坂口昌弘著 忘れ得ぬ俳人と秀句を読んで (高澤良一)
東京四季出版 2024年5月15日 発行
◼️村上鬼城
何の彼のと銭がいるなりお正月
誰も死に彼も死にたる薊かな
念力のゆるめば死ぬる大暑かな
◼️松瀬青々
大和岡寺菩薩の子なり蛙子(かへるご)も
裏白は何か神代を思はする
◼️富安風生
生くることやうやく楽し老の春
◼️阿部みどり女
絶対は死のほかはなし蝉陀仏
めまぐるしきこそ初蝶と言ふべきや
短日をほどよく動き日記書く
◼️長谷川かな女
主よりかな女が見たし濃山吹 石鼎
若葉見る机に肱の白さかな 石鼎
茅の輪くゞりて今年も守れる命かな
秋風に御佛となる尊とさよ
水入れて春田となりてかがやけり
◼️後藤夜半
啓蟄の蜥蜴たわみて美しき
啓蟄の蜥蜴に心許しをり
松の内相見ゆこと美しく
人を見るこころもとなき鹿の子かな
端居して遠きところに心置く
蓑虫の鎧ひごころのふといとし
金魚玉天神祭映りそむ
神農の虎ほうほうと愛でらるる
風邪を引くいのちありしと思ふかな
着ぶくれしわが生涯に到り着く
破れ傘一境涯と眺めやる
◼️右城暮石
妻の遺品ならざるはなし春星も
和歌山県天から海から春来るよ
海岸線長き和歌山県霞む
虫飛べり今年生れのものばかり
蜂のみの知る香放てり枇杷の花
◼️中村汀女
玉蟲の何するすべもなく死にし
ただ苺つぶし食べあふそれでよし
芝を焼く美しき火の燐寸かな
外にも出よ触るばかりに春の月
わが心ふとときめけば小鳥来る
子を遠く大夕焼に合掌す
◼️福田蓼汀
秋風や遺品とて磧石ひとつ
この門を出でて帰らず魂迎
濃紫陽花詩に生きんとす敗者われ
田螺より愚かに生きて職もなし
神々の座とし春嶺なほ威あり
◼️鈴木真砂女
羅や人悲します恋をして
夏帯や一途といふは美しく
夫を捨て家捨てて鰺叩きけり
蛍火や女の道をふみはづし
働いて働いて死ぬか火取虫
死が見えて来たる齢や居待月
戒名は真砂女でよろし紫木蓮
限りあるいのちよわれよ降る雪よ
遺産なければ遺言もなし鮟鱇鍋
今生のいまが倖せ衣被
◼️安住敦
相寄りしいのちかなしも冬ごもり
眼中に牡丹の花のほかはなし
汗鹹し友の死悼む言とぎれ
みごもりしことはまことか四月馬鹿
花明しわが死の際は誰がゐむ
◼️相馬遷子
冬麗の微塵となりて去らんとす
梅酒飲む波郷と思ひ更に飲む
濃く浄き秋の夕焼誰も見ず
◼️三谷昭
暗がりに檸檬泛かぶは死後の景
胸に夜々梟が棲み呆と鳴く
◼️文挾夫佐恵
長寿とは何程のこと秋寂ぶや
火の性(さが)にあらねど凌霄花(のうぜんかづら)好き
◼️林翔
光年の中の瞬の身初日燃ゆ
端居してこの身このままこはれもの
脳味噌といふは味噌黴びて物忘れ
ピアノ涼し音が音追ひ音に乗り
降る雪の奥も雪降るその奥も
老いはかく音もなく来る花八つ手
汗し思ふいつか死ぬただそれだけと
燃えながら吾も散りたし紅葉どき
◼️斎藤玄
死が見ゆるとはなにごとぞ花山椒
死期といふ水と氷の霞かな
鳴きそめしつくつくぼうしいづれ死ぬ
病中のはたと美し青山椒
秋の水生のきはみをよく映す
たましひの繭となるまで吹雪きけり
◼️平松小いとゞ
銀漢も泣けわが部下の骨拾ふ
雨つよくあやめいよいようつくしく
明治節降魔のいくさ今もなほ
◼️皆川盤水
月山に速力のある雲の峰
◼️鈴木六林男
天上も淋しからんに燕子花
遺品あり岩波文庫「阿部一族」
水あれば飲み敵あれば射ち戦死せり
右の眼に左翼左の眼に右翼
