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端座

端座

うすもののよどむところのなき端座 鷹羽狩行
われここに端座美醜の深山蝶 山口青邨
維好日十返りの花端座して 山口青邨
謹厳の端座黄楊の花こぼるるを 山口青邨
向日葵を活ける端座や敗戦忌 山口青邨
稿継ぐに端座し直す田園忌 上田日差子
黒猫の端座神経科の奥処 伊丹三樹彦
子規庵にしばし端座も九月かな 村上谿聲
十時うつなほ虫を聴く端座かな 山口青邨
初笑初泣に父の端座あり 上田五千石『琥珀』補遺
駄菓子屋も端座して見る里神楽 佐川広治
端座してあたりに螺鈿冷ゆるかな 古舘曹人 砂の音
端座して姥か翁か青嵐 波多野爽波
端座して何を待つべし去年今年 井沢正江
端座して火中にいます雛はも 上田五千石『風景』補遺
端座して腰の上なる夏帽子 岩田由美 夏安
端座して四恩を懐ふ松の花 富安風生
端座して師とあるこころ白椿 柴田白葉女 『冬泉』
端座して障子枯いろ夢のごとし 大野林火 月魄集 昭和五十五年
端座して雛の吐息聞くとせむ 飯島晴子
端座して大花冷の底にあり 上田五千石『風景』補遺
端座して朝日待ちゐる露の玉 北光星
端座して膝の上なる夏帽子 岩田由美
端座して漂つており菜種梅雨 五島高資
端座して眠らずに見し春の夢 深谷雄大
蝿叩鬱々としてわが端座 加藤楸邨
藩校の端座 花栗の香にも耐え 伊丹三樹彦
悲餌の汁吸い 遂に崩さぬ端座の医師 伊丹三樹彦
墨にほふつゆあけちかき端座はも 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
末の世の涼しさにゐる端座かな 上田五千石『天路』補遺
老人端座せり秋晴をあけ放ち 久米三汀

以上

# by 575fudemakase | 2019-04-15 17:11 | 無季

円座

円座

あぐら居に尾骨ありたる円座かな 鷹羽狩行
いつまでも待つが如くに円座かな 高野素十
なまはげに父の円座の踏まれけり 小原啄葉
なまはげに父の円座を踏まれけり 小原啄葉
ひんやりと円座の客となりにけり 谷口ゆり女
めでたさの二つの円座なればなり 高野素十
飴色となりし円座に村の長 加藤洋子(松籟)
一枚の円座に托す老後かな 竹末春野人
一枚は何ゆゑ離しある円座 阿波野青畝
雨を見るときも円座をたまはりて 後藤比奈夫
雨乞の円座打敷く巌かな 橋本鶏二 年輪
円座あり即ち坐る梅雨じめり 山口青邨
円座より見えて濃き山うすき山 児玉輝代
円座一つ打坐即刻の如くあり 鈴木鷹夫 千年
円座重ねあるだけ今年使はれず 高木晴子 花 季
円座置く上框のふきこまれ 近藤雅恵(若竹)
円座虫捉へて闇へすてにけり 山口早苗
奥飛騨の一工房の円座かな 池上 秀子
黄檗の円座並びし甃 桑田青虎
夏祓古き円座のあるばかり 高木石子
花嫁の立ち上がりたる円座かな 茨木和生 往馬
花鎮め祭の円座新らしき 高野素十
花冷に瓢亭藁の円座出す 橋本美代子
回廊に円座干しあり神の留守 阿部 夕礁
絵襖をあけて円座を取り出し 上野泰 佐介
梶鞠の六人の円座いま空し 山口誓子
気を強く春の円座に坐つてゐる 飯島晴子
義士の日のいつとはなしの円座かな 吉田鴻司
虚子恋ひて円座に坐りつづけをり 成瀬正とし 星月夜
蕎麦をまづつきあへといふ円座かな 龍岡晋
曲水の円座にどかと緋衣の僧 江口竹亭
君来ねば円座さみしくしまひけり 村上鬼城
古萱に雪の円座の残り居り 川端茅舎
湖を見る円座一まい持ち出して 児玉輝代
午後二時の日の当りゐる円座かな 星野立子
山かけて赤松つづく円座かな 武藤紀子
山の影円座の上のからだかな 岡井省二 五劫集
山の日の円座乾きし色並び 石川星水女(玉藻)
山崩す音や円座の梅雨湿り 鍵和田[ゆう]子 未来図
蛇死すや己の円座解き放し 有馬朗人 知命
若芝や旅の生徒の黒い円座 蛯原喜荘
樹下の雪円座のごとく残りをり 上田五千石『田園』補遺
秋晴の二つの円座小ささよ 高野素十
春すでに円座ふたつの置かれある 岡井省二 鯛の鯛
勝頼の寺の大きな円座かな 石田勝彦 雙杵
飾らない人の集まる円座かな 寺田り江
寝る蛇の頭はかなし身の円座 中村草田男
新藁の円座に月の客となる 大野林火 月魄集 昭和五十六年
神官の説く史に正す円座かな 青木つね子
人の来ぬ円座を据ゑて病みにけり 小林康治 四季貧窮
正月や藁の円座に痘の神 森澄雄
青田より風入るるなり円座にて 森澄雄
積まれたる円座一つをとりて敷く 森信坤者
切株は神の円座よ霜の花 武智忠子
切株は風の円座や蝶群るる 真鍋和瑞
鮮人等円座まどかに花に酌めり 森川暁水 淀
他人の家に円座も古りてしまひけり 小林康治
待たされて雨を見てゐる円座かな 細川加賀 『玉虫』
大雨の降り昏めたる円座かな 波多野爽波
啄木鳥や院の一間に円座あり 岡井省二 有時
稚児うまれ円座一途に古びけり 小林康治 四季貧窮
渡殿に敷きし円座や山桜 橋本鶏二 年輪
灯取虫に円座を起ちし一人かな 比叡 野村泊月
堂内の円座にとどく春日かな 清崎敏郎
読経洩る鞍馬のみ寺円座干す 村上みきお
尼さまの円座をよぎる山の蟻 飯田龍太
年輪の円座ありけり里神楽 平畑静塔
煤掃いて配れる四十八円座 大橋櫻坡子 雨月
万福寺磚に敷かるる円座かな 平井富子
名月や蛇の眼円座を持出し 紫道
盲目の蛇の円座に傾く日 有馬朗人 知命
木の叉に蛇は円座を組みゐたる 阿波野青畝
木の本に円座取巻け小練年 去来
落ついて来れば風来る円座かな 高木 晴子
落慶の堂の円座の藺の匂ふ前川菁道(ひいらぎ)
料亭となりし酒蔵菰円座 山田千代
涼しさは椅子に円座をたまひしこと 後藤夜半 底紅
涼風に円座あり他は無用なり
炉話の坐りて会下の円座あり 岡井省二 鹿野
囀りにもつとも近く円座組む 佐々木徳子
杞柳編む円座 物真似インコが芯 伊丹三樹彦
苜蓿の円座に配る金平糖 品川鈴子
藺草もて円座初めて作りし町 板谷芳浄

