<   2018年 09月 ( 10 )   > この月の画像一覧

美人美女… の俳句

美人美女… の俳句

美人美女…

いさき船横づけにして弁天屋 高澤良一 素抱
いなづまやどの傾城とかり枕 去来
ウイグルの美女はけだるし蝿叩 山田真砂年
おほかたは卒塔婆小町の盆踊り 七田谷まりうす
おぼろ月素足の美女のくさめかな 幸田露伴 拾遺
かがみ見るそれぞれ佳人蓮浮葉 和田暖泡
がさ~と粽をかぢる美人哉 一茶 ■文化九年壬甲(五十歳)
かなかなや独り占めして美人の湯 山本秋穂
かはほりや傾城出づる傘の上 太祇「太祇句選後篇」
かりそめの小町となりて月を待つ 鈴木節子
かるた札うつくしからぬ小町なり 下村 梅子
くくられて小町ゆかりの芒かな 下村梅子
くちなしの小町のやうに萎れゆき 岡本輝久
けし垣の内や硯の小町形 万里 俳諧撰集玉藻集
けふの月婆とはよばぬ小町かな 秋色 俳諧撰集玉藻集
コスモスの佳人の如きたたずまひ 高澤良一 鳩信
さくら狩り美人の腹や減却す 蕪村
さくら狩美人の腹や減却す 蕪村 春之部 ■ 一片花飛減却春
しぐるゝや行手に仰ぐ小町寺 比叡 野村泊月
すみれさくつかのぬし美人なりけらし 森鴎外
ダリア大輪ルヰ王朝に美女ありき 福田蓼汀
ダリヤ大輪ルヰ王朝に美女ありき 福田蓼汀「暁光」
としひとつ積るや雪の小町寺 蕪村 冬之部 ■ 春泥舎に遊びて
はねず唄小町の塚の春落葉 長柄公子
ビードロの根付を帯に小町の忌 西村弘子
ひこばえや絵図の小町をたづね得ず 角川源義
ヒブダイの佳人とりわけ歯が見事 高澤良一 燕音
ひらひらとひとりあるきの蛭美人 辻田克巳
ふつくらと体格美人新社員 日向野花郷
ベビー蒲団干してミルクの匂ひ立つ 栗山妙子
ベビー靴の子を福藁に抱きおろす 俵土紀子
ベビー帽に落葉をのせて帰り来ぬ 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
ぼうたんは紅にして江戸小町 高澤良一 随笑
ぽつぺんを吹ける横顔美人かな 茨木和生 三輪崎
マスクして小町の墓を訪ねけり 神郡 貢
みちすがら麗人多き柳かな 会津八一
みちのくに小町の里や雪蛍 佐藤一星
みちのくや小町草咲く屋根の上 矢島渚男 延年
もう少しこころ美人の柚子湯かな 白石菊代
モンローの忘れ睫の美女柳 杉本京子
ゆくとしや老を誉めたる小町の絵 園女 俳諧撰集玉藻集
よろと卒塔婆小町の萩の託言も失せてけり 文挟夫佐恵
衣うつよ田舎の果の小傾城 高井几董
一行の詩は金色に美女柳 都川一止
羽蟻たつ家にとつがぬ美人あり 大江丸「はいかい袋」
羽子板市美男美女みな似た顔で 藤岡筑邨
羽子板買ふ美人競べの眼して 関森勝夫
雨乞の小町が果やをとし水 蕪村 秋之部 ■ 須磨寺にて
雨乞の小町が果や落し水 蕪村
卯浪立ち黄昏迫る蛾眉の三保 長谷川かな女 花寂び
姥ふえてしかも美女なし年忘 其角
姥百合や獣身美女の絵の下に 堀口星眠 青葉木菟
延年舞禰宜言ひ寄れば美女躱す 長田白日夢
炎天に美人の顔の定りぬ 宋屋「瓢箪集」
炎天を来て燦然と美人たり 久米三汀
鉛入り白粉美人杜若 桑原三郎 晝夜 以後
牡丹咲て美人の鼾聞えけり 正岡子規
乙女らの小町顔なる春まつり 村松 堅
佳人逝き残るエンゼルフィッシュかな 室賀杜桂
夏痩や脣かんで小傾城 寺田寅彦
夏草や嵯峨に美人の墓多し 正岡子規
歌いづれ小町躍や伊勢躍 貞徳
歌いづれ小町踊や伊勢踊 貞徳
歌麿の美人は紙魚に犯されし 太田一石
歌留多の絵小町は老いずありにけり 後藤夜半
花かぼちや美女の家系に異変あり 関口ふさの「晩晴」
花の枝あふるる卒都婆小町かな 黒田杏子 花下草上
花火尽きて美人は酒に身を投げけむ 高井几菫
花火尽て美人は酒に身投げけん 几董
花合歓に蛾眉なが~し午後三時川端茅舎
花手折美人縛らん春ひと夜 高井几董
花桃のおたふく美人笑ひづめ 高澤良一 素抱
花芙蓉美女湯あがりて走りけり 山口素堂
花李美人の影の青きまで 泉鏡花
花筵夫の視線の先に美女 川崎榮子
華麗なる空箱のこる小町の忌 平坂万桑
蚊帳の月美人の膝を閑却す 尾崎紅葉
骸骨やこれも美人のなれの果 夏目漱石 明治二十四年
垣間見れば美人涼み居る簾かな 会津八一
角巻の雑魚売り秋田美人かな 園部蕗郷
笠深く鸚鵡小町の出の涼し 加藤三七子「無言詣」
笠美人右手右足左手左足や紅鼻緒 橋本夢道 無類の妻
鎌倉の小町通りも小春かな 金田元彦
寒しとは小町が嘘よほとゝぎす 高井几董
寒の滝美女狂態の祷り為す 鍵和田[ゆう]子 未来図
甘茶番して新発意の嫁美人 河野静雲
関寺の小町の塚の蛇いちご 村木佐紀夫
岐阜提灯小野小町は野に倒れ 高澤良一 暮津
幾夜ふる小野の小町のかた鶉 如流 選集「板東太郎」
帰り花桃李の美人覚束な 黒柳召波 春泥句集
帰花桃李の美人覚束な 召波
鬼女の像灼けつつ内面夜叉美人 加藤知世子 花寂び
菊人形小町世にふる眺めして 百合山羽公
吉兆や佳人に足を踏まるるも 大野素郎
鏡餅弁天池の石となれ 阿波野青畝
業平と小町の並ぶ歌がるた 下村梅子
金魚売弁天さまの水もらふ 結城美津女
金色の蛾眉をあらはにクロッカス 西村和子 夏帽子
掘り上げて陽に当つ藷の紅小町 森田公司
薫風や出迎へ呉れし美女二人 小出秋光
傾城に歌心あり春の宵 寺田寅彦
傾城に喰ひつかれたるあはせかな 程己 四 月 月別句集「韻塞」
傾城に鳴くは故郷の雁ならん 夏目漱石 明治四十年
傾城に腕見せけり角力取 松花
傾城に腕見せけり相撲取 松化 五車反古
傾城に菎蒻くはす彼岸哉 高井几董
傾城のうすき眉毛や春の暮 松瀬青々
傾城のうゑしや御田のしどろなる 蝶夢「草根発句集」
傾城のぬけがらに寝る夜寒哉 正岡子規
傾城のわらべがましき手鞠かな 万容
傾城の夏書やさしや仮の宿 榎本其角
傾城の霞に傘の見えしかな 長谷川かな女 雨 月
傾城の蚊屋にきのふの螢かな 瓢水
傾城の汗の身をうる暑哉 横井也有 蘿葉集
傾城の汗臭くなるをどりかな 木導 七 月 月別句集「韻塞」
傾城の傘の上行く胡蝶かな 麦水
傾城の蚕飼ふとは何事ぞ 寺田寅彦
傾城の小歌はかなし九月尽 其角
傾城の小哥はかなし九月尽 其角
傾城の生れかはりか猫の妻 木導 正 月 月別句集「韻塞」
傾城の朝風呂匂ふ菖蒲かな 太祇「題林集」
傾城の拝んで笑ふ涅槃かな 青蘿
傾城の畠見たがるすみれかな 岩田涼菟
傾城の鼻を大きく金魚玉 小島健 木の実
傾城の物ほすかたや鳴蛙 蓼太
傾城の疱瘡うゑる日永かな 寺田寅彦
傾城の蹠白き絵踏かな 芥川龍之介
傾城は後の世かけて花見かな 蕪村 春之部 ■ 雨日嵐山にあそぶ
傾城もいとどねられね寒念仏 奚魚 極 月 月別句集「韻塞」
傾城も廓返りのすみれ哉 竹裡
傾城も手玉に取られ羽子板市 高澤良一 鳩信
月朧美人スパイにならんかな 長谷川照子
見返り美人秋興の手を袖の中 小堀紀子
元日や雨に美人の高鼾 蓼太
古も美女はありけり春灯 佐藤春夫 能火野人十七音詩抄
古袷傾城人の妻となり 佐々醒雪
古蚊帳に病傾城や眼をつむり 清原枴童 枴童句集
枯尾花醜き小町臥りけり 高井几董
枯蘆に傾城町の夕日哉 百里
五月雨や暗きに馴れて支那美人 比叡 野村泊月
口少し開けしは美形梅雨鯰 斎藤梅子
江ノ島の裸弁天東風吹けり 高澤良一 寒暑
糠雨に少し乱れし美女柳 安斉君子
紅梅や畦より低き小町塚 野崎ゆり香
紅葉冷絶世美人と刻せし碑 西本一都 景色
行く年や老を誉めたる小町の絵 斯波園女
行としや古傾城のはしり書 高井几董
合点して傾城買ふやあきの夕 田原 也竺 五車反古
国芳の肉筆美人門涼み 高澤良一 燕音
此花を小町草とは知らざりし 原月舟
今小町つらつら椿いきみんたん 加藤郁乎
妻が美女に見える日ごしごし手を洗う 瀬戸青天城
菜の花や袖〔を〕苦にする小傾城 一茶 ■文化七年庚午(四十八歳)
在るがままの花でありたし小町の忌 松谷雅子
冴え返る入谷小町を挟み撃ち 攝津幸彦 鹿々集
桜影かなし世の風美女が幽霊か 井原西鶴
桜々散つて佳人の夢に入る 上田無腸
桜狩美人の腹や減却す 與謝蕪村
笹鳴や小町通りをそれてすぐ 川崎展宏
三光鳥鳴き弁天の厨子ひらく 深海利代子「雉俳句集」
山はえむ上野東の美人ならん 椎本才麿
山宿に美女生れつぎて芹を摘む 西本一都 景色
桟橋の先に鯔跳ぶ弁天屋 高澤良一 随笑
四万六千日小町屋で買ふつけ睫毛 鈴木栄子
子は亡くてやはらかく折るベビー毛布 蓬田紀枝子
実に泣く傾城もありとしの暮 也有
捨松も小町も居りて福笑ひ 太田 昌子
手折れるはりふじんなれや美人草 季吟「山の井」
秋の蚊や夢二の描く美人像 押本京子
秋絢爛をとこならねど美女はよし 稲垣きくの
秋近し七夕恋ふる小傾城 正岡子規
秋灯や要かなめの小町針 橋本白木
秋満つ寺蝶の行方に黒衣美女 西東三鬼
俊寛も小町も果の施米かな 青木月斗
春の土踏むはじめてのベビー靴 山田弘子 こぶし坂
春雨に大欠(あくび)する美人哉 一茶
春雨に大欠〔伸〕する美人哉 一茶 ■文化八年辛未(四十九歳)
春雨やてうちん持ちの小傾城 一茶
春雨やてうちん持の小傾城 一茶 ■文化九年壬甲(五十歳)
春寒や日長けて美女の嗽ぐ 尾崎紅葉
春寒や日闌(た)けて美女の嗽ぐ 尾崎紅葉
春寒や日闌けて美女の嗽ぐ 尾崎紅葉
春愁や使はず褪せし絹小町 勝又寿々子 『春障子』
春落葉浮けり小町の化粧井戸 龍頭美紀子
春筍が二つ佳人は来ぬものか 星野麥丘人
初午や美女の影ふむ素浪人 沾徳
暑を見詰めゐし眼が遠き美女捉ふ 有働亨 汐路
書出しに小町が返事なかりけり 黒柳召波 春泥句集
小傾城行きてなぶらん年の暮 其角
小傾城行てなぶらんとしの昏 其角
小傾城行てなぶらん年の暮 榎本其角
小春日のうたたね哀れ小傾城 会津八一
小春日の黒子美人に出合ひけり 村山三郎
小町の忌歌詠むときは化粧して 大元祐子
小町忌のなき淋しさや業平忌 野村喜舟
小町忌のはんなり香る桜餅 中御門あや
小町忌の歌膝ゆゆし九十九髪 高橋睦郎
小町忌の反物のまま二十年 北柳あぶみ
小町忌の老いても母の富士額 西浦昭美
小町忌の褪せし押花詩集より 斎藤静枝
小町忌は人丸忌なり井水汲む 高橋睦郎
小町忌や花の透しのあそび紙 高山 檀
小町忌や鴨の啄む紅椿 藤原口佐子
小町忌や芍薬の芽の紅に 山口マサエ
小町寺とうとうたらり春の舞 井本農一
小町寺枯木ざくらもゆかしけれ 高濱年尾 年尾句集
小町寺尼がかむれる綿帽子 大森積翠
小町草花壇に盛りすぎにけり 高野素十
小町草咲きひろがりぬ尼が庵 高浜虚子
小町草石屋の石の間かな 矢島渚男 延年
小町塚弔ふに摘む都草 小野たか子
小町塚訪ふと蝗を跳ばしたり 神蔵 器
小町墳言葉少なに時雨傘 浅野アツ子
小町崩れの姉ふらふら来小正月 たむらちせい
小野の小町こらへ情有二夜の月 云奴子 選集「板東太郎」
松むしよ美人の袖に落て死子 松岡青蘿
飾りたる小町雛のうれひ眉 阿部みどり女 笹鳴
色鳥やケーキのやうなベビー靴 轡田 進
色変へぬ松に囲まれ弁天沼 檜 紀代
振り向く大月氏の傾城もう雪か 加藤郁乎
振向ばはや美女過る柳哉 一茶 ■寛政七年乙卯(三十三歳)
針供養母の使ひし小町針 有賀三枝子
水仙や美人かうべをいたむらし 蕪村
睡蓮の一花水浴美人めく 江川虹村
数珠下げていよ~美女の寒さかな 久保田万太郎 流寓抄以後
雛の日が忌日となりし佳人かな 稲岡達子
青すだれ白衣の美人通ふ見ゆ 一茶 ■寛政五年癸丑(三十一歳)
青梅に眉あつめたる美人かな 蕪村
青葉冷え鎌倉小町通りにて 川崎展宏
石蕗の黄のほつと枯色起美女亡し 松村蒼石 雁
積年の朽葉をためて小町井戸 中村姫路
切り売りの西瓜は美人揃ひにて 三好潤子
雪女郎美女を描くといふ掟 庄子紅子
仙がい筆薄と小町のされかうべ 高澤良一 暮津
先生を美人に画いて夏休み 渡辺みつ
川ゆたか美女を落第せしめむか 平畑静塔
銭洗弁天(しろへびさま)春は巳の日の験(げん)あらな 高澤良一 寒暑
銭洗弁天寒の卵かな 細川加賀 生身魂
霜がれや鍋の炭かく小傾城 一茶
袋絵の小町ほほえむ今年米 松本由美子
大原や小町が果の夏花つみ 一 茶
大根煮て小町も年をとりにけり 龍岡晋
沢瀉による傾城や御祓川 蕪村「落日庵句集」
短日のひとり弁天詣かな 鈴木しげを
竹皮を脱ぐ美人画はうしろ向き 逢坂幸子
朝火事の寺町小町革枕 攝津幸彦 鹿々集
朝陽より傾城匂ふあやめかな 言水
腸うるか竜野の美人送り来し 青木月斗
腸うるか龍野の美人送り来し 青木月斗
蝶々の葎深しや小町寺 星野立子
鳥雲にどぶ板小町嫁ぎけり 岡田鉄 『卆心』
鳥雲に美人動けばわれ動く 三橋敏雄(1920-2002)
椿数多花異なりて美女生誕 長谷川かな女 花寂び
椿挿す死相も音戸小町よと 赤松[ケイ]子
冬の虹藪の弁天瞳にしづく 加藤知世子 花寂び
凍蝶の蛾眉衰へずあはれなり 高浜虚子
嶋の雪弁天堂の破風赤し 正岡子規
桃の日や蟹は美人に笑るゝ 服部嵐雪
湯を浴びて湯かけ弁天かげろひぬ 大越正子
南風に奏づは弁天様にまします歟 高澤良一 随笑
廿とせの小町が眉に落花かな 高井几董
日のテラス雪嶺へ展べ佳人亡し 木村蕪城 寒泉
日傘得て辨天よりの戻り船 北野民夫
日本に小野小町や合歓の花 辰巳あした(雨月)
葱の香や傾城町の夕あらし 蝶夢
年玉に傾城の香のうつりけり 松瀬青々
年経たる小町のにほひ蓬原 鷲谷七菜子
年棚にまだ土つかぬベビー靴 橋本榮治 麦生
年籠して小面は美女と思ふ 阿波野青畝
年籠りして小面は美女と思ふ 阿波野青畝
波音や弁天様の孑孑に 岸本尚毅 舜
梅の精は美人にて松の精は翁也 夏目漱石 明治三十二年
梅白し佳人のひと世をろがみぬ 藤田湘子 てんてん
煤逃げの真白きベビー毛布かな 山崎ひさを
柏餅届けてくれし美人記者 町春草
白芥子の美人かくるゝ草の庵 松岡青蘿
白玉の美形を探しゐたりけり 仙田洋子 雲は王冠以後
薄幸の見返り美人一葉忌 磯崎ゆきこ
半面の美女かいま見ぬ春のくれ 几董
枇杷一顆載りて弁天みちしるべ 中戸川朝人 尋声
美女にちれば愚かにうらむ桜狩 井原西鶴
美女に逢ふ美男蔓を手に提げて 京極杞陽
美女のゐて老僧喜色ねはん講 堀口星眠 青葉木菟
美女現前鬼女も招ばんと紅葉焚く 中村草田男
美女谷や髪に飾りて常山木の実 嶋田麻紀
美女美男灯籠にてらす迷ひかな 其角
美女病みて水族館の鱶に笑む 西東三鬼
美人とはなべてふくよか蝌蚪の国 岸田雨童
美人画の顔にもメモや古暦 今井風狂子
美人画の髷黒々と捨団扇 梅里全子 『祝矢』
美人老て疎影の痩を水鏡 椎本才麿
美禄はんなりでろれん美女はしたゝりぬ 加藤郁乎
百歳の小町目を張り秋の暮 大橋敦子 匂 玉
百日紅ややちりがての小町寺 蕪村
夫のある美人参りそ文覚忌 伊藤松宇
負ひ真綿里の小町も古りにけり 永田青嵐
蕪こそ肥えて美人に似たりけれ 松瀬青々
風の盆誰の言ひたる顎美人 浅川青磁
風邪引の鼻のつまりし美人かな 高浜虚子
焚髪の茫煙か紅葉美女の屍に 内田百間
壁つゞる傾城町やくれのあき 炭 太祇 太祇句選
別嬪な鳥が来てゐる二日の木 高澤良一 さざなみやつこ
別嬪の降つて来さうなゆだちかな 加藤郁乎
片しぐれ幾日つづくぞ小町寺 麦水
弁天に烏甘ゆる春の水 八木三日女
弁天に口紅供へ御開帳 山崎祐子
弁天に少女の乳房さくら散る 檜山哲彦
弁天の笑ふ眼のふちきりぎりす 磯貝碧蹄館
弁天の竹生に近き竹瓮舟 大石悦子 聞香
弁天の琵琶の卯波に打ち消され 木村紀美子
弁天の膝に大きな盆だんご 長江克江
弁天の祠の岬磯開く 鈴木 灰山子
弁天へ秋風波をたてまつる 川崎展宏
弁天を抜けたあたりでみずてんのふらここ 加藤郁乎
弁天堂に湧く歓声や一の富 上原真澄
弁天様に下船の一歩雲の峯 毛塚静枝
頬の落ち卒都婆小町のしたたかさ 須崎美穂子
盆狂言怨霊なべて美女なりし 成瀬桜桃子
盆踊清少納言小町の国 西本一都 景色
柾の実昔小町のあちら向き 相原澄江
柾を葺く仮宮かなし小町草 富安風生
万の手がベビー・ユニヴァースをくすぐる 夏石番矢
万緑や鈴の緒いたむ弁天堂 中村冨美子
眠りの森の美女を見にゆく六日かな 須川洋子
名月や海に向かへば七小町 松尾芭蕉
夜ざくらや美人天から下るとも 一茶
夜の秋を小町寺より遊び尼 山口誓子
野を焼や小町が髑髏不言 高井几董
野菜曳く村の小町の頬被り 松浦 釉
柳の芽弁天さまを素描せり 渡辺恭子
優曇華や寺に小町の九相図 三矢らく子
夕桜小町塚まで足のばす 板谷芳浄
夕立に看板の美女抱き入るる 右城暮石
踊りそろへば小町桜は咲きにけり 長谷川かな女 雨 月
落鮎のはらわたを抜く美人かな 吉崎不二夫
利根流域美女群浴に出会う 金子兜太 詩經國風
裏富士やかかる里にも美人草 不白「不白翁句集」
流星の果てなる鸚鵡小町かな 黒田杏子
両の手にうちは遣ふや小傾城 蓼太「蓼太句集初編」
瑠璃鳴きて靄の晴れゆく美女平 朝妻 力
麗人の立居が透ける青簾 秋山青潮(鉾)
麗人をいざなふ僕の白手袋 筑紫磐井 婆伽梵
簾(みす)に入りて美人に馴るゝ燕かな 服部嵐雪
簾に入て美人に馴る燕かな 服部嵐雪
簾に入りて美人に馴るる燕かな 嵐雪
蓮の骨哀は美女の屍哉 服部嵐雪
蓮の骨哀れは美女の屍かな 服部嵐雪
露の川小野小町の山を出づ 八木林之介 青霞集
辨天や蛙の干物おもしろき 尾崎紅葉
曼珠沙華喜寿と思へぬ美女ばかり 永瀬千枝子
囀りや苔盛り上がる小町塚 巽恵津子
徂く春の卒塔婆小町を観し疲れ たかし
涅槃会に佳人のまじる日の翳り 桂信子 遠い橋
筍や目黒の美人ありやなし 子規
絨毯の美女とばらの絵ひるまず踏む 柴田白葉女
芍薬のくづれ艶めく小町塚 高橋一経
菫咲川をとび越す美人哉 一茶
蟷螂や見返り美人さながらに 藤脇美樹
踵まで浴衣美人でありにけり 山田弘子 懐
鞆の津のささやき橋に小町草 高橋六一
鵙なくや笑ひけうとき小傾城 素丸
黴の香の弁天窟に百の燭 宮内とし子(沖)
鼈甲を磨く老眼小町の忌 中野青雁

