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厚岸草 の俳句

厚岸草 の俳句

厚岸草

オホーツクに神の一と刷毛珊瑚草 嶋田摩耶子
オホーツクの風育てしや珊瑚草 坊城中子
オホーツクよりの汐染め珊瑚草 吉村ひさ志
群れてこそ雨降つてこそ珊瑚草 坊城 中子
厚岸草紅し湖畔を潮飛んで 矢島渚男 延年
厚岸草夢見ごこちに少女舞ふ 中山砂光子 『納沙布』
珊瑚草サロマ湖畔にうつとりす 矢島渚男 延年
珊瑚草つきるところにオホーツク 三浦恵子
珊瑚草の藍の水窪雲去らず 小林道子 『下萌』
珊瑚草雨月の沖の光りをり 澤田緑生
珊瑚草果てしところに海開け 司城芙路子
珊瑚草国の果なる夕日燃ゆ 深谷雄大
珊瑚草祭の漁師赤はんてん 小林雪雄 『海明け』
珊瑚草咲かせさいはて泰けしや 中山砂光子 『納沙布』
珊瑚草水に溺れてゐたる色 小林草吾
珊瑚草透明に風過ぎて行く 水見壽男
色づいて水の明るき珊瑚草 的場松葉
青鷺の憩ふ足座の珊瑚草 中村順子
待宵の湖まだ暮れず珊瑚草 澤田緑生
地の果を淋しがらせず珊瑚草 稲畑汀子
潮かぶる所の珊瑚草赤し 稲畑広太郎
燃えつきるものに夕日と珊瑚草 後藤北陽
波寄せてゐる刻とみし珊瑚草 嶋田一歩
浜人のことばは荒し珊瑚草 嶋田摩耶子
落照にほむら極まる珊瑚草 石垣軒風子

以上

by 575fudemakase | 2018-09-18 06:55 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

