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楓の芽

楓の芽

例句を挙げる。

いつまでも寒さほどけず楓の芽 岡村閑月
お礼所のいろは楓の芽吹きおり 近石 ひろ子
むづ痒き細枝もつれて楓の芽 富安風生
学問に炎えし血のいろ楓の芽 岡本差知子
川淀や夕づきがたき楓の芽 芝不器男
日の昏れの雀の声や楓の芽 皆川盤水
朝の丘松澄むなかの楓の芽 柴田白葉女 花寂び 以後
楓の芽あるひは紅く出にけり 松本 竜庵
楓の芽ほぐるる一喜一憂に 馬場移公子
楓の芽ほぐれ剥落九体仏 松本 進
楓の芽ほのかに紅し鴨帰る 秋櫻子
楓の芽もはらに燃えてしづかなり 加藤楸邨
楓の芽わが泣顔の前にほぐれ 瀧春一 菜園
楓の芽恍惚とわが病む日あり 細川加賀 『傷痕』
楓の芽朝の音楽つづきをり 村沢夏風
楓の芽燃えたつ妻よ男の子生め 岡部六弥太
楓の芽紅するどしや手枕に 石田波郷
楓の芽艶なきはわが疲れかも 新井英子
楓の芽豆腐平に煮られゐて 桂信子
楓萌えわが服の紺寂びにけり 藤田湘子
浴房洩る灯地をくもらする楓の芽 宮武寒々 朱卓
渓声や夕日の中の楓の芽 岡田日郎
湯けむりをあけぼの色に楓の芽 青柳志解樹
病む父に雨ふると答ふ楓の芽 瀧春一 菜園
神田より帰りて木あり楓の芽 石田波郷
繋がれて鼻擦る牛や楓の芽 野村泊月
雀らの来ては光りぬ楓の芽 野原貞吾
芽楓のあかねにけぶり春時雨 内藤吐天 鳴海抄
芽楓のほのかに奥へいざなへり 鈴木貞雄
芽楓の明るさに歩を揃へけり 稲畑汀子
芽楓の雨をさむがる鹿の子かな 吉田冬葉
芽楓を透き雲去来句碑の空 江口竹亭

以上
# by 575fudemakase | 2015-03-10 00:56 | 春の季語

春の霙

春の霙

例句を挙げる。

こころざし涸れて醍醐の春霙 塚本邦雄 甘露
さすらひに用なき鍵ぞ春みぞれ 佐藤鬼房 潮海
もろもろの木に降る春の霙かな 原石鼎(1886-1951)
カレル橋春の霙となりにけり 阪本萩生
上州に入るいきなりの春みぞれ 矢島久栄
原つぱは原つぱ色に春みぞれ 藤田湘子
姥捨の巌に春の霙かな 大信田梢月
宮城野や春のみぞれを半眼に 佐藤鬼房
巨船着く春の霙の中にかな 伊藤いと子
旅の荷とおもひし傘を春霙 及川貞 夕焼
春みぞれ手に受けている渡り漁夫 筒井フサ子
春みぞれ逢へばかなしきことばかり 井上春美
春霙ひとりの旅に別れはなし 樋笠文
春霙明治生まれがぞろぞろと 内田 美沙
春霙栄螺の籠を打ちにけり 大串 章
春霙豆腐屋が声かけてゆく 石川桂郎 四温
春霙遠き電話の声浮沈 八牧美喜子
春霙鳴りし身節に寝巻着る 木津柳芽 白鷺抄
晨朝の紙燭ともすや春霙 西本一都
汝をいたむ春の霙と降りしかな 石塚友二 光塵
浪々や春の霙の音よけれ 飯島晴子
海近き川に降りこむ春みぞれ 坂本宮尾
無人灯台ともる十五時春霙 瀧春一
独学は履歴に載らず春みぞれ 細川加賀
能を観て春の霙に濡れにけり 植田八重子
限りなく何か喪ふ春みぞれ 山田みづえ
隠れ湯のひとりの昼や春霙 戸田道子
鹿の斑のまだ見えてをり春霙 柚木紀子