◼️草間時彦
ふりかへりだあれもゐない秋の暮
金魚赤し賞与もて人量らるる
秋鯖や上司罵るために酔ふ
甚平や一誌持たねば仰がれず
人死んでまた死んで年新たなり
老後とは死ぬまでの日々花木槿
白粥やそろそろ吾も生御魂
◼️成田千空
白光の天上天下那智の滝
天上は法楽の青さくらの芽
天高く発掘土偶みな出臍
◼️村越化石
色鳥や心眼心耳授かりて
茶の花を心に灯し帰郷せり
森に降る木の実を森の聞きゐたり
如何な世になるも存ぜぬ座禅草
◼️森田峠
何祈るとはなけれどもケルン 積む
露の世に胆石一つ見つかりし
◼️星野麥丘人
元日のお寺さまとは深大寺
あきかぜやなんにもなくてあたりまへ
只の年またくるそれでよかりけり
朝顔を蒔いてすることなかりけり
向日葵やよせばいいのにニーチェなど
老人の日は老人でゐることに
ダウ平均どうでもよろし又雪が
箱庭に本物の雪降ってきし
◼️川崎展宏
人間は管より成れる日短
石榴の花の彫りの深さよ造物主
◼️岡本眸
梅筵来世かならず子を産まむ
露の身や仏に跼み神に立ち
夏旅の不用の用の紐一本
かかる小さき墓で足る死のさはやかに
◼️今井杏太郎
なにをすることもなくゐて夜の長き
浦島の太郎は老いて陽炎に
うたたねの夢のはるかを蝉のこゑ
◼️綾部仁喜
忘らるる栄死者にあり草萌ゆる
三月の咽切って雲軽くせり
◼️大牧広
樹木医になりたき来世はるがすみ
黄塵や難儀な国の二つ三つ
着ぶくれて余生いよいよあからさま
お迎へが来るまで書くぞ雪しんしん
初句会たたかふ俳句欲しかりき
世の中を正しく怒れ捨案山子
難解句であればよいのか蜘蛛に聞く
玉子かけご飯の至福一の午
◼️上田五千石
これ以上澄みなば水の傷つかむ
死の淵といふ秋水の透明度
◼️遠藤若狭男
漱石も百円均一古書の秋
以上
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by 575fudemakase
| 2025-07-14 04:15
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石田郷子句集 万の枝を読んで (高澤良一)
ふらんす堂 2024・9・18
俳人協会賞と云うので一寸読んでみた。著者とは18歳私が齢を取っている。
共鳴句は以下の通りであった。
くうと鳴く猫と暮らせば八月来
一点の曇りもなくて唐辛子
猪のあとか凍土ふつとんで
青柿のいつもひつそりかんとして
桔梗の映りて黒き公用車
死ぬふりの蜘蛛を見てをりあたたかし
縄張って明日筍掘るといふ
柿照りて二三干しある男物
森青蛙こんなに暗き水に棲み
登山宿ボイラーをはや焚きつけて
吹き降りの雨にも鳴るよ軒風鈴
みちのくと聞けば涼しくなりにけり
群れ咲くは俑のごとしや曼珠沙華
食べて寝て痩せてゆく猫草の秋
月の出や叩いてならす蕎麦枕
天泣のはつかな音も冬隣
老猫にきせてやりたや負真綿
初晴にして干し物をはばからず
お三どんてふをしてをり日脚伸ぶ
懐に犬が貌出す梅見かな
草引いてある明らかに住んでゐる
うまくないけどとくださる真桑瓜
金縷梅に顔集まって来たりけり
芹摘んでをると応へし橋の下
かつて宮ありし容に春の木々
蔵があり井戸があり白梅が散り
刷新といふ思ひあり水の秋
極月のいつも日当る向う岸
如何にせむあなたに止まる冬の蠅
ほうたるを待つ横顔に加はりぬ
以上
(盲選陳謝)