以上

# by 575fudemakase | 2019-04-15 17:10 | 無季

座禅

座禅

あまた蚊の血にふくれ居る座禅哉 炭 太祇 太祇句選後篇
この雪に何がなとかく座禅かよ 惟然
この雪に何がな兎角(とかく)座禅かよ 広瀬惟然
さし覗く別の寒さの座禅堂 後藤夜半 底紅
すさまじき枯岩となる座禅の刻 加藤知世子 花寂び
とかげ出て腹温めをり座禅石 邊見京子
ほととぎす来鳴くや黙す座禅石 水原秋櫻子 餘生
まくなぎや庭の要の座禅石 加古宗也
まひまひにありて座禅の燈が入る 古舘曹人 能登の蛙
一対の障子明りや座禅堂 白石 尚
雲は秋をとこの座禅見えにけり 柴田白葉女
花散るや座禅の眼覚束な 散桜 正岡子規
花終へし山帰来なだれ座禅窟 詫摩まつ子 『卒寿』
蟻迷ふ雄島の崖の座禅窟 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
暁の畳の凍てて座禅堂 田中 南耕
九年母や三日の座禅会終りたる 善積ひろし
隙間風座禅はなかなか無になれず 佐藤清香
黒羽や霰たばしる座禅堂 鷲谷七菜子 天鼓
座禅後の五十路や凛と落葉踏む 加藤知世子 花寂び
座禅石まづ薄氷を離れそむ 良田美世子
座禅堂座禅のこころ秋深し 山口青邨
座禅堂無我境を刺す隙間風 柳澤暢宏
座禅堂冷えて座布団黒光り 津田沼宏
山萩にふれつゝ来れば座禅石 杉田久女
山眠る裾に座禅のさまの堂 鷹羽狩行
大仏の座禅倣ひて日向ぼこ 岡本郁三郎
茶の花を愁の伴や座禅堂 松瀬青々
茶飯とる汝は座禅の雨蛙 古舘曹人 能登の蛙
冬の一宇乾す番傘へ座禅の頭 古沢太穂 火雲
冬日入れ夢想国師の座禅窟 鷹羽狩行
鳶の巣や樹下石上の座禅僧 正岡子規 鳥の巣
蝿打つて座禅の心乱れけり 正岡子規 蝿叩
白き息をりをり怒り若き座禅 加藤知世子 花寂び
聞となき菓の音や座禅堂 三宅嘯山
朴葉散る崖にせり出し座禅石 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
盆提灯かけ連ねたる座禅堂 中村阪子
涼しさを裸にしたり座禅堂 正岡子規 涼し
鈴鴨の海に護られ座禅窟 佐藤鬼房
臘八や猫の座禅は時を知 中川乙由
雉子鳴いて座禅始まる大寺かな 沢木欣一
鳰浮巣眺めしあとの座禅かな 小澤克己

