬河原故人はバスからも降りず 今長谷蘭山
冬海やバスに正座をして老婆 村松路生
冬立つや一番バスの顔揃ふ 谷口智鏡
島のバス通ふが見ゆれ鱚を釣る 山田桂梧
東大の終りのバスや夏落葉 斉藤夏風
湯どころの伊豆も冬なるバス埃 石塚友二 光塵
湯治場のやつと来るバス立葵 山川よしみ
筒鳥や定刻に来る山のバス 坂本登美子
道混んでゐてバス空いてゐて師走 西村和子 夏帽子
峠越すバスにつけたる岩魚籠 鈴鹿野風呂 浜木綿
奈良市内循環バスに乗りて春 右城暮石
奈良扇子土産軽々の深夜バス 菊池志乃
二階建のバスがゆらゆらのどけしや 宇咲冬男
日に二度のバスが尾をふる青田道 青木千秋
日焼せし顔のならびて二階バス 後藤澄子
如月のバスに潮の香真砂女逝く 國井みどり
猫柳お洒落な色のバスが来る 大島登美子
濃尾バス尻を振り振りもみぢ山 高澤良一 素抱
農婦盛装バスに馴れざる暑気あたり 北野民夫
巴里祭のおんぼろバスの青けむり 辻田克巳
波の花昨日のバスの運転手 小林こみち
梅ヶ香やバス乗り捨てて浄妙寺 青木重行
梅ケ香やバス乗り捨てて浄妙寺 青木重行 鎌倉(現代) 杉本寺.報国寺.浄妙寺.釈迦堂切通し
梅雨のバス教師はねむり上手にて 能村登四郎 枯野の沖
梅雨の遊覧バスゆく東京ど真ん中 高澤良一 素抱
梅咲くや停車を長く路線バス 満田玲子
白夜行く長距離バスの後部席 坂本宮尾
麦の芽やバスを降りたつ和紙の里 藤沢園枝
麦の秋日に三便の定期バス 山田和子
斑雪山見えて空席多きバス 浅井一志
枇杷熟れて銭こぼすほどバス揺れて 中村汀女
富士山の笑ひつき来るバスの窓 保田白帆子
風の盆バスの中よりおはら節 阿久津都子
風光る乗ればすぐ出て二階バス 都筑智子
風光る長距離バスに乗りたき日 伊津野ひとし
仏見てまた仏見に枯野バス 畠山譲二
頬白や児ら溢れ出る朝のバス 都倉義孝
北今星枯野に今日のバス終る 齋藤愼爾
万緑やバスの後退笛ひとつ 那須淳男
霧の視野瀬音浸りにバス遡る 平井さち子 完流
霧の中バスはもたもた蔵王嶺へ 高澤良一 素抱
木蔭より幾人も出てバスに乗る 篠原梵
木蓮咲き満ち素足で洗うバスの床 田川飛旅子 花文字
夜行バス 空の宝石選っている 三好靖子
夜行バス明けそめ朴の花白し 大島民郎
野遊びや霊園行のバスに乗り 瀧 春一
野遊や霊園行のバスに乗り 瀧 春一
柳散る銀座のバスに葉一枚 原田種茅 径
由布越えのバスより降りし蕨がり 中村山思郎
遊覧バスに持ち込む人造湖の寒さ 小山春邑子 鎌倉(現代) 今泉不動.鎌倉湖周辺
遊覧バス岬を巡る菜の花号 高澤良一 寒暑
夕花野見送りのバス遠ざかる 森 節子
夕焼やバス止め戻る牛の列 石垣軒風子
夕虹をくぐる私の降りたバス 小磯夏子
葉桜の下の一団攫ふバス 広瀬とし(水明)
養護バス降りる子の手に紙雛 房川喜三男
立春の夜を馳すバスは光の函 高澤良一 さざなみやつこ
旅自慢などしてバスは青嶺越え 高澤良一 随笑
緑蔭にバスの半身乗り入るる 黒木豊子
緑蔭や光るバスから光る母 香西照雄
涙をためバスの硝子ら四月一日 寺田京子 日の鷹
冷房のバスを吐き出す船の胴 大島民郎
冷房を山風に変へ旅のバス 佐山けさ子
恋始まるごとき雪暁わがバス発つ 寺田京子 日の鷹
浪がしらのようにバスくる秋砂丘 渋谷道
老人でバスの混み合ひ豊の秋 片山由美子 水精
蕨採り一番バスに乗り込みぬ 佐藤仲子
姨捨や道向き障子にバスの跳泥 北野民夫
悴める子を拾ひゆく園児バス 高橋栄子
棕櫚の花バス終点の漁師町 谷中隆子
獺祭忌雨夜のバスにゆられけり 近藤一鴻
縣廳前馳すバス銀杏黄葉いろ 高澤良一 随笑
臘梅をポケットに入れバスが搖れ 川崎展宏
芒の穂バスの車体の触れて行く 徳村二郎
谿の稲バスの玻璃刷くみのりかな 林原耒井 蜩
韋駄天を待たずバス発ちどツと春 赤城さかえ
鰤かつぎ込みたる浦の始発バス 森山暁雲