孤独 の俳句

孤独 の俳句

孤独

あたたかし背後はいつも孤独にて 石原八束
いくたびも鷹の孤独を放ちけり 水田光雄
えびがにを釣る受験後の孤独顔 殿村莵絲子 遠い橋
おなじ速さに円を描きてゐる鳥よかかるかたちの孤独もあらむ 谷井美恵子
おほき孤独が鮟鱇にぶら下がる 辻美奈子
かくれんぼ鬼の孤独や夕焼くる 佐土井智津子
カナリヤの孤独校長室に飼はれ 穴井太 鶏と鳩と夕焼と
かりそめの孤独は愉しビール酌む 杉本零
キーパーの孤独へ流れ鰯雲 小島健
くさめして鶴の番人孤独なり 成瀬櫻桃子
くちなはの遮るもののなき孤独 吉野十夜
ことばもたぬ守衛の孤独夏草に 栗林一石路
さきがけはいつも孤独の山茱萸黄 岩岡中正
したたかに水打ち孤独なる夕 柴田白葉女
しみじみとわれの孤独を照らしをり札幌麦酒のこの一つ星 荻原裕幸
しんがりを行きて野遊び孤独もち 甲斐 とくえ
スケートの渦に乗りゐて孤独なり 黒坂紫陽子
すさまじき孤独や象の花吹雪 加藤楸邨
チューリップ原色はみな孤独なる 中村正幸
つきまとふ咳に孤独のはじまりぬ 新田充穂
とほい風の孤独に堪えて塩は白いか 金井明
ドラマーの孤独の眼鏡僕の眼鏡 鈴木六林男 桜島
ナイターの最上段にあり孤独 南雲愁子
ナイターの芝生役手こそ孤立像 河野南畦 『風の岬』
ねむりいて耳が孤独よ雪夜の父 寺田京子 日の鷹
パラソルの中を孤独と思はずや 鷲巣ふじ子
はんざきに夜来て孤独透き透る 山崎政江
ひとなかに弁当開き孤立せり 冨山としを
ひとりぼつちにはまなすの花の数 石田郷子
ひとりぼつちの泊灯ね 寒いわ お父さん 伊丹三樹彦 樹冠
ひまはりの迷路孤独は鋭利なもの 今井豊
ひろひためし栗を孤独の灯にひろげ 瀧春一 菜園
ふくろふの声ふところに孤独かな 高屋窓秋
ペンペン草孤独あつまる山羊の額 岡崎ゆき子
マーライオンの灯に寄る守宮 しかと孤独 伊丹公子 ドリアンの棘
またもとのひとりぼつちの夜釣かな 加藤 覚範
マラソンの背に負ふ孤独北風つよし 中尾みどり
ゆく秋の孤独が抱く膝がしら 高橋光子
るいるいといそぎんちやくの咲く孤独 土橋石楠花
るいるいと磯巾着の咲く孤独 土橋石楠花
葦火してしばし孤独を忘れをる 竹下しづの女
飴舐めて孤独擬や十三夜 佐藤鬼房 「何處へ」以降
粟蒔いて孤独の影をかへりみず 中村秋一
衣更孤独を隠すこと覚ゆ 森 敏子
一億年ぽっちの孤独春の雨 高野ムツオ 蟲の王
鰯雲鼻の孤独の極まるなり 加藤楸邨
雲の無く月は孤独でありにけり 粟津松彩子
雲雀仰ぐ/孤独や/山姿は/字國定 林桂 銀の蝉
雲雀野を行き一人づつひとりぼつち 行方克巳
影も又孤独となりて冬木立つ 田中 蘇水
永き日のことに孤独を愛しけり 高橋淡路女 梶の葉
永き日の銀座大路にゐて孤独 田中兼豊
泳ぎつつ水に孤独になつてゆく 粟津松彩子
炎天やひとりぼつちの父の墓 松崎あき子「貴船菊」
炎熱の日々を過ごせり氷塊のやうなる孤独地獄とともに 江畑實
遠花火ひとりぼつちにあきるまで 片山芙美子
遠足にとり囲まれて象孤独 野中亮介
黄金虫の羽根美しき孤独かな 細見綾子
黄門祭の沸点にゐて孤独かな 馬籠よ志子
乙字の忌孤独地獄といふ寒気 新谷ひろし
夏草やひとりぼつちに吾子の墓 田子鴨汀
花桐や孤独でありし少年期 吉村ひさ志
花終る春蘭のまた孤独かな 北原志満子
華やかな孤独へ太古からの舌 松本恭子 二つのレモン 以後
華やかに咲いても孤独アマリリス 川口咲子
芽柳の孤独の淵に心欲る 高澤晶子
蟹孤独炎ゆる砂どち歌へるに 川口重美
外套の肩の断崖孤独かな 不破博
街の灯や岩の孤独はひとに告げず 石橋辰之助
蛙の子飼つて孤独の性子にも 安住敦
蛙鳴く孤独を耐へてゐる夜も 雨宮抱星
柿冷ゆる重みよ孤独なる手相 品川鈴子
寒晴や釘は一本づつ孤独 奥坂まや
寒地獄孤独なるとき笑ひけり 小林康治
寒釣の孤独まさぐる糸長し 斉藤満子
寒梅の孤独と言へぬ花の数 江口竹亭
寒夜孤独反古だまうごきつゝ燃ゆる 川口重美
館孤独梅雨晴雀戸に来ても 下村ひろし 西陲集
眼帯の朝来て原子炉孤独なり 宮川としを
岩頭の孤独な恋ぞ鵜のもてり 田原俊夫
亀の子の買はれて乾く孤独な背 乾鉄片子
蟻地獄孤独地獄のつゞきけり 橋本多佳子
蟻地獄孤独地獄のつづきけり 橋本多佳子「紅絲」
掬はれて金魚の孤独始まれり 森高たかし