以上
# by 575fudemakase | 2015-03-10 00:54 | 春の季語

雪の果

雪の果

例句を挙げる。

あらがへる死臭と香華雪の果 赤松[けい]子 白毫
いろいろの神と遊びし雪の果 伊藤通明
うつしよに犬猫飼はず雪の果 宮坂静生
くわらくわらと橋渡る馬車や雪の果 畑耕一 露座
けぶりゐる田母木や越も雪の果 能村登四郎
しきりなるあと降りあそび雪の果 史石
ひざまくら重さ残れり雪の果 谷口桂子
ぶぶ漬けの昆布よく香る雪の果 市ヶ谷洋子
ほほゑみを目もて分けあひ雪の果 上田日差子
みちのくに逃れ信濃恋ふ雪の果 福田蓼汀 秋風挽歌
みちのくの古き教会雪の果 蓼汀
みまかりし老婢老猿雪の果 西本一都 景色
わが世路や日々躓きて雪の果 石塚友二 光塵
わが職をうばふ一言雪の果 天野松峨
一音のごと鳥すぎぬ雪の果 佐野美智
二重窓に日雀ちらつく雪の果 斎藤 節子
傘さして吾子を身籠る雪の果 長谷川 櫂
古る簷の根津駒込や雪の果 石塚友二
喪主と言ふ一日長し雪の果 吉野トシ子
大江山うちかがやける雪の果 加藤三七子
天と地の境は浅葱雪の果 石嶌岳
天河に追ひつきたりし雪の果 野澤節子
子の睫毛濡れて睡るや雪の果 杉山岳陽 晩婚
常念も爺も峙つ雪の果 澄雄
摩耶夫人乗らるる雲や雪の果 加藤三七子
敷かれつつなづな花あげ雪の果 皆吉爽雨 泉声
杣小屋の噴き立つ釜や雪の果 野村喜舟
松に鳴る風音堅し雪の果 石塚友二 光塵
楮を売り蒟蒻を売り雪の果 西本一都 景色
浄瑠璃の伏目にをはり雪の果 桂樟蹊子
海を見て坂くだりゆく雪の果 野澤節子
湯ざましに浮かす九重雪の果 丸山しげる
発心の小机作る雪の果 石田波郷
真鍮の取つ手ありけり雪の果 五島高資
着くづれの肩のさみしき雪の果 木村蕪城
自己流に生きぬ一と筆雪の果 真夏出来男
被爆せし廃船眠る雪の果 相河美智子
雪の果これより野山大いに笑ふ 高浜虚子
雪の果に展けて暗き湖ならずや 有働亨 汐路
雪の果はるかに火噴く山を恋ふ 高田蝶衣
雪の果山の日あたる障子かな 龍雨
雪の果我等が訪ひしプロバンス 高木晴子 花 季
雪の果泣くだけ泣きし女帰す 林火
雪の果眉濃き人と思ひ見し 新谷ひろし
雪の果自転車押して下校子ら 大東晶子
雲の上を人があるいて雪の果 斉藤美規
飛び喘ぐめをと鴉か雪の果 堀口星眠 営巣期
香薬師とは歩きゐし雪の果 岡井省二
とらつぐみ鳴くこと忘れ雪歩む 城取信平
わすれ雪学費待ちつつ学びをり 福永耕二
仏間より亡父と見てをり忘れ雪 櫛原希伊子
忘れ雪忘れずに降り誕生日 西本一都
忘れ雪明日は別るゝ女とあり 松木 百枝
忘れ雪未来はなやぎ過去うする 西本一都 景色
忘れ雪消えて渚のゆれやまず 野澤節子 黄 炎
忘れ雪白樺とありさびしからず 村越化石 山國抄
忘れ雪近くは舞いてしまくなり 小坂順子
旭川忘れじに忘れ雪 西本一都
東京のせまき空より忘れ雪 土橋たかを
枝道の又枝道の忘れ雪 村越化石 山國抄
病よき老母が甘ゆ忘れ雪 岸田稚魚 筍流し
紅梅の淡きがもとの忘れ雪 橋本鶏二 年輪
還暦やああ清閑の忘れ雪 西本一都 景色
雀らの藪に入りこむ忘れ雪 飴山實 辛酉小雪
終の雪一とひら亀にのりにけり 宇佐美魚目
とめどなく春歌うたへば名残雪 辻桃子 ねむ 以後
ふみきやす雪も名残や野辺の供 向井去来
再びの名残の雪と思ひけり 高木晴子 晴居
名残雪雲にまぎれず山四月 阿部みどり女
山廬いま名残の雪に埋もれし 村松紅花
帰路となる雪の越路に名残あり 高濱年尾 年尾句集
春告ぐる名残の雪と思ひけり 稲畑汀子
海猫鳴いて岬は雪の名残かな 足立美恵子
節子忌を過ぎてまさかの名残雪 長谷部信彦
若き日を眩しむよはひ名残雪 古賀まり子
葬送の名残の雪のはげしさよ 安原葉
薬臭のはなれてゆきし名残雪 仙田洋子 雲は王冠
まのあたり修羅なす雪の別れかな 西村和子 かりそめならず
二上山も三輪山もゆるびぬ別れ雪 和田悟朗
傘杉の注連あらあらし別れ雪 古舘曹人 砂の音
別れ雪寝酒を妻にわかちけり 灯京
別れ雪思ひのたけをしまきけり 西村和子 かりそめならず
別れ雪持ち田へわたす丸太橋 石川桂郎 四温
夜半より雪の別れとよゝと降る 星野立子
大琵琶の模糊とし雪の別れかな 桑田青虎
子離れの運否天賦や別れ雪 清治法子
惜しまざる雪の別れといふことに 小玉艶子
木々の秀に消ぬべく光り別れ雪 西村和子 窓
机買ふ算用雪の別れかな 小林康治
格子戸にたまりし雪の別れかな 松村幸一
籠松明に積りて雪の別れかな 伊藤いと子
草千里雪の別れの匂ひ立つ 小出秋光
葬る日の朝より雪の別れかな 安原葉
陽が射して雪の別れを甘やかす 岩崎法水