ギター持ち帰郷バス待つ大晦日 近藤勇夫
バスを待ちくたびれてをり花あけび 飴山 実
バスを待ち大路の春をうたがはず 石田 波郷
バスを待ち旅の父子の雪まろげ 太田土男
バスを待つこの道春に続く道 岩崎あや
バスを待つ傘の相寄る花の雨 吉屋信子
バスを待つ四五人の目の蕨かな 加藤楸邨
バスを待つ春一番を背なにして 小泉はつゑ
バスを待つ人々春雨傘高低 成瀬正とし 星月夜
バスを待つ巣の子燕を飽かず見て 茂里正治
バスを待つ凍てし油の壜さげて 田村了咲
バスを待つ母の背中のまろさかな 森猛
バス降りてまたバスを待つ鰯雲 西山 睦
バス待つは旅路の余白花サビタ 岩淵喜代子 螢袋に灯をともす
バス待つや花の鋪道の人道に 京極杞陽 くくたち上巻
バス待つや傍を四温の煙草拾ひ 北野民夫
バス待つ眼吸殻ひろふ背に凍てつ 原田種茅 径
一握の子の肩左右にバス待つ汗 平井さち子 完流
鰯雲午後一本のバスを待つ 野日一誠
雨の中案山子のようにバスを待つ あ や め
円く濃き新樹の影にバスを待つ 篠原梵
花の雨見附に永きバス待てり 高島征夫
花見バス待ちゐてひとりひとりなる 細見綾子
角巻の老婆らバス待つ海を背に 岡田日郎
楽器提げバス待つバレンタインの日 中川石野
干し紙のはしにバス待つ燕子花 米沢吾亦紅 童顔
韓の少女がバス待っている 秋の川べり 伊丹公子 メキシコ貝
玉萵苣の早苗に跼むバス待つ間 石塚友二 方寸虚実
見送りて次のバス待つ大熊手 小林勇二
古里に来てバスを待つ雁木かな 城戸愛子
枯木風日に三便のバス待てり 高澤良一 燕音
高原のバス待つ春着吹かれをり 大島民郎
菜の花やバス待つバスの運転手 汕 としこ
山里のバスを待つ間のかき氷 竹内光江
姿よき松とバス待つ今朝の冬 星野恒彦
手袋の穴を見つけつバスを待つ 佐野良太 樫
秋うららバス待つ女紅を引く 杉山青風
春著着て荒磯の道にバス待てる 上崎暮潮
真菰干す閾にかけてバスを待つ 清崎敏郎
人気なき村にバス待つけんぽなし 高澤良一 鳩信
雪下駄が雪噛み町へのバス待つ間 米田一穂
大原の釣瓶落しにバスを待つ 谷野由紀子
鳥渡る香林坊にバス待てば 茂里正治
冬いちご法起寺からのバスを待つ 金田咲子
冬の芽のきびしさと立ちバスを待つ 米沢吾亦紅 童顔
島に東風バス待ち刻の手打蕎麦 桂郎
梅雨の傘つらね岬のバスを待つ 篠原梵 雨
半鐘の下にバス待つ桃の花 猪俣千代子 堆 朱
繭を煮る軒に乗りつぐバスを待つ 北野民夫
木枯やバス待つ小銭温めつつ 甲賀山村
夜寒のバス待つ列の半ばにあり 原田種茅 径
夜空より垂るゝ芽柳バスを待つ 鳴沢花軒
夕焼けに新聞手に手にバスを待つ 篠原梵 雨
来ぬバスを待つも一人や暮の秋 北岡文子
来るか来ないかわからぬバスを待つや雪 辻桃子 ねむ 以後
凩が吹き寄せし人バスを待つ 嶋田摩耶子
ぎんなんを踏みつぶしゆく市営バス 高澤良一 暮津
炎天の熱気持ち込む市営バス 高澤良一 寒暑
台風去る市電市バスが動き出し 茨木和生 木の國
日の丸が小さく生きている市バス 森崎忠禄 「オール川柳」平成九年十二月号
落葉してぶつかる市バス系統図 高澤良一 石鏡
陸続と落葉降る中市バス来る 高澤良一 石鏡
縣廳前落葉と市バス駆け抜けて 高澤良一 石鏡
軒下にかたむき停り登山バス 森田 峠
登山バス出づることなき雲に入る 山口誓子 方位
登山バス著きたるらしき人通り 半田朝月
登山バス霧がかかればゆるやかに 松本たかし
木天蓼の蔓引掛けし登山バス 茨木和生 遠つ川
ぎんなんに汚れ放題このバス停 高澤良一 暮津
バス停にバスの来る頃北塞ぐ 櫂未知子
バス停に取りあってゐる草虱 矢嶋淳子
バス停に小座布団あり神の留守 吉岡桂六
バス停に孕み雀も濡れてをり 岩淵喜代子 硝子の仲間
バス停のあれは渋柿かもしれず 夏井芙蓉
バス停のいらだち撫ずる冬柳 指方幸子
バス停のゴスペルソング初比叡 宮澤せい子
バス停の位置をずらして秋祭 堀之内和子
バス停の椅子に梅干す檜原村 荒川優子
バス停の椅子新しく年のくれ 萩原まさえ
バス停の人それぞれに緑蔭に 城木タネ女
バス停の先頭に待つ捕虫網 城台洋子
バス停の墓苑案内秋めきぬ 佐々木平一
バス停の櫻花爛漫雨庇 山本富万
バス停は水蜜桃までジャンプ 坂上智哉
バス停は稔り田の中三河晴 関野敦子
バス停めて祈りの時刻炎天下 桑田青虎
バス停りても前方より雪ふり来る 横山白虹
バス停をひとつ乗り越す目借時 佐藤のぶ女
橋の名のバス停続きあたたかし 水口佳子
歳晩といふ待ち時間バス停に 住谷不未夫
祭まへバス停かげに鉋屑 北野平八
春を待つ夢の島バス停留所 田中啓介
誰も居ぬバス停に鳴く油蝉 小須田利子
峠てふバス停留所桐の花 川村紫陽
供養菊水上バスに匂ひけり 山本とく江
水上バス鬼灯市へ橋くぐる 綱川恵子
水上バス銀河澱みにねむくなる 平井さち子 完流
水上バス四万六千日に着く 松山足羽
水上バス着いて吐き出す夏帽子 石丸泰子
西日の尾ふり切り水上バス走る 上村占魚 『一火』
梅雨湿り水上バスで来しことも 永井東門居
白つめくさいちめん水上バス乗り場 高澤良一 燕音
李咲き村は水上バスのよう 本田ひとみ

