カテゴリ:秋の季語( 1297 )

木の葉蝶 の俳句

木の葉蝶 の俳句
山道の腐れ木株に木の葉蝶 高澤良一 素抱
石庭の石よりはがれ木の葉蝶 太田昌子
熟柿二つ高きに木の葉蝶消ゆる 石原八束 空の渚
入寂の谿あふれ翔ち木の葉蝶 中島斌雄
風細き島木の葉蝶夕まぎる 佐藤鬼房
桃を離れて荒雄川越す木の葉蝶 森澄雄
以上

by 575fudemakase | 2018-08-15 06:36 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

秋の蚊 の俳句

秋の蚊 の俳句

秋の蚊

くはれもす八雲旧居の秋の蚊に
さびしさや馬屋の蚊屋の秋の風 ぶん村 七 月 月別句集「韻塞」
それ以来泣かぬ女を秋蚊さす 堀井春一郎
つくばひに秋の蚊溺れ忍者寺 新保ふじ子
ひとつゐてたゞなく秋の蚊なりけり 南谷南亭
ぺしゃんことなりし秋の蚊塵と捨つ 高澤良一 寒暑
まだ秋の蚊をひそませて池ほとり 稲畑汀子
哀れにも來てころさるゝ秋の蚊の 秋の蚊 正岡子規
哀れにも來て秋の蚊のころさるゝ 秋の蚊 正岡子規
一つ来し秋の蚊打つて目醒め居る 長谷川かな女 雨 月
一夜二夜秋の蚊居らずなりにけり 秋の蚊 正岡子規
縁側に秋の蚊遣を置きにけり 高濱年尾 年尾句集
恰好の脛あり秋蚊むさぼれり 高澤良一 暮津
眼底に潜み秋蚊と呼ばれたる 山県總子
血は試験管にとつたあとの秋の蚊が鳴く 荻原井泉水
御ン瞼まだ秋の蚊を留めゐたる 久米正雄 返り花
国宝の庫裡の秋蚊に喰はれもし 行方克己 知音
再来の秋の蚊遂に仕留められ 高澤良一 石鏡
刺すことの今旺盛な秋蚊とも 高澤良一 暮津
師のあらぬ淋しさに打つ秋の蚊よ 田中英子
思ひ出のやぶ入秋の蚊を打てば 石川桂郎 高蘆
寺なれば秋蚊合点厠借る
耳もとに大音響の秋の蚊ぞ 岸田稚魚
手の翳を察すに秋蚊抜かりなし 高澤良一 暮津
手心を加へて秋の蚊を打てり 坂本昭代
秋の蚊が火除けの護符に辿りつく 末光美登里
秋の蚊が我を襲ひぬ打ち損ず 松田悦子
秋の蚊が女どきの顔を刺しにくる 山田弘子 懐
秋の蚊が肺病やみを刺しにけり 内田百間
秋の蚊とあなどれば群れて我をさす 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊といふあやふやに刺されけり 遠藤若狭男
秋の蚊と云へぬ羽音を払ひけり 辻弘雄
秋の蚊と絞り足りない雑巾と 二村典子
秋の蚊と侮りゐしが寝そびれぬ 実藤千代子
秋の蚊にはぐらかされてゐるごとし 高澤良一 寒暑
秋の蚊にまつはられつゝ君歓語 高濱年尾 年尾句集
秋の蚊に床几うごかす西日かな 長谷川かな女 雨 月
秋の蚊に燈ともしてゐる亭一つ 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
秋の蚊に悩まされつつ句碑なぞる 水野佐暉代
秋の蚊に病む身さゝるゝ山路かな 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊に払子一とふり大和尚 河野静雲 閻魔
秋の蚊に網戸ほつれし日吉館 大島民郎
秋の蚊に踊り子の脚たくましき 吉岡實
秋の蚊のうしろがみひくこゑのすぢ 野沢節子
秋の蚊のごとくいのちをおとしけり 久保田万太郎 草の丈
秋の蚊のさすこともなし死者の頬 加藤瑠璃子
秋の蚊のしふねきことを怒りけり 富安風生
秋の蚊のすがたよろしみ舞はせけり 林原耒井 蜩
秋の蚊のその一命をつむぐこゑ 山上樹実雄
秋の蚊のつき当たるたび音のする 山尾玉藻
秋の蚊のほのかに見えてなきにけり 日野草城
秋の蚊のやはらかに来て文具店 藤村克明
秋の蚊のよろ~と来て人を刺す 正岡子規
秋の蚊のよろめきながら止りけり 坂井建
秋の蚊のよろよろと来て人を刺す 正岡子規
秋の蚊のよろよろと來て人を刺す 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊のわが痩腕を刺去りぬ 阿部みどり女
秋の蚊のゐるとも見えず刺されけり 井上和子
秋の蚊の愛の深さよ痒し痒し 櫂未知子 蒙古斑以後
秋の蚊の一つの声や傘ごもり 殿村菟絲子
秋の蚊の一つひそめる机かな 長谷川櫂 虚空
秋の蚊の影のごときを払ひけり 檜紀代
秋の蚊の茅舎の墓に蹲る 関森勝夫
秋の蚊の泣聲細し古そとば 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊の居りてけはしき寺法かな
秋の蚊の居所なくて我が甲に 大内あづま
秋の蚊の拠ん所なく隅にをる 高澤良一 暮津
秋の蚊の鏡に触れて落ちにけり 田村京子
秋の蚊の金切声を落しけり 藤田湘子 てんてん
秋の蚊の源左衞門と名乘りけり 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊の言葉乏しき地の祈 古舘曹人 能登の蛙
秋の蚊の刺さんとしては刺さんとす 大谷繞石
秋の蚊の刺すまではさ迷うてをる 佐々木六戈 百韻反故 初學
秋の蚊の殊にかぼそき陸奥の国 岡澤康司
秋の蚊の身をそばだてゝ刺しにけり 川崎展宏
秋の蚊の人よりも燈にすがりけり 松山足羽
秋の蚊の人を求めず舞ひにけり 林原耒井 蜩
秋の蚊の人を尋ねる心哉 与謝蕪村
秋の蚊の人見て出づる上り阪 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊の人見て出るよ卵塔場 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊の厨の闇を知り尽くし 吉田銀葉
秋の蚊の声ばかりするあはれ也 正岡子規
秋の蚊の声や地下鉄馬喰町 大串 章
秋の蚊の声を男ごゑと想ひけり 鈴木鷹夫 渚通り
秋の蚊の声を秘仏の声かとも 鷹羽狩行
秋の蚊の声曳く忍び返しかな 行方克己 昆虫記
秋の蚊の多き籔中王子かな 上田 幸子
秋の蚊の大粒なるが殘りけり 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊の叩きて血なきあはれさよ 杉山芳之助