美人美女… 補遺

*はまなすのたとへば夜の黒眸美女(マラゲーニア) 佐藤鬼房
あかゞりや傾城老いて上根岸 正岡子規 皸
いつの世も美男美女よし菊人形 右城暮石 虻峠
うすものに堪へざる美女の立居かな 正岡子規 羅
うそ寒き暗夜美人に逢着す 正岡子規 うそ寒
うそ寒の誠を泣くや小傾城 正岡子規 うそ寒
お守りの辨天賣て肌寒し 正岡子規 肌寒
かの佳人ならむ枯山生野糞 佐藤鬼房
きぶし群落美女韆浴は乳房見せぬ 金子兜太
クインメリー麗人を求む年の暮 山口青邨
ゴルフアーの佳人の自動車春泥を 日野草城
その青年のもの美女の顔平手打ち 三橋敏雄
その夕べ京にをりたる小町の忌 森澄雄
だが秋田美人に逢へずきりたんぽ 鷹羽狩行
ひこばえや絵図の小町をたづね得ず 角川源義
ひた寒し萎えし垂乳の小町みて 能村登四郎
ぶをとこも美人も出たる小春哉 正岡子規 小春
ものうしや傾城をまつ蚊帳の中 正岡子規 蚊帳
わが庭のにぎやか秋田美人の蕗の薹 山口青邨
衣更へて美人はいつも美人かな 星野立子
一景は熔岩を野積みに小町草 上田五千石『風景』補遺
姥等とよ小町がはてをこれ見よや 正岡子規 姥等
駅家去る車塵 磧に美女残し 伊丹三樹彦
遠目にも茶摘畑の祖谷美人 鷹羽狩行
襖絵の美女に囲まれ寝正月 鷹羽狩行
黄鳥きて美女群浴の死せしや 金子兜太
牡丹栽て美人土かふ春の風 正岡子規 春風
牡丹咲て美人の鼾聞えけり 正岡子規 牡丹
佳人に会へり途上黄落ただならず 古郷
佳人もたらせし木犀の香に睡る 伊丹三樹彦
佳人花の如し我衣破れたり 正岡子規 花
夏に籠る傾城もあり百日紅 正岡子規 百日紅
夏山の記憶の中の一佳人 高野素十
夏草や嵯峨に美人の墓多し 正岡子規 夏草
歌留多の絵小町は老いずありにけり 後藤夜半 底紅
火盗りとてかぐはしき蛾眉もたらせり 上田五千石 琥珀
花の山浮世画の美人来る哉 正岡子規 花
花合歓に蛾眉なが~し午後三時川端茅舎
花晴れて佳人の眼鏡度の強き 日野草城
花南瓜*つつの美女には会へずとも 後藤比奈夫
花薄こゝも小町のふしど哉 正岡子規 薄
蚊帳ツラデ畫美人見ユル夜寒カナ 正岡子規 夜寒
海棠に鼾の細き美人哉 正岡子規 海棠
外梯子降りる一佳人花衣 山口青邨
蛙田に尼の通ひ路小町寺 高野素十
茅花さく家を傾城のなれのはて 正岡子規 茅花
寒梅や抜け弁天の土日向 上田五千石『琥珀』補遺
寒美人嬋娟として尿意あり 日野草城
汗くさしうしろ向たる小傾城 正岡子規 汗
亀鳴くを待てず弁天池を去る 鷹羽狩行
菊人形源氏も美男美女ばかり 右城暮石 句集外 昭和五十四年
菊人形小町世にふる眺めして 百合山羽公 樂土
鏡餅弁天池の石となれ 阿波野青畝
業平も小町もをりぬ花の稚児 伊藤白潮
金屏風傾城こもる秋の暮 正岡子規 秋の暮
傾城が筆のすさひや燕子花 正岡子規 杜若
傾城と千鳥聞く夜の寒さ哉 正岡子規 千鳥
傾城にあふがれて居る団哉 正岡子規 団扇
傾城にいつわりのなき熱さ哉 正岡子規 暑
傾城にとへども知らず紅の花 正岡子規 紅花
傾城にとりかくされし扇哉 正岡子規 扇
傾城にふられてひとりすゞみ哉 正岡子規 納涼
傾城にまことありけり秋のくれ 正岡子規 秋の暮
傾城にものかゝれたる扇哉 正岡子規 扇
傾城に可愛がらるゝ暑さ哉 正岡子規 暑
傾城に歌よむはなしけふの月 正岡子規 今日の月
傾城に起請の外の夏書哉 正岡子規 夏書
傾城に死んで見せけり火取虫 正岡子規 火取虫
傾城に袖引かれたる夜寒哉 正岡子規 夜寒
傾城に電話をかけん秋のくれ 正岡子規 秋の暮
傾城に問へども知らず秋の風 正岡子規 秋風
傾城に約束のあり酉の市 正岡子規 酉の市
傾城のうそも上手にさよしくれ 正岡子規 時雨
傾城のうらやまれけり蝸牛 正岡子規 蝸牛
傾城のお白粉はげて朝桜 正岡子規 朝桜
傾城のなるゝ柱も一夜鮓 正岡子規 鮓
傾城のぬけがらに寐る夜寒哉 正岡子規 夜寒
傾城のぬけ殻に蚤のはねる哉 正岡子規 蚤
傾城のひとり寐ねたる寒さかな 正岡子規 寒さ
傾城の噂を語れ納豆汁 正岡子規 納豆汁
傾城の花に泣く夜となりにけり 正岡子規 花
傾城の海を見て居る夕涼み 正岡子規 納涼
傾城の海を背にする夜寒哉 正岡子規 夜寒
傾城の外はしくるゝとも知らず 正岡子規 時雨
傾城の噛み砕きけり夏氷 正岡子規 夏氷
傾城の顔にあてたる団扇哉 正岡子規 団扇
傾城の古郷遠し京の春 正岡子規 初春
傾城の故郷や思ふ柏餅 正岡子規 柏餅
傾城の悟り顔なり蓮の花 正岡子規 蓮の花
傾城の在所をきけば藪蚊哉 正岡子規 蚊
傾城の罪をつくるや紅の花 正岡子規 紅花
傾城の姿あらはす蚊遣哉 正岡子規 蚊遣
傾城の耳たぶ広しほとゝきす 正岡子規 時鳥
傾城の汐干見て居る二階哉 正岡子規 汐干狩
傾城の鹿呼ぶ奈良の夕淋し 正岡子規 鹿
傾城の手つからくへる蚊遣哉 正岡子規 蚊遣
傾城の重ね着苦し汗の玉 正岡子規 汗
傾城の出しぬかれたる師走哉 正岡子規 師走
傾城の寝顔にあつしほつれ髪 正岡子規 暑
傾城の息酒くさし夕桜 正岡子規 夕桜
傾城の足音更ける火鉢哉 正岡子規 火鉢
傾城の団扇に這はす蛍哉 正岡子規 蛍
傾城の昼寝はあつし金屏風 正岡子規 昼寝
傾城の燈籠のぞくや寶巖寺 正岡子規 燈籠
傾城の瓶にしぼみし牡丹哉 正岡子規 牡丹
傾城の腹をひやさん氷餅 正岡子規 氷餅
傾城の文とゝきけり五月雨 正岡子規 五月雨
傾城の文にも春を惜むかな 正岡子規 春惜しむ
傾城の文反古まじる紙帳哉 正岡子規 紙帳
傾城の夢に殿御の照射哉 正岡子規 照射
傾城の娘もちける鵜匠哉 正岡子規 鵜匠
傾城の名をつけて見ん竹婦人 正岡子規 竹婦人
傾城の紋は何紋衣配り 正岡子規 衣配
傾城の門まで出たり凧 正岡子規 凧
傾城の猶うつくしき燈籠哉 正岡子規 燈籠
傾城の涙煮えけり玉子酒 正岡子規 玉子酒
傾城の咄ときるゝ夜長かな 正岡子規 夜長
傾城の泪にやれし紙衣かな 正岡子規 紙衣
傾城の菫は痩せて鉢の中 正岡子規 菫
傾城の裲襠着て見つ春の雨 正岡子規 春の雨
傾城の顏見て過ぬ酉の市 正岡子規 酉の市
傾城の鼾おそろしほとゝきす 正岡子規 時鳥
傾城はうしろ姿の寒さ哉 正岡子規 寒さ
傾城はなれてよく寐る鹿の聲 正岡子規 鹿
傾城は格子の内や夏の月 正岡子規 夏の月
傾城は五階の上の霞哉 正岡子規 霞
傾城は誠にあつき者なりけり 正岡子規 暑
傾城は痩せて小さき蒲團哉 正岡子規 蒲団
傾城は知らじ三夜さのむら時雨 正岡子規 時雨
傾城は屏風の萩に旅寐哉 正岡子規 萩
傾城も居らず蝶飛ぶ仲の町 正岡子規 蝶
傾城も石になりたる夏野哉 正岡子規 夏野
傾城も南瓜の畑で生れけり 正岡子規 南瓜
傾城も猫もそろふて雜煮哉 正岡子規 雑煮
傾城も娘めきたり青簾 正岡子規 青簾
傾城やしくれふるとも知らで寐る 正岡子規 時雨
傾城や格子にすがる籠の虫 正岡子規 虫
傾城や客に買はれて夕涼み 正岡子規 納涼
傾城や年よりそむる五月雨 正岡子規 五月雨
傾城をかむろとりまく粽哉 正岡子規 粽
傾城をよぶ声夏の夜は明けぬ 正岡子規 夏の夜
傾城を見たる師走の温泉かな 正岡子規 師走
傾城を舟へ呼ぶ夜の寒さかな 正岡子規 寒さ
傾城を買ひに往く夜や鮟鱇鍋 正岡子規 鮟鱇
傾城曰く歸らしやんすか此雪に 正岡子規 雪
月が出て美女群浴の白照す 金子兜太
見まゐらす寝釈迦あはれ蛾眉御若き 山口青邨
遣羽子に負けし美人の怒哉 正岡子規 遣羽根
古里や秋に痩せたる小傾城 正岡子規 秋
枯野行く美人をしばし眺めたり 永田耕衣
五月雨や傾城のぞく物の本 正岡子規 五月雨
行かんとして雁飛び戻る美人哉 正岡子規 帰雁
行く鳥や傾城国に帰る船 正岡子規 鳥帰る
行水や美人住みける裏長屋 正岡子規 行水
香煙の美人にもならず年暮れぬ 正岡子規 年の暮
高殿に美人佇む柳かな 正岡子規 柳
此里に美女二人あり桃の花 正岡子規 桃の花
三彩の唐の美女見し牡丹かな 森澄雄
三椀の雜煮喰ひぬ小傾城 正岡子規 雑煮
傘さして傾城なぶる春の雨 正岡子規 春の雨
残雪や小町の母郷は雨けぶる 角川源義
師走能かぞへて老女小町もの 能村登四郎
紫陽花や舌を見せたる小傾城 正岡子規 紫陽花
七小町二つは知らず朧にて 能村登四郎
七夕に草履を貸すや小傾城 正岡子規 七夕
七夕や弁天さまに水かよひ 上田五千石『天路』補遺
七夕を寝てしまひけり小傾城 内藤鳴雪
朱兀げて辨天堂の月見哉 正岡子規 月見
酒の名は山陰美人花三分 山口青邨
樹下美人ならばと梅の咲く下に 津田清子
秋陰に常百歳の小町かな 阿波野青畝
秋近し七夕恋ふる小傾城 正岡子規 秋近し
秋風や傾城町の晝下り 正岡子規 秋風
秋風や小野の小町の笑ひ聲 正岡子規 秋風
秋満つ寺蝶の行方に黒衣美女 西東三鬼
終ひ弁天暗きに咳をこぼしけり 安住敦
襲着の佳人に冬の泉鳴る 佐藤鬼房
出戻りの美人の散歩麦の秋 日野草城
春の夜のともし消ちたり小傾城 正岡子規 春の夜
春の夜や傾城町の電気燈 正岡子規 春の夜
春の夜や傾城買ひに小提灯 正岡子規 春の夜
春の夜や見知顔する小傾城 正岡子規 春の夜
春駒や美人もすなる物貰ひ 内藤鳴雪
春宵の美酒とは美人注げばこそ 鷹羽狩行
春憂う美女群浴の交交(こもごも) 金子兜太
春筍が二つ佳人は来ぬものか 星野麥丘人 2001年
女王花ただちに卒塔婆小町かな 阿波野青畝
小傾城蚊遣に顔をそむけゝり 正岡子規 蚊遣
小傾城蕣の君と申しけり 正岡子規 朝顔
小町忌やうつくしき人ら歌合 山口青邨
小町忌や八重山吹も散りにけり 山口青邨
小町忌や北斎ゑがく七小町 山口青邨
小町草花壇に盛りすぎにけり 高野素十
小町像遅日垂乳の先の朱 飯島晴子
小町足袋覆いて演ずる役のこと 後藤比奈夫
身受けせし傾城くやし衣かへ 正岡子規 更衣
刃のごとき涼気佳人とすれ違ひ 鷹羽狩行
水汲みの美女現れよ靫草 佐藤鬼房
水馬辨天堂は荒れにけり 川端茅舎
水無月の傾城並ぶ格子かな 正岡子規 水無月
翠簾ごしの美人の顔や朧月 正岡子規 朧月
世に古りて小町草とは呼ばれけり 後藤比奈夫
青梅や傾城老いて洗ひもの 正岡子規 青梅
石蕗の黄のほつと枯色起美女亡し 松村蒼石 雁
川ゆたか美女を落第せしめむか 平畑静塔
川岸に二番芽の*たら佳人亡し 佐藤鬼房
銭洗ひ来し弁天の青葉冷え 鷹羽狩行
早乙女のむかしを語れ小傾城 正岡子規 早乙女
早乙女や小町の墓のこと知らず 阿波野青畝
草刈女小野小町は好きならず 後藤比奈夫
待宵の姿にうしろ向き小町 能村登四郎
大津絵やかすむ湖水の七小町 河東碧梧桐
短夜やわりなくなじむ小傾城 正岡子規 短夜
茶の花の思うツボなる美人哉 永田耕衣
昼顔に傾城眠きさかり哉 正岡子規 昼顔
虫干や傾城の文親の文 正岡子規 土用干
朝がほや梦の美人の消え處 正岡子規 朝顔
朝顔に傾城だちの鼾かな 正岡子規 朝顔
朝顔や傾城町のうら通り 正岡子規 朝顔
朝顔や夢裡の美人は消えて行く 正岡子規 朝顔
朝顏に傾城眠きさかり哉 正岡子規 朝顔
朝顏の垣根荒れたり小傾城 正岡子規 朝顔
長き夜や古傾城のささめ言 正岡子規 夜長
鳥雲に美人うごけばわれ動く 三橋敏雄
椿饐ゑ百歳の小町祀りけり 能村登四郎
摘むや薺小町の墓を二めぐり 内藤鳴雪
都踊り美女嬋娟を競ひけり 古郷
冬ぬくし獣肉をむさぼり啖ふ美人 日野草城
冬扇シテの美女出て国なまり 角川源義
嶋の雪辨天堂の破風赤し 正岡子規 雪
桃色は弁天様のはちすかな 正岡子規 蓮の花
踏青や美人群れたる水の隈 正岡子規 青き踏む
日のテラス雪嶺へ展べ佳人亡し 木村蕪城 寒泉
年経たる小町のにほひ蓬原 鷲谷七菜子 天鼓
年箭して小面は美女と思ふ 阿波野青畝
破れ扇これも小町かなれのはて 正岡子規 捨扇
破れ扇小町かはてを見付たり 正岡子規 捨扇
梅雨ふるや美女は採用せず帰す 古郷
梅白し佳人のひと世をろがみぬ 藤田湘子 てんてん
萩薄小町が笠は破れけり 正岡子規 萩
萩薄小町が笠は破れたり 正岡子規 萩
白足袋の 小町で老いて 葛の花 伊丹三樹彦
微笑、美女、槍の貫きし箱を出でて立つ 荻原井泉水
美女の手に狩られて鮎の錆きはやか 上田五千石『琥珀』補遺
美女の深情のありて近松忌 鷹羽狩行
美女去りしその墓にわれも詣でけり 古郷
美女更に美女涅槃哭く顔ゆがめ 山口誓子
美女立テリ秋海棠ノ如キカナ 正岡子規 秋海棠
美女蹌踉の絵とあり白蓮の西安 金子兜太
美人の図無銘にして艶昼寝覚 山口青邨
美男美女に異常乾燥期の園 西東三鬼
鼻をするどく 刻んで 美女生むカメオ職人 伊丹三樹彦
百歳の小町の像の冷まじき 高野素十
芙蓉咲き見えぬ月見えぬ蛾眉山 金子兜太
米飾る米にも小町.ひとめぼれ 鷹羽狩行
弁天のうしろ姿は柳かな 正岡子規 柳
弁天のおん旅支度かいまみし 山口青邨
弁天の参詣絶えぬ桜かな 正岡子規 桜
弁天の山茶花折つて挿す句会 山口青邨
弁天の石橋低し蓮の花 正岡子規 蓮の花
弁天の奏で給ふ琵琶鴨送る 山口青邨
弁天の池にぎやかに鴨涼し 山口青邨
弁天の竹生に見たる石蕗の花 森澄雄
弁天の楼門赤き桜哉 正岡子規 桜
弁天の鰐口が鳴る浮寝鳥 山口青邨
弁天の已年美し町の春 内藤鳴雪
弁天や江戸へ流るゝ春の水 正岡子規 春の水
弁天をとりまく柳桜かな 正岡子規 柳
飽食の美人わらへり寒潮に 日野草城
鉾粽京美人の前に落下せり 古郷
柾を葺く仮宮かなし小町草 富安風生
末枯の中なる屏風七小町 能村登四郎
夢にたつかの薩摩美女牡丹の芽 佐藤鬼房
夢に美人来れり曰く梅の精と 正岡子規 梅
名月や美人の顏の片あかり 正岡子規 名月
夜の雪辻堂に寐て美女を夢む 正岡子規 雪
夕顔ノ垣根覗キソ美人禅 正岡子規 夕顔
夕立に看板の美女抱き入るる 右城暮石 上下
夕立や簀戸に押されし小傾城 正岡子規 夕立
葉桜や傾城しらぬ夏の景 正岡子規 葉桜
落花にて白し小町の屋敷跡 山口誓子
落花無し小町の深き化粧井に 山口誓子
蘭の香や佳人髣髴として來る 正岡子規 蘭
利根流域美女群浴に出会う 金子兜太
梨花白し此頃美女を見る小家 正岡子規 梨の花
凌霄やからまる縁の小傾城 正岡子規 凌霄花
冷えそそり歯剥く笑ひの老小町 能村登四郎
蓮の題即ち飾る支那美人 山口青邨
蓮枯て辨天堂の破風赤し 正岡子規 枯蓮
老いし小町に花冷の燭虹なせり 能村登四郎
嬌羞や団扇を洩れて蛾眉二つ 日野草城
徂く春の卒塔婆小町を観し疲れ 松本たかし
晝中の傾城寐たるこたつ哉 正岡子規 炬燵
稻妻や闇に美人の笑ひ聲 正岡子規 稲妻
筍や目黒の美人ありやなし 正岡子規 筍
蓼科を美人に譬へ避暑日記 阿波野青畝
蕣やきのふ死んだる小傾城 正岡子規 朝顔
薔薇一枝美人の胸にしぼみけり 正岡子規 薔薇
遽かの暑美人の汗に眼をとどむ 日野草城
錢湯を出づる美人や松の内 正岡子規 松の内
鶯や京へ売らるゝ小傾城 正岡子規 鶯

美人美女… 続補遺

いざゝくら小町が姉の名はしらず 其角
いなづまやどの傾城とかり枕 去来
かはず乗る経木は卒都婆小町なり 木導
かまくらの小町米町秋のくれ 白雪
けし垣の内や硯の小町形 万里女
けふの月小町が哥のうへを行 小西来山
すゝ掃や是も小町が古足駄 存義 古来庵発句集
つく~と小町が姉や冬籠 白雪
なでしこや美人手づから灌ぬる 黒柳召波
はつ雪やこゝろあてある小傾城 存義 古来庵発句集
はるかぜにおさるゝ美女のいかりかな 曉台
ふたり寐は汐干の岩も小町哉 土芳
ほし逢や心の友は伊勢小町 曉台
れき~の小町のはてや茶つみ哥 許六
衣うつよ田舎の果の小傾城 高井几董
衣張の指図まばゆし美人草 中川乙由
稲遠く傾城涼む夜明かな 泥足
稲妻の皃ひく窓の美人哉 露印
姥ふえてしかも美女なし年忘 其角
永き日や雨に物干す小傾城 晋阿 江都近在所名集
炎天に美人の皃の定りぬ 望月宋屋
花火尽きて美人は酒に身投げけむ 高井几董
花火尽て美人は酒に身投けむ 高井几董
花手折美人縛らん春ひと夜 高井几董
花芙蓉美女湯あがりて走りけり 山口素堂
芥子痩てたゞ中~に美人草 路通
寒しとは小町が嘘よほとゝぎす 高井几董
寒声の恨むが如し小傾城 吐月 発句類聚
関寺の月や小町にほえん犬 旦藁
帰花桃李の美人覚束な 黒柳召波
鬼ゆりもやは傾城の敵役 沾圃
橘やむかし小町が袖の露 除風
桐の花局に悩む美人あり 三宅嘯山
金くるゝ小町が手より花の春 支考
傾城と腰掛て見む秋の暮 晩得 哲阿弥句藻
傾城にさりとてはなきあふぎかな 貞佐 桑々畔発句集
傾城に喰つかれたるあはせ哉 程已
傾城に枯て見せたる柳かな 田川鳳朗
傾城に菎蒻くはす彼岸哉 高井几董
傾城のかはゆがりけり団売 木導
傾城のきらつく秋の夕かな 紫道
傾城のその足わたせ天河 中川乙由
傾城のたまりしあとを蛙かな 晩得 哲阿弥句藻
傾城のつめ共にがしふきのとう 吾仲
傾城の塩梅淡し後夜の蠣 午心 発句類聚
傾城の夏書やさしや仮の宿 其角
傾城の楽屋おそろし蕃椒 蓼太 蓼太句集初編
傾城の汗臭くなるをどり哉 木導
傾城の賢なるは此柳かな 其角 五元集
傾城の賢なるは此柳哉 其角
傾城の市にかくれて頭巾かな 蓼太 蓼太句集初編
傾城の小哥はかなし九月尽 其角
傾城の生れがはりか猫の妻 木導
傾城の膳をあづかる月夜かな 吾仲
傾城の知た顔なり更衣 中川乙由
傾城の昼寐はいたく雉子かな 支考
傾城の拝んで笑ふ涅槃哉 松岡青蘿
傾城の畠見たがるすみれかな 岩田涼菟
傾城の比丘尼老ぬる紙子かな 三宅嘯山
傾城の負れて行や藤の花 木導
傾城の服紗捌きや大晦日 抱一 軽挙観句藻
傾城の母親おもふ霜夜かな 許六
傾城の枕ふみてや菊つくり 蓼太 蓼太句集初編
傾城や傾城を見る夕涼 百里
傾城を干か二階の桜華 凉菟
傾城を紅葉と照や後の月 吾仲
故人に落馬なさせそ美人草 魯九
枯芦に傾城町の夕日かな 百里
枯尾花醜き小町臥りけり 高井几董
行としや古傾城のはしり書 高井几董
行年や老を誉たる小町の絵 園女
腰かけて浅き水ふむ美人かな 東皐
桜~散つて佳人の夢に入る 上田無腸
桜ちる小野の小町も茶の木原 句空
桜影かなし世の風美女が幽霊か 井原西鶴
三筋ほど葱喰美女のひそみ哉 三宅嘯山
山はえむ上野東の美人ならん 椎本才麿
捨笠は小町が塚かすみれ草 千那
捨笠は小町が塚か菫草 角上
終年や美人に似たるすみだ川 蓼太 蓼太句集三編
十六は美人の図なり月の色 支考
出代や小野の小町も衣装がら 木導
書出しに小町が返事なかりけり 黒柳召波
小傾城行てなぶらんとしの昏 其角 五元集
小傾城行てなぶらん年の暮 其角
小傾城是見てをけよ茶引草 馬場存義
小宿には傾城をらずきくのはな 桜井梅室
松むしよ美人の袖に落て死子 松岡青蘿
笑ふ時美人消へけり水仙華 越人
象潟の冬は美人の墨絵にて 望月宋屋
色~の田うへ出立や七小町 露川
吹かへす萩や小町が歌のさま 諷竹
吹て着る美人の息や綿帽子 三宅嘯山
水仙を小町が哥の姿かな 十丈
石竹やづらりと並ぶ小傾城 毛〔ガン〕
積雪や紅粉吹かけし小傾城 曉台
雪の花ひろくうつろふ小町かな 舎羅
草花の果は野水に小町哉 白雪
袋には小野小町がいのこ哉 尚白
大かたは美女なりけらし月のまヘ 曉台
虫の音や美人の涙いきかはり 曉台
虫ばむと朽木の小町ほされけり 其角
唐秬の美人こそあれ西の方 朱拙
桃の日や蟹は美人に笑るゝ 嵐雪
廿とせの小町が眉に落花かな 高井几董
乳母ふへてしかも美女なし年忘 其角 五元集
梅花美人来れり漸二更 黒柳召波
白芥子の美人かくるゝ草の庵 松岡青蘿
美女にちれば愚かにうらむ桜狩 井原西鶴
美女美男灯籠にてらす迷哉 其角
美人草散つた処が芥子坊主 桃後
美人老て疎影の痩を水鏡 椎本才麿
筆始今の美人は誰~ぞ 木因
富士詣傾城の名も懺悔せん 琴風
壁つゞる傾城町やくれのあき 炭太祇
弁天は見いでも今朝の水鏡 木節
埋火や傾城ふたり夜ぞ更くる 人左 新類題発句集
野を焼や小町が髑髏不言 高井几董
梨花一枝傾城の名に汚れたり 尚白
両の手にうちわ遣ふや小傾城 蓼太 蓼太句集初編
簾に入て美人に馴る燕かな 嵐雪
簾に入りて美人に馴るゝ燕かな 嵐雪 玄峰集
簾上て美人の夢や泉どの 三宅嘯山
蓮の骨哀れは美女の屍かな 嵐雪
蓮采や美人の手にも水馴棹 三宅嘯山
嘸小町我も因果の姥ざくら 智月尼
朧月小町が哥の風情あり 三宅嘯山
蕣はつよし小町がなれのはて りん女
蕣や傾城買ひの溜る金 越人
鵙なくや笑ひけうとき小傾城 素丸 素丸発句集

以上

by 575fudemakase | 2018-09-28 07:04 | 無季 | Trackback | Comments(0)