以上

# by 575fudemakase | 2019-04-15 17:10 | 無季

座り方 の俳句

座り方 の俳句

正座 端座 静座 結跏趺坐 座禅 車座 円座 鎮座


正座

端座

円座

座禅

静座

鏡開静座の息のゆたかなる 奥峰輝治
静座して惣身の疵や螢のあと 幸田露伴

結跏趺坐

うすあかるく 夕風 仏の結跏趺坐 伊丹公子 ガルーダ
うすくあかるく 夕風 仏の結跏趺坐 伊丹公子
結跏趺坐して雪解の音を聴く 津田清子
結跏趺坐すなはち寒に入る構へ 吉田未灰
結跏趺坐生死の外の涼しさか 橋本榮治 麦生
結跏趺坐雪積るとも積るとも 大野林火 月魄集 距和五十七年
玄冬の蝿の結跏趺坐してゐるつもり 攝津幸彦 未刊句集
黒南風や蘭渓道隆結跏趺坐 川崎展宏
達磨忌の山気せまりし結跏趺坐 市堀玉宗
臘八や有髪の尼も結跏趺坐 中島不識洞

車座

みんな来て車座くめば秋の山 橘川まもる
蟹喰って 女混えぬ夜の 車座 伊丹三樹彦
鰹船飯くふ裸身車座に 瀧 春一
久闊の車座春の炉火熾ん 鷲谷七菜子 一盞
教師車座西瓜を割れば若さ湧く 能村登四郎
桐の花逝きたる者ら車座に 茂木恭子
車座につぐ焼酎は鬼ころし 岡田律夫
車座になって銀河をかなしめり 山崎十生
車座にわれら藷くふわかれかな 加藤秋邨
車座に宇宙の話のつぺ汁 赤尾恵以
車座のキリスト者 梟が風を渡る 星永文夫
車座のひとりが抜けて草を摘む 古田紀一
車座の何を話せる街の秋 遠藤梧逸
車座の吾等を仔馬来て覗く 竹村茅雨
車座の詩人に混り蜜柑剥く 岩淵喜代子
車座の藷焼酎も在所かな 江島つねを
車座の芯に据ゑられ大西瓜 朝倉和江
車座の夜は立ち直るげんげかな 中原道夫
車座はいい人ばかり花の下 坂田玲子
酌むも車座礦夫長屋の風鈴よ 小林康治 玄霜
手習の師を車座や花の児 服部嵐雪
松の芯ときに女も車座に 宇多喜代子
神迎へ巫女車座に汁粉食ふ 豊田豊
神棚の前に車座粽結ふ 浅井陽子
早苗饗の女ばかりの車座も 橋本佐智(円虹)
芭蕉葉の蔭に車座亀甲墓 堀 古蝶
壺焼に車座燈台守ソング 百合山羽公 樂土

鎮座

その奥に鎮座せるもの総落葉 高澤良一 石鏡
温石や鎮座まします臍の上 日野草城
家々に鏡餅のみ鎮座せり 桂信子 草影
紅の帯じめ川床に鎮座まし 檜山火山
鎮座して殺生石も日向づき 平畑静塔
鍋蓋におたまの鎮座芋煮会 高澤良一 随笑
明日をこそ荒れむ神輿の夜を鎮座 藤陵紫泡


以上

# by 575fudemakase | 2019-04-15 17:09 | 無季

桜前線

桜前線


桜前線追ひ山河あり旅三日 河野南畦 『硝子の船』

桜前線追手の兵の皆若き 仁平勝 花盗人

桜前線微熱五体を通過して 倉本 岬

桜前線過ぎてぞ深む海の紺 小金井絢子

桜前線美髯増やして待ちにけり 松山足羽

飛行機で桜前線迎へに行く 品川鈴子

桜前線父母を経て来りけり 正木ゆう子

坊泊りして桜前線待ち伏せす 東野礼子

夫の葬桜前線異状なし 黒木悦子

桜前線にさはられてゐる空気かな 内田美紗 魚眼石

病む日日を桜前線北上す 谷中隆子

足踏みの桜前線西東忌 片山由美子 水精

早過ぎし桜前線混線す 右城暮石 句集外 平成二年

桜前線雨の間に通過せり 右城暮石 散歩圏

我が家を桜前線いつ過ぎし 右城暮石 一芸

桜前線あまりに急に君かなし 山口青邨

けふの賀や桜前線も駈足に 山口青邨


以上


# by 575fudemakase | 2019-04-15 00:22 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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