秋の蚊の灯より下り来し軽さかな 高浜年尾
秋の蚊の逃ぐるを追うて打ちにけり 高橋淡路女 梶の葉
秋の蚊の遁るゝ月の面かな 石塚友二 光塵
秋の蚊の膝にまつはる急ぎ物 川崎展宏
秋の蚊の浮びてわれにかゝはらず 林原耒井 蜩
秋の蚊の風の隙間に入りくる 星野椿
秋の蚊の物思ふ臀を繞りけり 尾崎紅葉
秋の蚊の歩をゆるむれば来り刺す
秋の蚊の呆と浮びて身の透きぬ 林原耒井 蜩
秋の蚊の墨の匂ひに来たりけり 石川纓子
秋の蚊の鳴かずなりたる書斎かな 夏目漱石
秋の蚊の幽霊じみて足の方 高澤良一 暮津
秋の蚊の夕べ気負ひて丹波かな 宇佐美魚目 天地存問
秋の蚊の翳なき吻にさされけり 小林康治 『玄霜』
秋の蚊の聲ばかりするあはれ也 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊の螫さんとすなり夜明方 夏目漱石 明治四十三年
秋の蚊は芙蓉の花のかげよりも
秋の蚊も隔つる蚊帳も透くあはれ 石塚友二 光塵
秋の蚊やおのれつらしと昼もなく 松岡青蘿
秋の蚊やしかも払はで老の伽(とぎ) 秋色 俳諧撰集玉藻集
秋の蚊やともし火暗き棺の前 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊や奥行見せぬ光堂 上田日差子
秋の蚊や寄木作りの御本尊 深見けん二
秋の蚊や玉の御膚刺しに來る 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊や死ぬる覚期でわれを刺す 正岡子規
秋の蚊や死ぬる覺期でわれを刺す 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊や秋海棠を鳴いて出る 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊や女人高野の朱塗門 寺島初巳
秋の蚊や親にもらふた血をわけん 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊や人見て出づる上り阪 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊や人見て出るよ卵塔場 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊や吹けば吹かれてまのあたり 飯田蛇笏 山廬集
秋の蚊や俗名きぬと女郎墓 加藤楸邨
秋の蚊や竹の御茶屋の跡はこゝ
秋の蚊や墓場に近き寺の庫裏 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊や夢二の描く美人像 押本京子
秋の蚊や黙々として喰らひ行く 黒柳召波 春泥句集
秋の蚊や曼荼羅絵解きながながと 伊佐山春愁
秋の蚊や疊にそふて低く飛ふ 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊や疊の上を低く飛ふ 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊をうちし手生涯はたらく手 高島茂
秋の蚊をつれて患者の入り来たる 木内徴子
秋の蚊を過ぎ来し方を重ねけり 石田純子
秋の蚊を幻住庵の主とす 後藤比奈夫
秋の蚊を手もて払へばなかりけり
秋の蚊を振り切りしかと辺りみる 高澤良一 暮津
秋の蚊を打ちて一滴水飛ばす 上山茂子 『父似』
秋の蚊を打ちて血しぶき浴ぶ膚(はだえ) 高澤良一 石鏡
秋の蚊を打ちて終れり夜の会議 土屋秀穂
秋の蚊を打ちて寝しなの酒こぼす 河西みつる
秋の蚊を打って写経の乱れかな 河野 聖城
秋の蚊を打つて虔む墓前かな 岸田稚魚
秋の蚊を叩く一人の音を立て 深見けん二 日月
秋の蚊を追ひ詰めて打つ玻璃戸かな 久米正雄 返り花
秋の蚊を追へどたわいもなかりけり 秋の蚊 正岡子規
秋の蚊を掴み損ねし山男 辻田克巳
秋の蚊を封じ込めたる芭蕉堂 森山まさ子
秋の蚊を払ひさびしさ募りけり 冨田みのる
秋の蚊を払ふかすかに指に触れ 山口誓子
秋の蚊を払ふや人事異動の日 土生重次
秋の蚊を払へばほろと消えにけり 星野立子
秋の蠅秋の蚊よりも猶憎し 秋の蠅 正岡子規
秋蚊出て暮るゝ泉の端濡らす 小林康治 玄霜
秋蚊鳴くよと聞けば灯影に現はれつ 林原耒井 蜩
秋蚊鳴く夢を引用する吾れに 齋藤愼爾
畳這ふ秋蚊に憎しみ起りけり 長谷川かな女 雨 月
食らひつく秋の蚊打つにまだまだよ 高澤良一 寒暑
人混みに秋の蚊払ふ金色堂 横山房子
生きのびる気の秋の蚊をはたきけり 荻野忠治郎
痩臑ニ秋ノ蚊トマル憎キカナ 秋の蚊 正岡子規
痩臑に秋の蚊を打つ響あり 坂本四方太
足揃え摶たれし秋の蚊なりけり 高澤良一 石鏡
袖につく秋の蚊ひとつ針仕事 高橋淡路女 梶の葉
打ち損じたる秋の蚊は追はずとも 柴原保佳
待つ戀を又秋の蚊にさゝれけり 秋の蚊 正岡子規
谷戸ふかく来て秋の蚊にさゝれもし 荻江寿友
昼出でて秋の蚊らしくなりにけり
庭履の四五歩に秋の蚊を叩く 徳澤南風子
殿上の土足おそるる秋蚊鋭し 古舘曹人 能登の蛙
灯を継げよ香*たけよ秋の蚊が刺すよ 猿橋統流子
突然の訃に秋の蚊を叩きけり 磯崎美枝
飛べぬほど吸うて秋の蚊打たれけり 田代朝子
美しく住み秋の蚊の大いなる 宇佐美魚目 天地存問
病み細り秋蚊一つとたたかへり 高田風人子
病室に蚊帳の寒さや蚊の名殘 秋の蚊 正岡子規
病人の眼閉ぢしまゝに秋蚊払ふ 佐藤漾人
病人の手が秋の蚊をつかみけり 保坂伸秋
壁の笠とるや秋の蚊あらはるる 秋の蚊 正岡子規
壁の笠とれは秋の蚊あらはるゝ 秋の蚊 正岡子規
壁の笠とれば秋の蚊あらはるる 正岡子規
墓を掘る生身や秋の蚊に刺され 大熊輝一 土の香
墓掘りと知らずに秋の蚊が縋る 中尾寿美子
本尊に茶を供ずれば秋蚊出る
夢にまで秋の蚊羽音響かせし 稲畑広太郎
名月のこよひに死ぬる秋の蚊か 名月 正岡子規
面打の家へ秋の蚊ただよへり 嶋田麻紀
木犀の香は秋の蚊を近づけず
裏町や秋の夕日の蚊粒飛ぶ 秋の夕日 正岡子規
掠めゆく秋蚊仏眼刮つと開き 倉橋羊村
力んでは秋の蚊をまた打ち損ず 高澤良一 暮津