美人美女… の俳句

美人美女… の俳句

美人美女…

いさき船横づけにして弁天屋 高澤良一 素抱
いなづまやどの傾城とかり枕 去来
ウイグルの美女はけだるし蝿叩 山田真砂年
おほかたは卒塔婆小町の盆踊り 七田谷まりうす
おぼろ月素足の美女のくさめかな 幸田露伴 拾遺
かがみ見るそれぞれ佳人蓮浮葉 和田暖泡
がさ~と粽をかぢる美人哉 一茶 ■文化九年壬甲(五十歳)
かなかなや独り占めして美人の湯 山本秋穂
かはほりや傾城出づる傘の上 太祇「太祇句選後篇」
かりそめの小町となりて月を待つ 鈴木節子
かるた札うつくしからぬ小町なり 下村 梅子
くくられて小町ゆかりの芒かな 下村梅子
くちなしの小町のやうに萎れゆき 岡本輝久
けし垣の内や硯の小町形 万里 俳諧撰集玉藻集
けふの月婆とはよばぬ小町かな 秋色 俳諧撰集玉藻集
コスモスの佳人の如きたたずまひ 高澤良一 鳩信
さくら狩り美人の腹や減却す 蕪村
さくら狩美人の腹や減却す 蕪村 春之部 ■ 一片花飛減却春
しぐるゝや行手に仰ぐ小町寺 比叡 野村泊月
すみれさくつかのぬし美人なりけらし 森鴎外
ダリア大輪ルヰ王朝に美女ありき 福田蓼汀
ダリヤ大輪ルヰ王朝に美女ありき 福田蓼汀「暁光」
としひとつ積るや雪の小町寺 蕪村 冬之部 ■ 春泥舎に遊びて
はねず唄小町の塚の春落葉 長柄公子
ビードロの根付を帯に小町の忌 西村弘子
ひこばえや絵図の小町をたづね得ず 角川源義
ヒブダイの佳人とりわけ歯が見事 高澤良一 燕音
ひらひらとひとりあるきの蛭美人 辻田克巳
ふつくらと体格美人新社員 日向野花郷
ベビー蒲団干してミルクの匂ひ立つ 栗山妙子
ベビー靴の子を福藁に抱きおろす 俵土紀子
ベビー帽に落葉をのせて帰り来ぬ 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
ぼうたんは紅にして江戸小町 高澤良一 随笑
ぽつぺんを吹ける横顔美人かな 茨木和生 三輪崎
マスクして小町の墓を訪ねけり 神郡 貢
みちすがら麗人多き柳かな 会津八一
みちのくに小町の里や雪蛍 佐藤一星
みちのくや小町草咲く屋根の上 矢島渚男 延年
もう少しこころ美人の柚子湯かな 白石菊代
モンローの忘れ睫の美女柳 杉本京子
ゆくとしや老を誉めたる小町の絵 園女 俳諧撰集玉藻集
よろと卒塔婆小町の萩の託言も失せてけり 文挟夫佐恵
衣うつよ田舎の果の小傾城 高井几董
一行の詩は金色に美女柳 都川一止
羽蟻たつ家にとつがぬ美人あり 大江丸「はいかい袋」
羽子板市美男美女みな似た顔で 藤岡筑邨
羽子板買ふ美人競べの眼して 関森勝夫
雨乞の小町が果やをとし水 蕪村 秋之部 ■ 須磨寺にて
雨乞の小町が果や落し水 蕪村
卯浪立ち黄昏迫る蛾眉の三保 長谷川かな女 花寂び
姥ふえてしかも美女なし年忘 其角
姥百合や獣身美女の絵の下に 堀口星眠 青葉木菟
延年舞禰宜言ひ寄れば美女躱す 長田白日夢
炎天に美人の顔の定りぬ 宋屋「瓢箪集」
炎天を来て燦然と美人たり 久米三汀
鉛入り白粉美人杜若 桑原三郎 晝夜 以後
牡丹咲て美人の鼾聞えけり 正岡子規
乙女らの小町顔なる春まつり 村松 堅
佳人逝き残るエンゼルフィッシュかな 室賀杜桂
夏痩や脣かんで小傾城 寺田寅彦
夏草や嵯峨に美人の墓多し 正岡子規
歌いづれ小町躍や伊勢躍 貞徳
歌いづれ小町踊や伊勢踊 貞徳
歌麿の美人は紙魚に犯されし 太田一石
歌留多の絵小町は老いずありにけり 後藤夜半
花かぼちや美女の家系に異変あり 関口ふさの「晩晴」
花の枝あふるる卒都婆小町かな 黒田杏子 花下草上
花火尽きて美人は酒に身を投げけむ 高井几菫
花火尽て美人は酒に身投げけん 几董
花合歓に蛾眉なが~し午後三時川端茅舎
花手折美人縛らん春ひと夜 高井几董
花桃のおたふく美人笑ひづめ 高澤良一 素抱
花芙蓉美女湯あがりて走りけり 山口素堂
花李美人の影の青きまで 泉鏡花
花筵夫の視線の先に美女 川崎榮子
華麗なる空箱のこる小町の忌 平坂万桑
蚊帳の月美人の膝を閑却す 尾崎紅葉
骸骨やこれも美人のなれの果 夏目漱石 明治二十四年
垣間見れば美人涼み居る簾かな 会津八一
角巻の雑魚売り秋田美人かな 園部蕗郷
笠深く鸚鵡小町の出の涼し 加藤三七子「無言詣」
笠美人右手右足左手左足や紅鼻緒 橋本夢道 無類の妻
鎌倉の小町通りも小春かな 金田元彦
寒しとは小町が嘘よほとゝぎす 高井几董
寒の滝美女狂態の祷り為す 鍵和田[ゆう]子 未来図
甘茶番して新発意の嫁美人 河野静雲
関寺の小町の塚の蛇いちご 村木佐紀夫
岐阜提灯小野小町は野に倒れ 高澤良一 暮津
幾夜ふる小野の小町のかた鶉 如流 選集「板東太郎」
帰り花桃李の美人覚束な 黒柳召波 春泥句集
帰花桃李の美人覚束な 召波
鬼女の像灼けつつ内面夜叉美人 加藤知世子 花寂び
菊人形小町世にふる眺めして 百合山羽公
吉兆や佳人に足を踏まるるも 大野素郎
鏡餅弁天池の石となれ 阿波野青畝
業平と小町の並ぶ歌がるた 下村梅子
金魚売弁天さまの水もらふ 結城美津女
金色の蛾眉をあらはにクロッカス 西村和子 夏帽子
掘り上げて陽に当つ藷の紅小町 森田公司
薫風や出迎へ呉れし美女二人 小出秋光
傾城に歌心あり春の宵 寺田寅彦
傾城に喰ひつかれたるあはせかな 程己 四 月 月別句集「韻塞」
傾城に鳴くは故郷の雁ならん 夏目漱石 明治四十年
傾城に腕見せけり角力取 松花
傾城に腕見せけり相撲取 松化 五車反古
傾城に菎蒻くはす彼岸哉 高井几董
傾城のうすき眉毛や春の暮 松瀬青々
傾城のうゑしや御田のしどろなる 蝶夢「草根発句集」
傾城のぬけがらに寝る夜寒哉 正岡子規
傾城のわらべがましき手鞠かな 万容
傾城の夏書やさしや仮の宿 榎本其角
傾城の霞に傘の見えしかな 長谷川かな女 雨 月
傾城の蚊屋にきのふの螢かな 瓢水
傾城の汗の身をうる暑哉 横井也有 蘿葉集
傾城の汗臭くなるをどりかな 木導 七 月 月別句集「韻塞」
傾城の傘の上行く胡蝶かな 麦水
傾城の蚕飼ふとは何事ぞ 寺田寅彦
傾城の小歌はかなし九月尽 其角
傾城の小哥はかなし九月尽 其角
傾城の生れかはりか猫の妻 木導 正 月 月別句集「韻塞」
傾城の朝風呂匂ふ菖蒲かな 太祇「題林集」
傾城の拝んで笑ふ涅槃かな 青蘿
傾城の畠見たがるすみれかな 岩田涼菟
傾城の鼻を大きく金魚玉 小島健 木の実
傾城の物ほすかたや鳴蛙 蓼太
傾城の疱瘡うゑる日永かな 寺田寅彦
傾城の蹠白き絵踏かな 芥川龍之介
傾城は後の世かけて花見かな 蕪村 春之部 ■ 雨日嵐山にあそぶ
傾城もいとどねられね寒念仏 奚魚 極 月 月別句集「韻塞」
傾城も廓返りのすみれ哉 竹裡
傾城も手玉に取られ羽子板市 高澤良一 鳩信
月朧美人スパイにならんかな 長谷川照子
見返り美人秋興の手を袖の中 小堀紀子
元日や雨に美人の高鼾 蓼太
古も美女はありけり春灯 佐藤春夫 能火野人十七音詩抄
古袷傾城人の妻となり 佐々醒雪
古蚊帳に病傾城や眼をつむり 清原枴童 枴童句集
枯尾花醜き小町臥りけり 高井几董
枯蘆に傾城町の夕日哉 百里
五月雨や暗きに馴れて支那美人 比叡 野村泊月
口少し開けしは美形梅雨鯰 斎藤梅子
江ノ島の裸弁天東風吹けり 高澤良一 寒暑
糠雨に少し乱れし美女柳 安斉君子
紅梅や畦より低き小町塚 野崎ゆり香
紅葉冷絶世美人と刻せし碑 西本一都 景色
行く年や老を誉めたる小町の絵 斯波園女
行としや古傾城のはしり書 高井几董
合点して傾城買ふやあきの夕 田原 也竺 五車反古
国芳の肉筆美人門涼み 高澤良一 燕音
此花を小町草とは知らざりし 原月舟
今小町つらつら椿いきみんたん 加藤郁乎
妻が美女に見える日ごしごし手を洗う 瀬戸青天城
菜の花や袖〔を〕苦にする小傾城 一茶 ■文化七年庚午(四十八歳)
在るがままの花でありたし小町の忌 松谷雅子
冴え返る入谷小町を挟み撃ち 攝津幸彦 鹿々集
桜影かなし世の風美女が幽霊か 井原西鶴
桜々散つて佳人の夢に入る 上田無腸
桜狩美人の腹や減却す 與謝蕪村
笹鳴や小町通りをそれてすぐ 川崎展宏
三光鳥鳴き弁天の厨子ひらく 深海利代子「雉俳句集」
山はえむ上野東の美人ならん 椎本才麿
山宿に美女生れつぎて芹を摘む 西本一都 景色
桟橋の先に鯔跳ぶ弁天屋 高澤良一 随笑
四万六千日小町屋で買ふつけ睫毛 鈴木栄子
子は亡くてやはらかく折るベビー毛布 蓬田紀枝子
実に泣く傾城もありとしの暮 也有
捨松も小町も居りて福笑ひ 太田 昌子
手折れるはりふじんなれや美人草 季吟「山の井」
秋の蚊や夢二の描く美人像 押本京子
秋絢爛をとこならねど美女はよし 稲垣きくの
秋近し七夕恋ふる小傾城 正岡子規
秋灯や要かなめの小町針 橋本白木
秋満つ寺蝶の行方に黒衣美女 西東三鬼
俊寛も小町も果の施米かな 青木月斗
春の土踏むはじめてのベビー靴 山田弘子 こぶし坂
春雨に大欠(あくび)する美人哉 一茶
春雨に大欠〔伸〕する美人哉 一茶 ■文化八年辛未(四十九歳)
春雨やてうちん持ちの小傾城 一茶
春雨やてうちん持の小傾城 一茶 ■文化九年壬甲(五十歳)
春寒や日長けて美女の嗽ぐ 尾崎紅葉
春寒や日闌(た)けて美女の嗽ぐ 尾崎紅葉
春寒や日闌けて美女の嗽ぐ 尾崎紅葉
春愁や使はず褪せし絹小町 勝又寿々子 『春障子』
春落葉浮けり小町の化粧井戸 龍頭美紀子
春筍が二つ佳人は来ぬものか 星野麥丘人
初午や美女の影ふむ素浪人 沾徳
暑を見詰めゐし眼が遠き美女捉ふ 有働亨 汐路
書出しに小町が返事なかりけり 黒柳召波 春泥句集
小傾城行きてなぶらん年の暮 其角
小傾城行てなぶらんとしの昏 其角
小傾城行てなぶらん年の暮 榎本其角
小春日のうたたね哀れ小傾城 会津八一
小春日の黒子美人に出合ひけり 村山三郎
小町の忌歌詠むときは化粧して 大元祐子
小町忌のなき淋しさや業平忌 野村喜舟
小町忌のはんなり香る桜餅 中御門あや
小町忌の歌膝ゆゆし九十九髪 高橋睦郎
小町忌の反物のまま二十年 北柳あぶみ
小町忌の老いても母の富士額 西浦昭美
小町忌の褪せし押花詩集より 斎藤静枝
小町忌は人丸忌なり井水汲む 高橋睦郎
小町忌や花の透しのあそび紙 高山 檀
小町忌や鴨の啄む紅椿 藤原口佐子
小町忌や芍薬の芽の紅に 山口マサエ
小町寺とうとうたらり春の舞 井本農一
小町寺枯木ざくらもゆかしけれ 高濱年尾 年尾句集
小町寺尼がかむれる綿帽子 大森積翠
小町草花壇に盛りすぎにけり 高野素十
小町草咲きひろがりぬ尼が庵 高浜虚子
小町草石屋の石の間かな 矢島渚男 延年
小町塚弔ふに摘む都草 小野たか子
小町塚訪ふと蝗を跳ばしたり 神蔵 器
小町墳言葉少なに時雨傘 浅野アツ子
小町崩れの姉ふらふら来小正月 たむらちせい
小野の小町こらへ情有二夜の月 云奴子 選集「板東太郎」
松むしよ美人の袖に落て死子 松岡青蘿
飾りたる小町雛のうれひ眉 阿部みどり女 笹鳴
色鳥やケーキのやうなベビー靴 轡田 進
色変へぬ松に囲まれ弁天沼 檜 紀代
振り向く大月氏の傾城もう雪か 加藤郁乎
振向ばはや美女過る柳哉 一茶 ■寛政七年乙卯(三十三歳)
針供養母の使ひし小町針 有賀三枝子
水仙や美人かうべをいたむらし 蕪村
睡蓮の一花水浴美人めく 江川虹村
数珠下げていよ~美女の寒さかな 久保田万太郎 流寓抄以後
雛の日が忌日となりし佳人かな 稲岡達子
青すだれ白衣の美人通ふ見ゆ 一茶 ■寛政五年癸丑(三十一歳)
青梅に眉あつめたる美人かな 蕪村
青葉冷え鎌倉小町通りにて 川崎展宏
石蕗の黄のほつと枯色起美女亡し 松村蒼石 雁
積年の朽葉をためて小町井戸 中村姫路
切り売りの西瓜は美人揃ひにて 三好潤子
雪女郎美女を描くといふ掟 庄子紅子
仙がい筆薄と小町のされかうべ 高澤良一 暮津
先生を美人に画いて夏休み 渡辺みつ
川ゆたか美女を落第せしめむか 平畑静塔
銭洗弁天(しろへびさま)春は巳の日の験(げん)あらな 高澤良一 寒暑
銭洗弁天寒の卵かな 細川加賀 生身魂
霜がれや鍋の炭かく小傾城 一茶
袋絵の小町ほほえむ今年米 松本由美子
大原や小町が果の夏花つみ 一 茶
大根煮て小町も年をとりにけり 龍岡晋
沢瀉による傾城や御祓川 蕪村「落日庵句集」
短日のひとり弁天詣かな 鈴木しげを
竹皮を脱ぐ美人画はうしろ向き 逢坂幸子
朝火事の寺町小町革枕 攝津幸彦 鹿々集
朝陽より傾城匂ふあやめかな 言水
腸うるか竜野の美人送り来し 青木月斗
腸うるか龍野の美人送り来し 青木月斗
蝶々の葎深しや小町寺 星野立子
鳥雲にどぶ板小町嫁ぎけり 岡田鉄 『卆心』
鳥雲に美人動けばわれ動く 三橋敏雄(1920-2002)
椿数多花異なりて美女生誕 長谷川かな女 花寂び
椿挿す死相も音戸小町よと 赤松[ケイ]子
冬の虹藪の弁天瞳にしづく 加藤知世子 花寂び
凍蝶の蛾眉衰へずあはれなり 高浜虚子
嶋の雪弁天堂の破風赤し 正岡子規
桃の日や蟹は美人に笑るゝ 服部嵐雪
湯を浴びて湯かけ弁天かげろひぬ 大越正子
南風に奏づは弁天様にまします歟 高澤良一 随笑
廿とせの小町が眉に落花かな 高井几董
日のテラス雪嶺へ展べ佳人亡し 木村蕪城 寒泉
日傘得て辨天よりの戻り船 北野民夫
日本に小野小町や合歓の花 辰巳あした(雨月)
葱の香や傾城町の夕あらし 蝶夢
年玉に傾城の香のうつりけり 松瀬青々
年経たる小町のにほひ蓬原 鷲谷七菜子
年棚にまだ土つかぬベビー靴 橋本榮治 麦生
年籠して小面は美女と思ふ 阿波野青畝
年籠りして小面は美女と思ふ 阿波野青畝
波音や弁天様の孑孑に 岸本尚毅 舜
梅の精は美人にて松の精は翁也 夏目漱石 明治三十二年
梅白し佳人のひと世をろがみぬ 藤田湘子 てんてん
煤逃げの真白きベビー毛布かな 山崎ひさを
柏餅届けてくれし美人記者 町春草
白芥子の美人かくるゝ草の庵 松岡青蘿
白玉の美形を探しゐたりけり 仙田洋子 雲は王冠以後
薄幸の見返り美人一葉忌 磯崎ゆきこ
半面の美女かいま見ぬ春のくれ 几董
枇杷一顆載りて弁天みちしるべ 中戸川朝人 尋声
美女にちれば愚かにうらむ桜狩 井原西鶴
美女に逢ふ美男蔓を手に提げて 京極杞陽
美女のゐて老僧喜色ねはん講 堀口星眠 青葉木菟
美女現前鬼女も招ばんと紅葉焚く 中村草田男
美女谷や髪に飾りて常山木の実 嶋田麻紀
美女美男灯籠にてらす迷ひかな 其角
美女病みて水族館の鱶に笑む 西東三鬼
美人とはなべてふくよか蝌蚪の国 岸田雨童
美人画の顔にもメモや古暦 今井風狂子
美人画の髷黒々と捨団扇 梅里全子 『祝矢』
美人老て疎影の痩を水鏡 椎本才麿
美禄はんなりでろれん美女はしたゝりぬ 加藤郁乎
百歳の小町目を張り秋の暮 大橋敦子 匂 玉
百日紅ややちりがての小町寺 蕪村
夫のある美人参りそ文覚忌 伊藤松宇
負ひ真綿里の小町も古りにけり 永田青嵐
蕪こそ肥えて美人に似たりけれ 松瀬青々
風の盆誰の言ひたる顎美人 浅川青磁
風邪引の鼻のつまりし美人かな 高浜虚子
焚髪の茫煙か紅葉美女の屍に 内田百間
壁つゞる傾城町やくれのあき 炭 太祇 太祇句選
別嬪な鳥が来てゐる二日の木 高澤良一 さざなみやつこ
別嬪の降つて来さうなゆだちかな 加藤郁乎
片しぐれ幾日つづくぞ小町寺 麦水
弁天に烏甘ゆる春の水 八木三日女
弁天に口紅供へ御開帳 山崎祐子
弁天に少女の乳房さくら散る 檜山哲彦
弁天の笑ふ眼のふちきりぎりす 磯貝碧蹄館
弁天の竹生に近き竹瓮舟 大石悦子 聞香
弁天の琵琶の卯波に打ち消され 木村紀美子
弁天の膝に大きな盆だんご 長江克江
弁天の祠の岬磯開く 鈴木 灰山子
弁天へ秋風波をたてまつる 川崎展宏
弁天を抜けたあたりでみずてんのふらここ 加藤郁乎
弁天堂に湧く歓声や一の富 上原真澄
弁天様に下船の一歩雲の峯 毛塚静枝
頬の落ち卒都婆小町のしたたかさ 須崎美穂子
盆狂言怨霊なべて美女なりし 成瀬桜桃子
盆踊清少納言小町の国 西本一都 景色
柾の実昔小町のあちら向き 相原澄江
柾を葺く仮宮かなし小町草 富安風生
万の手がベビー・ユニヴァースをくすぐる 夏石番矢
万緑や鈴の緒いたむ弁天堂 中村冨美子
眠りの森の美女を見にゆく六日かな 須川洋子
名月や海に向かへば七小町 松尾芭蕉
夜ざくらや美人天から下るとも 一茶
夜の秋を小町寺より遊び尼 山口誓子
野を焼や小町が髑髏不言 高井几董
野菜曳く村の小町の頬被り 松浦 釉
柳の芽弁天さまを素描せり 渡辺恭子
優曇華や寺に小町の九相図 三矢らく子
夕桜小町塚まで足のばす 板谷芳浄
夕立に看板の美女抱き入るる 右城暮石
踊りそろへば小町桜は咲きにけり 長谷川かな女 雨 月
落鮎のはらわたを抜く美人かな 吉崎不二夫
利根流域美女群浴に出会う 金子兜太 詩經國風
裏富士やかかる里にも美人草 不白「不白翁句集」
流星の果てなる鸚鵡小町かな 黒田杏子
両の手にうちは遣ふや小傾城 蓼太「蓼太句集初編」
瑠璃鳴きて靄の晴れゆく美女平 朝妻 力
麗人の立居が透ける青簾 秋山青潮(鉾)
麗人をいざなふ僕の白手袋 筑紫磐井 婆伽梵
簾(みす)に入りて美人に馴るゝ燕かな 服部嵐雪
簾に入て美人に馴る燕かな 服部嵐雪
簾に入りて美人に馴るる燕かな 嵐雪
蓮の骨哀は美女の屍哉 服部嵐雪
蓮の骨哀れは美女の屍かな 服部嵐雪
露の川小野小町の山を出づ 八木林之介 青霞集
辨天や蛙の干物おもしろき 尾崎紅葉
曼珠沙華喜寿と思へぬ美女ばかり 永瀬千枝子
囀りや苔盛り上がる小町塚 巽恵津子
徂く春の卒塔婆小町を観し疲れ たかし
涅槃会に佳人のまじる日の翳り 桂信子 遠い橋
筍や目黒の美人ありやなし 子規
絨毯の美女とばらの絵ひるまず踏む 柴田白葉女
芍薬のくづれ艶めく小町塚 高橋一経
菫咲川をとび越す美人哉 一茶
蟷螂や見返り美人さながらに 藤脇美樹
踵まで浴衣美人でありにけり 山田弘子 懐
鞆の津のささやき橋に小町草 高橋六一
鵙なくや笑ひけうとき小傾城 素丸
黴の香の弁天窟に百の燭 宮内とし子(沖)
鼈甲を磨く老眼小町の忌 中野青雁