吉良常と名づけし鶏は孤独らし 穴井太
玉葱の厨に芽吹く孤独かな 野崎宮子
桐の実の孤独へ風の音乾く 古市絵未
金魚も孤独気泡を一つまた一つ 三谷昭 獣身
熊穴に入るや孤独の風の音 中谷真風
群なして孤立無援の曼珠沙華 吉田静子
群れてゐて一花の孤独曼珠沙華 上原白水
群像のいづれも孤立夏館 鍵和田[ゆう]子 未来図
畦塗つて峡に孤独の田となせり 宮津昭彦
茎立や子なき夫婦の相孤独 西本一都
犬ふぐり一ぱい咲いてゐる孤独 加倉井秋を
元旦の孤独を映画館にもまれ 藤木清子
元日の孤独を映画館にもまれ 藤木清子
孤独かと問はる湯治の甲斐の春 及川 貞
孤独このとき夕顔が咲きました 清水径子
孤独とは息らふためか風の中われと駝鳥は柵をへだてて 小中英之
孤独なやつさ茅の焚火をでかくして 細谷源二
孤独なり冬木にひしととりまかれ 木下夕爾
孤独なるブロンズに夜の雪積り 山本歩禅
孤独なる姿惜しみて吊し経し塩鮭も今日ひきおろすかな 宮柊二
孤独なれば浮草浮くを見にいづる 細見綾子
孤独にも仲間は在りし帰り花 平林 良
孤独の勝利黒き秋衣に躯をつつめば 内藤吐天 鳴海抄
孤独よろしみそさゞえ更らに遠くのみそさゞえ 安斎櫻[カイ]子
孤独育つ古りて銘なき夏茶碗 殿村菟絲子
孤独三人豆撒くときの心寄る 殿村菟絲子
孤独参上むしっては食べる絹糸草 岸本マチ子
孤独汝枯野の丘に今日も見つ 中尾白雨 中尾白雨句集
孤独無限あざらし温む水くぐり 稲垣きくの 牡 丹
孤立して秋の火を焚く石の上 椎橋清翠
孤立せる老鶏頭を一瞥す 相生垣瓜人 明治草抄
枯れるものすべて孤独となりにけり 大竹喜代子
枯れる滝女教師喋らねば孤独 河合凱夫 飛礫
枯草の大孤独居士ここに居る 永田耕衣
枯草の大孤独居士此処に居る 永田耕衣
枯雄羊歯からから孤独の音こぼす 加藤房子
胡桃の実カサと割りつつ酒を飲む夫の孤独の縁にわが座す 平林静代
五月祭の汗の青年病むわれは火のごとき孤独もちてへだたる 塚本邦雄
耕耘機畦の黄菊を孤独にす 津村青岬 『南紀』
妻がゐて子がゐて孤独いわし雲 安住 敦
雑炊や猫に孤独といふものなし 三鬼
雑踏の中の孤独や春愁い 井上かつ枝
三羽いて 三羽の孤独 汐木の鳶 伊丹三樹彦 樹冠
傘で指すボタ山するどく孤立して 穴井太 穴井太集
散るさくら孤独はいまにはじまらず 桂 信子
四葩淡し個が孤立して己れなる 河野多希女 こころの鷹
詩は孤独風向き変へて野火走る 中村明子
七夕や孤独をしらずして老ゆる 池上不二子
煮大根を煮かへす孤独地獄なれ 久保田万太郎
煮大根煮かへす孤独地獄なれ 久保田万太郎
謝肉祭の肺(ルンゲ)の孤独海に染まず 石原八束 『雪稜線』
灼くる宙に眼ひらき麒麟孤独なり 中島斌男
手入れよき庭が鈴蘭孤独にす 稲畑汀子
種子島鳴つて孤独・熊腑抜けたり 筑紫磐井 婆伽梵
秋の日や凭るべきものにわが孤独 木下夕爾
秋汐に泳ぐ孤独の男あり 鈴木真砂女 夕螢
秋風の吹き抜く孤独地獄の底 小林康治
終戦日孤独の風呂を溢れさす 雨宮抱星
俊寛孤独のごとき蓬髪藪拓く 加藤知世子 花寂び
春の草孤独がわれを鍛へしよ 藤田湘子 てんてん
春愁や孤りと孤独とは違ふ 田畑美穂女
春燈のもと愕然と孤独なる 桂 信子
春嶺の気流に孤独の鳶乗れり 渡邊日亜木
初庚申長蛇の列にゐて孤独 山本美智子
初紅葉なる一本の木の孤独 今橋眞理子
除草機押すひとりびとりの孤独境 伊丹三樹彦 人中
小春日を跳んでも跳んでも孤独です 上村益穂
少年の孤独捕へし蟻地獄 清水節子
少年早や魚割く孤独野分充つ 楠本憲吉
松過ぎて個室の孤独始まれり 朝倉和江
消灯は孤独の一つ虫しぐれ 桂樟蹊子
鉦叩たゝきて孤独地獄かな 安住 敦
常高き麒麟の孤独花吹雪 恩田野生
色鳥がひとりぼつちの妻に来る 細川加賀
真清水に口痺らして孤独癖 内藤吐天 鳴海抄
真青なる孤独に乗りぬハングライダー 水野良明
身を吊る巌流汗冷ゆるとき孤独 小松崎爽青
辛夷ついに開く孤立に堪えられず 田邊香代子
人去りて孤独に戻る座禅草 八木澤高原
人込みを抜けて孤独や*きりぎりす 佐藤栄一
甚平の肩怒らせて孤独なる 堀内一子
水着着て身軽く出でて孤独なり 倉橋羊村
棲むものの孤独月牙の泉あり 稲畑汀子
逝く年の孤独大手を振つて通る 山田みづえ
青蜥蜴孤独ならずよ交ひ落つ 稲垣きくの 牡 丹