秋の蚊 補遺

けふよりは秋の蚊といふしかれども 山口青邨
サロマ湖の秋蚊にくはれたる女 高野素十
しめやかにひとすぢ秋の蚊遣かな 上田五千石『風景』補遺
どこをさそうか考えぶかい秋の蚊の痩せよう 荻原井泉水
ほんのすこし血を頒けてやろ秋の蚊に 林翔
哀れにも來てころさるゝ秋の蚊の 正岡子規 秋の蚊
哀れにも來て秋の蚊のころさるゝ 正岡子規 秋の蚊
愛憎の憎のところを秋蚊さす 鷹羽狩行
一つ二つは秋の蚊で按摩とつている 荻原井泉水
一夜二夜秋の蚊居らずなりにけり 正岡子規 秋の蚊
蚊屋抱いてひつついてをる秋蚊かな 阿波野青畝
顔回る人丸像や秋の蚊に 阿波野青畝
筋金の入りたる秋の蚊なりけり 橋閒石 微光
思ひ出のやぶ入秋の蚊を打てば 石川桂郎 高蘆
耳もとに大音響の秋の蚊ぞ 岸田稚魚 紅葉山
呪術師(くすし)のおん目に秋の蚊が沈む 佐藤鬼房
秋の蚊とあなどれば群れて我をさす 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊とおぼしき声を打ちにけり 鷹羽狩行
秋の蚊と思ひしものを耳の裏 鷹羽狩行
秋の蚊にさされ焦燥句を作る 山口青邨
秋の蚊にしばらくは血を吸わせおく 橋閒石
秋の蚊に刺されたるより我が家かな 稲畑汀子
秋の蚊に刺されに庭に出しやうな 稲畑汀子
秋の蚊に食はれ女の下駄を穿き 山口青邨
秋の蚊に対する憎悪なくなりし 阿波野青畝
秋の蚊に病む身さゝるゝ山路かな 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊に腹はもたゝぬ昼餉かな 高屋窓秋
秋の蚊のこゑ手枕のうしろより 鷹羽狩行
秋の蚊のこゑ鷲掴み越の国 鷹羽狩行
秋の蚊のしふねきことを怒りけり 富安風生
秋の蚊のすぐさま来るや白砂より 波多野爽波
秋の蚊のほのかに見えてなきにけり 日野草城
秋の蚊のほろ~~と旅衣 星野立子
秋の蚊のよろよろと來て人を刺す 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊の過ぎてけむりのごとき声 鷹羽狩行
秋の蚊の泣聲細し古そとば 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊の金切声を落しけり 藤田湘子 てんてん
秋の蚊の源左衞門と名乘りけり 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊の言葉乏しき地の祈 古舘曹人 能登の蛙
秋の蚊の人をしたへり草の宿 山口青邨
秋の蚊の人を恐れて刺しにけり 高田風人子
秋の蚊の人見て出づる上り阪 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊の人見て出るよ卵塔場 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊の甚しとも一節に 高野素十
秋の蚊の声を秘仏の声かとも 鷹羽狩行
秋の蚊の石の墓より人慕ふ 山口青邨
秋の蚊の大粒なるが殘りけり 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊の柱に沿うて上るのみ 星野立子
秋の蚊の灯より下り来し軽さかな 高浜年尾
秋の蚊の遁るゝ月の面かな 石塚友二 光塵
秋の蚊の白紙へ墜つ最期かな 日野草城
秋の蚊の翳なき吻にさゝれけり 小林康治 玄霜
秋の蚊の聲ばかりするあはれ也 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊も隔つる蚊帳も透くあはれ 石塚友二 光塵
秋の蚊やこれらの墓もみな隼人 山口青邨
秋の蚊やともし火暗き棺の前 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊や寄木作りの御本尊 深見けん二
秋の蚊や玉の御膚刺しに來る 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊や錆びしシャベルに近づきて 山口誓子
秋の蚊や死ぬる覺期でわれを刺す 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊や秋海棠を鳴いて出る 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊や親にもらふた血をわけん 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊や人見て出づる上り阪 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊や人見て出るよ卵塔場 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊や吹けば吹かれてまのあたり 飯田蛇笏
秋の蚊や藤原朝臣の墓もあり 山口青邨
秋の蚊や仏の右手の反り指に 林翔
秋の蚊や墓場に近き寺の庫裏 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊や疊にそふて低く飛ふ 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊や疊の上を低く飛ふ 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊をつかみそこねし女の手 西東三鬼
秋の蚊を幻住庵の主とす 後藤比奈夫
秋の蚊を絶やさぬ宮の杜隣 上田五千石『風景』補遺
秋の蚊を打ちてわが血を取り戻す 鷹羽狩行
秋の蚊を打ち得て笑ふ盲かな 阿波野青畝
秋の蚊を打つて虔む墓前かな 岸田稚魚 筍流し
秋の蚊を追へどたわいもなかりけり 正岡子規 秋の蚊
秋の蚊を払ふかすかに指に触れ 山口誓子
秋の蚊を払へばほろと消えにけり 星野立子
秋の蚊を払へば指に声が触れ 鷹羽狩行
秋の蚊打って二人子を恋うこころ断つ 楠本憲吉 孤客
秋の蠅秋の蚊よりも猶憎し 正岡子規 秋の蠅
秋蚊出て暮るゝ泉の端濡らす 小林康治 玄霜
秋蚊蝿我を侮辱す病みて八日 高田風人子
秋蚊払ひ世を叱す僧山中に 大野林火 潺潺集 昭和四十年
寝る前の秋の蚊遣を一ともし 安住敦
吹き降りの家に秋の蚊刺しにけり 山口誓子
石窟佛秋蚊に女血たつぷり 橋本多佳子
疎まれてゐるたのしさに秋蚊くる 上田五千石『風景』補遺
僧房の夜伽に秋蚊つかはされ 上田五千石『琥珀』補遺
痩臑ニ秋ノ蚊トマル憎キカナ 正岡子規 秋の蚊
足垂れてくる秋の蚊が獄の天使 秋元不死男
待つ戀を又秋の蚊にさゝれけり 正岡子規 秋の蚊
追ひながら尼の秋の蚊物語 阿波野青畝
殿上の土足おそるる秋蚊鋭し 古舘曹人 能登の蛙
頭取の邸の秋蚊にくはれけり 阿波野青畝
日が射せる秋の蚊遣や忌を訪はる 橋本多佳子
肘枕すぐに秋蚊と係はれり 水原秋櫻子 餘生
病み細り秋蚊一つとたたかへり 高田風人子
病めるわが血を吸ふ秋の蚊あはれ 日野草城
病室に蚊帳の寒さや蚊の名殘 正岡子規 秋の蚊
壁の笠とるや秋の蚊あらはるる 正岡子規 秋の蚊
壁の笠とれは秋の蚊あらはるゝ 正岡子規 秋の蚊
名月のこよひに死ぬる秋の蚊か 正岡子規 名月
裏町や秋の夕日の蚊粒飛ぶ 正岡子規 秋の夕日