美人美女… 補遺

*はまなすのたとへば夜の黒眸美女(マラゲーニア) 佐藤鬼房
あかゞりや傾城老いて上根岸 正岡子規 皸
いつの世も美男美女よし菊人形 右城暮石 虻峠
うすものに堪へざる美女の立居かな 正岡子規 羅
うそ寒き暗夜美人に逢着す 正岡子規 うそ寒
うそ寒の誠を泣くや小傾城 正岡子規 うそ寒
お守りの辨天賣て肌寒し 正岡子規 肌寒
かの佳人ならむ枯山生野糞 佐藤鬼房
きぶし群落美女韆浴は乳房見せぬ 金子兜太
クインメリー麗人を求む年の暮 山口青邨
ゴルフアーの佳人の自動車春泥を 日野草城
その青年のもの美女の顔平手打ち 三橋敏雄
その夕べ京にをりたる小町の忌 森澄雄
だが秋田美人に逢へずきりたんぽ 鷹羽狩行
ひこばえや絵図の小町をたづね得ず 角川源義
ひた寒し萎えし垂乳の小町みて 能村登四郎
ぶをとこも美人も出たる小春哉 正岡子規 小春
ものうしや傾城をまつ蚊帳の中 正岡子規 蚊帳
わが庭のにぎやか秋田美人の蕗の薹 山口青邨
衣更へて美人はいつも美人かな 星野立子
一景は熔岩を野積みに小町草 上田五千石『風景』補遺
姥等とよ小町がはてをこれ見よや 正岡子規 姥等
駅家去る車塵 磧に美女残し 伊丹三樹彦
遠目にも茶摘畑の祖谷美人 鷹羽狩行
襖絵の美女に囲まれ寝正月 鷹羽狩行
黄鳥きて美女群浴の死せしや 金子兜太
牡丹栽て美人土かふ春の風 正岡子規 春風
牡丹咲て美人の鼾聞えけり 正岡子規 牡丹
佳人に会へり途上黄落ただならず 古郷
佳人もたらせし木犀の香に睡る 伊丹三樹彦
佳人花の如し我衣破れたり 正岡子規 花
夏に籠る傾城もあり百日紅 正岡子規 百日紅
夏山の記憶の中の一佳人 高野素十
夏草や嵯峨に美人の墓多し 正岡子規 夏草
歌留多の絵小町は老いずありにけり 後藤夜半 底紅
火盗りとてかぐはしき蛾眉もたらせり 上田五千石 琥珀
花の山浮世画の美人来る哉 正岡子規 花
花合歓に蛾眉なが~し午後三時川端茅舎
花晴れて佳人の眼鏡度の強き 日野草城
花南瓜*つつの美女には会へずとも 後藤比奈夫
花薄こゝも小町のふしど哉 正岡子規 薄
蚊帳ツラデ畫美人見ユル夜寒カナ 正岡子規 夜寒
海棠に鼾の細き美人哉 正岡子規 海棠
外梯子降りる一佳人花衣 山口青邨
蛙田に尼の通ひ路小町寺 高野素十
茅花さく家を傾城のなれのはて 正岡子規 茅花
寒梅や抜け弁天の土日向 上田五千石『琥珀』補遺
寒美人嬋娟として尿意あり 日野草城
汗くさしうしろ向たる小傾城 正岡子規 汗
亀鳴くを待てず弁天池を去る 鷹羽狩行
菊人形源氏も美男美女ばかり 右城暮石 句集外 昭和五十四年
菊人形小町世にふる眺めして 百合山羽公 樂土
鏡餅弁天池の石となれ 阿波野青畝
業平も小町もをりぬ花の稚児 伊藤白潮
金屏風傾城こもる秋の暮 正岡子規 秋の暮
傾城が筆のすさひや燕子花 正岡子規 杜若
傾城と千鳥聞く夜の寒さ哉 正岡子規 千鳥
傾城にあふがれて居る団哉 正岡子規 団扇
傾城にいつわりのなき熱さ哉 正岡子規 暑
傾城にとへども知らず紅の花 正岡子規 紅花
傾城にとりかくされし扇哉 正岡子規 扇
傾城にふられてひとりすゞみ哉 正岡子規 納涼
傾城にまことありけり秋のくれ 正岡子規 秋の暮
傾城にものかゝれたる扇哉 正岡子規 扇
傾城に可愛がらるゝ暑さ哉 正岡子規 暑
傾城に歌よむはなしけふの月 正岡子規 今日の月
傾城に起請の外の夏書哉 正岡子規 夏書
傾城に死んで見せけり火取虫 正岡子規 火取虫
傾城に袖引かれたる夜寒哉 正岡子規 夜寒
傾城に電話をかけん秋のくれ 正岡子規 秋の暮
傾城に問へども知らず秋の風 正岡子規 秋風
傾城に約束のあり酉の市 正岡子規 酉の市
傾城のうそも上手にさよしくれ 正岡子規 時雨
傾城のうらやまれけり蝸牛 正岡子規 蝸牛
傾城のお白粉はげて朝桜 正岡子規 朝桜
傾城のなるゝ柱も一夜鮓 正岡子規 鮓
傾城のぬけがらに寐る夜寒哉 正岡子規 夜寒
傾城のぬけ殻に蚤のはねる哉 正岡子規 蚤
傾城のひとり寐ねたる寒さかな 正岡子規 寒さ
傾城の噂を語れ納豆汁 正岡子規 納豆汁
傾城の花に泣く夜となりにけり 正岡子規 花
傾城の海を見て居る夕涼み 正岡子規 納涼
傾城の海を背にする夜寒哉 正岡子規 夜寒
傾城の外はしくるゝとも知らず 正岡子規 時雨
傾城の噛み砕きけり夏氷 正岡子規 夏氷
傾城の顔にあてたる団扇哉 正岡子規 団扇
傾城の古郷遠し京の春 正岡子規 初春
傾城の故郷や思ふ柏餅 正岡子規 柏餅
傾城の悟り顔なり蓮の花 正岡子規 蓮の花
傾城の在所をきけば藪蚊哉 正岡子規 蚊
傾城の罪をつくるや紅の花 正岡子規 紅花
傾城の姿あらはす蚊遣哉 正岡子規 蚊遣
傾城の耳たぶ広しほとゝきす 正岡子規 時鳥
傾城の汐干見て居る二階哉 正岡子規 汐干狩
傾城の鹿呼ぶ奈良の夕淋し 正岡子規 鹿
傾城の手つからくへる蚊遣哉 正岡子規 蚊遣
傾城の重ね着苦し汗の玉 正岡子規 汗
傾城の出しぬかれたる師走哉 正岡子規 師走
傾城の寝顔にあつしほつれ髪 正岡子規 暑
傾城の息酒くさし夕桜 正岡子規 夕桜
傾城の足音更ける火鉢哉 正岡子規 火鉢
傾城の団扇に這はす蛍哉 正岡子規 蛍
傾城の昼寝はあつし金屏風 正岡子規 昼寝
傾城の燈籠のぞくや寶巖寺 正岡子規 燈籠
傾城の瓶にしぼみし牡丹哉 正岡子規 牡丹
傾城の腹をひやさん氷餅 正岡子規 氷餅
傾城の文とゝきけり五月雨 正岡子規 五月雨
傾城の文にも春を惜むかな 正岡子規 春惜しむ
傾城の文反古まじる紙帳哉 正岡子規 紙帳
傾城の夢に殿御の照射哉 正岡子規 照射
傾城の娘もちける鵜匠哉 正岡子規 鵜匠
傾城の名をつけて見ん竹婦人 正岡子規 竹婦人
傾城の紋は何紋衣配り 正岡子規 衣配
傾城の門まで出たり凧 正岡子規 凧
傾城の猶うつくしき燈籠哉 正岡子規 燈籠
傾城の涙煮えけり玉子酒 正岡子規 玉子酒
傾城の咄ときるゝ夜長かな 正岡子規 夜長
傾城の泪にやれし紙衣かな 正岡子規 紙衣
傾城の菫は痩せて鉢の中 正岡子規 菫
傾城の裲襠着て見つ春の雨 正岡子規 春の雨
傾城の顏見て過ぬ酉の市 正岡子規 酉の市
傾城の鼾おそろしほとゝきす 正岡子規 時鳥
傾城はうしろ姿の寒さ哉 正岡子規 寒さ
傾城はなれてよく寐る鹿の聲 正岡子規 鹿
傾城は格子の内や夏の月 正岡子規 夏の月
傾城は五階の上の霞哉 正岡子規 霞
傾城は誠にあつき者なりけり 正岡子規 暑
傾城は痩せて小さき蒲團哉 正岡子規 蒲団
傾城は知らじ三夜さのむら時雨 正岡子規 時雨
傾城は屏風の萩に旅寐哉 正岡子規 萩
傾城も居らず蝶飛ぶ仲の町 正岡子規 蝶
傾城も石になりたる夏野哉 正岡子規 夏野
傾城も南瓜の畑で生れけり 正岡子規 南瓜
傾城も猫もそろふて雜煮哉 正岡子規 雑煮
傾城も娘めきたり青簾 正岡子規 青簾
傾城やしくれふるとも知らで寐る 正岡子規 時雨
傾城や格子にすがる籠の虫 正岡子規 虫
傾城や客に買はれて夕涼み 正岡子規 納涼
傾城や年よりそむる五月雨 正岡子規 五月雨
傾城をかむろとりまく粽哉 正岡子規 粽
傾城をよぶ声夏の夜は明けぬ 正岡子規 夏の夜
傾城を見たる師走の温泉かな 正岡子規 師走
傾城を舟へ呼ぶ夜の寒さかな 正岡子規 寒さ
傾城を買ひに往く夜や鮟鱇鍋 正岡子規 鮟鱇
傾城曰く歸らしやんすか此雪に 正岡子規 雪
月が出て美女群浴の白照す 金子兜太
見まゐらす寝釈迦あはれ蛾眉御若き 山口青邨
遣羽子に負けし美人の怒哉 正岡子規 遣羽根
古里や秋に痩せたる小傾城 正岡子規 秋
枯野行く美人をしばし眺めたり 永田耕衣
五月雨や傾城のぞく物の本 正岡子規 五月雨
行かんとして雁飛び戻る美人哉 正岡子規 帰雁
行く鳥や傾城国に帰る船 正岡子規 鳥帰る
行水や美人住みける裏長屋 正岡子規 行水
香煙の美人にもならず年暮れぬ 正岡子規 年の暮
高殿に美人佇む柳かな 正岡子規 柳
此里に美女二人あり桃の花 正岡子規 桃の花
三彩の唐の美女見し牡丹かな 森澄雄
三椀の雜煮喰ひぬ小傾城 正岡子規 雑煮
傘さして傾城なぶる春の雨 正岡子規 春の雨
残雪や小町の母郷は雨けぶる 角川源義
師走能かぞへて老女小町もの 能村登四郎
紫陽花や舌を見せたる小傾城 正岡子規 紫陽花
七小町二つは知らず朧にて 能村登四郎
七夕に草履を貸すや小傾城 正岡子規 七夕
七夕や弁天さまに水かよひ 上田五千石『天路』補遺
七夕を寝てしまひけり小傾城 内藤鳴雪
朱兀げて辨天堂の月見哉 正岡子規 月見
酒の名は山陰美人花三分 山口青邨
樹下美人ならばと梅の咲く下に 津田清子
秋陰に常百歳の小町かな 阿波野青畝
秋近し七夕恋ふる小傾城 正岡子規 秋近し
秋風や傾城町の晝下り 正岡子規 秋風
秋風や小野の小町の笑ひ聲 正岡子規 秋風
秋満つ寺蝶の行方に黒衣美女 西東三鬼
終ひ弁天暗きに咳をこぼしけり 安住敦
襲着の佳人に冬の泉鳴る 佐藤鬼房
出戻りの美人の散歩麦の秋 日野草城
春の夜のともし消ちたり小傾城 正岡子規 春の夜
春の夜や傾城町の電気燈 正岡子規 春の夜
春の夜や傾城買ひに小提灯 正岡子規 春の夜
春の夜や見知顔する小傾城 正岡子規 春の夜
春駒や美人もすなる物貰ひ 内藤鳴雪
春宵の美酒とは美人注げばこそ 鷹羽狩行
春憂う美女群浴の交交(こもごも) 金子兜太
春筍が二つ佳人は来ぬものか 星野麥丘人 2001年
女王花ただちに卒塔婆小町かな 阿波野青畝
小傾城蚊遣に顔をそむけゝり 正岡子規 蚊遣
小傾城蕣の君と申しけり 正岡子規 朝顔
小町忌やうつくしき人ら歌合 山口青邨
小町忌や八重山吹も散りにけり 山口青邨
小町忌や北斎ゑがく七小町 山口青邨
小町草花壇に盛りすぎにけり 高野素十
小町像遅日垂乳の先の朱 飯島晴子
小町足袋覆いて演ずる役のこと 後藤比奈夫
身受けせし傾城くやし衣かへ 正岡子規 更衣
刃のごとき涼気佳人とすれ違ひ 鷹羽狩行
水汲みの美女現れよ靫草 佐藤鬼房
水馬辨天堂は荒れにけり 川端茅舎
水無月の傾城並ぶ格子かな 正岡子規 水無月
翠簾ごしの美人の顔や朧月 正岡子規 朧月
世に古りて小町草とは呼ばれけり 後藤比奈夫
青梅や傾城老いて洗ひもの 正岡子規 青梅
石蕗の黄のほつと枯色起美女亡し 松村蒼石 雁
川ゆたか美女を落第せしめむか 平畑静塔
川岸に二番芽の*たら佳人亡し 佐藤鬼房
銭洗ひ来し弁天の青葉冷え 鷹羽狩行
早乙女のむかしを語れ小傾城 正岡子規 早乙女
早乙女や小町の墓のこと知らず 阿波野青畝
草刈女小野小町は好きならず 後藤比奈夫
待宵の姿にうしろ向き小町 能村登四郎
大津絵やかすむ湖水の七小町 河東碧梧桐
短夜やわりなくなじむ小傾城 正岡子規 短夜
茶の花の思うツボなる美人哉 永田耕衣
昼顔に傾城眠きさかり哉 正岡子規 昼顔
虫干や傾城の文親の文 正岡子規 土用干
朝がほや梦の美人の消え處 正岡子規 朝顔
朝顔に傾城だちの鼾かな 正岡子規 朝顔
朝顔や傾城町のうら通り 正岡子規 朝顔
朝顔や夢裡の美人は消えて行く 正岡子規 朝顔
朝顏に傾城眠きさかり哉 正岡子規 朝顔
朝顏の垣根荒れたり小傾城 正岡子規 朝顔
長き夜や古傾城のささめ言 正岡子規 夜長
鳥雲に美人うごけばわれ動く 三橋敏雄
椿饐ゑ百歳の小町祀りけり 能村登四郎
摘むや薺小町の墓を二めぐり 内藤鳴雪
都踊り美女嬋娟を競ひけり 古郷
冬ぬくし獣肉をむさぼり啖ふ美人 日野草城
冬扇シテの美女出て国なまり 角川源義
嶋の雪辨天堂の破風赤し 正岡子規 雪
桃色は弁天様のはちすかな 正岡子規 蓮の花
踏青や美人群れたる水の隈 正岡子規 青き踏む
日のテラス雪嶺へ展べ佳人亡し 木村蕪城 寒泉
年経たる小町のにほひ蓬原 鷲谷七菜子 天鼓
年箭して小面は美女と思ふ 阿波野青畝
破れ扇これも小町かなれのはて 正岡子規 捨扇
破れ扇小町かはてを見付たり 正岡子規 捨扇
梅雨ふるや美女は採用せず帰す 古郷
梅白し佳人のひと世をろがみぬ 藤田湘子 てんてん
萩薄小町が笠は破れけり 正岡子規 萩
萩薄小町が笠は破れたり 正岡子規 萩
白足袋の 小町で老いて 葛の花 伊丹三樹彦
微笑、美女、槍の貫きし箱を出でて立つ 荻原井泉水
美女の手に狩られて鮎の錆きはやか 上田五千石『琥珀』補遺
美女の深情のありて近松忌 鷹羽狩行
美女去りしその墓にわれも詣でけり 古郷
美女更に美女涅槃哭く顔ゆがめ 山口誓子
美女立テリ秋海棠ノ如キカナ 正岡子規 秋海棠
美女蹌踉の絵とあり白蓮の西安 金子兜太
美人の図無銘にして艶昼寝覚 山口青邨
美男美女に異常乾燥期の園 西東三鬼
鼻をするどく 刻んで 美女生むカメオ職人 伊丹三樹彦
百歳の小町の像の冷まじき 高野素十
芙蓉咲き見えぬ月見えぬ蛾眉山 金子兜太
米飾る米にも小町.ひとめぼれ 鷹羽狩行
弁天のうしろ姿は柳かな 正岡子規 柳
弁天のおん旅支度かいまみし 山口青邨
弁天の参詣絶えぬ桜かな 正岡子規 桜
弁天の山茶花折つて挿す句会 山口青邨
弁天の石橋低し蓮の花 正岡子規 蓮の花
弁天の奏で給ふ琵琶鴨送る 山口青邨
弁天の池にぎやかに鴨涼し 山口青邨
弁天の竹生に見たる石蕗の花 森澄雄
弁天の楼門赤き桜哉 正岡子規 桜
弁天の鰐口が鳴る浮寝鳥 山口青邨
弁天の已年美し町の春 内藤鳴雪
弁天や江戸へ流るゝ春の水 正岡子規 春の水
弁天をとりまく柳桜かな 正岡子規 柳
飽食の美人わらへり寒潮に 日野草城
鉾粽京美人の前に落下せり 古郷
柾を葺く仮宮かなし小町草 富安風生
末枯の中なる屏風七小町 能村登四郎
夢にたつかの薩摩美女牡丹の芽 佐藤鬼房
夢に美人来れり曰く梅の精と 正岡子規 梅
名月や美人の顏の片あかり 正岡子規 名月
夜の雪辻堂に寐て美女を夢む 正岡子規 雪
夕顔ノ垣根覗キソ美人禅 正岡子規 夕顔
夕立に看板の美女抱き入るる 右城暮石 上下
夕立や簀戸に押されし小傾城 正岡子規 夕立
葉桜や傾城しらぬ夏の景 正岡子規 葉桜
落花にて白し小町の屋敷跡 山口誓子
落花無し小町の深き化粧井に 山口誓子
蘭の香や佳人髣髴として來る 正岡子規 蘭
利根流域美女群浴に出会う 金子兜太
梨花白し此頃美女を見る小家 正岡子規 梨の花
凌霄やからまる縁の小傾城 正岡子規 凌霄花
冷えそそり歯剥く笑ひの老小町 能村登四郎
蓮の題即ち飾る支那美人 山口青邨
蓮枯て辨天堂の破風赤し 正岡子規 枯蓮
老いし小町に花冷の燭虹なせり 能村登四郎
嬌羞や団扇を洩れて蛾眉二つ 日野草城
徂く春の卒塔婆小町を観し疲れ 松本たかし
晝中の傾城寐たるこたつ哉 正岡子規 炬燵
稻妻や闇に美人の笑ひ聲 正岡子規 稲妻
筍や目黒の美人ありやなし 正岡子規 筍
蓼科を美人に譬へ避暑日記 阿波野青畝
蕣やきのふ死んだる小傾城 正岡子規 朝顔
薔薇一枝美人の胸にしぼみけり 正岡子規 薔薇
遽かの暑美人の汗に眼をとどむ 日野草城
錢湯を出づる美人や松の内 正岡子規 松の内
鶯や京へ売らるゝ小傾城 正岡子規 鶯

美人美女… 続補遺

いざゝくら小町が姉の名はしらず 其角
いなづまやどの傾城とかり枕 去来
かはず乗る経木は卒都婆小町なり 木導
かまくらの小町米町秋のくれ 白雪
けし垣の内や硯の小町形 万里女
けふの月小町が哥のうへを行 小西来山
すゝ掃や是も小町が古足駄 存義 古来庵発句集
つく~と小町が姉や冬籠 白雪
なでしこや美人手づから灌ぬる 黒柳召波
はつ雪やこゝろあてある小傾城 存義 古来庵発句集
はるかぜにおさるゝ美女のいかりかな 曉台
ふたり寐は汐干の岩も小町哉 土芳
ほし逢や心の友は伊勢小町 曉台
れき~の小町のはてや茶つみ哥 許六
衣うつよ田舎の果の小傾城 高井几董
衣張の指図まばゆし美人草 中川乙由
稲遠く傾城涼む夜明かな 泥足
稲妻の皃ひく窓の美人哉 露印
姥ふえてしかも美女なし年忘 其角
永き日や雨に物干す小傾城 晋阿 江都近在所名集
炎天に美人の皃の定りぬ 望月宋屋
花火尽きて美人は酒に身投げけむ 高井几董
花火尽て美人は酒に身投けむ 高井几董
花手折美人縛らん春ひと夜 高井几董
花芙蓉美女湯あがりて走りけり 山口素堂
芥子痩てたゞ中~に美人草 路通
寒しとは小町が嘘よほとゝぎす 高井几董
寒声の恨むが如し小傾城 吐月 発句類聚
関寺の月や小町にほえん犬 旦藁
帰花桃李の美人覚束な 黒柳召波
鬼ゆりもやは傾城の敵役 沾圃
橘やむかし小町が袖の露 除風
桐の花局に悩む美人あり 三宅嘯山
金くるゝ小町が手より花の春 支考
傾城と腰掛て見む秋の暮 晩得 哲阿弥句藻
傾城にさりとてはなきあふぎかな 貞佐 桑々畔発句集
傾城に喰つかれたるあはせ哉 程已
傾城に枯て見せたる柳かな 田川鳳朗
傾城に菎蒻くはす彼岸哉 高井几董
傾城のかはゆがりけり団売 木導
傾城のきらつく秋の夕かな 紫道
傾城のその足わたせ天河 中川乙由
傾城のたまりしあとを蛙かな 晩得 哲阿弥句藻
傾城のつめ共にがしふきのとう 吾仲
傾城の塩梅淡し後夜の蠣 午心 発句類聚
傾城の夏書やさしや仮の宿 其角
傾城の楽屋おそろし蕃椒 蓼太 蓼太句集初編
傾城の汗臭くなるをどり哉 木導
傾城の賢なるは此柳かな 其角 五元集
傾城の賢なるは此柳哉 其角
傾城の市にかくれて頭巾かな 蓼太 蓼太句集初編
傾城の小哥はかなし九月尽 其角
傾城の生れがはりか猫の妻 木導
傾城の膳をあづかる月夜かな 吾仲
傾城の知た顔なり更衣 中川乙由
傾城の昼寐はいたく雉子かな 支考
傾城の拝んで笑ふ涅槃哉 松岡青蘿
傾城の畠見たがるすみれかな 岩田涼菟
傾城の比丘尼老ぬる紙子かな 三宅嘯山
傾城の負れて行や藤の花 木導
傾城の服紗捌きや大晦日 抱一 軽挙観句藻
傾城の母親おもふ霜夜かな 許六
傾城の枕ふみてや菊つくり 蓼太 蓼太句集初編
傾城や傾城を見る夕涼 百里
傾城を干か二階の桜華 凉菟
傾城を紅葉と照や後の月 吾仲
故人に落馬なさせそ美人草 魯九
枯芦に傾城町の夕日かな 百里
枯尾花醜き小町臥りけり 高井几董
行としや古傾城のはしり書 高井几董
行年や老を誉たる小町の絵 園女
腰かけて浅き水ふむ美人かな 東皐
桜~散つて佳人の夢に入る 上田無腸
桜ちる小野の小町も茶の木原 句空
桜影かなし世の風美女が幽霊か 井原西鶴
三筋ほど葱喰美女のひそみ哉 三宅嘯山
山はえむ上野東の美人ならん 椎本才麿
捨笠は小町が塚かすみれ草 千那
捨笠は小町が塚か菫草 角上
終年や美人に似たるすみだ川 蓼太 蓼太句集三編
十六は美人の図なり月の色 支考
出代や小野の小町も衣装がら 木導
書出しに小町が返事なかりけり 黒柳召波
小傾城行てなぶらんとしの昏 其角 五元集
小傾城行てなぶらん年の暮 其角
小傾城是見てをけよ茶引草 馬場存義
小宿には傾城をらずきくのはな 桜井梅室
松むしよ美人の袖に落て死子 松岡青蘿
笑ふ時美人消へけり水仙華 越人
象潟の冬は美人の墨絵にて 望月宋屋
色~の田うへ出立や七小町 露川
吹かへす萩や小町が歌のさま 諷竹
吹て着る美人の息や綿帽子 三宅嘯山
水仙を小町が哥の姿かな 十丈
石竹やづらりと並ぶ小傾城 毛〔ガン〕
積雪や紅粉吹かけし小傾城 曉台
雪の花ひろくうつろふ小町かな 舎羅
草花の果は野水に小町哉 白雪
袋には小野小町がいのこ哉 尚白
大かたは美女なりけらし月のまヘ 曉台
虫の音や美人の涙いきかはり 曉台
虫ばむと朽木の小町ほされけり 其角
唐秬の美人こそあれ西の方 朱拙
桃の日や蟹は美人に笑るゝ 嵐雪
廿とせの小町が眉に落花かな 高井几董
乳母ふへてしかも美女なし年忘 其角 五元集
梅花美人来れり漸二更 黒柳召波
白芥子の美人かくるゝ草の庵 松岡青蘿
美女にちれば愚かにうらむ桜狩 井原西鶴
美女美男灯籠にてらす迷哉 其角
美人草散つた処が芥子坊主 桃後
美人老て疎影の痩を水鏡 椎本才麿
筆始今の美人は誰~ぞ 木因
富士詣傾城の名も懺悔せん 琴風
壁つゞる傾城町やくれのあき 炭太祇
弁天は見いでも今朝の水鏡 木節
埋火や傾城ふたり夜ぞ更くる 人左 新類題発句集
野を焼や小町が髑髏不言 高井几董
梨花一枝傾城の名に汚れたり 尚白
両の手にうちわ遣ふや小傾城 蓼太 蓼太句集初編
簾に入て美人に馴る燕かな 嵐雪
簾に入りて美人に馴るゝ燕かな 嵐雪 玄峰集
簾上て美人の夢や泉どの 三宅嘯山
蓮の骨哀れは美女の屍かな 嵐雪
蓮采や美人の手にも水馴棹 三宅嘯山
嘸小町我も因果の姥ざくら 智月尼
朧月小町が哥の風情あり 三宅嘯山
蕣はつよし小町がなれのはて りん女
蕣や傾城買ひの溜る金 越人
鵙なくや笑ひけうとき小傾城 素丸 素丸発句集

以上

by 575fudemakase | 2018-09-28 07:04 | 無季 | Trackback | Comments(0)