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by 575fudemakase
| 2025-07-11 06:30
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最近の嘱目句あれこれ32 2025年 (高澤良一)
◼️春
山葵海苔ちと辛いぞと箸を置き
妻勧む焼海苔二片の朝餉了ゆ
息継いで登りゆく人芽吹山
惜春の情有とせば寄居虫
素早さは乙鳥線状降水帯
思い切り初蚊を打てば飛び散る血
山菜採り時がゆっくり流れる故
◼️夏
老鶯の声聞きながら飛竜頭食ぶ
春宵の手遊び始まりおちゃらかほい
落し文つらつら読んで次の文
くちなはの道横断す太き胴
空気吸ひ絶えなる楽を夏うぐひす
ザッときてサッと止む雨虹立てる
雨脚の駈け抜ける宿(しゅく)清々しい
楊梅の暗紫を踏みて中仙道
立石寺階を打つ夏の雨
銭葵給料袋があった頃
気まぐれな雨が降るなり京鹿の子
紅しるき挿し絵の蛇や日高川
物惜しみ線香花火の一本にも
たわいなき会話をけふも梅雨入前
喋るだけ喋ってすっきり夏の暮
白雨来て雨のはらつくとっくり椰子
流されじとあめんぼ少し遡る
海猫(ごめ)卍逆波白く立つ処
今旬の茗荷の浅漬け朝ごはん
和の御膳鯵の梅だれてふ御膳
風雑然夏と云っても秋近く
学校の防火用水青味泥
青みどろ桶より掻き出し汗みどろ
水平線遠に残して夕立晴
夕立のあとの街並み眼下にす
夕立が砂場を叩き始めたる
大空が破れ落ちる音夕立
かたつむりは雌雄同体ええじゃないか
夕立に背後襲はれモノレール
夕立の胸すくやうに海面打ち
夕立に引き返しては来ぬかとも
夕立の音の跡翳殺到す
行きあたりばったり夕立ビル街へ
白雨に西も東も判らなく
洗濯はこれで三度目入道雲
見境なく鶏走り出す白雨
夕立にあっと消えたる東京湾
避暑客のたてこんでくる小海線
三羽目の青葉木菟の子洞を出で
明易の腓返りに妻呼べる
蝉ごゑの中に蝉ごゑ割り込みて
指先で転がし蝉の確かな死
炎帝にはたき落とさる黒揚羽
ひんやりとシャワー浴び来しふくらはぎ
青古郷法事一つに繋がりて
ジャンバラヤかかり飲みかけアイスティー
はかどらぬ句作だらだら自堕落梅雨
雨の日で寒そうなんだが半ズボン
ミラノサンド所望す梅雨入の駅前茶房
海に入る山の緑の透る漁場(真鶴半島)
蝉聴き飽き暗くなったらひとり外出
アナベルは西洋式呼称にして涼し
アナベルの紹介インスタグラムにて
アナベルに夕闇迫る公園緑地
アナベル一本剪りてほーらと高掲げ
真っ白に西洋アジサイシュガーホワイト
この一帯群生アナベル薄青帯び
アナベルの毬のぼってり道塞ぐ
「オタクサ」が西洋アジサイの源にて
老鶯を背にして朝の厠かな
肩先を蟻に這はれてひぃと云ふ
ノリウツギ・ライムライトは仄明るし
咽ぶよな緑纏ふてノリウツギ
凄みある緑纏ふてノリウツギ
日本産紫陽花が祖(おや)このアナベル
ハイドランジアの首の累々半日蔭
手毬咲き西洋アジサイハイドランジア
ハイドランジア・パニキュラータ・ボボてふアジサイ
夏雲飛ぶハートクリニックへ向う路(心臓内科)
楊梅の樹下の薄暗がりを来る涼風
血圧測定128・70・81の夏
糞忙し盛夏に時差式信号機
いまいましき蚊が鼻先を行く朝(あした)
かかりつけグッドハートに行く真夏日(心臓内科)
くゆらする煙草のけむり夏至の昼