秋の蚊 続補遺

さびしさや馬屋の蚊屋の秋の風 〔ブン〕村
やがて死ぬ秋の蚊我をくらひけり 東皐
空や秋蚊屋をあくれば七多羅樹 基角
秋の蚊の声細りけり夜の風 三宅嘯山
秋の蚊は澗に斎待座頭哉 土芳
秋の蚊やおのれつらしと昼もなく 松岡青蘿
秋の蚊や黙~として喰ひ行 黒柳召波
青柳やつかんで捨る秋の蚊に 基角
寐る迄の名残也けり秋の蚊屋 小春

以上

by 575fudemakase | 2018-07-23 02:19 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

私の花火の俳句

私の花火の俳句


拙句(高澤良一)


●花火 揚花火 遠花火

音に凝る花火もありてどよもせる さざ

花火音立て込む家に谺して 宿好

どんじりに控えて音も凄花火 寒暑

花火にも音の味付ありにけり 素抱

花火果て闇抱え込む雄物川 燕音

花火果つその大空のみみず腫れ 暮津

花火果つ五體叩きて砂払ふ 暮津

ナトリューム色の花火に顔染めて もも

中華風彩色花火あがりけり ぱら

ポカポカと追打かけて昼花火 ぱら

しけた音残して揚がる昼花火 暮津

一工夫ありそな花火揚がりけり もも

パリパリと揚がりズドンと花火了ふ もも

意気込みも新たに花火揚がりけり さざ

ストトンとさきがけ花火揚がりけり ぱら

揚花火表六玉もあがりけり ぱら

不景気を一蹴せんと揚花火 鳩信

揚花火どんと武甲山の肩を突き 宿好

揚花火連打ドンプスドンプスと 随笑

長たらしき呼び名の花火揚がりけり 石鏡

揚花火探り当てたる空の芯 暮津

揚花火うち抜きし空締まりけり 暮津

どぶ板通りねずみ花火が駈け抜けて ねず

花火野郎青嶺の肝を抜き来しと ねず

空昇りつめてよろめく花火玉 もも

大玉となりて間合をとる花火 もも

打止めの花火はこれかこの後か もも

終の花火らしき高さにあがりけり もも

消ゆ花火開く花火に照らされて さざ

手の内をあかすが如く花火爆ぜ さざ

協賛の某花火あがりけり ぱら

あがりたる初手の花火の高さかな ぱら

長岡の花火帰りの道真直 ぱら

川幅のそれと知らるる花火舟 ぱら

花火の傘爛れかつをのえぼしかな 燕音

炭酸のはじけるやうに閉ず花火 燕音

花火見る旅も山下清めく 宿好

昇りつむ花火の青息吐息かな 宿好

花火にも前座・真打ちありにけり 宿好

横須賀花火大会

花火尺玉東京湾を凹まする 随笑

シンシナティキッド連発花火かな 随笑

花火の煙ゆらゆらかつおのゑぼしめく 随笑

どかどんと犬へこまする大花火 随笑

フィナーレのいけいけどんどん花火かな 随笑

横浜国際花火大会

世直しのつもりの花火がドカドンと 寒暑

おとぼけの花火も交じる前半部 寒暑

首根っこ打てる花火の大谺 素抱

帰るさの横手の花火蔵の間 素抱

ぽんぽんとけふの花火の予告あり 素抱

逆さまのぺこちゃん花火失笑買ふ 素抱

同床異夢冬の花火を倶に見て 素抱

匂ふ海これより花火一萬発 暮津

どんぷすと岬辺りの遠花火 暮津

愛敬を振りまき上る花火あり 暮津

目と鼻とおまけに口もある花火 暮津

(末尾は句集名。 上記で、「ねず」は句集「ねずみのこまくら」、「もも」は句集「ももすずめ」、「さざ」は句集「さざなみやつこ」、「ぱら」は句集「ぱらりとせ」の略。)


以上


by 575fudemakase | 2018-06-18 04:07 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

蜻蛉の俳句あれこれ

蜻蛉の俳句あれこれ


糸蜻蛉 夏の季語

http://fudemaka57.exblog.jp/25951276/

川蜻蛉 夏の季語

http://fudemaka57.exblog.jp/25951281/

赤蜻蛉 秋の季語

http://fudemaka57.exblog.jp/26155585/

蜻蛉 の俳句 秋の季語

http://fudemaka57.exblog.jp/26197979/

蜻蛉生る 夏の季語

http://fudemaka57.exblog.jp/25951284/


以上


by 575fudemakase | 2018-05-13 06:20 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