別嬪 の俳句

別嬪 の俳句

別嬪

いさき船横づけにして弁天屋 高澤良一 素抱
いなづまやどの傾城とかり枕 去来
ウイグルの美女はけだるし蝿叩 山田真砂年
おほかたは卒塔婆小町の盆踊り 七田谷まりうす
おぼろ月素足の美女のくさめかな 幸田露伴 拾遺
かがみ見るそれぞれ佳人蓮浮葉 和田暖泡
がさ~と粽をかぢる美人哉 一茶 ■文化九年壬甲(五十歳)
かなかなや独り占めして美人の湯 山本秋穂
かはほりや傾城出づる傘の上 太祇「太祇句選後篇」
かりそめの小町となりて月を待つ 鈴木節子
かるた札うつくしからぬ小町なり 下村 梅子
くくられて小町ゆかりの芒かな 下村梅子
くちなしの小町のやうに萎れゆき 岡本輝久
けし垣の内や硯の小町形 万里 俳諧撰集玉藻集
けふの月婆とはよばぬ小町かな 秋色 俳諧撰集玉藻集
コスモスの佳人の如きたたずまひ 高澤良一 鳩信
さくら狩り美人の腹や減却す 蕪村
さくら狩美人の腹や減却す 蕪村 春之部 ■ 一片花飛減却春
しぐるゝや行手に仰ぐ小町寺 比叡 野村泊月
すみれさくつかのぬし美人なりけらし 森鴎外
ダリア大輪ルヰ王朝に美女ありき 福田蓼汀
ダリヤ大輪ルヰ王朝に美女ありき 福田蓼汀「暁光」
としひとつ積るや雪の小町寺 蕪村 冬之部 ■ 春泥舎に遊びて
はねず唄小町の塚の春落葉 長柄公子
ビードロの根付を帯に小町の忌 西村弘子
ひこばえや絵図の小町をたづね得ず 角川源義
ヒブダイの佳人とりわけ歯が見事 高澤良一 燕音
ひらひらとひとりあるきの蛭美人 辻田克巳
ふつくらと体格美人新社員 日向野花郷
ベビー蒲団干してミルクの匂ひ立つ 栗山妙子
ベビー靴の子を福藁に抱きおろす 俵土紀子
ベビー帽に落葉をのせて帰り来ぬ 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
ぼうたんは紅にして江戸小町 高澤良一 随笑
ぽつぺんを吹ける横顔美人かな 茨木和生 三輪崎
マスクして小町の墓を訪ねけり 神郡 貢
みちすがら麗人多き柳かな 会津八一
みちのくに小町の里や雪蛍 佐藤一星
みちのくや小町草咲く屋根の上 矢島渚男 延年
もう少しこころ美人の柚子湯かな 白石菊代
モンローの忘れ睫の美女柳 杉本京子
ゆくとしや老を誉めたる小町の絵 園女 俳諧撰集玉藻集
よろと卒塔婆小町の萩の託言も失せてけり 文挟夫佐恵
衣うつよ田舎の果の小傾城 高井几董
一行の詩は金色に美女柳 都川一止
羽蟻たつ家にとつがぬ美人あり 大江丸「はいかい袋」
羽子板市美男美女みな似た顔で 藤岡筑邨
羽子板買ふ美人競べの眼して 関森勝夫
雨乞の小町が果やをとし水 蕪村 秋之部 ■ 須磨寺にて
雨乞の小町が果や落し水 蕪村
卯浪立ち黄昏迫る蛾眉の三保 長谷川かな女 花寂び
姥ふえてしかも美女なし年忘 其角
姥百合や獣身美女の絵の下に 堀口星眠 青葉木菟
延年舞禰宜言ひ寄れば美女躱す 長田白日夢
炎天に美人の顔の定りぬ 宋屋「瓢箪集」
炎天を来て燦然と美人たり 久米三汀
鉛入り白粉美人杜若 桑原三郎 晝夜 以後
牡丹咲て美人の鼾聞えけり 正岡子規
乙女らの小町顔なる春まつり 村松 堅
佳人逝き残るエンゼルフィッシュかな 室賀杜桂
夏痩や脣かんで小傾城 寺田寅彦
夏草や嵯峨に美人の墓多し 正岡子規
歌いづれ小町躍や伊勢躍 貞徳
歌いづれ小町踊や伊勢踊 貞徳
歌麿の美人は紙魚に犯されし 太田一石
歌留多の絵小町は老いずありにけり 後藤夜半
花かぼちや美女の家系に異変あり 関口ふさの「晩晴」
花の枝あふるる卒都婆小町かな 黒田杏子 花下草上
花火尽きて美人は酒に身を投げけむ 高井几菫
花火尽て美人は酒に身投げけん 几董
花合歓に蛾眉なが~し午後三時川端茅舎
花手折美人縛らん春ひと夜 高井几董
花桃のおたふく美人笑ひづめ 高澤良一 素抱
花芙蓉美女湯あがりて走りけり 山口素堂
花李美人の影の青きまで 泉鏡花
花筵夫の視線の先に美女 川崎榮子
華麗なる空箱のこる小町の忌 平坂万桑
蚊帳の月美人の膝を閑却す 尾崎紅葉
骸骨やこれも美人のなれの果 夏目漱石 明治二十四年
垣間見れば美人涼み居る簾かな 会津八一
角巻の雑魚売り秋田美人かな 園部蕗郷
笠深く鸚鵡小町の出の涼し 加藤三七子「無言詣」
笠美人右手右足左手左足や紅鼻緒 橋本夢道 無類の妻
鎌倉の小町通りも小春かな 金田元彦
寒しとは小町が嘘よほとゝぎす 高井几董
寒の滝美女狂態の祷り為す 鍵和田[ゆう]子 未来図
甘茶番して新発意の嫁美人 河野静雲
関寺の小町の塚の蛇いちご 村木佐紀夫
岐阜提灯小野小町は野に倒れ 高澤良一 暮津
幾夜ふる小野の小町のかた鶉 如流 選集「板東太郎」
帰り花桃李の美人覚束な 黒柳召波 春泥句集
帰花桃李の美人覚束な 召波
鬼女の像灼けつつ内面夜叉美人 加藤知世子 花寂び
菊人形小町世にふる眺めして 百合山羽公
吉兆や佳人に足を踏まるるも 大野素郎
鏡餅弁天池の石となれ 阿波野青畝
業平と小町の並ぶ歌がるた 下村梅子
金魚売弁天さまの水もらふ 結城美津女
金色の蛾眉をあらはにクロッカス 西村和子 夏帽子
掘り上げて陽に当つ藷の紅小町 森田公司
薫風や出迎へ呉れし美女二人 小出秋光
傾城に歌心あり春の宵 寺田寅彦
傾城に喰ひつかれたるあはせかな 程己 四 月 月別句集「韻塞」
傾城に鳴くは故郷の雁ならん 夏目漱石 明治四十年
傾城に腕見せけり角力取 松花
傾城に腕見せけり相撲取 松化 五車反古
傾城に菎蒻くはす彼岸哉 高井几董
傾城のうすき眉毛や春の暮 松瀬青々
傾城のうゑしや御田のしどろなる 蝶夢「草根発句集」
傾城のぬけがらに寝る夜寒哉 正岡子規
傾城のわらべがましき手鞠かな 万容
傾城の夏書やさしや仮の宿 榎本其角
傾城の霞に傘の見えしかな 長谷川かな女 雨 月
傾城の蚊屋にきのふの螢かな 瓢水
傾城の汗の身をうる暑哉 横井也有 蘿葉集
傾城の汗臭くなるをどりかな 木導 七 月 月別句集「韻塞」
傾城の傘の上行く胡蝶かな 麦水
傾城の蚕飼ふとは何事ぞ 寺田寅彦
傾城の小歌はかなし九月尽 其角
傾城の小哥はかなし九月尽 其角
傾城の生れかはりか猫の妻 木導 正 月 月別句集「韻塞」
傾城の朝風呂匂ふ菖蒲かな 太祇「題林集」
傾城の拝んで笑ふ涅槃かな 青蘿
傾城の畠見たがるすみれかな 岩田涼菟
傾城の鼻を大きく金魚玉 小島健 木の実
傾城の物ほすかたや鳴蛙 蓼太
傾城の疱瘡うゑる日永かな 寺田寅彦
傾城の蹠白き絵踏かな 芥川龍之介
傾城は後の世かけて花見かな 蕪村 春之部 ■ 雨日嵐山にあそぶ
傾城もいとどねられね寒念仏 奚魚 極 月 月別句集「韻塞」
傾城も廓返りのすみれ哉 竹裡
傾城も手玉に取られ羽子板市 高澤良一 鳩信
月朧美人スパイにならんかな 長谷川照子
見返り美人秋興の手を袖の中 小堀紀子
元日や雨に美人の高鼾 蓼太
古も美女はありけり春灯 佐藤春夫 能火野人十七音詩抄
古袷傾城人の妻となり 佐々醒雪
古蚊帳に病傾城や眼をつむり 清原枴童 枴童句集
枯尾花醜き小町臥りけり 高井几董
枯蘆に傾城町の夕日哉 百里
五月雨や暗きに馴れて支那美人 比叡 野村泊月
口少し開けしは美形梅雨鯰 斎藤梅子
江ノ島の裸弁天東風吹けり 高澤良一 寒暑
糠雨に少し乱れし美女柳 安斉君子
紅梅や畦より低き小町塚 野崎ゆり香
紅葉冷絶世美人と刻せし碑 西本一都 景色
行く年や老を誉めたる小町の絵 斯波園女
行としや古傾城のはしり書 高井几董
合点して傾城買ふやあきの夕 田原 也竺 五車反古
国芳の肉筆美人門涼み 高澤良一 燕音
此花を小町草とは知らざりし 原月舟
今小町つらつら椿いきみんたん 加藤郁乎
妻が美女に見える日ごしごし手を洗う 瀬戸青天城
菜の花や袖〔を〕苦にする小傾城 一茶 ■文化七年庚午(四十八歳)
在るがままの花でありたし小町の忌 松谷雅子
冴え返る入谷小町を挟み撃ち 攝津幸彦 鹿々集
桜影かなし世の風美女が幽霊か 井原西鶴
桜々散つて佳人の夢に入る 上田無腸
桜狩美人の腹や減却す 與謝蕪村
笹鳴や小町通りをそれてすぐ 川崎展宏
三光鳥鳴き弁天の厨子ひらく 深海利代子「雉俳句集」
山はえむ上野東の美人ならん 椎本才麿
山宿に美女生れつぎて芹を摘む 西本一都 景色
桟橋の先に鯔跳ぶ弁天屋 高澤良一 随笑
四万六千日小町屋で買ふつけ睫毛 鈴木栄子
子は亡くてやはらかく折るベビー毛布 蓬田紀枝子
実に泣く傾城もありとしの暮 也有
捨松も小町も居りて福笑ひ 太田 昌子
手折れるはりふじんなれや美人草 季吟「山の井」
秋の蚊や夢二の描く美人像 押本京子
秋絢爛をとこならねど美女はよし 稲垣きくの
秋近し七夕恋ふる小傾城 正岡子規
秋灯や要かなめの小町針 橋本白木
秋満つ寺蝶の行方に黒衣美女 西東三鬼
俊寛も小町も果の施米かな 青木月斗
春の土踏むはじめてのベビー靴 山田弘子 こぶし坂
春雨に大欠(あくび)する美人哉 一茶
春雨に大欠〔伸〕する美人哉 一茶 ■文化八年辛未(四十九歳)
春雨やてうちん持ちの小傾城 一茶
春雨やてうちん持の小傾城 一茶 ■文化九年壬甲(五十歳)
春寒や日長けて美女の嗽ぐ 尾崎紅葉
春寒や日闌(た)けて美女の嗽ぐ 尾崎紅葉
春寒や日闌けて美女の嗽ぐ 尾崎紅葉
春愁や使はず褪せし絹小町 勝又寿々子 『春障子』
春落葉浮けり小町の化粧井戸 龍頭美紀子
春筍が二つ佳人は来ぬものか 星野麥丘人
初午や美女の影ふむ素浪人 沾徳
暑を見詰めゐし眼が遠き美女捉ふ 有働亨 汐路
書出しに小町が返事なかりけり 黒柳召波 春泥句集
小傾城行きてなぶらん年の暮 其角
小傾城行てなぶらんとしの昏 其角
小傾城行てなぶらん年の暮 榎本其角
小春日のうたたね哀れ小傾城 会津八一
小春日の黒子美人に出合ひけり 村山三郎
小町の忌歌詠むときは化粧して 大元祐子
小町忌のなき淋しさや業平忌 野村喜舟
小町忌のはんなり香る桜餅 中御門あや
小町忌の歌膝ゆゆし九十九髪 高橋睦郎
小町忌の反物のまま二十年 北柳あぶみ
小町忌の老いても母の富士額 西浦昭美
小町忌の褪せし押花詩集より 斎藤静枝
小町忌は人丸忌なり井水汲む 高橋睦郎
小町忌や花の透しのあそび紙 高山 檀
小町忌や鴨の啄む紅椿 藤原口佐子
小町忌や芍薬の芽の紅に 山口マサエ
小町寺とうとうたらり春の舞 井本農一
小町寺枯木ざくらもゆかしけれ 高濱年尾 年尾句集
小町寺尼がかむれる綿帽子 大森積翠
小町草花壇に盛りすぎにけり 高野素十
小町草咲きひろがりぬ尼が庵 高浜虚子
小町草石屋の石の間かな 矢島渚男 延年
小町塚弔ふに摘む都草 小野たか子
小町塚訪ふと蝗を跳ばしたり 神蔵 器
小町墳言葉少なに時雨傘 浅野アツ子
小町崩れの姉ふらふら来小正月 たむらちせい
小野の小町こらへ情有二夜の月 云奴子 選集「板東太郎」
松むしよ美人の袖に落て死子 松岡青蘿
飾りたる小町雛のうれひ眉 阿部みどり女 笹鳴
色鳥やケーキのやうなベビー靴 轡田 進
色変へぬ松に囲まれ弁天沼 檜 紀代
振り向く大月氏の傾城もう雪か 加藤郁乎
振向ばはや美女過る柳哉 一茶 ■寛政七年乙卯(三十三歳)
針供養母の使ひし小町針 有賀三枝子
水仙や美人かうべをいたむらし 蕪村
睡蓮の一花水浴美人めく 江川虹村
数珠下げていよ~美女の寒さかな 久保田万太郎 流寓抄以後
雛の日が忌日となりし佳人かな 稲岡達子
青すだれ白衣の美人通ふ見ゆ 一茶 ■寛政五年癸丑(三十一歳)
青梅に眉あつめたる美人かな 蕪村
青葉冷え鎌倉小町通りにて 川崎展宏
石蕗の黄のほつと枯色起美女亡し 松村蒼石 雁
積年の朽葉をためて小町井戸 中村姫路
切り売りの西瓜は美人揃ひにて 三好潤子
雪女郎美女を描くといふ掟 庄子紅子
仙がい筆薄と小町のされかうべ 高澤良一 暮津
先生を美人に画いて夏休み 渡辺みつ
川ゆたか美女を落第せしめむか 平畑静塔
銭洗弁天(しろへびさま)春は巳の日の験(げん)あらな 高澤良一 寒暑
銭洗弁天寒の卵かな 細川加賀 生身魂
霜がれや鍋の炭かく小傾城 一茶
袋絵の小町ほほえむ今年米 松本由美子
大原や小町が果の夏花つみ 一 茶
大根煮て小町も年をとりにけり 龍岡晋
沢瀉による傾城や御祓川 蕪村「落日庵句集」
短日のひとり弁天詣かな 鈴木しげを
竹皮を脱ぐ美人画はうしろ向き 逢坂幸子
朝火事の寺町小町革枕 攝津幸彦 鹿々集
朝陽より傾城匂ふあやめかな 言水
腸うるか竜野の美人送り来し 青木月斗
腸うるか龍野の美人送り来し 青木月斗
蝶々の葎深しや小町寺 星野立子
鳥雲にどぶ板小町嫁ぎけり 岡田鉄 『卆心』
鳥雲に美人動けばわれ動く 三橋敏雄(1920-2002)
椿数多花異なりて美女生誕 長谷川かな女 花寂び
椿挿す死相も音戸小町よと 赤松[ケイ]子
冬の虹藪の弁天瞳にしづく 加藤知世子 花寂び
凍蝶の蛾眉衰へずあはれなり 高浜虚子
嶋の雪弁天堂の破風赤し 正岡子規
桃の日や蟹は美人に笑るゝ 服部嵐雪
湯を浴びて湯かけ弁天かげろひぬ 大越正子
南風に奏づは弁天様にまします歟 高澤良一 随笑
廿とせの小町が眉に落花かな 高井几董
日のテラス雪嶺へ展べ佳人亡し 木村蕪城 寒泉
日傘得て辨天よりの戻り船 北野民夫
日本に小野小町や合歓の花 辰巳あした(雨月)
葱の香や傾城町の夕あらし 蝶夢
年玉に傾城の香のうつりけり 松瀬青々
年経たる小町のにほひ蓬原 鷲谷七菜子
年棚にまだ土つかぬベビー靴 橋本榮治 麦生
年籠して小面は美女と思ふ 阿波野青畝
年籠りして小面は美女と思ふ 阿波野青畝
波音や弁天様の孑孑に 岸本尚毅 舜
梅の精は美人にて松の精は翁也 夏目漱石 明治三十二年
梅白し佳人のひと世をろがみぬ 藤田湘子 てんてん
煤逃げの真白きベビー毛布かな 山崎ひさを
柏餅届けてくれし美人記者 町春草
白芥子の美人かくるゝ草の庵 松岡青蘿
白玉の美形を探しゐたりけり 仙田洋子 雲は王冠以後
薄幸の見返り美人一葉忌 磯崎ゆきこ
半面の美女かいま見ぬ春のくれ 几董
枇杷一顆載りて弁天みちしるべ 中戸川朝人 尋声
美女にちれば愚かにうらむ桜狩 井原西鶴
美女に逢ふ美男蔓を手に提げて 京極杞陽
美女のゐて老僧喜色ねはん講 堀口星眠 青葉木菟
美女現前鬼女も招ばんと紅葉焚く 中村草田男
美女谷や髪に飾りて常山木の実 嶋田麻紀
美女美男灯籠にてらす迷ひかな 其角
美女病みて水族館の鱶に笑む 西東三鬼
美人とはなべてふくよか蝌蚪の国 岸田雨童
美人画の顔にもメモや古暦 今井風狂子
美人画の髷黒々と捨団扇 梅里全子 『祝矢』
美人老て疎影の痩を水鏡 椎本才麿
美禄はんなりでろれん美女はしたゝりぬ 加藤郁乎
百歳の小町目を張り秋の暮 大橋敦子 匂 玉
百日紅ややちりがての小町寺 蕪村
夫のある美人参りそ文覚忌 伊藤松宇
負ひ真綿里の小町も古りにけり 永田青嵐
蕪こそ肥えて美人に似たりけれ 松瀬青々
風の盆誰の言ひたる顎美人 浅川青磁
風邪引の鼻のつまりし美人かな 高浜虚子
焚髪の茫煙か紅葉美女の屍に 内田百間
壁つゞる傾城町やくれのあき 炭 太祇 太祇句選
別嬪な鳥が来てゐる二日の木 高澤良一 さざなみやつこ
別嬪の降つて来さうなゆだちかな 加藤郁乎
片しぐれ幾日つづくぞ小町寺 麦水
弁天に烏甘ゆる春の水 八木三日女
弁天に口紅供へ御開帳 山崎祐子
弁天に少女の乳房さくら散る 檜山哲彦
弁天の笑ふ眼のふちきりぎりす 磯貝碧蹄館
弁天の竹生に近き竹瓮舟 大石悦子 聞香
弁天の琵琶の卯波に打ち消され 木村紀美子
弁天の膝に大きな盆だんご 長江克江
弁天の祠の岬磯開く 鈴木 灰山子
弁天へ秋風波をたてまつる 川崎展宏
弁天を抜けたあたりでみずてんのふらここ 加藤郁乎
弁天堂に湧く歓声や一の富 上原真澄
弁天様に下船の一歩雲の峯 毛塚静枝
頬の落ち卒都婆小町のしたたかさ 須崎美穂子
盆狂言怨霊なべて美女なりし 成瀬桜桃子
盆踊清少納言小町の国 西本一都 景色
柾の実昔小町のあちら向き 相原澄江
柾を葺く仮宮かなし小町草 富安風生
万の手がベビー・ユニヴァースをくすぐる 夏石番矢
万緑や鈴の緒いたむ弁天堂 中村冨美子
眠りの森の美女を見にゆく六日かな 須川洋子
名月や海に向かへば七小町 松尾芭蕉
夜ざくらや美人天から下るとも 一茶
夜の秋を小町寺より遊び尼 山口誓子
野を焼や小町が髑髏不言 高井几董
野菜曳く村の小町の頬被り 松浦 釉
柳の芽弁天さまを素描せり 渡辺恭子
優曇華や寺に小町の九相図 三矢らく子
夕桜小町塚まで足のばす 板谷芳浄
夕立に看板の美女抱き入るる 右城暮石
踊りそろへば小町桜は咲きにけり 長谷川かな女 雨 月
落鮎のはらわたを抜く美人かな 吉崎不二夫
利根流域美女群浴に出会う 金子兜太 詩經國風
裏富士やかかる里にも美人草 不白「不白翁句集」
流星の果てなる鸚鵡小町かな 黒田杏子
両の手にうちは遣ふや小傾城 蓼太「蓼太句集初編」
瑠璃鳴きて靄の晴れゆく美女平 朝妻 力
麗人の立居が透ける青簾 秋山青潮(鉾)
麗人をいざなふ僕の白手袋 筑紫磐井 婆伽梵
簾(みす)に入りて美人に馴るゝ燕かな 服部嵐雪
簾に入て美人に馴る燕かな 服部嵐雪
簾に入りて美人に馴るる燕かな 嵐雪
蓮の骨哀は美女の屍哉 服部嵐雪
蓮の骨哀れは美女の屍かな 服部嵐雪
露の川小野小町の山を出づ 八木林之介 青霞集
辨天や蛙の干物おもしろき 尾崎紅葉
曼珠沙華喜寿と思へぬ美女ばかり 永瀬千枝子
囀りや苔盛り上がる小町塚 巽恵津子
徂く春の卒塔婆小町を観し疲れ たかし
涅槃会に佳人のまじる日の翳り 桂信子 遠い橋
筍や目黒の美人ありやなし 子規
絨毯の美女とばらの絵ひるまず踏む 柴田白葉女
芍薬のくづれ艶めく小町塚 高橋一経
菫咲川をとび越す美人哉 一茶
蟷螂や見返り美人さながらに 藤脇美樹
踵まで浴衣美人でありにけり 山田弘子 懐
鞆の津のささやき橋に小町草 高橋六一
鵙なくや笑ひけうとき小傾城 素丸
黴の香の弁天窟に百の燭 宮内とし子(沖)
鼈甲を磨く老眼小町の忌 中野青雁