以上
# by 575fudemakase | 2015-03-10 00:52 | 春の季語

斑雪

斑雪

例句を挙げる。

ぬばたまの夜目にも峡の斑雪かな 村山古郷
ひとすぢの水の音あり斑雪山 行方克巳
ふらここの鎖まつすぐ斑雪 角川照子
みやげ屋の熱き呼びごゑ斑雪山 堀口星眠 樹の雫
わが胸の斑雪の解けず小雀鳴く 遠山郁好
下校児は女の声まさり斑雪村 岸田稚魚 筍流し
佐保姫の鈴鳴る水の斑雪山 山上樹実雄
傷みたる翼のごとき斑雪あり 関利光
八ケ嶽聳てり斑雪近膚吾に見せ 橋本多佳子
反芻の牛に遠見の斑雪山 鷲谷七菜子 花寂び
古傷に斑雪風沁むよろひても 稲垣きくの 牡 丹
古葉掻く鶏に四山の斑雪照る 金尾梅の門
啄木鳥の木屑鮮し夕斑雪 堀口星眠 営巣期
嘘の語尾乱れ斑雪となりにけり 谷口桂子
四つ手網斑雪伊雪にしたたれり 福永耕二
地鎮めの竹担ぎ出す斑雪山 三森鉄治
姉が目の敵に菊畑の斑雪 塚本邦雄 甘露
安達太良は夜雲被きぬ斑雪村 石田波郷
川音にふたたび出合ふ斑雪村 古賀まり子
幾代織り山の斑雪に絣似る 宮津昭彦
愛欲に斑雪の山の遠静か 三谷昭 獣身
愛鷹の斑雪は消つゝ吾子生れぬ 渡辺白泉
括り桑ざんばら桑も斑雪かな 八木林之助
放哉の若狭の寺の斑雪かな 今福心太
文字盤の中も斑雪の花時計 鷹羽狩行
斑雪ある靄地を這へり落椿 石原八束 空の渚
斑雪の丘われよりさきに声のぼる 加倉井秋を
斑雪坂は死角に樹風生み 河野多希女 こころの鷹
斑雪山かたくり咲ける頃とおもふ 鈴木貞雄
斑雪山にぎやかに葬の人帰る 中拓夫
斑雪山はるかに鹿が耳立てる 藤森都史子
斑雪山半月の黄を被るなり 大野林火
斑雪山四方よりせまる別れかな 永田耕一郎 雪明
斑雪山月夜は滝のこだま浴び 飯田龍太
斑雪山目の前に来て懸巣鳴く 和公梵字
斑雪山真下に機上のティータイム 塩川祐子
斑雪嶺に会ふまばゆさの顔撫でて 村越化石 山國抄
斑雪嶺のふかきへ鱒を提げゆくか 村上しゆら
斑雪嶺の影のゆらぎの絵蝋燭 吉田紫乃
斑雪嶺の暮るるを待ちて旅の酒 星野麦丘人
斑雪嶺や雀尾長も声潤ひ 行木翠葉子
斑雪嶺を仰ぎ応挙の絵を見たり 越智照美
斑雪嶺を神とも仰ぎ棚田打つ 伊東宏晃
斑雪照り山家一戸に来るはがき 鷲谷七菜子 花寂び
斑雪空へつながる海の紺 加藤憲曠
斑雪野に古傷かばふ身を斜め 稲垣きくの 牡 丹
斑雪野に月あり青き魔がひそみ 堀口星眠 営巣期
斑雪野へ父の柩を焼きにやる 小林康治 四季貧窮
斑雪野やいきなり尽きて陸奥の海 中川禮子
斑雪野や産着干さるる牧夫寮 丸山美奈子
日がさしてくるはさびしや斑雪山 清崎敏郎
昃りし斑雪のごとく静かなり 小林康治 玄霜
春伐りのこだま斑雪の瀬山越え 石原八束 雪稜線
暮れ際のさくらむらさき斑雪山 堀口星眠 営巣期
杜氏帰る斑雪山肌海へ垂れ 安達峰雪
松過ぎや斑雪の上の雪催ひ 石田波郷
楢青み蔵王に縋る斑雪見ゆ 小林康治 玄霜
水ゆたか仏心ゆたか斑雪村 井上閑子
河口広く斑雪に日暮さまよへり 松村蒼石 雪
波止場見にある日斑雪の丘に佇つ 稲垣きくの 牡 丹