車前 の俳句

車前 の俳句
車前

おほばこの芽や大小の葉三つ 高野素十
おほばこの葉の焦げてゐるキャンプかな 富安風生
おほばこの葉は末枯れずありにけり 星野立子
おほばこも雀隠れとなりにけり 銀漢 吉岡禅寺洞
おほばこや常着の袖のけふ短かに 石川桂郎
おほばこや踏まれて育つ男の子 西村浩風
おほばこを打ち擲つて父の忌なりけり 原田喬
おほばこを涵せる雨や盆三日 飯田蛇笏
おんばこなるべしビリチス句なふたこゑどり 加藤郁乎
おんばこや息やはらかく親仔牛 つじ加代子
クローバと混る車前草田舎の出 香西照雄 対話
雨脚のぴょんぴょん車前草伝ひなる 高澤良一 ぱらりとせ
蝦夷大葉子青空に花穂さし入れて 高澤良一 燕音
近ぢかと路よけあふや車前草鳴る 中村草田男
湖畔にて車前草の露滂沱たり 富安風生
降り立ちて蝦夷大葉子の飛行場 高澤良一 燕音
死に至るわが道草のおほばこよ 佐藤鬼房
七夕の大葉子の穂のたくましや 高橋馬相 秋山越
車前草に覆はれ竪穴住居の丘 高澤良一 寒暑
車前草に仏事のいとこはとこかな 渡辺純枝
車前草に埋もれて道は在るには在る 高澤良一 素抱
車前草に夕つゆ早き森を出し 室生とみ子
車前草のつん~のびて畦昼餉 高田瑠璃子
車前草の花茎でいくさはじめたり 山井東夫
車前草の小さくたしかな梅雨の影 阿部みどり女 笹鳴
車前草の新しき穂と古き穂と 高澤良一 鳩信
車前草の長き命や門の径 岡本松浜 白菊
車前草の踏まれ踏まれし蹴速塚 橋本榮治 麦生
車前草の穂の擦り切れし岬の道 高澤良一 素抱
車前草の穂も逞しく夏送る 高澤良一 素抱
車前草の葉の皆ぬれて滝の道 鈴鹿野風呂 浜木綿
車前草の葉盛り旅に死ぬは昔 香西照雄 素心
車前草の葉裏くぐりに蛇去りぬ 青木可笑
車前草は鞭あげ山河荒るるまま 木村蕪城 寒泉
車前草も人のくすりに谷涼し 宇佐美魚目 秋収冬蔵
車前草や今年勤めて日焼けたり 大野林火
車前草を踏んずけて沼一巡り 高澤良一 素抱
車前草生ふ阜の墳土の固かりき 高澤良一 寒暑
車前草踏み遺跡ガイドのボランティア 高澤良一 寒暑
吹かれてはへらおほばこのへらさわぐ 佐々木六戈
水車みち車前草はやく濡れにけり 飯田蛇笏 春蘭
草のなか車前草鞭をあげにけり 伊藤無門
大葉子を女神の滝は隠し打つ 攝津幸彦 未刊句集
踏まれつゝ車前草の葉の広ごりぬ 池上 秀子
日食の車前草乾き戦車過ぐ 宮武寒々 朱卓
番所守車前草に足沈めたり 皆川盤水
浜明くる砂地育ちの車前草に 高澤良一 素抱
怖いほどおほばこ伸びぬ極暑来 森川暁水 黴
偏見はすこぶるつよし車前草村 高澤良一 燕音
蓬萌えおほばこの葉も遅速なく 汀女
盆の雨車前草はやくぬれにけり 飯田蛇笏
夕立の脚車前草をはなれけり 清原枴童 枴童句集
話しつゝおほばこの葉をふんでゆく 星野立子
罅の入る舗装路裂け目車前草生ゆ 高澤良一 素抱
車前 補遺

おほばこのみちをゆきけり杉の山 岡井省二 夏炉
おほばこの芽や大小の葉三つ 高野素十
おほばこの葉の焦げてゐるキヤンプかな 富安風生
おほばこや見えゐて山の晴と褻と 岡井省二 有時
おほばこや常着の袖のけふ短かに 石川桂郎 高蘆
おほばこを踏みあまた踏み青き踏む 山口青邨
おほばこを踏みてキャンプも名残かな 清崎敏郎
おほばこを涵せる雨や盆三日 飯田蛇笏 雪峡
クローバと混る車前草田舎の出 香西照雄 対話
湖畔にて車前草の露滂沱たり 富安風生
最上川下り車前草踏み来し靴 岡井省二 明野
死に至るわが道草の車前草よ 佐藤鬼房
車前草が溺れて涼し夕立晴 富安風生
車前草の葉盛り旅に死ぬは昔 香西照雄 素心
車前草は鞭あげ山河荒るるまま 木村蕪城 寒泉
車前草も黄葉はりつき地の紋章 山口青邨
車前草や今年勤めて日焼けたり 大野林火 白幡南町 昭和二十九年
車前草や礎石の窪に昨夜の雨 角川源義
心音の限りは独歩 車前草 伊丹三樹彦
水車みち車前草はやく濡れにけり 飯田蛇笏 春蘭
水車径車前草はやく濡れにけり 飯田蛇笏 心像
大葉子の広葉食ひ裂く雀かな 村上鬼城
通路のおほばこの芽をけふも踏む 山口青邨
盆の雨車前草はやくぬれにけり 飯田蛇笏 春蘭
以上


by 575fudemakase | 2018-04-16 17:38 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

しじみ蝶 の俳句

しじみ蝶 の俳句


しじみ蝶は蜆蝶または小灰蝶と表記される。

歳時記により秋の季語とするもの、春の季語とするもの有り。

小生は秋の季語としたい。因みに 角川書店の季寄せは春の季語扱い。


拙句(高澤良一)