かあーかあーと間伸びしたこゑ夏至昼餉
胃に負担かからぬものをと夏至の昼
夏至夏至と己をなじりとばす日々
熱中症対策暑さ馴れしておけと
キャラメル味多きデザート夏菜添え
足の裏手の裏ほっぺへ保冷剤(熱中症対策)
保冷剤のもち方大事けふ真夏日
けふは夏至Cool Japanを覗き見て(テレビ番組)
青梅雨に似てゐて言ひがかり鬱陶し
夢は寝い目が語源と辞書にある真夏
コンビニ前大扇風機でんと据え
けふも暑くなりさうなりと「チ」と雀
鍾乳洞不二洞涼しと客集ふ
聴けば納得河骨の名の由来
盛る夏こじゃれたメロディポールモーリア
夏至の日を人より先に起き居てひっそり
蕺草で薬草作り化粧水
さくらんぼ山形紅王出回れり
日めくりをきって落とせる今朝夏至ぞ
断捨離の未だ不充分夏至も過ぎ
夏至曇り散髪やってすっきりす
老鶯のこゑもぼんやり朝まだき
禽こゑも二タ色夏至の朝まだき
断捨離の本図書館へ渡しに夏至
夏至近し合間を縫って庭仕事
夏至近し葉先とんがる草引いて
夏至の日のうぐひすも又早起きで
鉢退ければ蟻となめくじゾッとする
扇風機待機主の椅子の横
蕎麦屋迄濡れずに来たり夏至の雨
目覚ましに夏至の冷水ごっくりと
電柱のいつもの景色夏至の暁け
お前さんいい声だねと婆のこゑ(老鶯)
老鶯の天下と云はん徹るこゑ
絶対に生かしてをかぬと焚く蚊遣
冷や水を浴びる思ひや蚊が鼻先
ランドセルに西日負ひつゝ下校の児
手拭いに御所掛け湯治部夏深し
ジュジュジュジュと機銃打つ音夏雀
炎天下日影に溶け込みバスを待つ
千両の花こいつかと爪弾く
これ珍味新作氷菓子アイスの実(アイスの実は商品名)
夏服の下校児大方白づくめ
買へば吾も買ふなり房州びわ
道の駅房州びわを土産とす
口許へ房州びわの熟れたるを
胸ぐらへ房州団扇の大き風
牛のベロ牛タン食べんと初夏の駅ビル
仙台名物牛タン食べんと初夏の駅ビル
ガーリックバターを助っ人夏料理
蝸牛(エスカルゴ)日本人の私には…
カタツムリなんだ殻かと放り投げ
牛タン食べて顔がてかてか夏の仙台
降る雨に薔薇次々と花鮮(あたら)し
多事多難夏は束の間如何せん
地平に聳(た)つ雲は灰色灰白色
ちまちまと柾の花は夏の花
拾ひ来し実梅三つ四つ色違ふ
ひん曲がってけつかるベトナム産バナナ
ベトナム産バナナ香味を売りにせり
黄々と甘味を売りのベトナムバナナ
相對すバナナのベトナム・エクアドル
カットグラスにストローいっぽん長っ尻(doutor にて)
灰色の雲の怪しく峯々競ふ
初夏のパソコン開いてじゅげむの人
◼️秋
秋風や峠を下る人小粒
旅人を見送りながらの法師蝉
雀化して蛤に色無き風出づ頃
法師蝉塔去る人の背格好
さつきから稲妻しきり妙義山
錦絵に清姫彷徨ふ日高川
美術の秋村上華岳の清姫図
蒲の絮湖尻淋しき風の吹く
さめざめと色の褪せゆく葛の花
鶏頭のトサカに当って雨砕け
扇灯籠(おぎどろ)は好き青森ねぶたは嫌
川底を流れてもっとも澄める水
老人の夢は短かし夜は長し
秋風は曲りくねって姫路城
里芋の葉を裏返す雨後の風
往き交へる人も苧殻の一包
震災忌近づく今朝を地震軽く
母屈み小っさうなって苧殻焚く
往き交へる人も苧殻を一包
鉛筆書き「トリュフ」おむれつ朝餉の卓
道南で西瓜の出荷始まれり
重くれるぶだうの房の黒づくめ
てかてかの額擦り寄せ柘榴捥ぐ
手造りの新豆腐売る泰平屋
牛のベロ牛タン食べんと初夏の駅ビル
台風のあの目あそこに日本海