バス 補遺

いつも乗るバスの時間や秋の雲 鈴木真砂女 卯浪
オーバーの肩背バスのわれを籠む 篠原梵 年々去来の花 皿
げんげ野を行くバス車体丸出しに 右城暮石 虻峠
コタン暮れバスに秋冷もてあます 角川源義
ころげあふ青柿ふたつバスの中 加藤秋邨
さくらんぼ買ひゐてバスをやり過す 安住敦
スキーの子バスに会釈や追縋り 川端茅舎
すみれ摘みきし人と並べりバスの中 古沢太穂 古沢太穂句集
バスいたく揺るるに堪へて花野ゆく 木村蕪城 一位
バスが攫ふ梅雨の雨着の少女群 能村登四郎
バスそこで降り鴨を見てあと歩く 安住敦
バスで通る葱の深谷はここなりと 山口青邨
バスとまるわれ向日葵の花に対す 山口青邨
バスとまる春日の道のなほ山ヘ 大野林火 早桃 太白集
バスに座す農婦に冬のひろびろと 飯田龍太
バスに乗れば風船のとぶ新宿に 山口青邨
バスに跳ねる炎天の尾や明治村 原裕 葦牙
バスに来し虻とカイバル峠越ゆ 加藤秋邨
バスに来し木犀の香すぐ吸ひつくす 篠原梵 年々去来の花 雨
バスの車塵に 突立つ老婆 遠流の国 伊丹三樹彦
バスの塵おいらん草に掃きおとす 清崎敏郎
バスの席得て雲の峰現はるゝ 右城暮石 句集外 昭和三十五年
バスの窓新樹たまゆらしかと位置占む 篠原梵 年々去来の花 皿
バスの中の孤愁に歪む 巴里景色 伊丹三樹彦
バスの湯も黄濁 ガンガと平行浴 伊丹三樹彦
バスの灯の過ぎて夜寒の川明り 石塚友二 光塵
バスの灯の紫遠し雁帰る 山口青邨
バスの標赤し冬木とまだ暮れず 大野林火 海門 昭和十二年
バスの埃浴びてひるまずラムネ飲む 右城暮石 声と声
バスは見えないものを曳航眠い峠 楠本憲吉 孤客
バスは挿すえぞにうの花北の国 山口青邨
バスまたも田水のあふれを過ぐ音す 篠原梵 年々去来の花 雨
バスも電車も窓あけて走るやうになりぬ 篠原梵 年々去来の花 皿
バスを下り見過ぎし木槿垣を曲り 大野林火 早桃 太白集
バスを追ひ雪の角巻翼ひろぐ 岸田稚魚 負け犬
バス果てぬ春蝉ここだ鳴く中に 篠原梵 年々去来の花 皿
バス曲り現れ来べきかなた冬木せり 篠原梵 年々去来の花 皿
バス降りし婆が一礼稲穂道 岸田稚魚
バス止めて買ふや国府津の青蜜柑 石塚友二 光塵
バス嬢に春の香水切符貰ふ 伊丹三樹彦
バス跳ねてわれ蕗原に跳躍す 山口青邨
バス通りからもわが家の幟が見ゆ 安住敦
バス通る金魚に跼む臀すれずれ 山口誓子
バス通る時刻枯野の中にあり 百合山羽公 寒雁
バス道へ一尾死したる金魚捨つ 右城暮石 句集外 昭和三十二年
バス避くる日傘のふるゝ築土塀かな 清崎敏郎
バス避けて夕焼を一家族歩く 右城暮石 句集外 昭和三十一年
バス無聊一双の脚眼に久し 日野草城
バス揺れて夜の南瓜を照らしだす 右城暮石 句集外 昭和二十四年
バス囃す小わつぱどもや独活の花 富安風生
メーデーの紙吹雪我がバスも受く 右城暮石 句集外 昭和三十四年
ゆきすぎて戻るバスあり氷水 石橋秀野
ロケのバス春の驟雨に遭ひかへる 安住敦
をだまきやバスここまでの山の家 水原秋櫻子 蘆雁
異人学徒の汗の香 加え 山手をバス 伊丹三樹彦
一駅をバス乗りすごし花の土堤 松崎鉄之介
稲の香におぼれてバスのかしぎ来る 水原秋櫻子 玄魚
雨さむきみなとうしろにバスの発つ 大野林火 海門 昭和十二年
炎天にバスとゞまれば蚕屋匂ふ 飯田龍太
夏野風バス傾きて走りけり 橋閒石 雪
花の露地遠く過(よぎ)りしバスの銀 香西照雄
花の露地遠く過りしバスの銀 香西照雄 対話
花明り経し顔なめらかバスの燈に 香西照雄 素心
柿百顆バス満員の顔過ぎて 香西照雄 素心
寒の靄バスの遠くのまへうしろ 篠原梵 年々去来の花 雨
寒行を技きしよりバス闇を馳す 大野林火 雪華 昭和三十五年
柑園のみち鴎翔けバス通る 飯田蛇笏 山響集
顔見世やバスを連ねて成田より 水原秋櫻子 緑雲
熊笹の雪刎ねてバス駈け上る 川端茅舎
鶏頭に波こまやかやバス終点 大野林火 雪華 昭和三十七年
月は常に映りバスの灯は映り去る 日野草城
枯木立緑濃きバス来ぬ往きぬ 日野草城
枯野バス通ると聞くも遂に見ず 岡本眸
枯野も市内バスが点燈して通る 山口誓子
五月佳し女声にてバスあやつるは 伊丹三樹彦
吾子の部屋氷雨のバスのわが中に 篠原梵 年々去来の花 皿
行商荷登山荷バスがふくらめり 右城暮石 句集外 昭和四十七年
行先のいろいろなバス日脚伸ぶ 高田風人子
濠の月青バスに乗る河童かな 飯田蛇笏 霊芝
混むバスの中にて背にたしか蚤ゐる 篠原梵 年々去来の花 雨
妻恋ふとバスの湯あふれしめにけり 安住敦
祭笛獅子頭めきバスが来る 香西照雄
桜見にバス乗り継ぎしことあはれ(長野県高遠へ二句) 細見綾子
山バスも春水も疾し平地恋ひ 橋本多佳子
山を降り来しバス蓮の平地走る 右城暮石 句集外 昭和三十四年
寺よりの女性群乗りバス暑し 中村草田男
社会鍋バス光点を移すのみ 香西照雄
手袋を嵌めて満員のバス掴む 右城暮石 句集外 昭和三十一年
秋の暮並びしバスのひとつ出る 中村汀女
秋晴れも午後やバス行く道ぼこり 細見綾子
春のバスにて頭打つ風船酬われず 赤尾兜子 蛇
春の日を歩く良寛バス追ひ越す 山口誓子
春光の湖よりかへす山のバス 百合山羽公 春園
春山をいただくバスの馳せて来し 中村汀女
春灯見送る四国へまでのバスの如き 中村草田男
春日落つ観光バスは夜の部へ 山口青邨
寝棺の司祭 いくつも見た日の バスの黄裸 伊丹三樹彦
真夜中のバスをつかへり壁隣 日野草城
酔どれ蜑拾ひ正月のバス弾む 岸田稚魚 負け犬
正月の銭にするあわびバスに提げ 岸田稚魚 負け犬
正月へ向けひた走り帰郷バス 松崎鉄之介
青バスに昨日のひとと揺れゐたり 伊丹三樹彦
青葉月嬰児泣くバスが疾走す 松村蒼石 雪
雪の峠越えんとバスのはやともす 大野林火 雪華 昭和三十七年
雪道となりて半年バス行かず 山口誓子
喪のバスの後部空席冬日射し 岡本眸
窓開かぬぼろバス 熊の無駄踊り 伊丹三樹彦
卒業や尻こそばゆきバスに乗り 西東三鬼
淡雪に窓を濡らししバスの来る 篠原梵 年々去来の花 皿
短日の灯し頃をバスにあり 星野立子
朝のバス荒き運転別れ霜 右城暮石 上下
朝曇するどく晴れぬバスの窓 日野草城
追ひ付けぬバスあきらめし夜業工 右城暮石 句集外 昭和三十年
天龍を躍りわたるや花のバス 山口青邨
電車追ひバス追ひ人等著ぶくれて 星野立子
登山者のバス降り行きし虻峠 右城暮石 虻峠
土堤枯れてバスに眼帯児童多し 飴山實 おりいぶ
冬没日職なき人をバス追へり 角川源義
湯どころの伊豆も冬なるバス埃 石塚友二 光塵
奈良市内循環バスに乗りて春 右城暮石 一芸
日焼よき渥美乙女とバスに乗る 大野林火 早桃 太白集
日盛りのこころも萎(し)ぬにバス間遠 篠原梵 年々去来の花 皿
廃バスを青葦原の作業所に 山口誓子
背に自信見せて運転雪のバス 右城暮石 一芸
梅雨さむしバスかきくゞる小買物 石橋秀野
梅雨のバス教師はねむり上手にて 能村登四郎
梅林に待つ一台の最終バス 右城暮石 句集外 昭和三十八年
疲れ濃しバスの車燈に火蛾舞へば 岡本眸
百千鳥正面半里をバス来つつ 中村草田男
氷食ふやバスのステツプすぐそこに 中村草田男
氷柱折る借切バスを停車して 右城暮石 天水
帽子膝に翠微のけはひバスに満つ 篠原梵 年々去来の花 皿
朴を見るためなら待つてくれるバス 稲畑汀子
無人バス来て引き返す 葛の花 伊丹三樹彦
霧にバス連ね予約の山上ヘ 右城暮石 句集外 昭和三十四年
木蔭より幾人も出てバスに乗る 篠原梵 年々去来の花 雨
餅の荷か岬人がバスに托しをり 能村登四郎
夜はバスに浮く身 水牛の角は持たず 伊丹三樹彦
夜振人らし最終のバス降りし 能村登四郎
野分のバス喪服一団他は居らず 大野林火 潺潺集 昭和四十一年
郵便夫へ手を振つてゆく灼けたバス 飴山實 おりいぶ
夕冷えの影先立ててバス来たる 橋閒石
立葵 挙手でもとまる島のバス 伊丹三樹彦
緑蔭や光るバスから光る母 香西照雄
列待ちは 麺にも バスにも 上海蒸す 伊丹三樹彦
腕の汗触れ合ひバスの扉しまらず 右城暮石 句集外 昭和三十一年
脛見せて海女が西日のバスに乗る 右城暮石 虻峠

バスを待ちくたびれてをり花通草 飴山實
バスを待ち大路の春をうたがはず 石田波郷
バスを待つマスクのほとり息の漾ふ 篠原梵 年々去来の花 皿
バスを待つ隠岐の巡査につばくらめ 加藤秋邨
バスを待つ老婆七夕笹抱けり 右城暮石 句集外 昭和六十年
バス待つと居ればゆふづく山ざくら 日野草城
円く濃き新樹の影にバスを待つ 篠原梵 年々去来の花 皿
花見バス待ちゐてひとりひとりなる(長野県高遠へ二句) 細見綾子
蟻の列示威の列わがバス待つ列 加藤秋邨
玉萵苣の早苗に跼むバス待つ間 「方寸虚実」石塚友二
見かけたる西瓜提燈バスを待つ 清崎敏郎
手品師がバス待ち顔に冬木立 村山故郷
乗替のバス待つ捕虫網立てて 右城暮石 句集外 昭和四十一年
真菰干す閾にかけてバスを待つ 清崎敏郎
雪に洋傘突きたて夜更けバスを待つ 大野林火 早桃 太白集
草紅葉バスを待つ客たもとほる 日野草城
冬晴れやつぎの標にもバスを待つ 大野林火 早桃 太白集
梅雨の傘つらね岬のバスを待つ 篠原梵 年々去来の花 雨
片蔭に島のバス待つ小一時間 清崎敏郎
保険屋とバス待つ焚火ともにする 能村登四郎
椋鳥わたる朝なバス待ち二十年 松崎鉄之介
夕焼けに新聞手に手にバスを待つ 篠原梵 年々去来の花 雨
葉桜の駅一時間バスを待つ 右城暮石 天水
林檎売る灯のみバス待つ吾にのこる 大野林火 青水輪 昭和二十三年
元朝の市電市バスの動けるよ 右城暮石 句集外 昭和三十七年
雲表に出て登山バス日の車 上田五千石『琥珀』補遺
若き背をかがめて立てり登山バス 右城暮石 虻峠
登山バスともに斎戒富士の霧 百合山羽公 樂土
登山バス出づることなき雲に入る 山口誓子
登山バス新婚の肩並み揺るる 伊丹三樹彦
登山バス登山靴にて踏み踏まる 右城暮石 句集外 昭和四十五年
満員の登山バス発車時間待ち 右城暮石 句集外 昭和四十七年
バス停 暮雪 揃って無口の湯治老婆 伊丹三樹彦
バス停留所でしたら 立葵のあそこ 伊丹三樹彦
花桐や島バス停めし巡礼寺 角川源義
亀鳴くやバス停の名の雑役免 百合山羽公 樂土以後
峡の少女に バス停までの露葎 伊丹三樹彦
天城越えのバス停に散る沙羅の花 松崎鉄之介
水上バス東京暑くなりしかな 村山故郷