別嬪 補遺

*はまなすのたとへば夜の黒眸美女(マラゲーニア) 佐藤鬼房
あかゞりや傾城老いて上根岸 正岡子規 皸
いつの世も美男美女よし菊人形 右城暮石 虻峠
うすものに堪へざる美女の立居かな 正岡子規 羅
うそ寒き暗夜美人に逢着す 正岡子規 うそ寒
うそ寒の誠を泣くや小傾城 正岡子規 うそ寒
お守りの辨天賣て肌寒し 正岡子規 肌寒
かの佳人ならむ枯山生野糞 佐藤鬼房
きぶし群落美女韆浴は乳房見せぬ 金子兜太
クインメリー麗人を求む年の暮 山口青邨
ゴルフアーの佳人の自動車春泥を 日野草城
その青年のもの美女の顔平手打ち 三橋敏雄
その夕べ京にをりたる小町の忌 森澄雄
だが秋田美人に逢へずきりたんぽ 鷹羽狩行
ひこばえや絵図の小町をたづね得ず 角川源義
ひた寒し萎えし垂乳の小町みて 能村登四郎
ぶをとこも美人も出たる小春哉 正岡子規 小春
ものうしや傾城をまつ蚊帳の中 正岡子規 蚊帳
わが庭のにぎやか秋田美人の蕗の薹 山口青邨
衣更へて美人はいつも美人かな 星野立子
一景は熔岩を野積みに小町草 上田五千石『風景』補遺
姥等とよ小町がはてをこれ見よや 正岡子規 姥等
駅家去る車塵 磧に美女残し 伊丹三樹彦
遠目にも茶摘畑の祖谷美人 鷹羽狩行
襖絵の美女に囲まれ寝正月 鷹羽狩行
黄鳥きて美女群浴の死せしや 金子兜太
牡丹栽て美人土かふ春の風 正岡子規 春風
牡丹咲て美人の鼾聞えけり 正岡子規 牡丹
佳人に会へり途上黄落ただならず 古郷
佳人もたらせし木犀の香に睡る 伊丹三樹彦
佳人花の如し我衣破れたり 正岡子規 花
夏に籠る傾城もあり百日紅 正岡子規 百日紅
夏山の記憶の中の一佳人 高野素十
夏草や嵯峨に美人の墓多し 正岡子規 夏草
歌留多の絵小町は老いずありにけり 後藤夜半 底紅
火盗りとてかぐはしき蛾眉もたらせり 上田五千石 琥珀
花の山浮世画の美人来る哉 正岡子規 花
花合歓に蛾眉なが~し午後三時川端茅舎
花晴れて佳人の眼鏡度の強き 日野草城
花南瓜*つつの美女には会へずとも 後藤比奈夫
花薄こゝも小町のふしど哉 正岡子規 薄
蚊帳ツラデ畫美人見ユル夜寒カナ 正岡子規 夜寒
海棠に鼾の細き美人哉 正岡子規 海棠
外梯子降りる一佳人花衣 山口青邨
蛙田に尼の通ひ路小町寺 高野素十
茅花さく家を傾城のなれのはて 正岡子規 茅花
寒梅や抜け弁天の土日向 上田五千石『琥珀』補遺
寒美人嬋娟として尿意あり 日野草城
汗くさしうしろ向たる小傾城 正岡子規 汗
亀鳴くを待てず弁天池を去る 鷹羽狩行
菊人形源氏も美男美女ばかり 右城暮石 句集外 昭和五十四年
菊人形小町世にふる眺めして 百合山羽公 樂土
鏡餅弁天池の石となれ 阿波野青畝
業平も小町もをりぬ花の稚児 伊藤白潮
金屏風傾城こもる秋の暮 正岡子規 秋の暮
傾城が筆のすさひや燕子花 正岡子規 杜若
傾城と千鳥聞く夜の寒さ哉 正岡子規 千鳥
傾城にあふがれて居る団哉 正岡子規 団扇
傾城にいつわりのなき熱さ哉 正岡子規 暑
傾城にとへども知らず紅の花 正岡子規 紅花
傾城にとりかくされし扇哉 正岡子規 扇
傾城にふられてひとりすゞみ哉 正岡子規 納涼
傾城にまことありけり秋のくれ 正岡子規 秋の暮
傾城にものかゝれたる扇哉 正岡子規 扇
傾城に可愛がらるゝ暑さ哉 正岡子規 暑
傾城に歌よむはなしけふの月 正岡子規 今日の月
傾城に起請の外の夏書哉 正岡子規 夏書
傾城に死んで見せけり火取虫 正岡子規 火取虫
傾城に袖引かれたる夜寒哉 正岡子規 夜寒
傾城に電話をかけん秋のくれ 正岡子規 秋の暮
傾城に問へども知らず秋の風 正岡子規 秋風
傾城に約束のあり酉の市 正岡子規 酉の市
傾城のうそも上手にさよしくれ 正岡子規 時雨
傾城のうらやまれけり蝸牛 正岡子規 蝸牛
傾城のお白粉はげて朝桜 正岡子規 朝桜
傾城のなるゝ柱も一夜鮓 正岡子規 鮓
傾城のぬけがらに寐る夜寒哉 正岡子規 夜寒
傾城のぬけ殻に蚤のはねる哉 正岡子規 蚤
傾城のひとり寐ねたる寒さかな 正岡子規 寒さ
傾城の噂を語れ納豆汁 正岡子規 納豆汁
傾城の花に泣く夜となりにけり 正岡子規 花
傾城の海を見て居る夕涼み 正岡子規 納涼
傾城の海を背にする夜寒哉 正岡子規 夜寒
傾城の外はしくるゝとも知らず 正岡子規 時雨
傾城の噛み砕きけり夏氷 正岡子規 夏氷
傾城の顔にあてたる団扇哉 正岡子規 団扇
傾城の古郷遠し京の春 正岡子規 初春
傾城の故郷や思ふ柏餅 正岡子規 柏餅
傾城の悟り顔なり蓮の花 正岡子規 蓮の花
傾城の在所をきけば藪蚊哉 正岡子規 蚊
傾城の罪をつくるや紅の花 正岡子規 紅花
傾城の姿あらはす蚊遣哉 正岡子規 蚊遣
傾城の耳たぶ広しほとゝきす 正岡子規 時鳥
傾城の汐干見て居る二階哉 正岡子規 汐干狩
傾城の鹿呼ぶ奈良の夕淋し 正岡子規 鹿
傾城の手つからくへる蚊遣哉 正岡子規 蚊遣
傾城の重ね着苦し汗の玉 正岡子規 汗
傾城の出しぬかれたる師走哉 正岡子規 師走
傾城の寝顔にあつしほつれ髪 正岡子規 暑
傾城の息酒くさし夕桜 正岡子規 夕桜
傾城の足音更ける火鉢哉 正岡子規 火鉢
傾城の団扇に這はす蛍哉 正岡子規 蛍
傾城の昼寝はあつし金屏風 正岡子規 昼寝
傾城の燈籠のぞくや寶巖寺 正岡子規 燈籠
傾城の瓶にしぼみし牡丹哉 正岡子規 牡丹
傾城の腹をひやさん氷餅 正岡子規 氷餅
傾城の文とゝきけり五月雨 正岡子規 五月雨
傾城の文にも春を惜むかな 正岡子規 春惜しむ
傾城の文反古まじる紙帳哉 正岡子規 紙帳
傾城の夢に殿御の照射哉 正岡子規 照射
傾城の娘もちける鵜匠哉 正岡子規 鵜匠
傾城の名をつけて見ん竹婦人 正岡子規 竹婦人
傾城の紋は何紋衣配り 正岡子規 衣配
傾城の門まで出たり凧 正岡子規 凧
傾城の猶うつくしき燈籠哉 正岡子規 燈籠
傾城の涙煮えけり玉子酒 正岡子規 玉子酒
傾城の咄ときるゝ夜長かな 正岡子規 夜長
傾城の泪にやれし紙衣かな 正岡子規 紙衣
傾城の菫は痩せて鉢の中 正岡子規 菫
傾城の裲襠着て見つ春の雨 正岡子規 春の雨
傾城の顏見て過ぬ酉の市 正岡子規 酉の市
傾城の鼾おそろしほとゝきす 正岡子規 時鳥
傾城はうしろ姿の寒さ哉 正岡子規 寒さ
傾城はなれてよく寐る鹿の聲 正岡子規 鹿
傾城は格子の内や夏の月 正岡子規 夏の月
傾城は五階の上の霞哉 正岡子規 霞
傾城は誠にあつき者なりけり 正岡子規 暑
傾城は痩せて小さき蒲團哉 正岡子規 蒲団
傾城は知らじ三夜さのむら時雨 正岡子規 時雨
傾城は屏風の萩に旅寐哉 正岡子規 萩
傾城も居らず蝶飛ぶ仲の町 正岡子規 蝶
傾城も石になりたる夏野哉 正岡子規 夏野
傾城も南瓜の畑で生れけり 正岡子規 南瓜
傾城も猫もそろふて雜煮哉 正岡子規 雑煮
傾城も娘めきたり青簾 正岡子規 青簾
傾城やしくれふるとも知らで寐る 正岡子規 時雨
傾城や格子にすがる籠の虫 正岡子規 虫
傾城や客に買はれて夕涼み 正岡子規 納涼
傾城や年よりそむる五月雨 正岡子規 五月雨
傾城をかむろとりまく粽哉 正岡子規 粽
傾城をよぶ声夏の夜は明けぬ 正岡子規 夏の夜
傾城を見たる師走の温泉かな 正岡子規 師走
傾城を舟へ呼ぶ夜の寒さかな 正岡子規 寒さ
傾城を買ひに往く夜や鮟鱇鍋 正岡子規 鮟鱇
傾城曰く歸らしやんすか此雪に 正岡子規 雪
月が出て美女群浴の白照す 金子兜太
見まゐらす寝釈迦あはれ蛾眉御若き 山口青邨
遣羽子に負けし美人の怒哉 正岡子規 遣羽根
古里や秋に痩せたる小傾城 正岡子規 秋
枯野行く美人をしばし眺めたり 永田耕衣
五月雨や傾城のぞく物の本 正岡子規 五月雨
行かんとして雁飛び戻る美人哉 正岡子規 帰雁
行く鳥や傾城国に帰る船 正岡子規 鳥帰る
行水や美人住みける裏長屋 正岡子規 行水
香煙の美人にもならず年暮れぬ 正岡子規 年の暮
高殿に美人佇む柳かな 正岡子規 柳
此里に美女二人あり桃の花 正岡子規 桃の花
三彩の唐の美女見し牡丹かな 森澄雄
三椀の雜煮喰ひぬ小傾城 正岡子規 雑煮
傘さして傾城なぶる春の雨 正岡子規 春の雨
残雪や小町の母郷は雨けぶる 角川源義
師走能かぞへて老女小町もの 能村登四郎
紫陽花や舌を見せたる小傾城 正岡子規 紫陽花
七小町二つは知らず朧にて 能村登四郎
七夕に草履を貸すや小傾城 正岡子規 七夕
七夕や弁天さまに水かよひ 上田五千石『天路』補遺
七夕を寝てしまひけり小傾城 内藤鳴雪
朱兀げて辨天堂の月見哉 正岡子規 月見
酒の名は山陰美人花三分 山口青邨
樹下美人ならばと梅の咲く下に 津田清子
秋陰に常百歳の小町かな 阿波野青畝
秋近し七夕恋ふる小傾城 正岡子規 秋近し
秋風や傾城町の晝下り 正岡子規 秋風
秋風や小野の小町の笑ひ聲 正岡子規 秋風
秋満つ寺蝶の行方に黒衣美女 西東三鬼
終ひ弁天暗きに咳をこぼしけり 安住敦
襲着の佳人に冬の泉鳴る 佐藤鬼房
出戻りの美人の散歩麦の秋 日野草城
春の夜のともし消ちたり小傾城 正岡子規 春の夜
春の夜や傾城町の電気燈 正岡子規 春の夜
春の夜や傾城買ひに小提灯 正岡子規 春の夜
春の夜や見知顔する小傾城 正岡子規 春の夜
春駒や美人もすなる物貰ひ 内藤鳴雪
春宵の美酒とは美人注げばこそ 鷹羽狩行
春憂う美女群浴の交交(こもごも) 金子兜太
春筍が二つ佳人は来ぬものか 星野麥丘人 2001年
女王花ただちに卒塔婆小町かな 阿波野青畝
小傾城蚊遣に顔をそむけゝり 正岡子規 蚊遣
小傾城蕣の君と申しけり 正岡子規 朝顔
小町忌やうつくしき人ら歌合 山口青邨
小町忌や八重山吹も散りにけり 山口青邨
小町忌や北斎ゑがく七小町 山口青邨
小町草花壇に盛りすぎにけり 高野素十
小町像遅日垂乳の先の朱 飯島晴子
小町足袋覆いて演ずる役のこと 後藤比奈夫
身受けせし傾城くやし衣かへ 正岡子規 更衣
刃のごとき涼気佳人とすれ違ひ 鷹羽狩行
水汲みの美女現れよ靫草 佐藤鬼房
水馬辨天堂は荒れにけり 川端茅舎
水無月の傾城並ぶ格子かな 正岡子規 水無月
翠簾ごしの美人の顔や朧月 正岡子規 朧月
世に古りて小町草とは呼ばれけり 後藤比奈夫
青梅や傾城老いて洗ひもの 正岡子規 青梅
石蕗の黄のほつと枯色起美女亡し 松村蒼石 雁
川ゆたか美女を落第せしめむか 平畑静塔
川岸に二番芽の*たら佳人亡し 佐藤鬼房
銭洗ひ来し弁天の青葉冷え 鷹羽狩行
早乙女のむかしを語れ小傾城 正岡子規 早乙女
早乙女や小町の墓のこと知らず 阿波野青畝
草刈女小野小町は好きならず 後藤比奈夫
待宵の姿にうしろ向き小町 能村登四郎
大津絵やかすむ湖水の七小町 河東碧梧桐
短夜やわりなくなじむ小傾城 正岡子規 短夜
茶の花の思うツボなる美人哉 永田耕衣
昼顔に傾城眠きさかり哉 正岡子規 昼顔
虫干や傾城の文親の文 正岡子規 土用干
朝がほや梦の美人の消え處 正岡子規 朝顔
朝顔に傾城だちの鼾かな 正岡子規 朝顔
朝顔や傾城町のうら通り 正岡子規 朝顔
朝顔や夢裡の美人は消えて行く 正岡子規 朝顔
朝顏に傾城眠きさかり哉 正岡子規 朝顔
朝顏の垣根荒れたり小傾城 正岡子規 朝顔
長き夜や古傾城のささめ言 正岡子規 夜長
鳥雲に美人うごけばわれ動く 三橋敏雄
椿饐ゑ百歳の小町祀りけり 能村登四郎
摘むや薺小町の墓を二めぐり 内藤鳴雪
都踊り美女嬋娟を競ひけり 古郷
冬ぬくし獣肉をむさぼり啖ふ美人 日野草城
冬扇シテの美女出て国なまり 角川源義
嶋の雪辨天堂の破風赤し 正岡子規 雪
桃色は弁天様のはちすかな 正岡子規 蓮の花
踏青や美人群れたる水の隈 正岡子規 青き踏む
日のテラス雪嶺へ展べ佳人亡し 木村蕪城 寒泉
年経たる小町のにほひ蓬原 鷲谷七菜子 天鼓
年箭して小面は美女と思ふ 阿波野青畝
破れ扇これも小町かなれのはて 正岡子規 捨扇
破れ扇小町かはてを見付たり 正岡子規 捨扇
梅雨ふるや美女は採用せず帰す 古郷
梅白し佳人のひと世をろがみぬ 藤田湘子 てんてん
萩薄小町が笠は破れけり 正岡子規 萩
萩薄小町が笠は破れたり 正岡子規 萩
白足袋の 小町で老いて 葛の花 伊丹三樹彦
微笑、美女、槍の貫きし箱を出でて立つ 荻原井泉水
美女の手に狩られて鮎の錆きはやか 上田五千石『琥珀』補遺
美女の深情のありて近松忌 鷹羽狩行
美女去りしその墓にわれも詣でけり 古郷
美女更に美女涅槃哭く顔ゆがめ 山口誓子
美女立テリ秋海棠ノ如キカナ 正岡子規 秋海棠
美女蹌踉の絵とあり白蓮の西安 金子兜太
美人の図無銘にして艶昼寝覚 山口青邨
美男美女に異常乾燥期の園 西東三鬼
鼻をするどく 刻んで 美女生むカメオ職人 伊丹三樹彦
百歳の小町の像の冷まじき 高野素十
芙蓉咲き見えぬ月見えぬ蛾眉山 金子兜太
米飾る米にも小町.ひとめぼれ 鷹羽狩行
弁天のうしろ姿は柳かな 正岡子規 柳
弁天のおん旅支度かいまみし 山口青邨
弁天の参詣絶えぬ桜かな 正岡子規 桜
弁天の山茶花折つて挿す句会 山口青邨
弁天の石橋低し蓮の花 正岡子規 蓮の花
弁天の奏で給ふ琵琶鴨送る 山口青邨
弁天の池にぎやかに鴨涼し 山口青邨
弁天の竹生に見たる石蕗の花 森澄雄
弁天の楼門赤き桜哉 正岡子規 桜
弁天の鰐口が鳴る浮寝鳥 山口青邨
弁天の已年美し町の春 内藤鳴雪
弁天や江戸へ流るゝ春の水 正岡子規 春の水
弁天をとりまく柳桜かな 正岡子規 柳
飽食の美人わらへり寒潮に 日野草城
鉾粽京美人の前に落下せり 古郷
柾を葺く仮宮かなし小町草 富安風生
末枯の中なる屏風七小町 能村登四郎
夢にたつかの薩摩美女牡丹の芽 佐藤鬼房
夢に美人来れり曰く梅の精と 正岡子規 梅
名月や美人の顏の片あかり 正岡子規 名月
夜の雪辻堂に寐て美女を夢む 正岡子規 雪
夕顔ノ垣根覗キソ美人禅 正岡子規 夕顔
夕立に看板の美女抱き入るる 右城暮石 上下
夕立や簀戸に押されし小傾城 正岡子規 夕立
葉桜や傾城しらぬ夏の景 正岡子規 葉桜
落花にて白し小町の屋敷跡 山口誓子
落花無し小町の深き化粧井に 山口誓子
蘭の香や佳人髣髴として來る 正岡子規 蘭
利根流域美女群浴に出会う 金子兜太
梨花白し此頃美女を見る小家 正岡子規 梨の花
凌霄やからまる縁の小傾城 正岡子規 凌霄花
冷えそそり歯剥く笑ひの老小町 能村登四郎
蓮の題即ち飾る支那美人 山口青邨
蓮枯て辨天堂の破風赤し 正岡子規 枯蓮
老いし小町に花冷の燭虹なせり 能村登四郎
嬌羞や団扇を洩れて蛾眉二つ 日野草城
徂く春の卒塔婆小町を観し疲れ 松本たかし
晝中の傾城寐たるこたつ哉 正岡子規 炬燵
稻妻や闇に美人の笑ひ聲 正岡子規 稲妻
筍や目黒の美人ありやなし 正岡子規 筍
蓼科を美人に譬へ避暑日記 阿波野青畝
蕣やきのふ死んだる小傾城 正岡子規 朝顔
薔薇一枝美人の胸にしぼみけり 正岡子規 薔薇
遽かの暑美人の汗に眼をとどむ 日野草城
錢湯を出づる美人や松の内 正岡子規 松の内
鶯や京へ売らるゝ小傾城 正岡子規 鶯

別嬪 続補遺

いざゝくら小町が姉の名はしらず 其角
いなづまやどの傾城とかり枕 去来
かはず乗る経木は卒都婆小町なり 木導
かまくらの小町米町秋のくれ 白雪
けし垣の内や硯の小町形 万里女
けふの月小町が哥のうへを行 小西来山
すゝ掃や是も小町が古足駄 存義 古来庵発句集
つく~と小町が姉や冬籠 白雪
なでしこや美人手づから灌ぬる 黒柳召波
はつ雪やこゝろあてある小傾城 存義 古来庵発句集
はるかぜにおさるゝ美女のいかりかな 曉台
ふたり寐は汐干の岩も小町哉 土芳
ほし逢や心の友は伊勢小町 曉台
れき~の小町のはてや茶つみ哥 許六
衣うつよ田舎の果の小傾城 高井几董
衣張の指図まばゆし美人草 中川乙由
稲遠く傾城涼む夜明かな 泥足
稲妻の皃ひく窓の美人哉 露印
姥ふえてしかも美女なし年忘 其角
永き日や雨に物干す小傾城 晋阿 江都近在所名集
炎天に美人の皃の定りぬ 望月宋屋
花火尽きて美人は酒に身投げけむ 高井几董
花火尽て美人は酒に身投けむ 高井几董
花手折美人縛らん春ひと夜 高井几董
花芙蓉美女湯あがりて走りけり 山口素堂
芥子痩てたゞ中~に美人草 路通
寒しとは小町が嘘よほとゝぎす 高井几董
寒声の恨むが如し小傾城 吐月 発句類聚
関寺の月や小町にほえん犬 旦藁
帰花桃李の美人覚束な 黒柳召波
鬼ゆりもやは傾城の敵役 沾圃
橘やむかし小町が袖の露 除風
桐の花局に悩む美人あり 三宅嘯山
金くるゝ小町が手より花の春 支考
傾城と腰掛て見む秋の暮 晩得 哲阿弥句藻
傾城にさりとてはなきあふぎかな 貞佐 桑々畔発句集
傾城に喰つかれたるあはせ哉 程已
傾城に枯て見せたる柳かな 田川鳳朗
傾城に菎蒻くはす彼岸哉 高井几董
傾城のかはゆがりけり団売 木導
傾城のきらつく秋の夕かな 紫道
傾城のその足わたせ天河 中川乙由
傾城のたまりしあとを蛙かな 晩得 哲阿弥句藻
傾城のつめ共にがしふきのとう 吾仲
傾城の塩梅淡し後夜の蠣 午心 発句類聚
傾城の夏書やさしや仮の宿 其角
傾城の楽屋おそろし蕃椒 蓼太 蓼太句集初編
傾城の汗臭くなるをどり哉 木導
傾城の賢なるは此柳かな 其角 五元集
傾城の賢なるは此柳哉 其角
傾城の市にかくれて頭巾かな 蓼太 蓼太句集初編
傾城の小哥はかなし九月尽 其角
傾城の生れがはりか猫の妻 木導
傾城の膳をあづかる月夜かな 吾仲
傾城の知た顔なり更衣 中川乙由
傾城の昼寐はいたく雉子かな 支考
傾城の拝んで笑ふ涅槃哉 松岡青蘿
傾城の畠見たがるすみれかな 岩田涼菟
傾城の比丘尼老ぬる紙子かな 三宅嘯山
傾城の負れて行や藤の花 木導
傾城の服紗捌きや大晦日 抱一 軽挙観句藻
傾城の母親おもふ霜夜かな 許六
傾城の枕ふみてや菊つくり 蓼太 蓼太句集初編
傾城や傾城を見る夕涼 百里
傾城を干か二階の桜華 凉菟
傾城を紅葉と照や後の月 吾仲
故人に落馬なさせそ美人草 魯九
枯芦に傾城町の夕日かな 百里
枯尾花醜き小町臥りけり 高井几董
行としや古傾城のはしり書 高井几董
行年や老を誉たる小町の絵 園女
腰かけて浅き水ふむ美人かな 東皐
桜~散つて佳人の夢に入る 上田無腸
桜ちる小野の小町も茶の木原 句空
桜影かなし世の風美女が幽霊か 井原西鶴
三筋ほど葱喰美女のひそみ哉 三宅嘯山
山はえむ上野東の美人ならん 椎本才麿
捨笠は小町が塚かすみれ草 千那
捨笠は小町が塚か菫草 角上
終年や美人に似たるすみだ川 蓼太 蓼太句集三編
十六は美人の図なり月の色 支考
出代や小野の小町も衣装がら 木導
書出しに小町が返事なかりけり 黒柳召波
小傾城行てなぶらんとしの昏 其角 五元集
小傾城行てなぶらん年の暮 其角
小傾城是見てをけよ茶引草 馬場存義
小宿には傾城をらずきくのはな 桜井梅室
松むしよ美人の袖に落て死子 松岡青蘿
笑ふ時美人消へけり水仙華 越人
象潟の冬は美人の墨絵にて 望月宋屋
色~の田うへ出立や七小町 露川
吹かへす萩や小町が歌のさま 諷竹
吹て着る美人の息や綿帽子 三宅嘯山
水仙を小町が哥の姿かな 十丈
石竹やづらりと並ぶ小傾城 毛〔ガン〕
積雪や紅粉吹かけし小傾城 曉台
雪の花ひろくうつろふ小町かな 舎羅
草花の果は野水に小町哉 白雪
袋には小野小町がいのこ哉 尚白
大かたは美女なりけらし月のまヘ 曉台
虫の音や美人の涙いきかはり 曉台
虫ばむと朽木の小町ほされけり 其角
唐秬の美人こそあれ西の方 朱拙
桃の日や蟹は美人に笑るゝ 嵐雪
廿とせの小町が眉に落花かな 高井几董
乳母ふへてしかも美女なし年忘 其角 五元集
梅花美人来れり漸二更 黒柳召波
白芥子の美人かくるゝ草の庵 松岡青蘿
美女にちれば愚かにうらむ桜狩 井原西鶴
美女美男灯籠にてらす迷哉 其角
美人草散つた処が芥子坊主 桃後
美人老て疎影の痩を水鏡 椎本才麿
筆始今の美人は誰~ぞ 木因
富士詣傾城の名も懺悔せん 琴風
壁つゞる傾城町やくれのあき 炭太祇
弁天は見いでも今朝の水鏡 木節
埋火や傾城ふたり夜ぞ更くる 人左 新類題発句集
野を焼や小町が髑髏不言 高井几董
梨花一枝傾城の名に汚れたり 尚白
両の手にうちわ遣ふや小傾城 蓼太 蓼太句集初編
簾に入て美人に馴る燕かな 嵐雪
簾に入りて美人に馴るゝ燕かな 嵐雪 玄峰集
簾上て美人の夢や泉どの 三宅嘯山
蓮の骨哀れは美女の屍かな 嵐雪
蓮采や美人の手にも水馴棹 三宅嘯山
嘸小町我も因果の姥ざくら 智月尼
朧月小町が哥の風情あり 三宅嘯山
蕣はつよし小町がなれのはて りん女
蕣や傾城買ひの溜る金 越人
鵙なくや笑ひけうとき小傾城 素丸 素丸発句集

以上

by 575fudemakase | 2018-09-28 06:57 | 無季 | Trackback | Comments(0)

江ノ島 の俳句

江ノ島 の俳句

江ノ島

あたたかに江の島電車めぐりくる 永井龍男
ラムネ飲む江ノ島青く傾ぎおり 大給圭泉
一島を母として翔ぶ冬の鳶(江の島) 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
卯波高し七里ヶ浜も江の島も 星野 椿
海光の江の島山や初詣 不破 博
岩鼻まで江の島あるき栄螺焼く 和知喜八
去年今年江ノ島の波瞼にす 渡辺桂子
橋広く渡る江の島海ほおずき 諏訪あき与
江の島が鯨に見ゆる冬霞 宮脇白夜
江の島が大きく見ゆる冬の海 咲樹一樹
江ノ島と富士のあひだに蒲団干す 大森春子
江の島にどつかと雲やお元日 横山節子
江の島に太鼓とどろく七五三 阿部悦子
江の島に朝寒の旭のあたりけり 西山泊雲
江の島に遊ぶ支度や夏羽織 夏羽織 正岡子規
江の島のせばき渚や後の月 松本たかし
江の島のせりあがるまで百千鳥 猿田咲子
江ノ島のやや遠のける九月かな 中原道夫
江ノ島の栄螺焼く香や汀まで 吉田 米
江の島の往来せまし蝉しぐれ 増田龍雨 龍雨句集
江の島の海女が来て居り宮の秋 池上浩山人
江の島の外ゆく舟の日傘かな 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
江ノ島の橋たもとなるおでん酒 堤 靭彦
江ノ島の穴をうなるや穐の夢 服部嵐雪
江ノ島の春ふかまりし貝供養 太田昌子
江ノ島の春深まりし貝供養 太田 昌子
江ノ島の初東雲を見て返す 横山節子
江の島の茶店の春の煖炉かな 風間啓二
江の島の灯の早き鰯引く 加倉井秋を 『胡桃』
江の島の蛤分つ土産かな 蛤 正岡子規
江の島の浜見てきたり初笑ひ 辻桃子
江ノ島の風ゆるびいる焼栄螺 山中蛍火
江の島の風連れて来し貝風鈴 榎本幸一郎
江の島の焚火の中を歩みけり 山西雅子
江ノ島の模糊と浮べり年忘 水原春郎
江ノ島の裸弁天東風吹けり 高澤良一 寒暑
江の島の裏はましろの秋の波 長谷川櫂 虚空
江ノ島の浪と真白き破魔矢かな 佐野青陽人 天の川
江の島はにはかに近し秋の海 吉屋信子
江の島は海に浮んだ夏帽子 原田喜久子
江の島へ女の旅や春の風 春風 正岡子規
江ノ島も褪せゐし春の夢いづこ 石塚友二 光塵
江の島や薫風魚の新らしき 薫風 正岡子規
江ノ島や五日の磯に人のせて 星野恒彦
江の島や傘さしかけし夏肴 巣兆「寂砂子集」
江の島や傘さしかけて夏肴 巣兆
江の島や秋立つ松葉ちくちくす 辻桃子
江ノ嶋の穴をうなるや秋の夢 服部嵐雪
江の嶋ハ龜になりけりけふの月 今日の月 正岡子規
江の嶋は龜になれなれけふの月 今日の月 正岡子規
江之島の活辯天か玉椿 高澤良一 素抱
残雪やからつぽの電車江の島へ 大谷碧雲居
初凪の岩より舟に乗れといふ 茅舎 (己巳江之島詣)
雀蛤となる江の島の露店かな 辻桃子
日盛りやみな江の島へ寄せる浪 増田龍雨 龍雨句集
波のりに松の江の島うきたてる 鈴鹿野風呂 浜木綿
病む窓にのぞむ江の島けふ祭 木村蕪城 一位
柚子をもぐ江ノ島をみてゐたりしが 斉藤夏風
夕霞片瀬江の島灯り合ひ たかし
夕桜江の島の灯の見え初めぬ 星野椿
冷し瓜江の島沖に白波立つ 中拓夫
寐返れば江の島見ゆる葭戸哉 竹囲

江ノ島 補遺

江の島に遊ぶ支度や夏羽織 正岡子規 夏羽織
江の島に茫々として芒かな 河東碧梧桐
江の島の蛤分つ土産かな 正岡子規 蛤
江の島へ女の旅や春の風 正岡子規 春風
江の島へ渡りゆく人初詣 星野立子
江ノ島も褪せゐし春の夢いづこ 石塚友二 光塵
江の島や薫風魚の新らしき 正岡子規 薫風
江の嶋ハ龜になりけりけふの月 正岡子規 今日の月
江の嶋は龜になれなれけふの月 正岡子規 今日の月
病む窓にのぞむ江の島けふ祭 木村蕪城 一位
母の日の去年は相州江の島に 石塚友二 玉縄以後

江ノ島 続補遺

江の島の菜漬めづらしはるの月 寥松
江の島は湖の中なり桃の花 長翠
江の島を台にも見るや国の春 馬場存義
江ノ嶋の穴をうなるや秋の夢 嵐雪
江の嶋や傘さしかけし夏ざかな 建部巣兆

