雛の間

雛の間

お仏間の今しばらくは雛の間 山田閏子
くれなゐの闇あたたかき雛の間 西村梛子
なゐふるや燦爛として雛の間 山口青邨
ひと寝ねずけり雛の間となりてより 山口波津女 良人
ふと気配して雛の間また灯す 稲岡長
むしろ寒くて雛の間に灯をやれば 金田咲子 全身
格子よりのぞく雛の間昼行灯 山口青邨
居残りて四五人話す雛の間 松藤夏山 夏山句集
古き世の如く雛の間ほの暗く 成瀬正とし 星月夜
好もしく低き机や雛の間 高浜虚子
更闌けて入る雛の間の明るさよ 日野草城
行灯をともす雛の間影くらく 山口青邨
豪雪の予報に点す雛の間 冨田みのる
忽忙のいつとき雛の間を通る 蓬田紀枝子
自らを辞す雛の間の影法師 平畑静塔
寂庵に雛の間あり泊りけり 黒田杏子 一木一草
少年に結界となる雛の間 復本鬼ケ城
少年のごとくに雛の間をよぎる 金田咲子 全身 以後
新築のプランに入れて雛の間 稲畑廣太郎
身の内を緋色に雛の間を出づる 齋藤愼爾
人の気配する雛の間を覗きけり 中村苑子
雛かざらぬ雛の間亡き娘が坐りをり 柴田白葉女 花寂び 以後
雛の間が巡礼さんの休憩所 手塚金魚
雛の間といふすさまじき真闇あり 齋藤愼爾
雛の間にいつまでも黒硯箱 鷹羽狩行
雛の間にいま目覚めなば盲ひなむ 齋藤愼爾
雛の間にしばらく月の遊びゐる 矢崎幸枝
雛の間にとられてくらきほとけかな 曉台
雛の間にぬぎすててある喪服かな 仙田洋子 雲は王冠
雛の間にのべて衾の貧しかり 能村登四郎
雛の間に何くはぬ顔してをりぬ 金田咲子 全身
雛の間に拾ふ白髪われのもの 齋藤愼爾
雛の間に寝てたましひの眠られず 大石悦子
雛の間に寝て夢の国あをからむ 中拓夫
雛の間に雛睦み合ふ真夜の闇 林翔
雛の間に足にも枕あてゝ病む 国弘賢治
雛の間に通りて下ろすランドセル 佐藤美恵子
雛の間に天平の灯のともりけり 金原秋水子
雛の間に投げ込まれたる夕刊よ 岸本尚毅 舜
雛の間に非ず小人形一つ置き 京極杞陽 くくたち下巻
雛の間に来て胸の内あかしけり 老川敏彦
雛の間に隣りひつそり家族の間 右城暮石 句集外 昭和三十八年
雛の間のガラス戸妻子ゐて曇る 辻田克巳
雛の間のとなりのしんとしてをりぬ 石田郷子
雛の間のぼんぼりの夜の翳あまた 長谷川素逝
雛の間のわけても母の遙かなり 齋藤愼爾
雛の間の暗さに慣れて通りけり 井上雪
雛の間の闇うつくしき朝寝かな 原コウ子
雛の間の見えてゐるなり理髪椅子 松山足羽
雛の間の更けて淋しき畳かな 高濱年尾 年尾句集
雛の間の窓に柿の木ありしこと 京極杞陽 くくたち下巻
雛の間の天井にゐる鼠かな 山口波津女 良人
雛の間の隣りは座敷童子の間 小原啄葉
雛の間へいたはられつゝ階のぼる 国弘賢治
雛の間へ幾唐紙や開通し 温亭句集 篠原温亭
雛の間やきのふ火燵を塞きけり 政岡子規 雛祭
雛の間やひたとたて切る女夫事 村上鬼城
雛の間や意地悪の内侍おしやま君 尾崎紅葉
雛の間や色紙張りまぜ廣襖 杉田久女
雛の間や寝息異る三姉妹 伊丹三樹彦
雛の間より戦争の闇はじまるか 齋藤愼爾
雛の間よ背広吊すも飯食ふも 岸本尚毅 舜
雛の間をかくれんばうの鬼覗く 行方克巳
雛の間をしばらく灯し置きにけり 行方克巳
雛の間をときどき通る男の子 黒沢智恵子
雛の間をひらくや雨の如意輪寺 小澤満佐子
雛の間を寝間にもらひぬ熟睡しぬ 森澄雄
雛の間を通りて旅の二階宿 冨田みのる
雛の間を通る湯上りの身を包み 朝倉和江
雛の間を猫の素通りしてゆけり 石嶌岳
雛の間を夜に通りけりただ暗く 山口波津女 良人
雛の間更けて淋しき畳かな 高浜年尾
雛の間出て 雪後まぶしむ手庇 尼 伊丹三樹彦
雛の間良寛の偽書平然と 藤田湘子 神楽
昔男ありけりと読む雛の間 山田弘子
雪を来し目が暗むなり雛の間 安住敦
男ごゑして雛の間のともりけり 赤尾冨美子
通されて雛の間までの間取よき 能村登四郎
灯を継ぐと来し雛の間にとゞまりぬ 林原耒井 蜩
灯を消すやしばらく雛の間のゆるる 能村登四郎
灯を消せば闇もやはらか雛の間 若倉文子
八ミリを見る雛の間を暗くして 高野素十
飛石を伝ひ通さる雛の間へ 右城暮石 一芸
暮れのこる連山雛の間を灯す 田辺博充
母が居て子が居て雛の間となれり 菖蒲あや あ や
母とゐて雛の間といふ眠たき間 大木あまり 雲の塔
母の忌や灯を消しにゆく雛の間 岸田稚魚
戻りゆく渡舟の見ゆる雛の間 摂津よしこ
悄然たる路上の馬を雛の間より 金子兜太 金子兜太句集
閨の灯の細う洩れたる雛の間 阿波野青畝