以上

by 575fudemakase | 2018-04-28 11:21 | 無季 | Trackback | Comments(0)

昭和 の俳句

昭和 の俳句
昭和

あかぎれが疼くよ昭和ひとけたよ 宇咲冬男
いちじくや昭和倦くなき媼の邑 和田悟朗 法隆寺伝承
うすうすと昭和の終り蓑虫鳴く 石寒太 翔
おもかげに荒草まじる昭和かな 永末恵子
サイタサイタ昭和も昏れて年迎う 穴井太 原郷樹林
ざら紙の昭和の戦史黴匂ふ 老川敏彦
しんがりに昭和一桁花筏 山崎 聰
スキーバス轟々昭和終る夜も 堀口星眠
ステテコや彼にも昭和立志伝 小沢昭一
するすると絵馬の蛇消え昭和消え 寺井谷子
ソメイヨシノ昭和の端を歩いてきた 岡崎淳子
たっぷりと昭和に生きて毛虫焼く 藤原美峰
ところてん昭和がふつと顔を出す 藤田湘子 てんてん
なづな粥すする昭和の消え行く日 町田しげき
なづな粥泪ぐましも昭和の世 沢木欣一
はづかしき昭和戦史や残花余花 三橋敏雄
ぴいぴい昭和のテレホンカード鳥雲に 望月たけし
ひたひたと昭和曳きゆく夜の蝉 酒井弘司
ビル街より海近からむゆるゆると昭和晩期を渡るかりがね 篠弘
ポケットに星屑ありし昭和かな 高野ムツオ 蟲の王
ほたる袋のぞいてみれば昭和かな 中村寿子
みどりの日昭和一桁老いにけり 稲畑広太郎
阿部定にしぐれ花やぐ昭和かな 筑紫磐井
綾取のひとつひとつに昭和かな 神郡 貢
暗がりに外套ならぶ昭和かな 徳弘純
一月七日昭和が終る水飲めり 宮田カィ子
雲男行きつく昭和水びたし 谷山花猿
永かりし昭和の松を納めけり 綾部仁喜 樸簡
温め酒男の昭和終らざり 吉田比呂志
夏の夜の宴昭和のタップかな 高澤良一 暮津
嫁が君厳しき昭和なつかしき 濱田淡水
花見するたびに昭和の遠ざかる 鈴木蝶次
蚊帳吊りし昭和の釘の残りけり 成井 侃
海ゆかば海に橋なし昭和果つ 沼尻巳津子
海胆の生殖己に昭和の過ぎゆける 和久井幹雄
開戦の目に沁むばかり冬菜の霜(昭和十六年十二月八日) 田川飛旅子 『花文字』
角々に昭和の兵士結氷期 米花紺子
寒行の鈴に昭和の遠ざかる 岡林博茂
寒濤へ昭和の落暉呑まれゆく 甲斐すず江
寒蜆昭和ひと桁またも死ぬ 辻田克巳
干飯噛む錆びし昭和の金歯かな 五島エミ
汗をかき日々を勇んでああ昭和 高澤良一 随笑
眼鏡の露より昭和はじまれり 攝津幸彦
顔ぶれも昭和生まれの踊人 高澤良一 随笑
基地音 昭和二十八年ー三十年 古沢太穂 古沢太穂句集
既に陳(ふ)る昭和の書あり曝すなり しづの女
鬼燈の透けて余命の昭和かな 石寒太 翔
去りまして永き昭和の寒さかな 山田みづえ 草譜以後
胸底に昭和居すわる寒暮光 吉見弘子
鏡中に昭和果てたる床柱 桂信子
桐の花大正昭和四姉妹 松丸とわ子
茎石や昭和さんざん泣かせたる 齊藤美規
月日貝置き忘れたる昭和かな 高橋健文
元禄も昭和も末世大雪解 西本一都
枯蓮の水の明るさ昭和果つ 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
後ろ手に襖を閉めて昭和亡し たむらちせい
黒葡萄いささか渋き昭和かな 鍵和田「ゆう」子
忽然と昭和をはりぬ夕霧忌 森竹須美子
今もなほ昭和が好きで籠枕 池田琴線女(うぐいす)
今日のみの昭和しるせりカルテ数枚 八木三日女
最も永き昭和のばらの咲きはじむ 阿部みどり女 『石蕗』
菜の花や昭和の色に暮れている 仁田脇一石
冴返り冴返りつつ逝く昭和 中嶋秀子
錆釘も漬けて昭和を赦しおり 大津淳
残花散る昭和の証言上下巻 川崎展宏 冬
四方山の紅葉疲れを昭和びと 三橋敏雄
思ひつめゐる明眸の昭和雛 倉橋羊村
七種を摘む間に昭和終らむと 小泉八重子
七草の粥ふつふつと昭和終ゆ 斎藤節子
七草粥今日をかぎりの昭和かな 福川八重子
七草粥吹いて昭和を送りけり 三嶋隆英
七日粥一炊の間の昭和かな 菅野洋々
七日爪飛ばし昭和と別れけり 持田経子
煮凝や還暦といふ昭和の子 宮岡計次
車中の夕日昭和が溺死していたり 高野ムツオ
若かりし昭和も老いぬ七五三 相馬遷子 雪嶺
若菜野に雨降りやまず昭和逝く 垣迫俊子
手錠が光っているだけの昭和だった 青倉人士
手焙の燠消えてゐて昭和過ぐ 大屋達治
種ふくべ昭和の果を見てゐたり 黛執
種袋昭和の音と違ひけり 脇本星浪
終らぬ昭和シベリアの匙むきだしに 小田 保
春雨や昭和を生きし井戸閉ざす 太田裕子
春眠し昭和一桁ことに眠し 大牧 広
春眠の昭和のはじめまだくらし 小川双々子
初むかし掌に書く昭和かな 宮崎とき女 『雪椿』
初島に遊んでをれば昭和果つ 鈴木鷹夫 春の門
昭和いつまで骨の音する蘆を刈る 上中章逸
昭和すでに撫子はみな何処へ行きし 苑子
昭和とは雪降る夜の悲恋に似て 七田谷まりうす
昭和ながかりし麦稈帽古りぬ 舘岡沙緻
昭和など忘れて久し春時雨 高野ムツオ 蟲の王
昭和の銀座へ冬帽を取りにゆく 小原洋一
昭和の子供と生れて老いぬ更衣 鈴木鷹夫 風の祭
昭和の子食うても食うてもそら豆 川崎展宏
昭和の松焚き平成の達磨買ふ 永井敬子
昭和の色大正の色錦鯉 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
昭和の世ひた惜しみ松納めけり 中本 柑風
昭和は過去白りんだうの先充つる 松村多美
昭和ますます遠くなりゆく小豆粥 行川行人
昭和また遠しと言はむ散り椿 所山花
昭和また銅像に雷近くなる 徳弘純 麦のほとり
昭和より流謫の日々や霜柱 斎藤慎爾
昭和一桁鯛焼のうらおもて 手塚 美佐
昭和永し旅路いづこも泡立草 安江緑翠 『枯野の家』
昭和遠し冷しトマトといふ肴 伊藤伊那男
昭和果つ七日の波頭すべて鎖 熊谷愛子
昭和経し身に冷え冷えと夕桜 川崎展宏 冬
昭和時代水銀燈の櫻の園 山口誓子 方位
昭和終りしてふサハリンの夏望む 山本つぼみ
昭和終るタイヤが咥えたる石と 鈴木六林男
昭和十一といふ大いなる年暮るゝ 富安風生
昭和塾出でて孔子木落葉かな 青木重行
昭和衰へ馬の音する夕かな 三橋敏雄
昭和逝くタンカーは鴎を曳いて 児玉悦子
昭和逝く七日の夜の雨の音 関森勝夫
昭和逝く七日の夜を髪洗ふ 蓬田紀枝子
昭和日暮の蚊帳吊草を吊る遊び 柿本多映
昭和畢るとて悪声の寒鴉 倉橋羊村
昭和夢見し少年倶楽都鳥渡る 高橋康菴
昭和余年平成後年寒椿 大井恒行
松飾焚き悲しみの昭和果つ 小松崎爽青
障子貼り昭和を遠く生きている 岡本寿美子
上野池の端町を歩く昭和も五十年 村尾草樹
色変へぬ松や昭和の傷深く 片山由美子 風待月
人日の雲層々と昭和果つ 中村明子
人日の戸に昭和果つ雨の音 加藤 耕子
人日の日もて終りし昭和かな 稲畑汀子
人日の野辺に昭和の終る雨 落合水尾
人日や昭和を楯のわれも老ゆ 江ほむら
水虫は父の勲章昭和果つ 飯田綾子
水餅にかび浮き昭和遠きかな 福山良子
睡蓮に辿りつきたる昭和かな 徳弘純
星を見て爛れて我は昭和の子 攝津幸彦 鹿々集
正月のさてもなんきんたますだれ拡ぐるかなた昭和のけぶる 土井紀枝
生きるなり白息昭和より重ね 志摩知子
生き抜きし昭和がこころ紅葉酒 時野穂邨
西日さす昭和文学全集や 池田澄子
青き踏む昭和の恋の微熱めく 宮下裕大
青蚊帳を泳ぐ昭和の日暮かな 柿本多映
石炭も昭和も父も遠くなり 小田嶋典子
雪くれて昭和彷う黒マント 浅井愼平
雪に印す昭和を生きし靴の裏 佐々木春蔵
蝉鳴くや消えざるものにわが昭和 板津堯「雪起し」
戦いの昭和を生きてちやんちやんこ 寺西安子
双六の絵図に残りし昭和かな 赤井よしを
草を摘む昭和一桁雑食派 本宮鼎三
霜の土昭和無辜の死詰めて逝く 古沢太穂
足湿る冬日の巨象昭和逝く 柴崎左田男
大正・昭和・平成の人草を刈る 遠藤ひろし
大正も昭和も生きてさんま食ふ 深見けん二 日月
卓袱台は昭和の匂ひ四日かな 端山日出子
短足の昭和一桁浜蒲公英 中村棹舟
男らは戦争に行き昭和雲 高澤晶子
茶立虫修羅の昭和も晩年に 岩村蓬
茶立虫昭和一日づつ遠し 木内彰志
転がして掌にあそびたるかたつむり昭和果てゆくひかりならむか 三枝昂之
田作や昭和と同じ齢重ね 宮武章之
都鳥昭和の白のながれゆく 津根元潮
冬座敷かつて昭和の男女かな 宇多喜代子
冬山のいま終りたる昭和かな 中杉隆世
冬鳥の行衛の杳と昭和尽く たむらちせい
冬薔薇の蕾のままに昭和果つ 五島久子
道をしへ跳ね跳ね昭和永きかな 平畑静塔
読初の胸中熱し昭和篇 西田妙子
日寂然聞くは昭和のほとゝぎす 林原耒井 蜩
熱燗や昭和引ずり出して飲む 宮田よりを
白玉や つるんと昭和胃に落ちる 星永文夫
白地着て顔の見えざる昭和の夜 鴨下 昭
鉢叩いまだ昭和の終らざる 原裕 出雲
反芻をしてわれ生きむ馬くさき昭和の入口昭和の出口 山田富士郎
蕃茹に塩たっぷり昭和生まれなる 高澤良一 石鏡
飛花落花昭和を忘れたい人に 室生幸太郎
病むものの頸くらくらとゆれおりて昭和末期の日本の夏 糸川雅子
貧乏な鯵の開きの昭和色 田原俊夫
父の老凍雲起伏来し昭和 森 白樹
父ははの昭和も過ぎぬ蕗のたう 大木あまり 火球
平成も昭和も嫌ひ韮・蒜 攝津幸彦 鹿々集
名残梅雨斂葬をもて昭和逝く 泉治人
毛糸解く昭和の初め見えてくる 宮川三保子
夜半の冬昭和レトロの小津映画 大西恒生
野毛山の桜昭和の戦見し 高澤良一 随笑
厄落し昭和の維新遠くする 武井宝舟
油絵に昭和の暗さ夏館 長嶺千晶
輸入鮭吊つて遠のく昭和かな 小川笹舟
冷え冷えと刻の手裏剣昭和逝く 火村卓造
翅休め昭和の遺物扇風機 高澤良一 暮津
霙降る幾裏山や昭和終ふ 金箱戈止夫
昭和 補遺