赤とんぼこんな孤独な世があろうか 細谷源二
赤もまた孤独なりけり寒椿 和田律子
赤鬼と孤独分けあふ春の月 斎藤光子
節分の火の粉を散らす孤独の手 鈴木六林男
雪やなぎ母に孤独の刻多し 田中灯京
雪礫うちし孤独のかへりけり 小林康治 玄霜
蝉のごとあをあをとゐて孤独なり 栗林千津
蝉生る孤独の殻を脱ぎすてて 渡辺寛子
仙人掌の花の孤独を持ち帰る 上田日差子
船火事は孤独の業火妻に見す たむらちせい
善丁また孤独の冬に入りにけり 下村ひろし
草の花孤独は天に蝶ふゆる 窓秋
足組むも孤独のかたち落葉ふる 米岡幸子
足袋外套脱ぎ散らさでや孤独慣れ 石塚友二 方寸虚実
太宰の夏孤独は湖へ置いて来し 河野南畦 湖の森
太陽に埋れてやぬくき孤独かな 永田耕衣 陸沈考
太陽は孤独でありし草の花 澤井我来
台風の眼に入る街の孤独かな 加藤はま子
大都市を孤独に歩くサングラス 山田弘子 螢川
滝の大音響吾を孤立さす 津田清子 礼 拝
瀧の大音響吾を孤立さす 津田清子
茸山の茸の孤独に囲まるる 三谷 昭
炭焼きは孤立無援に煙あぐ 末近国成
団栗にうたれし孤独地獄かな 藤田湘子
暖かな孤立ありけり試着室 隈元拓夫
男と女海の孤独を泳ぎぬけ 三谷昭 獣身
地下街の柱の孤独去年今年 戸板幽詩
地虫こそ自我の孤独の声放つ 殿村 莵絲子
蜘蛛の囲は蜘蛛の孤独の広さとも 長山あや
着飾りて磯巾着の孤独かな 市野川豊昭
昼は疲れ夜は孤独な田掻牛 中山純子
虫の闇大黒柱孤独なり 澁谷道
虫鳴けば孤独も詩の肥しかな 富田潮児
張り終へし大蜘蛛の巣の蜘蛛孤独 後藤 寿美
帝王の孤独のやうに月あがる 地平に眠る雲を照らして 高島裕
天が下孤独に堪へて種蒔ける 小林鹿郎
天を指す土筆一本づつ孤独 福本五都美
冬ざれや石に腰かけ我孤独 虚子
冬待つやひとりぼつちの神威岩 細川加賀 生身魂
冬凪をゆけば孤独もゆたかなり 中川和子
冬帽子冠りてよりの孤独なる 毛塚静枝
凍鶴を見しより孤独ふかみけり 成瀬桜桃子
灯を消して孤独の孤独たのしきかな 藤木清子
灯台の孤独な佇立吾亦紅 奥平考芦
白という孤独運動靴の少年 高階健一
白蚊帳に孤独の母が透きとほる 藤井 亘
白菜の孤独 太陽を見送つている 吉岡禅寺洞
白鞘の孤独な反りも冬に入る 宮城白路
白息に眼を湿らせし孤独かな 三浦紀水 『湖その後』
白桃を剥けば夜が来て孤独が来 鈴木真砂女 夕螢
麦秋駈る天地孤独のトラクター 平井さち子 完流
筏鳴に鳴き移らるゝ孤独も佳し 石塚友二
鳩吹く風リフトにひとりぼつちかな 鈴木寿美子
百年も孤独でいれば枯葎 石井嗣子
百落ちて百の孤独の木の実かな 梅本伸子
病葉や孤独楽しむ老人ら 村田脩(萩)
浜木綿の花のしろさ 琉球はいま 孤独です 吉岡禅寺洞
風が来て廻す孤独の風車 山口素人閑
風に咲く薊荒寥たる孤独 内藤吐天 鳴海抄
風の花葛/ももんがに/かの/紺色孤独 林桂 銀の蝉
風花や孤独と云いて自由なり 豊福芳枝
文芸の孤独を訪はれ火取虫 山田弘子 懐
方正の囲炉裏孤独の二人哉 露月句集 石井露月
万緑や巨岩の孤独はじまれる 殿村菟絲子 『晩緑』
万緑や巨石の孤独はじまれり 殿村菟絲子
蓑虫の綴れ錦を着て孤独 田中英夫
霧とぶよ青田孤独の貌ばかり 宮坂静生 雹
椋鳥の樹を埋めつくす孤独かな 岩切雅人
毛虫焼く焔このとき孤独でなし 橋本多佳子
木の実独楽マッチの脛を見せて孤独 細谷源二
門出でてすでに孤独やあきの暮 米澤吾亦紅
夜が好きで孤独が好きで茶立虫 高岡智照
夕焼のひろがるほどに孤独知る 山本歩禅
落葉降る一葉一葉に孤独埋め 服部初枝
立版古仕立屋銀次孤独なり 久米三汀
涼風は四通八達孤独の眼 中村草田男
冷蔵庫と真夜の孤独を共にせり 熊谷愛子
冷蔵庫開けて孤独をまのあたり 風間 圭
曼珠沙華孤立無援が好きですか 田邊香代子
囀や孤独になれて部屋広し 小松崎爽青
狆曳きの雛の孤独を今知れり 殿村菟絲子
筍梅雨地球の孤独深めけり 脇本星浪
胼割れの指に孤独の血が滲む 三橋鷹女
蘆火してしばし孤独を忘れをる 竹下しづの女
蜥蜴去り石切る孤独また戻る 三谷昭 獣身
鮑かむ鼻が重たき孤独かな 渡部陽子
鳰ひとりぼつちの水輪描き 西村和子 かりそめならず
鵯は睦み鵙は孤独のしぐれどり 千代田葛彦
黴咲かせ孤独地獄と現じけり 小林康治 玄霜