火祭りの火の粉降りこむ斑雪 遠山弘子
点滴筒斑雪浅間の宙に吊り 堀口星眠 営巣期
熊笹や湯壷に落つる斑れ雪 桂 信子
燕来て八ケ岳北壁も斑雪なす 相馬遷子 山国
白鳥の帰北うながす斑雪山 野沢節子 八朶集
目を炎やす鷹に逢ひたし斑雪ゆく 村越化石 山國抄
硫黄噴く斑雪の谷をよぢ帰る 『定本石橋秀野句文集』
禽のみに目聡く斑雪野に住めり 堀口星眠 営巣期
納得のゆかぬあれこれ斑雪 伊藤 梢
納骨の人ら斑雪の端ゆけり 村越化石 山國抄
終に風けものの性を斑雪山 緒方敬
縄跳びの少女斑雪をはるかにす 堀口星眠 営巣期
翔つものの影のすばやき斑雪村 山上樹実雄
胸ひらく母の眼をして斑雪山 堀口星眠 青葉木菟
良いときにお逝きなされて斑雪山 鳥居美智子
蒼天に鷹の帆翔斑雪村 佐藤国夫
蟹糶場声とぶ時化値斑雪して 石川桂郎 高蘆
軒低く干す小鰈や斑雪 鈴木真砂女 夕螢
送水会や日ののこりゐる斑雪山 猿橋統流子
逢へさうな逢へなささうな斑雪山 鳥居美智子
遠嶺斑雪夕鶴は声やはらかに 神尾季羊
鉄を打つ谺短かし斑雪山 阪本 晋
雉子鳴けり斑雪浅間は薄目して 堀口星眠 営巣期
馬酔木野の斑雪いくさを想はざる(義弟に) 『定本石橋秀野句文集』
鱒生れて斑雪ぞ汀なせりける 石田波郷
鶴の墓斑雪一枚残しけり 冨田みのる
あたたかき春のはだれは今日ひと日博物館の芝にのこりぬ 清水房雄
うつくしきはだれのこころしばしあり 岡井省二
お彼岸や畝間々々のはだれ雪 金尾梅の門 古志の歌
はだれのやまんげつをとぶゆふがらす 金尾梅の門
はだれ野に朽ちて簓の仏かな 小原啄葉
はだれ野のはだら雪踏みえぶり来る 阿部信子
はだれ野の安曇に聞けり卒業歌 及川貞 夕焼
はだれ野の胸をあはせしごとくなり 平井照敏 天上大風
はだれ野の風むらさきに妻が来る 伊藤松風
はだれ野や満月をとぶ夕鴉 金尾梅の門
はだれ野をい行きて己れ三十九 鈴木しげを
はだれ雪ひらりとしてはみそさざい 伊賀-祐甫 俳諧撰集「有磯海」
はだれ雪モンマルトルの紅灯に 荒木忠男
はだれ雪踏み立つや雁はるかなり 水原秋桜子
双子山頂のはだれ夕日かな 滝井孝作 浮寝鳥
寒菊や茂る葉末のはだれ雪 炭 太祇 太祇句選後篇
杭もなし名を捨てし那智のはだれ野 沼尻巳津子
椋鳥に愛の兆しやはだれ雪 堀口星眠 営巣期
深夜訪へど終に会へざりはだれ雪 松崎鉄之介
老いぬるやいろは混りのはだれ雪 橋石 和栲
赤城嶺のはだれて宵は夜叉の道 鳥居美智子
野焼あとはだれにさびし草千里 石原八束 空の渚
鷦鷯家はとぎるるはだれ雪 如行 芭蕉庵小文庫
はだら雪仮装神武の青き髭 佐川広治
春もやや瓦瓦のはだら雪 室生犀星
青鍋の塔晴れて立つはだら雪 有働亨 汐路
はだら雪踏みて来し温泉に朧なり 林原耒井 蜩
光よ影よはだらの雪も惜しまるゝ 林原耒井 蜩
鴨のこゑ月照るかぎり雪はだら 金尾梅の門 古志の歌
はだら雪伊吹の襞を雁帰る 久米正雄 返り花
初比叡や中堂の辺のはだら雪 上林白草居
はだら雪伊吹の襞を雁帰る 久米正雄 返り花
春もやや瓦瓦のはだら雪 室生犀星 犀星発句集
犀川や黒き瓦のはだら雪 井上雪