ところてん昭和がふつと顔を出す 藤田湘子 てんてん
はづかしき昭和戦史や残花餘花 三橋敏雄
わが昭和血と酒にほひ易かりき 三橋敏雄
移民船 昭和三十六・三十七年 伊丹三樹彦
一本落葉松 昭和三十八・三十九年 伊丹三樹彦
永かりし昭和は人日にて結ぶ 阿波野青畝
既に昭和二十七年のしづかな闇 日野草城
去りまして永き昭和の寒さかな 山田みづえ まるめろ
鏡中に昭和果てたる床柱 桂信子 樹影
限りなき外套の黄の昭和かな 桂信子「草影」以後
枯赫く昭和あらあらしき世かな 岡本眸
咲きやすき櫻や昭和以後忽ち 三橋敏雄
四方山の紅葉疲れを昭和びと 三橋敏雄
若かりし昭和も老いぬ七五三 相馬遷子 雪嶺
春寒や昭和と古りて戦災記 上田五千石『天路』補遺
春深し遺る昭和に身を置けば 岡本眸
初日うらうら昭和元禄の花ふらし 山口青邨
昭和すでに撫子はみな何処へ行きし 中村苑子
昭和また一つ老いたり寒燈 藤田湘子
昭和果つかたまつてゆく裘 桂信子 樹影
昭和穴居の煙出しより春の煙 西東三鬼
昭和五十五年五月五日の那智御瀧 百合山羽公 樂土
昭和時代水銀燈の桜の園 山口誓子
昭和十五年終る日没す枯木かな 星野立子
昭和出征惨たり銃に巻く繃帯 三橋敏雄
昭和衰へ馬の音する夕かな 三橋敏雄
昭和平成その次知らず灯取虫 藤田湘子 神楽
人日の日もて終りし昭和かな 稲畑汀子
石段と青空 昭和四十四年 伊丹三樹彦
大晴れの昭和四十四年終る 高野素十
大正昭和二月の雪は深かりし 桂信子 草影
逃水の昭和元禄はてもなし 百合山羽公 樂土以後
道をしへ跳ね跳ね昭和永きかな 平畑静塔
不幸とのみ昭和を言ふな秋燈 藤田湘子 神楽
塀越す薔薇 戦後昭和を倦む勿れ 伊丹三樹彦
万愚節昭和無駄なく我にあり 藤田湘子 神楽
余魚売昭和末期の声は褪せ 鷹羽狩行
皺手の甲抓み引張るや昭和果つ 三橋敏雄
蜻蛉とぶ鎌倉時代昭和時代 高田風人子
以上

by 575fudemakase | 2018-04-26 09:21 | 無季 | Trackback | Comments(0)