孤独 補遺

*あぎとふ金魚孤立無援を気にするな 佐藤鬼房
アシカの演技映す孤独なバーのテレビ 金子兜太
カンナ散り孤独の日々を愉しめり 三橋鷹女
クリスマスカードを送り来て孤独 後藤比奈夫
こころいつか蟇の孤独の唱に和す 能村登四郎
すさまじき孤独や象の花吹雪 加藤秋邨
その家の孤立はじまる稲架組んで 能村登四郎
トンネルの口や孤独の曼珠沙華 渡邊白泉
ひとりぼつちのふたりぼつちや桜桃 平井照敏 猫町
ふくろふの声ふところに孤独かな 高屋窓秋
みな孤独金亀子まろび竃馬跳ね 安住敦
わが孤独ひしと黄套ひるがへし 伊丹三樹彦
飴舐めて孤独擬や十三夜 佐藤鬼房
一日一日鰥寡孤独の秋深む 山口誓子
鰯雲鼻の孤独の極まるなり 加藤秋邨
駅前緑地老いて孤独の朝から坐す 伊丹三樹彦
黄金虫の羽根美しき孤独かな 細見綾子
花に泣く眼には孤独の病む涙 高屋窓秋
荷役後の舷の孤独に水夫(かこ)眠る 金子兜太
我の「孤独」は「真赤な血」なるを鵙も知らぬ 中村草田男
蛙の子飼つて孤独の性、子にも 安住敦
寒地獄孤独なるとき笑ひけり 小林康治 玄霜
汗の孤独九十九里浜に歩み出で 大野林火 白幡南町 昭和三十二年
蟻地獄孤独地獄のつづきけり 橋本多佳子
吸入の顎拭き孤独きはまりぬ 岡本眸
空罐のなかには泥鰌孤独者 阿波野青畝
月夜霧孤立キヤンプがをのゝけり 能村登四郎
孤独かと問はる湯治の甲斐の春 及川貞 夕焼
孤独なりさぼてん蒼き花を挙げ 三橋鷹女
孤独なり鴉おびただしく鳴き去り 伊丹三樹彦
孤独なれば浮草浮くを見にいづる 細見綾子
孤独な鹿草けり水けり追われる鹿 金子兜太
孤独のあかんぼちんぼこさらし裸麦 金子兜太
孤独登山者に巌裏ほそき滝一条 能村登四郎
孤立してより寒のししむら艶を帯ぶ 能村登四郎
孤立せる老鶏頭を一瞥す 相生垣瓜人 明治草
枯尾花すつくと孤立せるがあり 佐藤鬼房
枯木星孤立無援の吾に点く 津田清子
湖に不眠の手足浸らせ孤独癖 楠本憲吉 孤客
香水のおのが香にゐる孤独かな 岡本眸
高原の孤独日傘の絹を張り 津田清子 礼拝
妻がゐて子がゐて孤独いわし雲 安住敦
朔風の天に円月の大孤独 日野草城
桜くもり鏡に写す孤独の舌 西東三鬼
雑炊や猫に孤独といふものなし 西東三鬼
三羽いて 三羽の孤独 汐木の鳶 伊丹三樹彦
散るさくら孤独はいまにはじまらず 桂信子 月光抄
珊瑚採る男端居に夜も孤独 大野林火 雪華 昭和三十四年
時かけて酌みしビールや孤立無援 楠本憲吉 孤客
手には雀が 鳩が 孤独を忘れている 伊丹三樹彦
秋汐に泳ぐ孤独の男あり 鈴木真砂女
秋風の吹き抜く孤独地獄の底 小林康治 玄霜
春の草孤独がわれを鍛へしよ 藤田湘子 てんてん
春灯のもと愕然と孤独なる 桂信子 月光抄
除草機押すひとりひとりの孤独境 伊丹三樹彦
少年早や魚割く孤独野分充つ 楠本憲吉 孤客
掌の木の実ひとに孤独をのぞかるる 橋本多佳子
樟大樹孤独の翡翆翔けまどひ 中村草田男
鉦叩たたきて孤独地獄かな 安住敦
棲むものの孤独月牙の泉あり 稲畑汀子
逝く年の孤独大手を振つて通る 山田みづえ 忘
青簾真昼爪きり孤独もよし 鈴木真砂女 夏帯
雪礫うちし孤独のかへりけり 小林康治 玄霜
草の花孤独は天に蝶ふゆる 高屋窓秋
足袋外套脱ぎ散らさでや孤独慣れ 石塚友二 方寸虚実
鯛の打菓子尾鰭より食み孤独の孤独 三橋鷹女
滝の大音響吾を孤立さす 津田清子 礼拝
団栗にうたれし孤独地獄かな 藤田湘子 途上
漬菜石つひの孤独の重み出す 能村登四郎
天澄むに孤独の手足わが垂らす 桂信子 月光抄
冬天に鳥敏く去りわが孤独 伊丹三樹彦
冬磧孤独の石の掘り出され 能村登四郎
働らくうしろ孤独の見学者と虫音 大野林火 雪華 昭和三十八年
日の中の孤独枯木に雲とどかず 鷲谷七菜子 黄炎
熱湯の孤独を寸長き素顔 橋閒石 風景
波あげて鵜岩の孤独わだなかに 橋本多佳子
白桃を剥けば夜が来て孤独が来 鈴木真砂女 夕螢
白癬の山山にはや孤独なし 佐藤鬼房
麦秋の孤独地獄を現じけり 安住敦
晩春の樅の孤立に日けぶれる 佐藤鬼房
壁白く孤独のわれとなりてゐる 日野草城
片虹に瞑目孤独などあらず 佐藤鬼房
歩哨小屋 いまも孤立し 曼珠沙華 伊丹三樹彦
埋立沙漠の果で魚釣る 孤独強め 伊丹三樹彦
稔田を眼下精英樹の孤独 佐藤鬼房
柚子の香に追ひぬかれたる孤独かな 加藤秋邨
夕焼に孤独なりけりゆまりして 山口誓子
流燈やひとりぼつちのタイ嘆く 秋元不死男
憐れまず孤独を好む蜘蛛なれど 相生垣瓜人 明治草
胼割れの指に孤独の血が滲む 三橋鷹女
薔薇の花期吾より孤独に強き吾娘 中村草田男
飆天に孤独なる月よ照るほかなし 日野草城
黴る日々不安を孤独と詐称して 中村草田男
黴咲かせ孤独地獄と現じけり 小林康治 玄霜

以上


by 575fudemakase | 2018-09-12 09:10 | 無季 | Trackback | Comments(0)