以上

by 575fudemakase | 2018-09-27 06:21 | 無季 | Trackback | Comments(0)

秋収め の俳句

秋収め の俳句

秋収め

あらためて座る山々秋収 宮津昭彦
にはとりに飛ぶ宙のあり秋収め 宇多喜代子
海光の無き親不知秋収め 深見かおる
噛みしめて竹輪にちから秋収 辻桃子
眼は睡り田仕舞いどきの円空佛 高澤良一 素抱
山繭の糸のつよさよ秋収 黒田杏子
狩の犬夜は田仕舞の火を守りぬ 平賀 扶人
秋収の夜更けて墨を摺りにけり 森つる子
秋収め雨となりたる奥州路 菖蒲あや
秋収め海の向うにチマチヨゴリ 青野三重子
秋収め村人の守る円空佛 高澤良一 素抱
秋収蜘蛛どもも巣を捨てにけり 藤田湘子 てんてん
真つ先に田仕舞ひの火をあげにけり 今岡穂水
赤んぼの地べたに置かれ秋収 大島雄作
誰も負う山裾の影秋収め 遠藤秀子
田の神へ注連あたらしく秋収め 宮田紀美子
田仕舞いと六年生の下校かな 武田伸一
田仕舞のけむり北上川渡る 小飼美智子
田仕舞のしづかな雨に籠りけり 影島智子
田仕舞のひとすぢ上げし煙かな 大川きよ女
田仕舞の煙しあはせの煙かな 加藤覚範
田仕舞の煙の上の蟹満寺 大石悦子 群萌
田仕舞の煙ゆたかに輪中村 加吉宗也
田仕舞の煙一筋宇陀に入る 小路智壽子
田仕舞の火の手あがれり衣川 内山芳子
田仕舞の空に抜けたる鶏の声 奥井紘子
田仕舞の地蔵に供華や年用意 角川源義
田仕舞の田や立山をはるかにし 長沼紫紅
田仕舞の入日の雲を焦がしけり 伊藤京子
田仕舞の筵敲けば一揆かな 早川翠楓
田仕舞ひの煙りのかなた三河富士 朝雄紅青子
田仕舞ひの火ばかりを見て伊賀を去る 茂里正治
田仕舞や阿蘇の盆地に夕日落つ 寺園蓉子
田仕舞や早煮昆布のそなへらる 如月真菜
田仕舞や地を這ふ*はたはたもう飛ばず 藤原たかを
木曽谷の部落賑はふ秋収め 伊東宏晃
猟犬を連れ田仕舞の椎葉人 田上さき子
磧温泉や秋収めたる顔ばかり 吉田丁冬
鬣の絵馬にあふるる秋収 宮坂静生 樹下

秋収め 補遺

今年また空くれなゐや秋収め 森澄雄
秋収め安楽川に雲うかび 鷲谷七菜子 游影
秋収め若狭ほとけの世に戻る 鷲谷七菜子 天鼓
秋収蜘蛛どもも巣を捨てにけり 藤田湘子 てんてん
田仕舞に日のある中の風呂沸けり 能村登四郎
田仕舞の煙が棚田より出でず(日田二句) 鷹羽狩行
田仕舞の煙にぎはひ宇陀郡 鷹羽狩行
田仕舞の水剰りをり内匠堀 能村登四郎
田仕舞の地蔵に供華や年用意 角川源義
電柱の丈もてあまし秋収め 鷹羽狩行


以上

by 575fudemakase | 2018-09-26 18:53 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

豊の秋 の俳句

豊の秋 の俳句

豊の秋

お伊勢様御稲の倉も豊の秋 阿波野青畝
カーテンは天衣靡きに豊の秋 辻田克巳
けものらの鼻よく動き豊の秋 うまきいつこ
すぐそこといはれて一里豊の秋 八染藍子
すぐそこと言はれて一里豊の秋 八染藍子
どこまでも畦のまつすぐ豊の秋 片山由美子 水精
どの田にも男とをみな豊の秋 佐藤和枝
トラックに婚の荷高き豊の秋 池田秀水
ぬばたまの闇を納戸に豊の秋 黛執
もちの穂の黒く目出度し豊の秋 高浜虚子
一握の灯が汽車となる豊の秋 鷹羽狩行
一株に手応へたしか豊の秋 柴崎加根子
一艘は湖心に出でし豊の秋 藺草慶子
飲食のあかりの灯る豊の秋 井上弘美
羽黒山より一望の豊の秋 青柳志解樹
仮初の世の体重や豊の秋 正木ゆう子 静かな水
火焔土器は胃の肺のかたち豊の秋 池田祥子
絵のやうな写真のやうな豊の秋 水見壽男
泣くときにつかふ腹筋豊の秋 辻美奈子
金泥をもて描くべし豊の秋 県多須良
空へ棚田豊の秋なり嫁に来い 出原博明
形見にもよき琴一つ豊の秋 神尾久美子
畦の子のこけしに似たり豊の秋 今井つる女
糠床の中に来たりし豊の秋 綾部仁喜 樸簡
崎のうち広しといはず豊の秋 佐野まもる 海郷
鮭缶で二膳軽々豊の秋 高澤良一 暮津
秋ざくら径に溢れて豊の秋 遠藤梧逸
十畳を這ふやうに拭く豊の秋 辻 響子
松山の襞の啣める豊の秋 富安風生
鐘楼にもどる鐘の音豊の秋 柳澤和子
寝台車明けゆくほどに豊の秋 すずき春雪
水郷の雀いきいき豊の秋 倉持嘉博
掃除機に小銭吸はるる豊の秋 加藤憲曠
草葺の田舟溜りや豊の秋 西本一都 景色
腿太き土偶に割れ目豊の秋 矢島渚男
単線に駅を増やして豊の秋 島田芳恵
彫り痕の雨のごとしも豊の秋 宮坂静生 樹下
柘植の庄霧に現る豊の秋 八木林之介 青霞集
柘植の庄霧に現れ豊の秋 八木林之助
闘牛の黒縅ゆく豊の秋 綾部仁喜
乳呑子は腕に吸ひつく豊の秋 岩田 由美
馬はみな馬の形や豊の秋 藤田湘子
俳諧の奉行何処に豊の秋 高澤良一 鳩信
買ひ換への新車の届く豊の秋 中林利作
飛ぶ鳥の足が重たし豊の秋 稲井爽秋
百坪の婆の帆待田豊の秋 竹内茂子
並木植生常植や豊の秋 多田 三恵子
米倉に風入れてをり豊の秋 斉藤葉子
法起寺の裏は塀無し豊の秋 平田冬か
豊の秋けむりたちまち家をつつみ 田中裕明 櫻姫譚
豊の秋逢ひたる友を鷲掴みに 成田千空 地霊
豊の秋巌の間より湯の噴けり 田口彌生
豊の秋水も豊かな結びの地 関森勝夫
豊の秋中風の姥を家に捨て 相馬遷子 雪嶺
豊の秋飛鳥大仏黯湛と 飯島晴子
豊の秋紛れまじきは子の黄帽 香西照雄 素心
豊の秋流人の島と思はれず 近藤朝子
豊の秋佛を囲むほとけたち 金子青銅
夜鳴そば呼びて百姓豊の秋 亀井糸游
鈴木某方々にをり豊の秋 鈴木鷹夫 千年
老人でバスの混み合ひ豊の秋 片山由美子 水精

豊の秋 補遺

ある僧の頭陀ぺしやんこや豊の秋 阿波野青畝
お伊勢様御稲の倉も豊の秋 阿波野青畝
カハセミに露ほとばしる豊の秋 飯田龍太
けふはこの谷を刈るべし豊の秋 山口青邨
こめかみは米噛みのこと豊の秋 鷹羽狩行
さかな屋の笊の銭鳴り豊の秋 鷹羽狩行
みちのくの峡の棚田や豊の秋 古郷
みちのくの星をこぼさず豊の秋 鷹羽狩行
わが五体摩滅をいそぐ豊の秋 佐藤鬼房
一握の灯が汽車となる豊の秋 鷹羽狩行
一社一寺高処にまもり豊の秋 鷲谷七菜子 游影
一調の鼓は豊の秋にうつ 山口青邨
稲ならぬものぬきんでて豊の秋 鷹羽狩行
駅前に少しの家や豊の秋 高田風人子
遠山の中腹に家豊の秋 森澄雄
歌行燈の街に流離や豊の秋 角川源義
岩崎太造破顔一笑豊の秋 桂信子 草影
畦の草ぐさも穂を垂れ豊の秋 鷹羽狩行
県の名の銀行を出て豊の秋 鷹羽狩行
御神徳湖にも及び豊の秋 右城暮石 句集外 昭和六十二年
甲斐盆地案山子が多く豊の秋 山口青邨
皇太子来る豊の秋国旗出す 山口青邨
三角田五角田なべて豊の秋 林翔
手で叩く牛の垂れ首豊の秋 鷹羽狩行
酒ほがひ友等わが古里に豊の秋 山口青邨
宗匠は美濃の百姓豊の秋 阿波野青畝
松山の襞の啣める豊の秋 富安風生
信貴山絵巻その「飛び倉」や豊の秋 能村登四郎
人を呼ぶ口笛効かず豊の秋 上田五千石『琥珀』補遺
垂涎の女体土偶や豊の秋 能村登四郎
水門の扉はとざす豊の秋 山口青邨
石垣の切れしそこより豊の秋 廣瀬直人
大いなる阿蘇の八十田は豊の秋 阿波野青畝
田の面をかくも平に豊の秋 鷹羽狩行
徳利をあの世の供に豊の秋 桂信子 草影
廃線の駅舎を残し豊の秋 鷹羽狩行
膝に解く駅弁当や豊の秋 高田風人子
豊の秋いまもむかしもおのが眼か 飯田龍太
豊の秋中風の姥を家に捨て 相馬遷子 雪嶺
豊の秋轍に昨夜の雨溜る 津田清子
豊の秋百万ドルの灯も翼下 阿波野青畝
豊の秋紛れまじきは子の黄帽 香西照雄 素心
鳰にまた鶲を加へし豊の秋 森澄雄

豊の秋 続補遺

よき年の米喰そめつ豊の秋 露印

以上

by 575fudemakase | 2018-09-26 18:49 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

厚岸草 の俳句

厚岸草 の俳句

厚岸草

オホーツクに神の一と刷毛珊瑚草 嶋田摩耶子
オホーツクの風育てしや珊瑚草 坊城中子
オホーツクよりの汐染め珊瑚草 吉村ひさ志
群れてこそ雨降つてこそ珊瑚草 坊城 中子
厚岸草紅し湖畔を潮飛んで 矢島渚男 延年
厚岸草夢見ごこちに少女舞ふ 中山砂光子 『納沙布』
珊瑚草サロマ湖畔にうつとりす 矢島渚男 延年
珊瑚草つきるところにオホーツク 三浦恵子
珊瑚草の藍の水窪雲去らず 小林道子 『下萌』
珊瑚草雨月の沖の光りをり 澤田緑生
珊瑚草果てしところに海開け 司城芙路子
珊瑚草国の果なる夕日燃ゆ 深谷雄大
珊瑚草祭の漁師赤はんてん 小林雪雄 『海明け』
珊瑚草咲かせさいはて泰けしや 中山砂光子 『納沙布』
珊瑚草水に溺れてゐたる色 小林草吾
珊瑚草透明に風過ぎて行く 水見壽男
色づいて水の明るき珊瑚草 的場松葉
青鷺の憩ふ足座の珊瑚草 中村順子
待宵の湖まだ暮れず珊瑚草 澤田緑生
地の果を淋しがらせず珊瑚草 稲畑汀子
潮かぶる所の珊瑚草赤し 稲畑広太郎
燃えつきるものに夕日と珊瑚草 後藤北陽
波寄せてゐる刻とみし珊瑚草 嶋田一歩
浜人のことばは荒し珊瑚草 嶋田摩耶子
落照にほむら極まる珊瑚草 石垣軒風子

以上

by 575fudemakase | 2018-09-18 06:55 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

孤独 の俳句

孤独 の俳句

孤独

あたたかし背後はいつも孤独にて 石原八束
いくたびも鷹の孤独を放ちけり 水田光雄
えびがにを釣る受験後の孤独顔 殿村莵絲子 遠い橋
おなじ速さに円を描きてゐる鳥よかかるかたちの孤独もあらむ 谷井美恵子
おほき孤独が鮟鱇にぶら下がる 辻美奈子
かくれんぼ鬼の孤独や夕焼くる 佐土井智津子
カナリヤの孤独校長室に飼はれ 穴井太 鶏と鳩と夕焼と
かりそめの孤独は愉しビール酌む 杉本零
キーパーの孤独へ流れ鰯雲 小島健
くさめして鶴の番人孤独なり 成瀬櫻桃子
くちなはの遮るもののなき孤独 吉野十夜
ことばもたぬ守衛の孤独夏草に 栗林一石路
さきがけはいつも孤独の山茱萸黄 岩岡中正
したたかに水打ち孤独なる夕 柴田白葉女
しみじみとわれの孤独を照らしをり札幌麦酒のこの一つ星 荻原裕幸
しんがりを行きて野遊び孤独もち 甲斐 とくえ
スケートの渦に乗りゐて孤独なり 黒坂紫陽子
すさまじき孤独や象の花吹雪 加藤楸邨
チューリップ原色はみな孤独なる 中村正幸
つきまとふ咳に孤独のはじまりぬ 新田充穂
とほい風の孤独に堪えて塩は白いか 金井明
ドラマーの孤独の眼鏡僕の眼鏡 鈴木六林男 桜島
ナイターの最上段にあり孤独 南雲愁子
ナイターの芝生役手こそ孤立像 河野南畦 『風の岬』
ねむりいて耳が孤独よ雪夜の父 寺田京子 日の鷹
パラソルの中を孤独と思はずや 鷲巣ふじ子
はんざきに夜来て孤独透き透る 山崎政江
ひとなかに弁当開き孤立せり 冨山としを
ひとりぼつちにはまなすの花の数 石田郷子
ひとりぼつちの泊灯ね 寒いわ お父さん 伊丹三樹彦 樹冠
ひまはりの迷路孤独は鋭利なもの 今井豊
ひろひためし栗を孤独の灯にひろげ 瀧春一 菜園
ふくろふの声ふところに孤独かな 高屋窓秋
ペンペン草孤独あつまる山羊の額 岡崎ゆき子
マーライオンの灯に寄る守宮 しかと孤独 伊丹公子 ドリアンの棘
またもとのひとりぼつちの夜釣かな 加藤 覚範
マラソンの背に負ふ孤独北風つよし 中尾みどり
ゆく秋の孤独が抱く膝がしら 高橋光子
るいるいといそぎんちやくの咲く孤独 土橋石楠花
るいるいと磯巾着の咲く孤独 土橋石楠花
葦火してしばし孤独を忘れをる 竹下しづの女
飴舐めて孤独擬や十三夜 佐藤鬼房 「何處へ」以降
粟蒔いて孤独の影をかへりみず 中村秋一
衣更孤独を隠すこと覚ゆ 森 敏子
一億年ぽっちの孤独春の雨 高野ムツオ 蟲の王
鰯雲鼻の孤独の極まるなり 加藤楸邨
雲の無く月は孤独でありにけり 粟津松彩子
雲雀仰ぐ/孤独や/山姿は/字國定 林桂 銀の蝉
雲雀野を行き一人づつひとりぼつち 行方克巳
影も又孤独となりて冬木立つ 田中 蘇水
永き日のことに孤独を愛しけり 高橋淡路女 梶の葉
永き日の銀座大路にゐて孤独 田中兼豊
泳ぎつつ水に孤独になつてゆく 粟津松彩子
炎天やひとりぼつちの父の墓 松崎あき子「貴船菊」
炎熱の日々を過ごせり氷塊のやうなる孤独地獄とともに 江畑實
遠花火ひとりぼつちにあきるまで 片山芙美子
遠足にとり囲まれて象孤独 野中亮介
黄金虫の羽根美しき孤独かな 細見綾子
黄門祭の沸点にゐて孤独かな 馬籠よ志子
乙字の忌孤独地獄といふ寒気 新谷ひろし
夏草やひとりぼつちに吾子の墓 田子鴨汀
花桐や孤独でありし少年期 吉村ひさ志
花終る春蘭のまた孤独かな 北原志満子
華やかな孤独へ太古からの舌 松本恭子 二つのレモン 以後
華やかに咲いても孤独アマリリス 川口咲子
芽柳の孤独の淵に心欲る 高澤晶子
蟹孤独炎ゆる砂どち歌へるに 川口重美
外套の肩の断崖孤独かな 不破博
街の灯や岩の孤独はひとに告げず 石橋辰之助
蛙の子飼つて孤独の性子にも 安住敦
蛙鳴く孤独を耐へてゐる夜も 雨宮抱星
柿冷ゆる重みよ孤独なる手相 品川鈴子
寒晴や釘は一本づつ孤独 奥坂まや
寒地獄孤独なるとき笑ひけり 小林康治
寒釣の孤独まさぐる糸長し 斉藤満子
寒梅の孤独と言へぬ花の数 江口竹亭
寒夜孤独反古だまうごきつゝ燃ゆる 川口重美
館孤独梅雨晴雀戸に来ても 下村ひろし 西陲集
眼帯の朝来て原子炉孤独なり 宮川としを
岩頭の孤独な恋ぞ鵜のもてり 田原俊夫
亀の子の買はれて乾く孤独な背 乾鉄片子
蟻地獄孤独地獄のつゞきけり 橋本多佳子
蟻地獄孤独地獄のつづきけり 橋本多佳子「紅絲」
掬はれて金魚の孤独始まれり 森高たかし
吉良常と名づけし鶏は孤独らし 穴井太
玉葱の厨に芽吹く孤独かな 野崎宮子
桐の実の孤独へ風の音乾く 古市絵未
金魚も孤独気泡を一つまた一つ 三谷昭 獣身
熊穴に入るや孤独の風の音 中谷真風
群なして孤立無援の曼珠沙華 吉田静子
群れてゐて一花の孤独曼珠沙華 上原白水
群像のいづれも孤立夏館 鍵和田[ゆう]子 未来図
畦塗つて峡に孤独の田となせり 宮津昭彦
茎立や子なき夫婦の相孤独 西本一都
犬ふぐり一ぱい咲いてゐる孤独 加倉井秋を
元旦の孤独を映画館にもまれ 藤木清子
元日の孤独を映画館にもまれ 藤木清子
孤独かと問はる湯治の甲斐の春 及川 貞
孤独このとき夕顔が咲きました 清水径子
孤独とは息らふためか風の中われと駝鳥は柵をへだてて 小中英之
孤独なやつさ茅の焚火をでかくして 細谷源二
孤独なり冬木にひしととりまかれ 木下夕爾
孤独なるブロンズに夜の雪積り 山本歩禅
孤独なる姿惜しみて吊し経し塩鮭も今日ひきおろすかな 宮柊二
孤独なれば浮草浮くを見にいづる 細見綾子
孤独にも仲間は在りし帰り花 平林 良
孤独の勝利黒き秋衣に躯をつつめば 内藤吐天 鳴海抄
孤独よろしみそさゞえ更らに遠くのみそさゞえ 安斎櫻[カイ]子
孤独育つ古りて銘なき夏茶碗 殿村菟絲子
孤独三人豆撒くときの心寄る 殿村菟絲子
孤独参上むしっては食べる絹糸草 岸本マチ子
孤独汝枯野の丘に今日も見つ 中尾白雨 中尾白雨句集
孤独無限あざらし温む水くぐり 稲垣きくの 牡 丹
孤立して秋の火を焚く石の上 椎橋清翠
孤立せる老鶏頭を一瞥す 相生垣瓜人 明治草抄
枯れるものすべて孤独となりにけり 大竹喜代子
枯れる滝女教師喋らねば孤独 河合凱夫 飛礫
枯草の大孤独居士ここに居る 永田耕衣
枯草の大孤独居士此処に居る 永田耕衣
枯雄羊歯からから孤独の音こぼす 加藤房子
胡桃の実カサと割りつつ酒を飲む夫の孤独の縁にわが座す 平林静代
五月祭の汗の青年病むわれは火のごとき孤独もちてへだたる 塚本邦雄
耕耘機畦の黄菊を孤独にす 津村青岬 『南紀』
妻がゐて子がゐて孤独いわし雲 安住 敦
雑炊や猫に孤独といふものなし 三鬼
雑踏の中の孤独や春愁い 井上かつ枝
三羽いて 三羽の孤独 汐木の鳶 伊丹三樹彦 樹冠
傘で指すボタ山するどく孤立して 穴井太 穴井太集
散るさくら孤独はいまにはじまらず 桂 信子
四葩淡し個が孤立して己れなる 河野多希女 こころの鷹
詩は孤独風向き変へて野火走る 中村明子
七夕や孤独をしらずして老ゆる 池上不二子
煮大根を煮かへす孤独地獄なれ 久保田万太郎
煮大根煮かへす孤独地獄なれ 久保田万太郎
謝肉祭の肺(ルンゲ)の孤独海に染まず 石原八束 『雪稜線』
灼くる宙に眼ひらき麒麟孤独なり 中島斌男
手入れよき庭が鈴蘭孤独にす 稲畑汀子
種子島鳴つて孤独・熊腑抜けたり 筑紫磐井 婆伽梵
秋の日や凭るべきものにわが孤独 木下夕爾
秋汐に泳ぐ孤独の男あり 鈴木真砂女 夕螢
秋風の吹き抜く孤独地獄の底 小林康治
終戦日孤独の風呂を溢れさす 雨宮抱星
俊寛孤独のごとき蓬髪藪拓く 加藤知世子 花寂び
春の草孤独がわれを鍛へしよ 藤田湘子 てんてん
春愁や孤りと孤独とは違ふ 田畑美穂女
春燈のもと愕然と孤独なる 桂 信子
春嶺の気流に孤独の鳶乗れり 渡邊日亜木
初庚申長蛇の列にゐて孤独 山本美智子
初紅葉なる一本の木の孤独 今橋眞理子
除草機押すひとりびとりの孤独境 伊丹三樹彦 人中
小春日を跳んでも跳んでも孤独です 上村益穂
少年の孤独捕へし蟻地獄 清水節子
少年早や魚割く孤独野分充つ 楠本憲吉
松過ぎて個室の孤独始まれり 朝倉和江
消灯は孤独の一つ虫しぐれ 桂樟蹊子
鉦叩たゝきて孤独地獄かな 安住 敦
常高き麒麟の孤独花吹雪 恩田野生
色鳥がひとりぼつちの妻に来る 細川加賀
真清水に口痺らして孤独癖 内藤吐天 鳴海抄
真青なる孤独に乗りぬハングライダー 水野良明
身を吊る巌流汗冷ゆるとき孤独 小松崎爽青
辛夷ついに開く孤立に堪えられず 田邊香代子
人去りて孤独に戻る座禅草 八木澤高原
人込みを抜けて孤独や*きりぎりす 佐藤栄一
甚平の肩怒らせて孤独なる 堀内一子
水着着て身軽く出でて孤独なり 倉橋羊村
棲むものの孤独月牙の泉あり 稲畑汀子
逝く年の孤独大手を振つて通る 山田みづえ
青蜥蜴孤独ならずよ交ひ落つ 稲垣きくの 牡 丹
赤とんぼこんな孤独な世があろうか 細谷源二
赤もまた孤独なりけり寒椿 和田律子
赤鬼と孤独分けあふ春の月 斎藤光子
節分の火の粉を散らす孤独の手 鈴木六林男
雪やなぎ母に孤独の刻多し 田中灯京
雪礫うちし孤独のかへりけり 小林康治 玄霜
蝉のごとあをあをとゐて孤独なり 栗林千津
蝉生る孤独の殻を脱ぎすてて 渡辺寛子
仙人掌の花の孤独を持ち帰る 上田日差子
船火事は孤独の業火妻に見す たむらちせい
善丁また孤独の冬に入りにけり 下村ひろし
草の花孤独は天に蝶ふゆる 窓秋
足組むも孤独のかたち落葉ふる 米岡幸子
足袋外套脱ぎ散らさでや孤独慣れ 石塚友二 方寸虚実
太宰の夏孤独は湖へ置いて来し 河野南畦 湖の森
太陽に埋れてやぬくき孤独かな 永田耕衣 陸沈考
太陽は孤独でありし草の花 澤井我来
台風の眼に入る街の孤独かな 加藤はま子
大都市を孤独に歩くサングラス 山田弘子 螢川
滝の大音響吾を孤立さす 津田清子 礼 拝
瀧の大音響吾を孤立さす 津田清子
茸山の茸の孤独に囲まるる 三谷 昭
炭焼きは孤立無援に煙あぐ 末近国成
団栗にうたれし孤独地獄かな 藤田湘子
暖かな孤立ありけり試着室 隈元拓夫
男と女海の孤独を泳ぎぬけ 三谷昭 獣身
地下街の柱の孤独去年今年 戸板幽詩
地虫こそ自我の孤独の声放つ 殿村 莵絲子
蜘蛛の囲は蜘蛛の孤独の広さとも 長山あや
着飾りて磯巾着の孤独かな 市野川豊昭
昼は疲れ夜は孤独な田掻牛 中山純子
虫の闇大黒柱孤独なり 澁谷道
虫鳴けば孤独も詩の肥しかな 富田潮児
張り終へし大蜘蛛の巣の蜘蛛孤独 後藤 寿美
帝王の孤独のやうに月あがる 地平に眠る雲を照らして 高島裕
天が下孤独に堪へて種蒔ける 小林鹿郎
天を指す土筆一本づつ孤独 福本五都美
冬ざれや石に腰かけ我孤独 虚子
冬待つやひとりぼつちの神威岩 細川加賀 生身魂
冬凪をゆけば孤独もゆたかなり 中川和子
冬帽子冠りてよりの孤独なる 毛塚静枝
凍鶴を見しより孤独ふかみけり 成瀬桜桃子
灯を消して孤独の孤独たのしきかな 藤木清子
灯台の孤独な佇立吾亦紅 奥平考芦
白という孤独運動靴の少年 高階健一
白蚊帳に孤独の母が透きとほる 藤井 亘
白菜の孤独 太陽を見送つている 吉岡禅寺洞
白鞘の孤独な反りも冬に入る 宮城白路
白息に眼を湿らせし孤独かな 三浦紀水 『湖その後』
白桃を剥けば夜が来て孤独が来 鈴木真砂女 夕螢
麦秋駈る天地孤独のトラクター 平井さち子 完流
筏鳴に鳴き移らるゝ孤独も佳し 石塚友二
鳩吹く風リフトにひとりぼつちかな 鈴木寿美子
百年も孤独でいれば枯葎 石井嗣子
百落ちて百の孤独の木の実かな 梅本伸子
病葉や孤独楽しむ老人ら 村田脩(萩)
浜木綿の花のしろさ 琉球はいま 孤独です 吉岡禅寺洞
風が来て廻す孤独の風車 山口素人閑
風に咲く薊荒寥たる孤独 内藤吐天 鳴海抄
風の花葛/ももんがに/かの/紺色孤独 林桂 銀の蝉
風花や孤独と云いて自由なり 豊福芳枝
文芸の孤独を訪はれ火取虫 山田弘子 懐
方正の囲炉裏孤独の二人哉 露月句集 石井露月
万緑や巨岩の孤独はじまれる 殿村菟絲子 『晩緑』
万緑や巨石の孤独はじまれり 殿村菟絲子
蓑虫の綴れ錦を着て孤独 田中英夫
霧とぶよ青田孤独の貌ばかり 宮坂静生 雹
椋鳥の樹を埋めつくす孤独かな 岩切雅人
毛虫焼く焔このとき孤独でなし 橋本多佳子
木の実独楽マッチの脛を見せて孤独 細谷源二
門出でてすでに孤独やあきの暮 米澤吾亦紅
夜が好きで孤独が好きで茶立虫 高岡智照
夕焼のひろがるほどに孤独知る 山本歩禅
落葉降る一葉一葉に孤独埋め 服部初枝
立版古仕立屋銀次孤独なり 久米三汀
涼風は四通八達孤独の眼 中村草田男
冷蔵庫と真夜の孤独を共にせり 熊谷愛子
冷蔵庫開けて孤独をまのあたり 風間 圭
曼珠沙華孤立無援が好きですか 田邊香代子
囀や孤独になれて部屋広し 小松崎爽青
狆曳きの雛の孤独を今知れり 殿村菟絲子
筍梅雨地球の孤独深めけり 脇本星浪
胼割れの指に孤独の血が滲む 三橋鷹女
蘆火してしばし孤独を忘れをる 竹下しづの女
蜥蜴去り石切る孤独また戻る 三谷昭 獣身
鮑かむ鼻が重たき孤独かな 渡部陽子
鳰ひとりぼつちの水輪描き 西村和子 かりそめならず
鵯は睦み鵙は孤独のしぐれどり 千代田葛彦
黴咲かせ孤独地獄と現じけり 小林康治 玄霜