開戦の日 の俳句

開戦の日 の俳句
開戦の日

ふわふわと妊婦が歩く開戦日 荻野雅彦
異邦人とゐて十二月八日かな 米山杜城子
一稿の口述寒し開戦日 石川桂郎 高蘆
牡蠣フライ食べ十二月八日かな 石川文子
芥子利く開戦の日のハムサンド 大島民郎
開戦シーンポップコーンの香が流れ 高澤良一 暮津
開戦の眼に沁むばかり冬菜の霜 田川飛旅子 花文字
開戦の前夜は静か桃の花 芦川栄子
開戦の日ではなくジヨン・レノンの命日と紹介さるる十二月八日小野雅子
開戦の目に沁むばかり冬菜の霜(昭和十六年十二月八日) 田川飛旅子 『花文字』
開戦記念日みなさんにはすっぽん料理 増山美島
開戦日アルミの弁当箱に穴 鈴木登代子
開戦日くるぞと布団かぶりけり 木田千女
開戦日ただ海を見てひき返す 中 拓夫
開戦日厨にパンを焼く匂ひ 吉田八重子
開戦日疎林に淡き昼の月 古賀まり子
開戦録いまその前夜夜番の柝 奈良文夫
開聞岳を指差して十二月八日鈴木鷹夫 風の祭
蒲団叩けば団地に谺開戦日 奈良文夫
口紅のほどよき十二月八日朝川崎展宏
十二月八日あまたのラブホテル 岩城久治
十二月八日かがみて恥骨あり 熊谷愛子
十二月八日ごつごつ石ばかり 廣瀬直人
十二月八日ジーパン生乾き 荻原あや子
十二月八日たまたま洲崎かな 伊藤いと子
十二月八日でありし靴を履く 川崎展宏
十二月八日と言ひて口噤む 岩淵喜代子
十二月八日に触れず授業了ふ 明石星一
十二月八日の空の濁りなし 片山由美子 水精
十二月八日の空へ朝雀 川崎展宏 冬
十二月八日の航の潮つぶて 友岡子郷
十二月八日の冴えに退りけり 渡邊水巴 富士
十二月八日の青い魚買う 鷲見緑郎
十二月八日の霜の屋根幾万 加藤秋邨 雪後の天
十二月八日の太陽から雫 相原左義長
十二月八日の昼の物音す 高澤良一 随笑
十二月八日の朝の厚氷 西谷芳雄
十二月八日の都夜霧濃し 藤井寿江子
十二月八日の日差がんもどき 原田喬
十二月八日の薄きおみおつけ 高澤良一 随笑
十二月八日の夜を早寝せり 天野初枝
十二月八日の落葉ふはり踏む 五味亜木
十二月八日ミルクの膜厚き 櫂未知子
十二月八日やぬるき湯に浸かり 森田智子
十二月八日や長子のみぞ知る 川崎慶子
十二月八日よ母が寒がりぬ 榎本 好宏
十二月八日らふそく炎えてをり 小林篤子
十二月八日を過ぎて生残る 三橋敏雄 畳の上
十二月八日を夫の言ひ出づる 天野慶子
十二月八日を風の横須賀に 高澤良一 石鏡
十二月八日一人言へども誰も云はず 熊谷愛子
十二月八日一生狂はせり 奥てるを
十二月八日沖見てゐる一人 宮城白路
十二月八日階下から酢の匂ひ 鈴木八洲彦
十二月八日企むこともなし 加藤洋子
十二月八日靴音消ゆる壁 寺井 治
十二月八日月夜の通り雨 菊地千枝子
十二月八日根をもつごとき霜 桜井博道 海上
十二月八日産声二度起る 萩原麦草 麦嵐
十二月八日触れたる幹が刺す 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
十二月八日新聞両手もてひらく 前田典子
十二月八日青空の奈落かな 川嶋悦子
十二月八日青春欠け初めし 森 洋子
十二月八日徴兵なき平和 加川美代子
十二月八日同年酌み交はす 森田峠 逆瀬川以後
十二月八日日記に晴とのみ さくたやすい
十二月八日番茶をひとつかみ 熊田邨
十二月八日微塵の蝶の翅 安藤幸子
十二月八日百円玉軽し 風間みどり
十二月八日米研ぐ水の音 白川宗道
十二月八日呆けてなるものか 渡辺延子
十二月八日味噌汁熱うせよ 桜井博道
十二月八日無冠の星瞬く 竹林 仁
十二月八日夜干しのズボン垂れ 内田 美沙
十二月八日卵黄漲りぬ 原田喬
十二月八日嘴たたくのみ 斎藤 梅子
十二月八日鯊釣る帽深く 殿村莵絲子 牡 丹
食いこぼす朝の飯粒十二月八日窪田丈耳
食パンの頑固な四角開戦日 葦岑和子
霜柱十二月八日の無数の靴 山口和夫
暖房の強すぎないか開戦日 黒沢弘行
日めくりの十二月八日稜(かど)かどし 平井さち子 鷹日和
防人や十二月八日に母逝きし 田多井みすゞ
木枯の研ぎ出す星座開戦記 鍵和田[ゆう]子 未来図
骰子の一の目赤し開戦日 吉田ひろし

開戦の日 補遺

ばかなことをといひたるありき開戦日 三橋敏雄
一稿の口述寒し開戦日 石川桂郎 高蘆
十二月八日ごつごつ石ばかり 廣瀬直人
十二月八日のことを妻言はず 燕雀 星野麥丘人
十二月八日の記憶無しとせず 相生垣瓜人 負暄
十二月八日の冴えに退りけり 渡邊水巴 富士
十二月八日の霜の屋根幾万 加藤秋邨
十二月八日や葉付き柚子一顆 寒食 星野麥丘人
十二月八日を過ぎて生残る 三橋敏雄
十二月八日動天の記憶あり 山口青邨
十二月八日滾りしもの身ぬちに 伊丹三樹彦
十二月八日籠りぬ故あらず 石塚友二 磊[カイ]集

以上



by 575fudemakase | 2018-04-26 09:20 | 無季 | Trackback | Comments(0)

由比ヶ浜 材木座 の俳句

由比ヶ浜 材木座 の俳句
由比ヶ浜 材木座

引鶴や鳥居さびしき由比ヶ浜 内藤鳴雪
江ノ電の材木座経て土用波 高澤良一
歳晩や鮫の子あがる由比ヶ浜 西本才子
材木座地下道を抜け冬の濤 山西雅子
冴返る浪音強し由比ケ浜 阿波野青畝
桜蝦有りと貼り紙由比ヶ浜 久保木恒雄
紫陽花の段々坂下り由比ヶ浜 高澤良一
初詣怠りて佇つ由比ヶ浜 鈴木真砂女 都鳥
初凪や誘はれ出でし由比ヶ浜 池内たけし
泰山木花を掲げて材木座 高澤良一
淡雪の一歩に朝の由比ケ浜 大木さつき
土左衛門盆波に乗り材木座 高澤良一 素抱
尼が買ふ蛸と水仙由比ケ浜 大木あまり 火のいろに
波音の由比ケ浜より初電車 高浜虚子(1874-1959)
盆波の音聞きに来て由比ヶ浜 高澤良一
友二忌の鳶吹き戻す由比ケ浜 大圖四星
由比ケ浜の風が初鳩ちらしけり 西 宇内
由比ヶ浜遠うねりして盆の波 高澤良一
浪音の由比ヶ浜より初電車 高浜虚子
搗布干す老が居しのみ由比ケ浜 東野悠象
以上

by 575fudemakase | 2018-04-20 09:16 | 無季 | Trackback | Comments(0)