紅一点 の俳句

紅一点 の俳句

紅一点現れぬまま年忘れ 鷹羽狩行
紅一点とは唇のこと霧山中 鷹羽狩行
紅一点仕切る朝市寒の鰤 堀江万代子
雲の上より降拝の紅一点 平畑静塔
夏至の萩紅一点を明らかに 阿波野青畝
砂嘴に在り紅一点の漁家の梅 阿波野青畝
冬の芽の意志すこやかに紅一点 柴田白葉女 『冬泉』
姫なでしこの紅一点の露まみれ 柴田白葉女
切手売る初髪の紅一点嬢 秋元不死男
あめつちのをはりのときぞ紅一点 関口比良男
翡翠の紅一点につづまりぬ 高浜虚子

以上


by 575fudemakase | 2018-09-12 02:27 | 無季 | Trackback | Comments(0)

昭和 の俳句

昭和 の俳句

昭和

あかぎれが疼くよ昭和ひとけたよ 宇咲冬男
あかつきの死色浮かびぬ花の窓(昭和三十九年四月五日三好達治先生逝く) 石原八束 『操守』
いちじくや昭和倦くなき媼の邑 和田悟朗 法隆寺伝承
うすうすと昭和の終り蓑虫鳴く 石寒太 翔
おもかげに荒草まじる昭和かな 永末恵子
サイタサイタ昭和も昏れて年迎う 穴井太 原郷樹林
ざら紙の昭和の戦史黴匂ふ 老川敏彦
しんがりに昭和一桁花筏 山崎 聰
スキーバス轟々昭和終る夜も 堀口星眠
ステテコや彼にも昭和立志伝 小沢昭一
するすると絵馬の蛇消え昭和消え 寺井谷子
ソメイヨシノ昭和の端を歩いてきた 岡崎淳子
たっぷりと昭和に生きて毛虫焼く 藤原美峰
ところてん昭和がふつと顔を出す 藤田湘子 てんてん
なづな粥すする昭和の消え行く日 町田しげき
なづな粥泪ぐましも昭和の世 沢木欣一
はづかしき昭和戦史や残花余花 三橋敏雄
ぴいぴい昭和のテレホンカード鳥雲に 望月たけし
ひたひたと昭和曳きゆく夜の蝉 酒井弘司
ビル街より海近からむゆるゆると昭和晩期を渡るかりがね 篠弘
ポケットに星屑ありし昭和かな 高野ムツオ 蟲の王
ほたる袋のぞいてみれば昭和かな 中村寿子
みどりの日昭和一桁老いにけり 稲畑広太郎
阿部定にしぐれ花やぐ昭和かな 筑紫磐井
綾取のひとつひとつに昭和かな 神郡 貢
暗がりに外套ならぶ昭和かな 徳弘純
一月七日昭和が終る水飲めり 宮田カィ子
永かりし昭和の松を納めけり 綾部仁喜 樸簡
温め酒男の昭和終らざり 吉田比呂志
夏の夜の宴昭和のタップかな 高澤良一 暮津
嫁が君厳しき昭和なつかしき 濱田淡水
花見するたびに昭和の遠ざかる 鈴木蝶次
蚊帳吊りし昭和の釘の残りけり 成井 侃
海ゆかば海に橋なし昭和果つ 沼尻巳津子
海胆の生殖己に昭和の過ぎゆける 和久井幹雄
開戦の目に沁むばかり冬菜の霜(昭和十六年十二月八日) 田川飛旅子 『花文字』
角々に昭和の兵士結氷期 米花紺子
寒行の鈴に昭和の遠ざかる 岡林博茂
寒濤へ昭和の落暉呑まれゆく 甲斐すず江
寒蜆昭和ひと桁またも死ぬ 辻田克巳
干飯噛む錆びし昭和の金歯かな 五島エミ
汗をかき日々を勇んでああ昭和 高澤良一 随笑
眼鏡の露より昭和はじまれり 攝津幸彦
顔ぶれも昭和生まれの踊人 高澤良一 随笑
既に陳(ふ)る昭和の書あり曝すなり しづの女
鬼燈の透けて余命の昭和かな 石寒太 翔
去りまして永き昭和の寒さかな 山田みづえ 草譜以後
胸底に昭和居すわる寒暮光 吉見弘子
鏡中に昭和果てたる床柱 桂信子
桐の花大正昭和四姉妹 松丸とわ子
茎石や昭和さんざん泣かせたる 齊藤美規
月日貝置き忘れたる昭和かな 高橋健文
元禄も昭和も末世大雪解 西本一都
枯蓮の水の明るさ昭和果つ 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
後ろ手に襖を閉めて昭和亡し たむらちせい
更けゆくや雨降り変はる夜の雪 碧童 (昭和十二年二月一日碧師病歿、通夜)
黒葡萄いささか渋き昭和かな 鍵和田「ゆう」子
忽然と昭和をはりぬ夕霧忌 森竹須美子
今もなほ昭和が好きで籠枕 池田琴線女(うぐいす)
今日のみの昭和しるせりカルテ数枚 八木三日女
最も永き昭和のばらの咲きはじむ 阿部みどり女 『石蕗』
菜の花や昭和の色に暮れている 仁田脇一石
冴返り冴返りつつ逝く昭和 中嶋秀子
錆釘も漬けて昭和を赦しおり 大津淳
残花散る昭和の証言上下巻 川崎展宏 冬
四方山の紅葉疲れを昭和びと 三橋敏雄
思ひつめゐる明眸の昭和雛 倉橋羊村
七種を摘む間に昭和終らむと 小泉八重子
七草の粥ふつふつと昭和終ゆ 斎藤節子
七草粥今日をかぎりの昭和かな 福川八重子
七草粥吹いて昭和を送りけり 三嶋隆英
七日粥一炊の間の昭和かな 菅野洋々
七日爪飛ばし昭和と別れけり 持田経子
煮凝や還暦といふ昭和の子 宮岡計次
車中の夕日昭和が溺死していたり 高野ムツオ
若かりし昭和も老いぬ七五三 相馬遷子 雪嶺
若菜野に雨降りやまず昭和逝く 垣迫俊子
手錠が光っているだけの昭和だった 青倉人士
手焙の燠消えてゐて昭和過ぐ 大屋達治
種ふくべ昭和の果を見てゐたり 黛執
種袋昭和の音と違ひけり 脇本星浪
終らぬ昭和シベリアの匙むきだしに 小田 保
春雨や昭和を生きし井戸閉ざす 太田裕子
春眠し昭和一桁ことに眠し 大牧 広
春眠の昭和のはじめまだくらし 小川双々子