◼️冬
寒鯉の一寸行き過ぎ後退す
棒切れで風穴開けぬ焚火守
◼️新年
土産もの伊勢の飛竜頭具沢山
ぶら下げて伊勢の飛竜頭旅土産
◼️相撲
一勝負勝ちと聞こえて来る歓声
拝見し回向院にて力塚
雷電の袴拝見博物館
ゾロゾロと人を吐き出すハネ太鼓
腹叩きポンポンポンポン両力士(正代vs豊昇龍)
何故負ける根っから真面目な琴櫻
あびとびざるはねたりついたりどうなることやら
好調のおうほうまさかの琴櫻
リズム佳し頭からゆく大栄翔
◼️雑
揚げものの三角四角煮含めぬ
二軒先のジャンケン遊び英語塾
もう妻は朝の念佛六畳間
だだっ広き河原に石佛のっぺらぼう
雨宿りしても詮無しゲリラ雨
吾と共に老いる自転車空気抜け
拡声機のやうな汝逝き早や十年(ととせ)
何処となく石に目鼻や河原端(はた)
おだてには乗っとけ評者のおべんちゃら
夫婦別姓男を女が不思議がり(谷川俊太郎「からだに従う」ベストエッセイ)
凸(おす)と凹(めす)造りの方が古過ぎて
凸(おす)と凹(めす)あっちの方は追ひつかず
凸(おす)と凹(めす)兼ねる生物ホモサピエンス
本屋さんは「親しみ」、書店は「堅物」その呼称
新刊書恨めし老眼進みゐて
洗濯はこれで三度目小分けにす
洗濯機は旧式がよし手順がゆっくり
長男の洗濯物が最優先(家業がペンキ屋なれば)
洗ふものはその前に置けと宣う妻
洗濯機胴体揺すって動き出す
洗濯機一寸考え動き出す
胴体をゆっさゆっさと洗濯機
ポケットの紙くちゃくちゃに洗濯機
Free WiーFi使える茶房に長っ尻
アメリカン珈琲で一服駅前ドトール
白黒フィルムに歴然戦時下、戦時色
黒ルビーの如き瞳の眼鏡の子
雀がチュン鴉ががあの朝まだき
墳墓より交易の民ソグド人(長安発掘 よみがえる長安 NHK BS)
香辛料、硝子駱駝の背に揺られ
刑務所の囚人の如僕のパジャマ
お腹の子摩ってこれが僕等の夢
その代償自転車パンク五千円(放ったらかし)
湯屋出づれば街騒・逆光・しかめ面
下校の児退け時顎をつん出して
学校の退け時水筒遣りながら
大雨注意週末かけての天気予報
焼きそば屋昭和風情の残る街
新作のジューシーチキンうま辛よ
けふも欲し街角ピアノのみたいな乗り
トンコ節君は省線僕はバス
ヤットン節とこねぇちゃん酒もって来い
愛燦々人はかわいいものと知れ(小椋佳)
用足してパソコン開いて雨宿り(doutorにて)
以上
(妄言陳謝)
#
by 575fudemakase
| 2025-07-10 18:25
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最近の嘱目句あれこれ31 2025年 (高澤良一)
◼️春
三春に亘りてヴィオラを吊り鉢に
山茱萸の鼻髭ニッカおじさんの
蕗の薹粗野佳し手当り次第摘む
家囲み植うチューリップ赤白黄
得も言はれぬ濃紺都忘とぞ
濃山吹道灌はたと考う図(月岡芳年画)
濃山吹雨具の逸話思ひ出し
濃山吹芳年錦絵彷彿す
苗代茱萸白き河原に紅き花
霞草に小米花添え不足なし
来て見れば種を零して櫻草
海棠も咲いたか蘇芳も半開き
けふ一日そはそはとして桃の花
大風をまぬがれがたく散るさくら
純白の雲横たはるげんげの上
紙ヒコーキげんげ田上空飛行中
ものゝ芽や仕事は冷静着実に
水、光、パイプ山葵の栽培工場(高級山葵栽培)
水口を守り田植にいそしむ人
こぶし咲くシラネ葵の群生地