孤独 補遺

*あぎとふ金魚孤立無援を気にするな 佐藤鬼房
アシカの演技映す孤独なバーのテレビ 金子兜太
カンナ散り孤独の日々を愉しめり 三橋鷹女
クリスマスカードを送り来て孤独 後藤比奈夫
こころいつか蟇の孤独の唱に和す 能村登四郎
すさまじき孤独や象の花吹雪 加藤秋邨
その家の孤立はじまる稲架組んで 能村登四郎
トンネルの口や孤独の曼珠沙華 渡邊白泉
ひとりぼつちのふたりぼつちや桜桃 平井照敏 猫町
ふくろふの声ふところに孤独かな 高屋窓秋
みな孤独金亀子まろび竃馬跳ね 安住敦
わが孤独ひしと黄套ひるがへし 伊丹三樹彦
飴舐めて孤独擬や十三夜 佐藤鬼房
一日一日鰥寡孤独の秋深む 山口誓子
鰯雲鼻の孤独の極まるなり 加藤秋邨
駅前緑地老いて孤独の朝から坐す 伊丹三樹彦
黄金虫の羽根美しき孤独かな 細見綾子
花に泣く眼には孤独の病む涙 高屋窓秋
荷役後の舷の孤独に水夫(かこ)眠る 金子兜太
我の「孤独」は「真赤な血」なるを鵙も知らぬ 中村草田男
蛙の子飼つて孤独の性、子にも 安住敦
寒地獄孤独なるとき笑ひけり 小林康治 玄霜
汗の孤独九十九里浜に歩み出で 大野林火 白幡南町 昭和三十二年
蟻地獄孤独地獄のつづきけり 橋本多佳子
吸入の顎拭き孤独きはまりぬ 岡本眸
空罐のなかには泥鰌孤独者 阿波野青畝
月夜霧孤立キヤンプがをのゝけり 能村登四郎
孤独かと問はる湯治の甲斐の春 及川貞 夕焼
孤独なりさぼてん蒼き花を挙げ 三橋鷹女
孤独なり鴉おびただしく鳴き去り 伊丹三樹彦
孤独なれば浮草浮くを見にいづる 細見綾子
孤独な鹿草けり水けり追われる鹿 金子兜太
孤独のあかんぼちんぼこさらし裸麦 金子兜太
孤独登山者に巌裏ほそき滝一条 能村登四郎
孤立してより寒のししむら艶を帯ぶ 能村登四郎
孤立せる老鶏頭を一瞥す 相生垣瓜人 明治草
枯尾花すつくと孤立せるがあり 佐藤鬼房
枯木星孤立無援の吾に点く 津田清子
湖に不眠の手足浸らせ孤独癖 楠本憲吉 孤客
香水のおのが香にゐる孤独かな 岡本眸
高原の孤独日傘の絹を張り 津田清子 礼拝
妻がゐて子がゐて孤独いわし雲 安住敦
朔風の天に円月の大孤独 日野草城
桜くもり鏡に写す孤独の舌 西東三鬼
雑炊や猫に孤独といふものなし 西東三鬼
三羽いて 三羽の孤独 汐木の鳶 伊丹三樹彦
散るさくら孤独はいまにはじまらず 桂信子 月光抄
珊瑚採る男端居に夜も孤独 大野林火 雪華 昭和三十四年
時かけて酌みしビールや孤立無援 楠本憲吉 孤客
手には雀が 鳩が 孤独を忘れている 伊丹三樹彦
秋汐に泳ぐ孤独の男あり 鈴木真砂女
秋風の吹き抜く孤独地獄の底 小林康治 玄霜
春の草孤独がわれを鍛へしよ 藤田湘子 てんてん
春灯のもと愕然と孤独なる 桂信子 月光抄
除草機押すひとりひとりの孤独境 伊丹三樹彦
少年早や魚割く孤独野分充つ 楠本憲吉 孤客
掌の木の実ひとに孤独をのぞかるる 橋本多佳子
樟大樹孤独の翡翆翔けまどひ 中村草田男
鉦叩たたきて孤独地獄かな 安住敦
棲むものの孤独月牙の泉あり 稲畑汀子
逝く年の孤独大手を振つて通る 山田みづえ 忘
青簾真昼爪きり孤独もよし 鈴木真砂女 夏帯
雪礫うちし孤独のかへりけり 小林康治 玄霜
草の花孤独は天に蝶ふゆる 高屋窓秋
足袋外套脱ぎ散らさでや孤独慣れ 石塚友二 方寸虚実
鯛の打菓子尾鰭より食み孤独の孤独 三橋鷹女
滝の大音響吾を孤立さす 津田清子 礼拝
団栗にうたれし孤独地獄かな 藤田湘子 途上
漬菜石つひの孤独の重み出す 能村登四郎
天澄むに孤独の手足わが垂らす 桂信子 月光抄
冬天に鳥敏く去りわが孤独 伊丹三樹彦
冬磧孤独の石の掘り出され 能村登四郎
働らくうしろ孤独の見学者と虫音 大野林火 雪華 昭和三十八年
日の中の孤独枯木に雲とどかず 鷲谷七菜子 黄炎
熱湯の孤独を寸長き素顔 橋閒石 風景
波あげて鵜岩の孤独わだなかに 橋本多佳子
白桃を剥けば夜が来て孤独が来 鈴木真砂女 夕螢
白癬の山山にはや孤独なし 佐藤鬼房
麦秋の孤独地獄を現じけり 安住敦
晩春の樅の孤立に日けぶれる 佐藤鬼房
壁白く孤独のわれとなりてゐる 日野草城
片虹に瞑目孤独などあらず 佐藤鬼房
歩哨小屋 いまも孤立し 曼珠沙華 伊丹三樹彦
埋立沙漠の果で魚釣る 孤独強め 伊丹三樹彦
稔田を眼下精英樹の孤独 佐藤鬼房
柚子の香に追ひぬかれたる孤独かな 加藤秋邨
夕焼に孤独なりけりゆまりして 山口誓子
流燈やひとりぼつちのタイ嘆く 秋元不死男
憐れまず孤独を好む蜘蛛なれど 相生垣瓜人 明治草
胼割れの指に孤独の血が滲む 三橋鷹女
薔薇の花期吾より孤独に強き吾娘 中村草田男
飆天に孤独なる月よ照るほかなし 日野草城
黴る日々不安を孤独と詐称して 中村草田男
黴咲かせ孤独地獄と現じけり 小林康治 玄霜

以上


by 575fudemakase | 2018-09-12 09:10 | 無季 | Trackback | Comments(0)

紅一点 の俳句

紅一点 の俳句

紅一点現れぬまま年忘れ 鷹羽狩行
紅一点とは唇のこと霧山中 鷹羽狩行
紅一点仕切る朝市寒の鰤 堀江万代子
雲の上より降拝の紅一点 平畑静塔
夏至の萩紅一点を明らかに 阿波野青畝
砂嘴に在り紅一点の漁家の梅 阿波野青畝
冬の芽の意志すこやかに紅一点 柴田白葉女 『冬泉』
姫なでしこの紅一点の露まみれ 柴田白葉女
切手売る初髪の紅一点嬢 秋元不死男
あめつちのをはりのときぞ紅一点 関口比良男
翡翠の紅一点につづまりぬ 高浜虚子

以上


by 575fudemakase | 2018-09-12 02:27 | 無季 | Trackback | Comments(0)

昭和 の俳句

昭和 の俳句

昭和

あかぎれが疼くよ昭和ひとけたよ 宇咲冬男
あかつきの死色浮かびぬ花の窓(昭和三十九年四月五日三好達治先生逝く) 石原八束 『操守』
いちじくや昭和倦くなき媼の邑 和田悟朗 法隆寺伝承
うすうすと昭和の終り蓑虫鳴く 石寒太 翔
おもかげに荒草まじる昭和かな 永末恵子
サイタサイタ昭和も昏れて年迎う 穴井太 原郷樹林
ざら紙の昭和の戦史黴匂ふ 老川敏彦
しんがりに昭和一桁花筏 山崎 聰
スキーバス轟々昭和終る夜も 堀口星眠
ステテコや彼にも昭和立志伝 小沢昭一
するすると絵馬の蛇消え昭和消え 寺井谷子
ソメイヨシノ昭和の端を歩いてきた 岡崎淳子
たっぷりと昭和に生きて毛虫焼く 藤原美峰
ところてん昭和がふつと顔を出す 藤田湘子 てんてん
なづな粥すする昭和の消え行く日 町田しげき
なづな粥泪ぐましも昭和の世 沢木欣一
はづかしき昭和戦史や残花余花 三橋敏雄
ぴいぴい昭和のテレホンカード鳥雲に 望月たけし
ひたひたと昭和曳きゆく夜の蝉 酒井弘司
ビル街より海近からむゆるゆると昭和晩期を渡るかりがね 篠弘
ポケットに星屑ありし昭和かな 高野ムツオ 蟲の王
ほたる袋のぞいてみれば昭和かな 中村寿子
みどりの日昭和一桁老いにけり 稲畑広太郎
阿部定にしぐれ花やぐ昭和かな 筑紫磐井
綾取のひとつひとつに昭和かな 神郡 貢
暗がりに外套ならぶ昭和かな 徳弘純
一月七日昭和が終る水飲めり 宮田カィ子
永かりし昭和の松を納めけり 綾部仁喜 樸簡
温め酒男の昭和終らざり 吉田比呂志
夏の夜の宴昭和のタップかな 高澤良一 暮津
嫁が君厳しき昭和なつかしき 濱田淡水
花見するたびに昭和の遠ざかる 鈴木蝶次
蚊帳吊りし昭和の釘の残りけり 成井 侃
海ゆかば海に橋なし昭和果つ 沼尻巳津子
海胆の生殖己に昭和の過ぎゆける 和久井幹雄
開戦の目に沁むばかり冬菜の霜(昭和十六年十二月八日) 田川飛旅子 『花文字』
角々に昭和の兵士結氷期 米花紺子
寒行の鈴に昭和の遠ざかる 岡林博茂
寒濤へ昭和の落暉呑まれゆく 甲斐すず江
寒蜆昭和ひと桁またも死ぬ 辻田克巳
干飯噛む錆びし昭和の金歯かな 五島エミ
汗をかき日々を勇んでああ昭和 高澤良一 随笑
眼鏡の露より昭和はじまれり 攝津幸彦
顔ぶれも昭和生まれの踊人 高澤良一 随笑
既に陳(ふ)る昭和の書あり曝すなり しづの女
鬼燈の透けて余命の昭和かな 石寒太 翔
去りまして永き昭和の寒さかな 山田みづえ 草譜以後
胸底に昭和居すわる寒暮光 吉見弘子
鏡中に昭和果てたる床柱 桂信子
桐の花大正昭和四姉妹 松丸とわ子
茎石や昭和さんざん泣かせたる 齊藤美規
月日貝置き忘れたる昭和かな 高橋健文
元禄も昭和も末世大雪解 西本一都
枯蓮の水の明るさ昭和果つ 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
後ろ手に襖を閉めて昭和亡し たむらちせい
更けゆくや雨降り変はる夜の雪 碧童 (昭和十二年二月一日碧師病歿、通夜)
黒葡萄いささか渋き昭和かな 鍵和田「ゆう」子
忽然と昭和をはりぬ夕霧忌 森竹須美子
今もなほ昭和が好きで籠枕 池田琴線女(うぐいす)
今日のみの昭和しるせりカルテ数枚 八木三日女
最も永き昭和のばらの咲きはじむ 阿部みどり女 『石蕗』
菜の花や昭和の色に暮れている 仁田脇一石
冴返り冴返りつつ逝く昭和 中嶋秀子
錆釘も漬けて昭和を赦しおり 大津淳
残花散る昭和の証言上下巻 川崎展宏 冬
四方山の紅葉疲れを昭和びと 三橋敏雄
思ひつめゐる明眸の昭和雛 倉橋羊村
七種を摘む間に昭和終らむと 小泉八重子
七草の粥ふつふつと昭和終ゆ 斎藤節子
七草粥今日をかぎりの昭和かな 福川八重子
七草粥吹いて昭和を送りけり 三嶋隆英
七日粥一炊の間の昭和かな 菅野洋々
七日爪飛ばし昭和と別れけり 持田経子
煮凝や還暦といふ昭和の子 宮岡計次
車中の夕日昭和が溺死していたり 高野ムツオ
若かりし昭和も老いぬ七五三 相馬遷子 雪嶺
若菜野に雨降りやまず昭和逝く 垣迫俊子
手錠が光っているだけの昭和だった 青倉人士
手焙の燠消えてゐて昭和過ぐ 大屋達治
種ふくべ昭和の果を見てゐたり 黛執
種袋昭和の音と違ひけり 脇本星浪
終らぬ昭和シベリアの匙むきだしに 小田 保
春雨や昭和を生きし井戸閉ざす 太田裕子
春眠し昭和一桁ことに眠し 大牧 広
春眠の昭和のはじめまだくらし 小川双々子
初むかし掌に書く昭和かな 宮崎とき女 『雪椿』
初島に遊んでをれば昭和果つ 鈴木鷹夫 春の門
昭和いつまで骨の音する蘆を刈る 上中章逸
昭和すでに撫子はみな何処へ行きし 苑子
昭和とは雪降る夜の悲恋に似て 七田谷まりうす
昭和ながかりし麦稈帽古りぬ 舘岡沙緻
昭和など忘れて久し春時雨 高野ムツオ 蟲の王
昭和の銀座へ冬帽を取りにゆく 小原洋一
昭和の子供と生れて老いぬ更衣 鈴木鷹夫 風の祭
昭和の子食うても食うてもそら豆 川崎展宏
昭和の松焚き平成の達磨買ふ 永井敬子
昭和の色大正の色錦鯉 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
昭和の世ひた惜しみ松納めけり 中本 柑風
昭和は過去白りんだうの先充つる 松村多美
昭和ますます遠くなりゆく小豆粥 行川行人
昭和また遠しと言はむ散り椿 所山花
昭和また銅像に雷近くなる 徳弘純 麦のほとり
昭和より流謫の日々や霜柱 斎藤慎爾
昭和一桁鯛焼のうらおもて 手塚 美佐
昭和永し旅路いづこも泡立草 安江緑翠 『枯野の家』
昭和遠し冷しトマトといふ肴 伊藤伊那男
昭和果つ七日の波頭すべて鎖 熊谷愛子
昭和経し身に冷え冷えと夕桜 川崎展宏 冬
昭和時代水銀燈の櫻の園 山口誓子 方位
昭和終りしてふサハリンの夏望む 山本つぼみ
昭和終るタイヤが咥えたる石と 鈴木六林男
昭和十一といふ大いなる年暮るゝ 富安風生
昭和塾出でて孔子木落葉かな 青木重行
昭和衰へ馬の音する夕かな 三橋敏雄
昭和逝くタンカーは鴎を曳いて 児玉悦子
昭和逝く七日の夜の雨の音 関森勝夫
昭和逝く七日の夜を髪洗ふ 蓬田紀枝子
昭和日暮の蚊帳吊草を吊る遊び 柿本多映
昭和畢るとて悪声の寒鴉 倉橋羊村
昭和夢見し少年倶楽都鳥渡る 高橋康菴
昭和余年平成後年寒椿 大井恒行
松飾焚き悲しみの昭和果つ 小松崎爽青
障子貼り昭和を遠く生きている 岡本寿美子
上野池の端町を歩く昭和も五十年 村尾草樹
色変へぬ松や昭和の傷深く 片山由美子 風待月
人日の雲層々と昭和果つ 中村明子
人日の戸に昭和果つ雨の音 加藤 耕子
人日の日もて終りし昭和かな 稲畑汀子
人日の野辺に昭和の終る雨 落合水尾
人日や昭和を楯のわれも老ゆ 江ほむら
水虫は父の勲章昭和果つ 飯田綾子
水餅にかび浮き昭和遠きかな 福山良子
睡蓮に辿りつきたる昭和かな 徳弘純
星を見て爛れて我は昭和の子 攝津幸彦 鹿々集
正月のさてもなんきんたますだれ拡ぐるかなた昭和のけぶる 土井紀枝
生きるなり白息昭和より重ね 志摩知子
生き抜きし昭和がこころ紅葉酒 時野穂邨
西日さす昭和文学全集や 池田澄子
青き踏む昭和の恋の微熱めく 宮下裕大
青蚊帳を泳ぐ昭和の日暮かな 柿本多映
石炭も昭和も父も遠くなり 小田嶋典子
雪くれて昭和彷う黒マント 浅井愼平
雪に印す昭和を生きし靴の裏 佐々木春蔵
蝉鳴くや消えざるものにわが昭和 板津堯「雪起し」
戦いの昭和を生きてちやんちやんこ 寺西安子
双六の絵図に残りし昭和かな 赤井よしを
草を摘む昭和一桁雑食派 本宮鼎三
霜の土昭和無辜の死詰めて逝く 古沢太穂
足湿る冬日の巨象昭和逝く 柴崎左田男
大正・昭和・平成の人草を刈る 遠藤ひろし
大正も昭和も生きてさんま食ふ 深見けん二 日月
卓袱台は昭和の匂ひ四日かな 端山日出子
短足の昭和一桁浜蒲公英 中村棹舟
男らは戦争に行き昭和雲 高澤晶子
茶立虫修羅の昭和も晩年に 岩村蓬
茶立虫昭和一日づつ遠し 木内彰志
転がして掌にあそびたるかたつむり昭和果てゆくひかりならむか 三枝昂之
田作や昭和と同じ齢重ね 宮武章之
都鳥昭和の白のながれゆく 津根元潮
冬座敷かつて昭和の男女かな 宇多喜代子
冬山のいま終りたる昭和かな 中杉隆世
冬鳥の行衛の杳と昭和尽く たむらちせい
冬薔薇の蕾のままに昭和果つ 五島久子
道をしへ跳ね跳ね昭和永きかな 平畑静塔
読初の胸中熱し昭和篇 西田妙子
日寂然聞くは昭和のほとゝぎす 林原耒井 蜩
熱燗や昭和引ずり出して飲む 宮田よりを
白玉や つるんと昭和胃に落ちる 星永文夫
白地着て顔の見えざる昭和の夜 鴨下 昭
鉢叩いまだ昭和の終らざる 原裕 出雲
反芻をしてわれ生きむ馬くさき昭和の入口昭和の出口 山田富士郎
蕃茹に塩たっぷり昭和生まれなる 高澤良一 石鏡
飛花落花昭和を忘れたい人に 室生幸太郎
病むものの頸くらくらとゆれおりて昭和末期の日本の夏 糸川雅子
貧乏な鯵の開きの昭和色 田原俊夫
父の老凍雲起伏来し昭和 森 白樹
父ははの昭和も過ぎぬ蕗のたう 大木あまり 火球
平成も昭和も嫌ひ韮・蒜 攝津幸彦 鹿々集
名残梅雨斂葬をもて昭和逝く 泉治人
毛糸解く昭和の初め見えてくる 宮川三保子
夜半の冬昭和レトロの小津映画 大西恒生
野毛山の桜昭和の戦見し 高澤良一 随笑
厄落し昭和の維新遠くする 武井宝舟
油絵に昭和の暗さ夏館 長嶺千晶
輸入鮭吊つて遠のく昭和かな 小川笹舟
冷え冷えと刻の手裏剣昭和逝く 火村卓造
炉ふさいで炉を枕とす亡犀星(昭和三十七年三月二十六日犀星詩人逝く、室生家にて) 石原八束 『空の渚』
翅休め昭和の遺物扇風機 高澤良一 暮津
霙降る幾裏山や昭和終ふ 金箱戈止夫

昭和 補遺

ところてん昭和がふつと顔を出す 藤田湘子 てんてん
はづかしき昭和戦史や残花餘花 三橋敏雄
わが昭和血と酒にほひ易かりき 三橋敏雄
永かりし昭和は人日にて結ぶ 阿波野青畝
既に昭和二十七年のしづかな闇 日野草城
去りまして永き昭和の寒さかな 山田みづえ まるめろ
鏡中に昭和果てたる床柱 桂信子 樹影
金魚売昭和末期の声は褪せ 鷹羽狩行
限りなき外套の黄の昭和かな 桂信子 「草影」以後
枯赫く昭和あらあらしき世かな 岡本眸
咲きやすき櫻や昭和以後忽ち 三橋敏雄
四方山の紅葉疲れを昭和びと 三橋敏雄
若かりし昭和も老いぬ七五三 相馬遷子 雪嶺
春寒や昭和と古りて戦災記 上田五千石『天路』補遺
春深し遺る昭和に身を置けば 岡本眸
初日うらうら昭和元禄の花ふらし 山口青邨
昭和すでに撫子はみな何処へ行きし 中村苑子
昭和また一つ老いたり寒燈 藤田湘子
昭和果つかたまつてゆく裘 桂信子 樹影
昭和穴居の煙出しより春の煙 西東三鬼
昭和五十五年五月五日の那智御瀧 百合山羽公 樂土
昭和時代水銀燈の桜の園 山口誓子
昭和十五年終る日没す枯木かな 星野立子
昭和出征惨たり銃に巻く繃帯 三橋敏雄
昭和衰へ馬の音する夕かな 三橋敏雄
昭和平成その次知らず灯取虫 藤田湘子 神楽
人日の日もて終りし昭和かな 稲畑汀子
大晴れの昭和四十四年終る 高野素十
大正昭和二月の雪は深かりし 桂信子 草影
逃水の昭和元禄はてもなし 百合山羽公 樂土以後
道をしへ跳ね跳ね昭和永きかな 平畑静塔
不幸とのみ昭和を言ふな秋燈 藤田湘子 神楽
塀越す薔薇 戦後昭和を倦む勿れ 伊丹三樹彦
万愚節昭和無駄なく我にあり 藤田湘子 神楽
皺手の甲抓み引張るや昭和果つ 三橋敏雄
蜻蛉とぶ鎌倉時代昭和時代 高田風人子

以上

by 575fudemakase | 2018-09-11 06:07 | 無季 | Trackback | Comments(0)


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

プロフィールを見る
通知を受け取る

S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

カテゴリ

全体
無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
未分類

以前の記事

2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
more...

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...

メモ帳

▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

検索

タグ

最新の記事

みさご の俳句
at 2018-11-19 12:43
洋酒いろいろ の俳句
at 2018-11-19 05:31
洋酒あれこれ の俳句
at 2018-11-19 05:29
鷹の俳句 あれこれ
at 2018-11-18 21:24
鷹その他 の俳句
at 2018-11-18 21:20

外部リンク

記事ランキング