初むかし掌に書く昭和かな 宮崎とき女 『雪椿』
初島に遊んでをれば昭和果つ 鈴木鷹夫 春の門
昭和いつまで骨の音する蘆を刈る 上中章逸
昭和すでに撫子はみな何処へ行きし 苑子
昭和とは雪降る夜の悲恋に似て 七田谷まりうす
昭和ながかりし麦稈帽古りぬ 舘岡沙緻
昭和など忘れて久し春時雨 高野ムツオ 蟲の王
昭和の銀座へ冬帽を取りにゆく 小原洋一
昭和の子供と生れて老いぬ更衣 鈴木鷹夫 風の祭
昭和の子食うても食うてもそら豆 川崎展宏
昭和の松焚き平成の達磨買ふ 永井敬子
昭和の色大正の色錦鯉 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
昭和の世ひた惜しみ松納めけり 中本 柑風
昭和は過去白りんだうの先充つる 松村多美
昭和ますます遠くなりゆく小豆粥 行川行人
昭和また遠しと言はむ散り椿 所山花
昭和また銅像に雷近くなる 徳弘純 麦のほとり
昭和より流謫の日々や霜柱 斎藤慎爾
昭和一桁鯛焼のうらおもて 手塚 美佐
昭和永し旅路いづこも泡立草 安江緑翠 『枯野の家』
昭和遠し冷しトマトといふ肴 伊藤伊那男
昭和果つ七日の波頭すべて鎖 熊谷愛子
昭和経し身に冷え冷えと夕桜 川崎展宏 冬
昭和時代水銀燈の櫻の園 山口誓子 方位
昭和終りしてふサハリンの夏望む 山本つぼみ
昭和終るタイヤが咥えたる石と 鈴木六林男
昭和十一といふ大いなる年暮るゝ 富安風生
昭和塾出でて孔子木落葉かな 青木重行
昭和衰へ馬の音する夕かな 三橋敏雄
昭和逝くタンカーは鴎を曳いて 児玉悦子
昭和逝く七日の夜の雨の音 関森勝夫
昭和逝く七日の夜を髪洗ふ 蓬田紀枝子
昭和日暮の蚊帳吊草を吊る遊び 柿本多映
昭和畢るとて悪声の寒鴉 倉橋羊村
昭和夢見し少年倶楽都鳥渡る 高橋康菴
昭和余年平成後年寒椿 大井恒行
松飾焚き悲しみの昭和果つ 小松崎爽青
障子貼り昭和を遠く生きている 岡本寿美子
上野池の端町を歩く昭和も五十年 村尾草樹
色変へぬ松や昭和の傷深く 片山由美子 風待月
人日の雲層々と昭和果つ 中村明子
人日の戸に昭和果つ雨の音 加藤 耕子
人日の日もて終りし昭和かな 稲畑汀子
人日の野辺に昭和の終る雨 落合水尾
人日や昭和を楯のわれも老ゆ 江ほむら
水虫は父の勲章昭和果つ 飯田綾子
水餅にかび浮き昭和遠きかな 福山良子
睡蓮に辿りつきたる昭和かな 徳弘純
星を見て爛れて我は昭和の子 攝津幸彦 鹿々集
正月のさてもなんきんたますだれ拡ぐるかなた昭和のけぶる 土井紀枝
生きるなり白息昭和より重ね 志摩知子
生き抜きし昭和がこころ紅葉酒 時野穂邨
西日さす昭和文学全集や 池田澄子
青き踏む昭和の恋の微熱めく 宮下裕大
青蚊帳を泳ぐ昭和の日暮かな 柿本多映
石炭も昭和も父も遠くなり 小田嶋典子
雪くれて昭和彷う黒マント 浅井愼平
雪に印す昭和を生きし靴の裏 佐々木春蔵
蝉鳴くや消えざるものにわが昭和 板津堯「雪起し」
戦いの昭和を生きてちやんちやんこ 寺西安子
双六の絵図に残りし昭和かな 赤井よしを
草を摘む昭和一桁雑食派 本宮鼎三
霜の土昭和無辜の死詰めて逝く 古沢太穂
足湿る冬日の巨象昭和逝く 柴崎左田男
大正・昭和・平成の人草を刈る 遠藤ひろし
大正も昭和も生きてさんま食ふ 深見けん二 日月
卓袱台は昭和の匂ひ四日かな 端山日出子
短足の昭和一桁浜蒲公英 中村棹舟
男らは戦争に行き昭和雲 高澤晶子
茶立虫修羅の昭和も晩年に 岩村蓬
茶立虫昭和一日づつ遠し 木内彰志
転がして掌にあそびたるかたつむり昭和果てゆくひかりならむか 三枝昂之
田作や昭和と同じ齢重ね 宮武章之
都鳥昭和の白のながれゆく 津根元潮
冬座敷かつて昭和の男女かな 宇多喜代子
冬山のいま終りたる昭和かな 中杉隆世
冬鳥の行衛の杳と昭和尽く たむらちせい
冬薔薇の蕾のままに昭和果つ 五島久子
道をしへ跳ね跳ね昭和永きかな 平畑静塔
読初の胸中熱し昭和篇 西田妙子
日寂然聞くは昭和のほとゝぎす 林原耒井 蜩
熱燗や昭和引ずり出して飲む 宮田よりを
白玉や つるんと昭和胃に落ちる 星永文夫
白地着て顔の見えざる昭和の夜 鴨下 昭
鉢叩いまだ昭和の終らざる 原裕 出雲
反芻をしてわれ生きむ馬くさき昭和の入口昭和の出口 山田富士郎
蕃茹に塩たっぷり昭和生まれなる 高澤良一 石鏡
飛花落花昭和を忘れたい人に 室生幸太郎
病むものの頸くらくらとゆれおりて昭和末期の日本の夏 糸川雅子
貧乏な鯵の開きの昭和色 田原俊夫
父の老凍雲起伏来し昭和 森 白樹
父ははの昭和も過ぎぬ蕗のたう 大木あまり 火球
平成も昭和も嫌ひ韮・蒜 攝津幸彦 鹿々集
名残梅雨斂葬をもて昭和逝く 泉治人
毛糸解く昭和の初め見えてくる 宮川三保子
夜半の冬昭和レトロの小津映画 大西恒生
野毛山の桜昭和の戦見し 高澤良一 随笑
厄落し昭和の維新遠くする 武井宝舟
油絵に昭和の暗さ夏館 長嶺千晶
輸入鮭吊つて遠のく昭和かな 小川笹舟
冷え冷えと刻の手裏剣昭和逝く 火村卓造
炉ふさいで炉を枕とす亡犀星(昭和三十七年三月二十六日犀星詩人逝く、室生家にて) 石原八束 『空の渚』
翅休め昭和の遺物扇風機 高澤良一 暮津
霙降る幾裏山や昭和終ふ 金箱戈止夫