# by 575fudemakase | 2018-02-21 09:32 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

雛の家

雛の家

ひんやりと人の影ゆく雛の家 酒井弘司
やはらかき闇をめぐらす雛の家 日色愛
一寸ゐてもう夕方や雛の家 岸本尚毅(1961-)
雨の竹群歩み尽きれば雛の家 柴田白葉女 花寂び 以後
横山の道なりに来て雛の家 飯島晴子
記念樹の松あをあをと雛の家 蒲沢康利
近づいて犬吠えかかる雛の家 森澄雄
月光は川原伝ひに雛の家 廣瀬直人
見えてゐる大き落合雛の家 岡井省二 有時
戸袋に闇をのこせる雛の家 鷹羽狩行
皿沈む水のあかるさ雛の家 井上雪
山がかりして松の薪雛の家 宇佐美魚目 秋収冬蔵
山の手に花の軒あり雛の家 井上士朗
深川や風が戸叩く雛の家 加藤耕子
水かぶる日本しづかな雛の家 攝津幸彦
水の音山に放てり雛の家 酒井和子
雛の家ほつ~見えて海の町 原石鼎 花影
雛の家も廃車の山も月夜かな 飯田龍太
雛の家雑木山より朝日出て 斉藤美規
雛の家篠竹垣を結ひしばかり 山本洋子
雛の家杉の樹間に見えにけり 藤田あけ烏 赤松
雪の田に灯を流しゐて雛の家 能村登四郎
草の戸も住かゆる代ぞ雛の家 芭蕉 芭蕉翁発句集
草の戸も住み替はる世ぞ雛の家 芭蕉
太々と真鯉のをりし雛の家 日原傳
竹叢に雪しざりつつ雛の家 能村登四郎
茶畑の奥に日当る雛の家 山本洋子
白髪の人の出で来し雛の家 宇佐美魚目
畑に向き毛氈見ゆる雛の家 右城暮石 句集外 昭和三年
風強き隠岐に泊りて雛の家 折井眞琴
裏口に海見えてゐる雛の家 柳下良尾