金毘羅 の俳句

金毘羅 の俳句
金毘羅

こんぴらの春や我らに通り札 斎藤 梅子
こんぴらの百段堂にてラムネのむ 高澤良一 寒暑
どの道を行くもこんぴら豆の花 佐伯啓子
ながし樽初金毘羅にとゞきけり 森 婆羅
ビルの稜初金毘羅の燈を囲み 有馬籌子
下駄ひきて初金比羅の石だたみ 村沢夏風
下駄ひきて初金毘羅の石だたみ 村沢夏風
花人の足腰問はる象頭山 高澤良一 寒暑
花吹雪ぱっぱと金比羅大権現 高澤良一 寒暑
汗ばみて初金毘羅の段登る 三谷 美子
脚垂れてきて金刀比羅の春蚊かな 古舘曹人 樹下石上
琴平の駕籠舁き溜り若楓 神田美穂子
琴平参道さくら蘂降る石畳 吉野義子
金比羅に大絵馬あげる日永哉 日永 正岡子規
金比羅の奥社に匂ふ蚊遣香 坂下草風
金比羅の代参といふ春の宿 萩原麦草 麦嵐
金比羅へ舟あしはやし亀の声 磯貝碧蹄館
金比羅参り燕出入りのいっぷく茶屋 高澤良一 寒暑
金比羅参り蝶の身軽さ羨しとも 高澤良一 寒暑
金毘羅の神饌田小屋あと薺萌ゆ 水田千風
月の出て再び仰ぐ象頭山 酒井黙禅
呉服所のあれは誰やらこんぴら会 斯波園女
刻を待つ初金毘羅の出仕巫女 麻野太十
骨董もならべ雑踏初金毘羅 小川濤美子
子遍路が乗れば金比羅舟ゆるゝ 萩原麦草 麦嵐
春の海鯛も金毘羅参り哉 春の海 正岡子規
春興の駕籠に揺られて象頭山 高澤良一 寒暑
初金刀比羅耳掻売も出てゐたる 永方裕子
初金比羅みな舞台より海を見る 斎部薫風
初金毘羅みな舞台より海を見る 斎部薫風
初金毘羅一刀彫で恵比須笑む 砂井斗志男
初金毘羅屋台の暖簾波に蛸 金子蛙次郎
初金毘羅髪切るほどの願もなく 佐藤仙花
初薬師初金毘羅と逢ひ貯めて 鈴木栄子
松風の松しぐるるや象頭山 広瀬惟然
象頭山その他春山皆似たり 松本たかし
象頭山詣でし朝寝のふくらはぎ 高澤良一 寒暑
新薬師初金毘羅と逢ひ貯めて 鈴木榮子
雪ながら初金毘羅の雑沓に 池田光枝
打ち連れて舟人来たり金刀比羅祭 若尾高城
担ぎゆく初金毘羅の流し樽 香川芳水
竹杖の音にこんぴらさま若葉 杉本寛
朝日さす紙帳の中や蚊の迷ひ 丈草「金毘羅会」
椎の実の朽ちかけてゐる金比羅社 高澤良一 暮津
辻埋めて初金刀比羅の植木市 富岡掬池路
天井の金比羅札や蚊帳名残り 内田百間
田植終へ結ひの金毘羅参りかな 田窪 正
東風の船金毘羅詣りばかりなり 比叡 野村泊月
灯を入るる初金比羅の仁王かな 井川木仙子
灯を入るゝ初金比羅の仁王かな 井川木仙子
馬に乗る衣かづきあり金比羅会 才麿
落し文拾ひ金刀比羅詣かな 棚山波朗
涼しさを見せてそよぐや城の松 丈草「金毘羅会」
鱧鮓を膝に金比羅囃子かな 壺井久子
金毘羅 補遺

渦潮に四噸金比羅丸頼む 山口誓子
脚垂れてきて金刀比羅の春蚊かな 古舘曹人 樹下石上
金比羅に大絵馬あげる日永哉 正岡子規 日永
金比羅の祭の面のまま歩む 阿波野青畝
金毘羅は船神老朽船われ初詣 山口青邨
金毘羅ふねふね春の日の振子かな 岡井省二 鯛の鯛
秋興や金刀比羅駕籠の握り綱 百合山羽公 樂土以後
春の海鯛も金毘羅参り哉 正岡子規 春の海
象頭山その他春山皆似たり 松本たかし
野馬追に金毘羅詣づ総大将 松崎鉄之介
金毘羅 続補遺

橋廊に袖をひかれな金毘羅会 泥足
呉服所のあれは誰やらこんぴら会 園女
松風の松しぐるゝや象頭山 惟然
跡乗の太刀やさながら金毘羅会 舎羅
以上

by 575fudemakase | 2018-04-16 18:39 | 無季 | Trackback | Comments(0)

水鏡 の俳句

水鏡 の俳句
水鏡

いちはやく秋夕焼の水鏡 東野昭子
さざれいし陰より落つる潮水鏡 夏石番矢
ワーグマン忌の水鏡にて鮟鱇顔 中戸川朝人
をだまきに水鏡侍す晶子の忌 鍵和田[ゆう]子 浮標
渦笑窪消え水鏡寡婦に冴ゆ 香西照雄 対話
下萌のこゝに佇み水鏡 高木晴子 晴居
化粧して蛇に魅入られな水鏡 筑紫磐井 婆伽梵
夏草のひとり花ゆれ水鏡 上島鬼貫
夏兆す杉の吉野の水鏡 原 裕
夏蝶の葉陰に揺るる水鏡 坂内恒郎(浮標)
夏薊に水鏡したる醜婦かな 龍胆 長谷川かな女
花筏とぎれて花を水鏡 岩田由美
海苔掻きや伊勢越の海人の水鏡 海苔 正岡子規
蛎むきや我には見えぬ水鏡 其 角
郭公にこだま白樺に水鏡 宮津昭彦
曲水に朱の小袿水鏡 須賀遊子 『保津川』
行く春や道にいくつも水鏡 河原枇杷男 蝶座 以後
山女走せをり水鏡ゆるがさず 中戸川朝人 星辰
死は重く春雪写す水鏡 河野多希女
蛇穴を出てまつさきに水鏡 鳥居真里子
若蘆や伊勢の日影の水鏡 淡々
秋風に嶽の日は金ン水鏡 石原舟月 山鵲
秋立つと知らずや人の水鏡 立秋 正岡子規
秋涼し魚木に上る水鏡 沢木欣一 往還以後
出女や水鏡見るところてん 木導 五 月 月別句集「韻塞」
春灯も吾も沈み行く水鏡 水田むつみ
神謀りゐる十月の水鏡 原裕 『新治』
水鏡かの家にいまも桐一葉 宇佐美魚目 秋収冬蔵
水鏡きさらぎはまだ森のなか 井上たま子
水鏡してあぢさゐのけふの色 上田五千石
水鏡してゐる如き鹿涼し 岩崎照子
水鏡して炎天はいづこにも 原裕 青垣
水鏡はなれて蓬原のあり 柿本多映
水鏡ゆるがず山女癇走る 中戸川朝人
水鏡鮎澄むほどに吾も澄みぬ 太田鴻村 穂国
水鏡暗し天に繁るは何ならん 河原枇杷男
水鏡割つて着水飛来鴨 石井いさお
水鏡見てやまゆ(眉)かく川柳 田捨女 (1634-1698)
水鏡見てやまゆかく川柳 田捨女
水鏡見るがごとくに藺を植うる 吉富平太翁
水鏡見るそだちなし蜆取り 千代女
水鏡拭いさりたき老いがあり 宇川啓子
水盤をめぐりて猫の水鏡 本田あふひ
睡蓮や鬢に手あてて水鏡 杉田久女
青桐の實の霜枯れて水鏡 竹田 節
青鷺の八頭身を水鏡 高澤良一 宿好
静けさは子の水鏡われ秋思 中村明子
早乙女や朝澄む小田の水鏡 瓢子
滝となるまでせせらぎの水鏡 野中亮介
達磨忌や自剃にさぐる水鏡 其角
誰がための秋天を置く水鏡 原裕 葦牙
蝶昏れて水鏡に棲む貌ひとつ 河原枇杷男 蝶座
笛方の涼しき袖を水鏡 小原芳子
美人老て疎影の痩を水鏡 椎本才麿
苗代の秋田こまちに水鏡 高澤良一 宿好
貌鳥や消えては戻る水鏡 平川雅也
無花果に水鏡して水急ぐ 百合山羽公 寒雁
涸れ残りたる水鏡暮れ残り 永田耕衣
藺を伝ひ生るる蜻蛉に水鏡 松本たかし
蠣むきや我には見えぬ水鏡 其角
蜻蛉のおのが影追ふ水鏡 星野立子
蜻蛉生れ阿蘇千枚田水鏡 小浜光吉(萩)
蝌蚪増ゆるまで紺青の水鏡 滝谷泰星
雉子鳴くや窪田にあをき水鏡 岡田 貞峰
水鏡 補遺