昭和 補遺

ところてん昭和がふつと顔を出す 藤田湘子 てんてん
はづかしき昭和戦史や残花餘花 三橋敏雄
わが昭和血と酒にほひ易かりき 三橋敏雄
永かりし昭和は人日にて結ぶ 阿波野青畝
既に昭和二十七年のしづかな闇 日野草城
去りまして永き昭和の寒さかな 山田みづえ まるめろ
鏡中に昭和果てたる床柱 桂信子 樹影
金魚売昭和末期の声は褪せ 鷹羽狩行
限りなき外套の黄の昭和かな 桂信子 「草影」以後
枯赫く昭和あらあらしき世かな 岡本眸
咲きやすき櫻や昭和以後忽ち 三橋敏雄
四方山の紅葉疲れを昭和びと 三橋敏雄
若かりし昭和も老いぬ七五三 相馬遷子 雪嶺
春寒や昭和と古りて戦災記 上田五千石『天路』補遺
春深し遺る昭和に身を置けば 岡本眸
初日うらうら昭和元禄の花ふらし 山口青邨
昭和すでに撫子はみな何処へ行きし 中村苑子
昭和また一つ老いたり寒燈 藤田湘子
昭和果つかたまつてゆく裘 桂信子 樹影
昭和穴居の煙出しより春の煙 西東三鬼
昭和五十五年五月五日の那智御瀧 百合山羽公 樂土
昭和時代水銀燈の桜の園 山口誓子
昭和十五年終る日没す枯木かな 星野立子
昭和出征惨たり銃に巻く繃帯 三橋敏雄
昭和衰へ馬の音する夕かな 三橋敏雄
昭和平成その次知らず灯取虫 藤田湘子 神楽
人日の日もて終りし昭和かな 稲畑汀子
大晴れの昭和四十四年終る 高野素十
大正昭和二月の雪は深かりし 桂信子 草影
逃水の昭和元禄はてもなし 百合山羽公 樂土以後
道をしへ跳ね跳ね昭和永きかな 平畑静塔
不幸とのみ昭和を言ふな秋燈 藤田湘子 神楽
塀越す薔薇 戦後昭和を倦む勿れ 伊丹三樹彦
万愚節昭和無駄なく我にあり 藤田湘子 神楽
皺手の甲抓み引張るや昭和果つ 三橋敏雄
蜻蛉とぶ鎌倉時代昭和時代 高田風人子

以上

by 575fudemakase | 2018-09-11 06:07 | 無季 | Trackback | Comments(0)


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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