以上
# by 575fudemakase | 2015-03-10 00:51 | 春の季語

鮎汲

鮎汲

例句を挙げる


とほく見て息ととのふる鮎汲衆 坂巻純子
なつかしき鮎汲悪夫たりし父 籏こと
みづうみに鮎汲桶の投げらるる 井上弘美
五日経ぬあすは戸無瀬の鮎汲ん 向井去来
夢さめて鮎汲みに出づ庵主かな 尾崎迷堂 孤輪
小鮎汲み暮れたる空に雪の比良 西村公鳳
小鮎汲来てをり島の流れにも 茨木和生 倭
小鮎汲柳しばしば潜りけり 至青
岩打つて滝となる瀬や小鮎汲む 杉下青蛙
楽しみは浅瀬にあるや小鮎汲み 井上井月
比良かくす雨いくたびや小鮎汲 笹井武志
汲鮎や釣瓶の中の不二の山 鮎汲 正岡子規
茶はつまで身をうち川の小鮎汲 芙蓉花
蓑つけて主出かけぬ鮎汲みに 高濱虚子
薄絹の水のおぼろや小鮎汲 西山泊雲
鮎汲に童が流す草の花 米沢吾亦紅 童顔
鮎汲の*たも網の長柄のよくしなふ 木全篝火
鮎汲のこども乾かす巌かな 飴山實
鮎汲の撓ひてやまぬ老の腰 広岡仁 『休診医』
鮎汲の終日岩に翼かな 蕪村
鮎汲の背に風除の蓆幡 村上冬燕
鮎汲みて遠き父祖より世捨人 堀口星眠 青葉木菟
鮎汲みにみぞるる波のうちやまず 角田拾翠
鮎汲みに鉄路の野ばら暮れのこる 宮武寒々 朱卓
鮎汲みの焚火にぎやか琵琶の湖 沢崎ゆきえ
鮎汲みや桶に挿める岩つつじ 松瀬青々
鮎汲むや川風のまだ冷たくて 竹並朋喜
鮎汲も酣ならむ廂かげ 宇佐美魚目
鮎汲や喜撰が嶽に雲かゝる 高井几董
鮎汲や喜撰ケ嶽に雲かゝる 几董
鮎汲や夕冷早く峡を占め 徳永山冬子
鮎汲や比良も伊吹も薄曇 野原春醪
鮎汲や糧をわすれし巌たかき 飯田蛇笏 山廬集
鮎汲や糧を忘れし巌高き 飯田蛇笏
鮎汲や裾しぼりゐる砂利の上 松香
鮎汲を見てゐて童殖え来る 米沢吾亦紅 童顔


以上
# by 575fudemakase | 2015-03-10 00:49 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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