うそ寒の眉雪ちらつく水鏡 秋元不死男
みづら結ふ神代の春の水鏡 杉田久女
渦笑窪消え水鏡寡婦に冴ゆ 香西照雄 対話
夏兆す杉の吉野の水鏡 原裕 青垣
夏風邪かもしれぬあぎとを水鏡 伊藤白潮
海苔掻きや伊勢越の海人の水鏡 正岡子規 海苔
貝売りのこゑのかぎろふ水鏡 飯田龍太
鍬洗う屈背の終始 水鏡 伊丹三樹彦
畦塗も深山つゝじも水鏡 飴山實 次の花
広沢の水鏡なす虫月夜 阿波野青畝
座禅草 二二んが四の水鏡 伊丹三樹彦
秋の日をかへすところに水鏡 鷹羽狩行
秋の暮紅唇くろむ水鏡 上田五千石『田園』補遺
秋立つと知らずや人の水鏡 正岡子規 立秋
春浅き谷の窪みの水鏡 佐藤鬼房
小田べりの水無瀬の紅葉水鏡 阿波野青畝
水鏡あればや木の芽はや萌えて 山口青邨
水鏡してあぢさゐのけふの色 上田五千石 田園
水鏡して炎天はいづこにも 原裕 青垣
水鏡より現れし雪女郎 鷹羽狩行
水鏡好まぬ座禅草も有り 阿波野青畝
水鏡冴えたる亭は白障子 阿波野青畝
水鏡子の浴衣着の裾みだれ 飯田龍太
水鏡承知の濯ぎ 朱衣 緑衣 伊丹三樹彦
水鏡暮れてゆけどもだるま草 阿波野青畝
水芭蕉ならぬはなしや水鏡 阿波野青畝
睡蓮や鬢に手あてて水鏡 杉田久女
雛の日の水のとぼしき水鏡 鷹羽狩行
雛の日の煤をまろばす水鏡 鷹羽狩行
沢瀉や水鏡亡き妻の顔 森澄雄
誰がための秋天を置く水鏡 原裕 葦牙
鳩くぐり出て水鏡そこなはず 鷹羽狩行
忘れ寒潮女人には水鏡 鷹羽狩行
無花果に水鏡して水急ぐ 百合山羽公 寒雁
蘭を伝ひ生るる蜻蛉に水鏡 松本たかし
歴々と親子千鳥の水鏡 中村草田男
篁や田を植ゑてなほ水鏡 森澄雄
蜻蛉のおのが影追ふ水鏡 星野立子
鶺鴒の 何処へ降りても 水鏡 伊丹三樹彦
水鏡 続補遺

ほとゝぎすなき~見るや水鏡 許六
闇をかりの顔や花火の水鏡 早野巴人
夏草のひとり花ゆれ水鏡 鬼貫
蛎むきや我には見えぬ水鏡 其角
月取んといつまで猿の水鏡 桃妖
出女や水鏡見るところてん 木導
水鏡かねになしたる氷かな 尚白
水鏡見てやまゆかく川柳 田捨女
早乙女の顔の並ぶや水鏡 毛〔ガン〕
大黒に見せばや今朝の水鏡 乙訓
達磨忌や自剃にさぐる水鏡 其角
美人老て疎影の痩を水鏡 椎本才麿
弁天は見いでも今朝の水鏡 木節

以上


by 575fudemakase | 2018-04-12 06:21 | 無季 | Trackback | Comments(0)

絵の俳句あれこれ

絵の俳句あれこれ


スケッチ

http://fudemaka57.exblog.jp/28174333/

浮世絵 大和絵 文人画 仏画 静物画 山水画 春画 壁画

http://fudemaka57.exblog.jp/28174336/

油絵 水彩画 水彩

http://fudemaka57.exblog.jp/28174339/

墨絵 水墨 水墨画

http://fudemaka57.exblog.jp/28174340/

蒔絵 錦絵

http://fudemaka57.exblog.jp/28174342/

版画 木版 銅板 石版

http://fudemaka57.exblog.jp/28174346/

影絵

http://fudemaka57.exblog.jp/28174350/

漫画 劇画 ポンチ絵 マンガ

http://fudemaka57.exblog.jp/28174354/

挿し絵 挿画 イラスト カット 挿絵

http://fudemaka57.exblog.jp/28174359/

踏み絵 踏絵

http://fudemaka57.exblog.jp/28174022/


by 575fudemakase | 2018-03-05 14:08 | 無季 | Trackback | Comments(0)

筆記用具の俳句あれこれ

筆記用具の俳句あれこれ


鉛筆 ペンシル 赤鉛筆 青鉛筆 色鉛筆

http://fudemaka57.exblog.jp/28174315/

クレヨン パステル クレパス くれよん

http://fudemaka57.exblog.jp/28174186/

白墨 チョーク 黒板

http://fudemaka57.exblog.jp/28174183/

絵の具 絵具

http://fudemaka57.exblog.jp/28174177/

ボールペン

http://fudemaka57.exblog.jp/28174173/

ペン

http://fudemaka57.exblog.jp/28174322/

万年筆

http://fudemaka57.exblog.jp/28174317/

インク

http://fudemaka57.exblog.jp/28174327/

鉄筆

http://fudemaka57.exblog.jp/28174166/

コンテ 木炭

http://fudemaka57.exblog.jp/28174332/


by 575fudemakase | 2018-03-05 14:04 | 無季 | Trackback | Comments(0)

挿し絵 の俳句

挿し絵 の俳句
挿し絵

おぼろ濃く一挿絵めく道後の湯 高澤良一 寒暑
ギフトカードにポインセチアのカットかな 高澤良一 さざなみやつこ
シーボルト挿し絵に遺す鯨曳 高澤良一 燕音
燕くる挿し絵のごとき街に橋 高澤良一 暮津
絵葉書に貝のイラスト夏見舞 高澤良一 暮津
上段に土筆の挿し絵四月号 高澤良一 寒暑
挿絵めく赤提灯や酉の市 高澤良一 燕音
挿し絵 補遺

睡蓮や挿絵も自筆の秘冊あり 中村草田男
蚊の声や墨東綺譚青挿絵 大野林火 飛花集 昭和四十七年
以上

by 575fudemakase | 2018-03-05 13:20 | 無季 | Trackback | Comments(0)

漫画 の俳句

漫画 の俳句
漫画

くすくすして漫画に魅入る暖房車 高澤良一 石鏡
すっかり漫画の国となり夜の汽笛 五島エミ
なぐり描き劇画のやうな驟雨くる 高澤良一 寒暑
ふくれ来る餅に漫画を思ひけり 高田風人子
マスクして少年切に漫画読む 石塚友二 光塵
嬰の口へ運ぶゼリーの漫画匙 坂本たけ乃
夏バテなし漫画を糧の青年は 高澤良一 寒暑
咳の子に待合室のマンガ本 町田敏子
基督を漫画で説きぬ雲の峰 鈴木鷹夫 春の門
犬の眼に宝石入れる子の漫画 金城けい
児の毛布漫画づくしに夢育つ 奥田恵美 『再度山』
社説さて置き漫画見る暑さかな 藤井 豊
春不況マンガと日経を読む若さ 福住 茂
春服やバスの車体の漫画文字 小高沙羅
初秋風北斎漫画褌一つ 飯田晴子
長き夜やパラパラ漫画踊らせて 石田たまみ
弟は漫画が好きで春の風邪 田野岡清子
天皇家の漫画たのしき冬至の夜 長谷川かな女
読初や病む子の漫画三国志 小西藤満
漫画のように笑う猫なら飼ってもいい 中林一洋
漫画めく漢字が書かれ星祭 上野泰 春潮
漫画読む人にはさまれ暖房車 高見孝子
木に懸かるマンガ風船何処より 石井喜美子
羅匂ふ暫し漫画を繰る芸妓 鍵和田[ゆう]子 未来図
老人と漫画しずかな十二月 新保吉章
悄気るさま漫画のやうに水中り 高澤良一 素抱
珈琲屋劇画の多喜二起ち上がれ 阿部娘子
漫画 補遺

イースターエツグ彩る漫画かな 阿波野青畝
くず籠に裂かれし漫画四旬節 阿波野青畝
マスクして少年切に漫画読む 石塚友二 光塵
街路樹のマンガ落葉の夥し 高野素十
眼の大きな汗かき男の漫画終わる 金子兜太
受賞漫画愛しみひらく氷菓の卓 伊藤白潮
漫画めく漢字が書かれ星祭 上野泰 春潮
漫画出来たり一枚の梶の葉に 阿波野青畝
目がはじけさう劇画の児萌黄空 佐藤鬼房
以上

by 575fudemakase | 2018-03-05 13:18 | 無季 | Trackback | Comments(0)


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

カテゴリ

全体
無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
未分類

以前の記事

2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
more...

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...

メモ帳

▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

検索

タグ

最新の記事

夏の湖 の俳句
at 2018-05-23 13:35
京鹿子 の俳句
at 2018-05-23 03:03
賀茂祭 の俳句
at 2018-05-17 07:24
夏の蛙 俳句あれこれ
at 2018-05-13 09:40
夏蛙 の俳句
at 2018-05-13 09:20

外部リンク

記事ランキング