しじみ蝶一つは寂し二つゐる 寒暑

地に沿ひて石ころ色のしじみ蝶 寒暑

しじみ蝶庭の何處かに飛んでゐる 寒暑

視野に入り視野を出でゆくしじみ蝶 寒暑

しじみ蝶止まるまで見て草っぱら 寒暑

父郷 葬送

会葬の人に蹤きゆくしじみ蝶 素抱

前後しててんてこ舞のしじみ蝶 素抱

しじみ蝶捕らむとすれば擦り抜けて 素抱

しじみ蝶降り立つほどに道露けし 石鏡

しじみ蝶躍り越ゆものある限り 石鏡

しじみ蝶日向の端から端へ飛び 石鏡

しじみ蝶股間を抜けてゆきにけり 石鏡

蜆蝶あちらではたはたこちらではたはた 暮津

蜆蝶はたはた舞へば書き割りめく 暮津

蜆蝶せせる一日始まりぬ 暮津

蜆蝶せせり疲れの無きものか 暮津

(末尾は句集名)


by 575fudemakase | 2018-03-05 02:18 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

火恋し の俳句

火恋し の俳句

火恋し

旅十日家の恋しく火恋し 勝又一透
無患子のぬばたまは火恋しかり 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
亡母恋ひし火恋し寝に入るのみの部屋 平井さち子 紅き栞
風聴くと風のつまづき火恋し 河野多希女
煤けても不動明王火恋し 高澤良一 宿好
田の匂ひかむりて恋し火恋し 三田きえ子
新刊書繰る手ひやつき火恋し 高澤良一 寒暑
火恋し鰊御殿に波を聴き 愛澤豊嗣
火恋し仏ひとゆれふたゆれす 松澤雅世
火恋し病みても父の酒欲りき 平賀扶人
火恋し田楽辻子(でんがくずし)の路なりに(田楽辻子は田楽師が住んでいた小路の意) 高澤良一 石鏡
火恋し妻を邪険にしてをりぬ 吉田未灰
火恋し雨の宿りも宇陀の奥 上田五千石
火恋しわが靴音をわが聞けば 佐々木六戈
火恋しや独り死なねばならぬとは 神尾久美子
火鉢恋ひ合ひて互に老楽師 佐野ヽ石
まへうしろ靄が火恋うて寄ると見ゆ 林原耒井 蜩
ブラウンシチュウ灯と火恋しき頃となり 高澤良一 随笑
ガス展の火の美しく火恋し 古賀まり子

火恋し 補遺

句集校正玉の疵疵の玉火恋し 山口青邨
火恋し雨の宿りも宇陀の奥 上田五千石 琥珀
火恋しとつぶやく父へ母へかな 岡本眸
火鉢欲しいつまで着るぞ里の紋 中村汀女
つづれさせ火消壺の火恋ひ鳴けり 阿波野青畝

火恋し 続補遺

たばねあふ足の見立も火燵欲 朱拙

以上



by 575fudemakase | 2017-11-18 16:26 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

もみぢの句いろいろ❗️

もみぢの句いろいろ❗️

拙句(高澤良一)