# by 575fudemakase | 2018-02-21 09:31 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

雛の宴

雛の宴

人の世の時計鳴りそめ雛の宴 鷹羽狩行
雛の宴五十の内侍酔れけり 黒柳召波
雛の宴天井に雲画せん 黒柳召波
大井には子持の君ぞ雛の宴 凉菟
鉄筋の壁をそびらに雛の宴 鷹羽狩行
天照す雛の宴と灯りたり 阿波野青畝
蝋涙の富貴なさまや雛の宴 安藤橡面坊

# by 575fudemakase | 2018-02-21 09:30 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

雛の客

雛の客

ほゝ笑めば簪のびらや雛の客 杉田久女
皆老いて雛の客とも思はれず 高木晴子 花 季
恐龍の名を諳んじて雛の客 日原傳
吾娘欲しと言ふ青年が雛の客 山内山彦
紅梅の宿にもどれば雛の客 中勘助
姉妹のそれ~雛の客を待つ 高浜年尾
次の間の雛の客となりにけり 角川春樹
篠笛をたづさへ来たり雛の客 加藤三七子
出戻りの姉哀なり雛の客 中村楽天
雛の客なりし君なりたくましき 文挟夫佐恵 黄 瀬
雛の客言はぬが花の名をきかれ 平畑静塔
雪崩跡越え来て雛の客となる 勝山耕南
船を降り傘きせられつ雛の客 宮武寒々 朱卓
馳走する身も我なれや雛の客 梅 俳諧撰集玉藻集
椿子に会ひたしと言ひ雛の客 千原叡子
道に出てひろがり帰る雛の客 鷹羽狩行
白酒や夜は夜で老の雛の客 山川能舞
妹が門雛の客に開きあり 成瀬正とし 星月夜
謡ひやめ雛の客を迎へけり 高浜虚子

# by 575fudemakase | 2018-02-21 09:29 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

雛の灯

雛の灯

ひき止めて雛の灯ともし頃となる 水田むつみ
引き止めて雛の灯ともし頃となる 水田むつみ
雨垂に雛の灯映りけり 山口青邨
黄昏や雛の灯に桜散る 政岡子規 雛
虚子御像幻ならず雛の灯に 桑田青虎
消ゆるまでの雛の灯にあり桜草 碧雲居句集 大谷碧雲居
雛の主在らで雛の灯明るけれ 小松崎爽青
雛の灯つけ終りたるしづ心 内藤吐天 鳴海抄
雛の灯にあかるき夢の一間かな 中川宋淵 詩龕
雛の灯に衣引かふて岩ばしや 東皐
雛の灯に近く独りの影法師 桂信子 月光抄
雛の灯に酢貝浮かして遊びけり 龍胆 長谷川かな女
雛の灯に髪照らされて夜は素直 柴田白葉女 花寂び 以後
雛の灯のこぼるる星の伏せ柄杓 対馬康子 吾亦紅
雛の灯のともる一事や草の宿 後藤夜半 翠黛
雛の灯の谿にこぼるる吉野建 長谷川閑乙
雛の灯へ薬行商荷をひろぐ 羽部洞然
雛の灯も忘れてそそと夕餉かな 富田木歩
雛の灯や憂ひなかりし日のことなど 桂信子 月光抄
雛の灯をともすスヰッチが押入に 加倉井秋を
雛の灯を今宵の客に灯しけり 高濱年尾 年尾句集
雛の灯を消せば近づく雪嶺かな 本宮哲郎
雛の灯現々乳房断たれたり 古賀まり子 緑の野
雛の灯四方の山々夜明けつつ 飯田龍太
雛の燈にいぬきが袂かゝるなり 蕪村遺稿 春
雛の夜を雛の灯もなく寝る子らよ 能村登四郎
地震ゆれのみほとけの灯よ雛の灯よ 西本一都 景色
恥らひて鼻白む雛の灯かな 安斎桜[カイ]子
日を経てはおこたる雛の灯かな 軽部烏頭子
病み臥しの身に雛の灯のともる夜や 村山故郷
本陣のめぐらす水に雛の灯 西本一都 景色
夕霽り寒く雛の灯さゝげけり 金尾梅の門 古志の歌
籠り居る母の晩年雛の灯 成田郁子

# by 575fudemakase | 2018-02-21 09:23 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)


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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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