句の末尾は所収句集名。

また「ねず」は句集「ねずみのこまくら」、「もも」は句集「ももすずめ」、「さざ」は句集「さざなみやつこ」、「ぱら」は句集「ぱらりとせ」の略。


●薄紅葉

何處となく色づいて来ぬ瘤欅 宿好

先代の苦労咄や薄紅葉 寒暑

●桜紅葉

水の面に桜紅葉の心ばえ 鳩信

野毛山 動物園

長雨に櫻もみぢの目減りして 鳩信

桜もみぢどっちつかずの色合にて 燕音

幸田文

櫻もみぢ一片文(あや)の閼伽水に 随笑

●紅葉 もみぢ もみじ葉 紅葉川 紅葉山 紅葉冷 もみづる

もみずれりオランウータンの体毛も 鳩信

手始めに山の頂もみずれり 素抱

サワグルミ端正な葉のもみずれり 素抱

メイプルのもみぢ押し葉にして機内 ぱら

言葉かけ合ひ楷樹もみぢの愛好家 ぱら

どうかうもなく山茱萸の醜(しこ)もみぢ 鳩信

もみぢ葉は真言陀羅尼義趣を秘む 宿好

諸鳥のこゑも染るやもみぢ御所 宿好

大覚寺

さるすべりもみぢ見ながら渡り廊 宿好

滝口寺

横笛をおもひ染めたる色もみぢ 宿好

落柿舎の虫喰いもみぢ栞とす 宿好

一葉よりもみぢ始まる曼珠院 宿好

葉末よりもみぢ始る詩仙堂 宿好

永観堂

心鏡に写し参らむ照もみぢ 宿好

つまらなき色して梅のもみぢ葉は 随笑

もみぢして学問処の孔子木 寒暑

実習の指圧のいろはもみぢの手 素抱

城山公園

山寄りに町は造られ朴もみぢ 素抱

赤もみぢ黄もみぢとことん愉しめり 素抱

梓川ヤナギもみぢの散り込む瀬 素抱

濃尾バス尻を振り振りもみぢ山 素抱

カナダ行

もみづれるカナダを机上プランかな ぱら

建長寺扁額

大欅もみづる「天下禅林」に 燕音

不細工は不細工なりにもみづれり 宿好

虫瘤ももみづる頃となりにけり 宿好

北山

もみづれる高雄ホテルの絨緞も 宿好

もみづれる楓のいろは兵火のいろ 宿好

曼珠院

もみづれる寺に預かる幽霊図 宿好

雨の柿人間くさくもみづれり 宿好

秩父八番札所西膳寺

ぼけ封じ三尊に山もみづるよ 随笑

色鳥来これだけ森のもみづれば 随笑

もみづれる山の快挙と申すべき 寒暑

山深くもみづるものの一変す 寒暑

ロッジ風湯宿丸太ももみづるか 寒暑

今正にもみづる加仁湯の掛け湯浴ぶ 寒暑

日光沢しぶける岩ももみづらん 寒暑

秋楡のもみづる日比谷公会堂 素抱

天下の險もみづるにせよせぬにせよ 石鏡

人體展もみづるものに骨格筋 石鏡

そこはかともみづる沼の名無し草 石鏡

てっきりもみづる筈の漆が小火程度 石鏡

宿の餉にけとばしの出て紅葉季 ねず

柴屋寺

天柱山その脇山の紅葉かな もも

紅葉山人語鳥語に匹敵す 鳩信

拾ひ上ぐ紅葉の中の艶(あで)紅葉 燕音

上々に紅葉仕上がり龍王峡 燕音

逗子 端山 散策

息づける紅葉に急所あるごとし 燕音

神業の柱状節理崖紅葉 燕音

神護寺のここで一服紅葉茶屋 宿好

神護寺の紅葉明りに一凡夫 宿好

祇王寺の日暮紅葉の佛間にゐ 宿好

祇女尊女祇王尊女と紅葉観る 宿好

紅葉冷え佛御前のおん膝も 宿好

天竜寺

兵火八度かうむる寺にして紅葉 宿好

永観堂早紅葉(さもみじ)雨に色づけり 宿好

東福寺

朗々とわたる紅葉の回廊ぞ 宿好

会心の紅葉むらぎも熱くせり 宿好

裸木と紅葉半々山手線 宿好

間引かれて残る紅葉をうち仰ぐ 宿好

それならと紅葉の頃の宿をとり 随笑

この彩に安んじ梅の紅葉せり 随笑

打ちつけてめりこむ魚板紅葉寺 随笑

山麓駅造花紅葉も酣に 随笑

やあ紅葉八番札所のぽっくりさん 随笑

御婦人

ぼけ封じ肌着購ふ紅葉寺 随笑

おびんづるさまに前山紅葉して 随笑

同型の楓紅葉の全しや 随笑

塩原高尾辞世句

雪に上に高尾ゆかりの寺紅葉 寒暑

*寒風にもろくもくつる紅葉かな (高尾)

南部ばやし造花紅葉を稚児負ふて 寒暑

ロープウエイ

山麓と温度差五度の早紅葉 寒暑

履物のとり散らかって紅葉宿 寒暑

加仁湯

団体さん今到着の紅葉宿 寒暑

良寛の草書さながら色葉(いろは)散る 寒暑

紅葉沢落石すんでのところにて 寒暑

紅葉して引湯泉質二系統 寒暑

乗鞍の紅葉如何と登りつめ 素抱

檜原湖

湖畔亭紅葉そこそこ客そこそこ 石鏡

ポスターに紅葉づる鎌倉始発駅 石鏡

これはこれでと云ひつゝ桜紅葉みる 石鏡

紅葉冷猛禽類は眼をつぶり 石鏡

孫 美雨

吾に優るもみぢ葉拾ひ来て見する 石鏡

雨ありて一色増しぬ山紅葉 石鏡

鳩ノ巣渓谷

紅葉谿手すりがありて大助かり 石鏡

紅葉づれる断崖秩父古成層 石鏡

紅葉川聞けばカヌーで下るとよ 石鏡

鳩ノ巣の紅葉愛でつゝ見ず知らず 石鏡

紅葉冷え薄着後悔してみても 石鏡

二つ目の吊橋ここも紅葉佳し 石鏡

山女釣れ紅葉に腹を返しけり 石鏡

滝見茶屋ざっくばらんな紅葉かな 石鏡

油瀝青(アブラチヤン)紅葉づる日原街道ゆく 石鏡

山寺の紅葉の日照時間かな 石鏡

明るさは桜紅葉に優る君 石鏡

大巌が行く手を塞ぐ紅葉川 石鏡

●紅葉狩 紅葉見る

紅葉狩えらい上りとなりにけり さざ

紅葉狩薩摩おごじょのバスガイド 鳩信

紅葉狩落柿舎辺りで日が暮れて 宿好

好事家の嵯峨野もみぢといふを見に 宿好

町内の紅葉処を一巡り 随笑

女夫淵温泉

取敢へず終点で降り紅葉狩 寒暑

紅葉狩内助の功に報ゆべく 寒暑

紅葉狩こゑ掛けられてこゑ返し 石鏡

紅葉狩雨の足許ばかり見て 石鏡

紅葉狩眼鏡を拭いてさあこれから 石鏡

紅葉見る吾らに階(きざはし)魚道にも 石鏡

無線もて後尾と交信紅葉狩 石鏡

危ふきに女近寄る紅葉狩 石鏡

紅葉見の序で氷川の三本杉 石鏡

●黄葉(くわうえふ) 黄葉(もみじ)

いち早く自然薯黄葉狐雨 ねず

そろそろと野老黄葉の竹のぼる もも

日が差して境内欅黄葉いろ さざ

凋落の一歩手前の黄葉とも さざ

そこそこに山吹黄葉したりけり さざ

独特の板谷楓(いたや)もみぢの明るさで さざ

うねる丘ぶだう黄葉の幾区画 さざ

いくらかは山吹黄葉してゐたり ぱら

葉先まで綺麗に蘿蔔(すずしろ)黄葉して ぱら

葛黄葉遠慮がちなる色合ひに 鳩信

神品の桂黄葉とうち仰ぎ 燕音

山芋の黄葉せる道和みけり 燕音

市庁舎のユリの木黄葉始まれり 宿好

初老とは欅黄葉を潜るに似て 宿好

くわりん皆もがれし後も黄葉して 宿好

胸を張るスクリバ石像黄葉冷え 随笑

貴(あて)人のごとく桂の黄葉みる 随笑

天つ日に透けざるは無し沢黄葉 寒暑

捨聖片瀬の黄葉舞ふ中を 寒暑

自然薯黄葉城山の径明るうす 素抱

亜高山帯のもみぢの色はと見て 素抱

乗鞍の黄葉にスリップして下山 素抱

栃黄葉打つ雨音に包まれし 素抱

阿弥陀光桂黄葉の押し照るは 素抱

乗鞍の雨来て黄葉素っ飛べり 素抱

楢の木沢もとより水楢黄葉して 素抱

黄葉どき髪膚完爾と硫黄泉 素抱

乗鞍の黄葉颪と云ふに遭ふ 素抱

先づ洒落た葉なりハルニレ黄葉とよ 素抱

週末のユリの木黄葉散り空きて 素抱

湘南キャンパス黄葉のもとの生演奏 石鏡

零余子黄葉始まってをり覚圓寺 暮津

●照葉

照葉して五體あられもなき岩湯 寒暑

●雑木紅葉

金時山もこもこ雑木紅葉せり ねず

自転車にて近場の雑木紅葉見に 石鏡

●柿紅葉

柿もみぢ柿に根負けして散りぬ もも

朝露のまだ干ぬ内の柿もみぢ 鳩信

しぐれては鄙ぶ高雄の柿もみぢ 宿好

柿紅葉やっぱりよかったこの径で 石鏡

柿紅葉栞にしたき一級品 石鏡

柿もみぢ明りに何ぞ云ひたくなる 石鏡

●漆(うるし)紅葉

山漆紅葉急なり滝の前 寒暑

●櫨(はぜ)紅葉

ゝゝ(ちよんちよん)と夏櫨紅葉したりけり さざ

櫨紅葉十(とを)を数えて湯壺出づ 寒暑

讃集めをり山中の櫨紅葉 石鏡

●銀杏黄葉 いてふもみぢ

二大樹の銀杏黄葉の消耗戦 燕音

銀杏黄葉落つときスイッチバックして 宿好

大銀杏黄葉間引かれ素寒貧 宿好

縣廳前馳すバス銀杏黄葉いろ 随笑

●錦木 にしきぎ

錦木の錦を蔵ふ季来たり 石鏡

●蔦紅葉

一番の冷え込みありぬ蔦紅葉 燕音

逗子市役所

全館を覆ふに足らぬ蔦紅葉 随笑

今市

蔦紅葉して今市の杉並木 寒暑

松のぼることたやすけれ蔦紅葉 寒暑

●草紅葉

幼な子の見て見て見ての草もみぢ 鳩信

アスピーテライン上りの草もみぢ 寒暑

草もみぢミニチュア火山の裾野にも 寒暑

揚舟の艫の下草もみぢして 石鏡

●水草紅葉

いち早く湯川水草黄葉せり 随笑

家鴨があがあ云ふなか水草紅葉せり 石鏡

●野山の錦 野の錦 山の錦

飛倉は野山の錦一っ跳び 鳩信

仁丹の看板のこる野の錦 寒暑

奥鬼怒

序の口の山の錦といふべかり 寒暑

●紅葉且つ散る

紅葉且つ散りて渓流走らする 寒暑

●黄落 黄落期

黄落のいてふ男時の杜抜けて さざ

黄落の骨うづむなら西林寺 ぱら

アムール虎右往左往の黄落期 鳩信

乗鞍の巖も黄落せんとせり 素抱

上高地乗鞍林道

黄落の泡の湯で乗る五人組 素抱

大正初期植ゑしカラマツ黄落期 素抱

黄落の雨の跳ね見ゆ木道に 素抱

木道の終端黄落振返る 素抱

黄落どき葉っぱのフレディ舞ふ林 石鏡

デイケアバス黄落に頭を振り振り来 石鏡


●欅紅葉 句集未所収


吹かれゐる欅もみぢの細葉かな

欅もみぢ若木ばかりの並木道

欅もみぢ潜り神社は正面より

産土の老若欅紅葉して

日表に欅もみぢの欅いろ

大欅もみぢいっぽん谿を統べ

訪うならば欅もみぢの頃がよし

二タもとの欅もみぢの色違ひ

雨往(い)んで欅もみぢに差し込む日

欅もみぢ一色二色三色かな

足柄の欅紅葉は神寂びて

頃合いの欅もみぢの彩と見ぬ

谷戸のそら欅もみぢの幽かな搖れ

欅もみぢ始まるところ指させる


以上


by 575fudemakase | 2017-10-25 14:55 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

朝冷 の俳句

朝冷 の俳句

朝冷

郷愁の朝冷えにゐるうすごろも 飯田蛇笏 雪峡
武具飾り朝冷つよき城下あり 大峯あきら 鳥道
朝冷や神の湧玉池の靄 佐野梧朗

朝冷 補遺

郷愁の朝冷えにゐるうすごろも 飯田蛇笏 雪峡
朝冷えの主が触れし馬に触れぬ 中村草田男
朝冷に夏炉を焚いておくことも 稲畑汀子

朝冷 続補遺

朝冷や蒲団にまとふあやめ刈 野坡


by 575fudemakase | 2017-10-16 09:58 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

雨冷 の俳句

雨冷 の俳句

雨冷

パスにがし雨冷えの夜を口あけて 鳥居おさむ
磯菊の雨冷えて来し目鼻かな 細川加賀
雨冷えて吾子を寝棺にうつしがたし 川島彷徨子 榛の木
雨冷えのくらがり鳴りだす冷蔵庫 西垣 脩
雨冷えの甘茶こくりとのみほせり 高澤良一 ももすずめ
雨冷えの汽笛みじかし忌を寄るのみ 古沢太穂 古沢太穂句集
雨冷えの桑もち込みて軒くらし 山本つぼみ
雨冷えの白花をつづり茜草 高槻弘文
雨冷のいもどのさんに詣でけり 山田みづえ
雨冷の広間に客のかしこまる 尾崎紅葉
雨冷ゆる日の甘酒をあつうせよ 高柳碧川
雨冷ゆる日は出てをらず*むつ五郎 本田杏花
雨冷を解いてくれたる春暖炉 永森とみ子
雲雀仰ぐ降り残る雨冷たからず 大熊輝一 土の香
夏炉焚き沙翁の町の雨冷か 山口青邨「雪国」
銀行一つ国境に雨冷ゆるかな 吉野義子
樹雨冷の香の火の紅手くらがり 古舘曹人 砂の音
稚鮎汲む朝の雨冷え残る瀬に 大曲鬼郎
東京の水甕に雨冷奴 鈴木鷹夫 風の祭
藤の雨冷えまさる火桶守りけり 碧雲居句集 大谷碧雲居
萩の葉のこま~と雨冷えにけり 草城
萩の葉のこまごまと雨冷えにけり 日野草城
夜寒人雨冷えを来て湯に沈む 高澤良一 暮津
榾雨冷の友白き髭もちて来ぬ 山口青邨

雨冷 補遺

蕗の雨冷えのぼりくる夜這ひ口 能村登四郎
萩の葉のこま~と雨冷えにけり 日野草城
樹雨冷の香の火の紅手くらがり 古舘曹人 砂の音
夏炉焚き沙翁の町の雨冷か 山口青邨
雨冷のいもどのさんに詣でけり 山田みづえ 草譜
雨冷えや刈り残したるからす麦 寒食 星野麥丘人
雨冷えの汽笛みじかし忌を寄るのみ 古沢太穂 古沢太穂句集

雨冷 続補遺

雨冷に羽織を夜の簑ならん 其角



by 575fudemakase | 2017-10-16 09:57 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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