小鳥来て朝の挨拶ツピィツピィツピィ
地魚の看板ホッケの苫小牧
有珠山の噴火の記憶薄霞
大きくてまあ、おいしそうこの苺
顔洗ひにほーほーほけきょと起きて来ぬ
こんなにもうぐひすの声なぜやさしい
その通りもう来て居るようぐひすが
よく見ればこんがらかって蜷の道
空調の音する静寂(しじま)うぐひす来
ほれここに囁く雀のゑんどうが
四月馬鹿今尚米価高止り
黄金週間旗日続きのど真ん中
ほほほけきょでその後何も無し
◼️夏
釈迦牟尼のかんばせ凜々し夏の雨
金泥に横一文字燕子花
ヤットウに会津の気合い鉄線花
盛り過ぐ百合何処となくあはれなり
真夏日に闌けしと花殻立葵
銭葵と云へば上海リルの歌(ディック・ミネ)
大江戸の名残りを金魚賣のこゑ
ビル間(あい)の銀座稲荷や日蔭道
おしとやか牡丹猛け獅子牡丹かな
瀧水の落つる途中で水滴に
行ったこと無くて行きたい加茂祭
お昼のニュース関東大気不安定
ひもとくは読書にも似て柏餅
熱帯魚見て画く子等の楽しさう
手花火のかほりつ咲かすその火花
それぞれに街飾り付け夏まつり
噴水のへこたれること時にあり
初めての暑さ話題にバスを待つ
熱帯魚アロワナたとはばサブマリン
松ヶ崎の空うち栄えて銭湯時
涼しやの思ひ道行く先々に
水田の水面しろしろ卯の花腐し
夏料理の味の工夫は見て覚え
利休梅曇天暗くなる許り
スクリュウの切れ味の佳さ紙魚の跡
端居して忸怩の思ひ手繰る也
蟻が蟻に道訊いてゐる蟻の道
店先に人屯(たむろ)して鰻の日
鷺草の鋭さをもて焼夷弾
梅雨まみれのネオンに染まる道玄坂
それ其処の花は素馨と教はりし
鷺草の旋回角度絶妙なり
水中りして読む絵本トロトロと
夏休みもおしまい絵本「かさぶたくん」
雲の峰蔵を改造してカフェに
風鈴の掠るゝ音色を立て続け
睡蓮の花の炸裂ナイル川
水面に睡蓮葉を巻く密に置く
瑠璃蜥蜴するりと消えてそのまんま
のしと云ふ泳法一掻き二掻きす
跫のすたすた夜宮へ通ず道
継當のしてあるジーパン涼しげよ
逝く夏の後ろ姿を見るここち
白南風や朝日かがよう海近く
海猫(ごめ)舞はせ今も百船百千船
海桐花等海岸植物皆厚葉
有り余る日照時間百日草
地獄の特訓!沖縄ハーリーすっ飛ばせ!(one boat one beet)
掌にすれば団子虫死んだふり
蝉殻をこそぎ落として庭掃除
夏風邪は些事に紛れてぬけてゐし
それとこれにいにい蝉は君にやる
脱皮して而して休む蝉の子は
落下の蝉何を感じて激突まで
食進むサラダしゃりしゃりやって夏
食進むサラダしゃりしゃり噛んで夏
取り乱し落下手前の油蝉
洞のやうな神社の茂り夜の蝉
隣る町の神社辺りか夜の蝉
わが寄処初夏のファミマのイートイン
はつ夏の一歩一会の朝散歩
動物園の外にてザリガニ調査隊(ワクワクタイム)
佳(よか)声で尾までふるはせ老鶯鳴く
箱眼鏡顎も歯もこれ大切に
胸元に別格の風青葉の湯
急雨来てたちつてとかげ走り出す
清里のまみむめ森の閑古鳥
源氏てふはひふへほたる発たす風
峯雲の気分次第でこんな形(なり)
断捨離にかまけて過ごす夏である
大リーグ観戦びたりの夏であり
扇風機切り忘れする我叱られぬ
あそこ剪りここ剪り夏木整形す
一気呵成に背丈伸ばすもの夏木
開襟で道北巡るこころ旅
峯雲立つ稲村ヶ崎は坂だらけ
夏草生ふ勇払原野を一両車
猿払の帆立釜飯ほおばれり
突き出しに鯵等さしみの三点盛り
相模湾の海鮮蛸を筆頭に
缶ビール走る列車のリズムに合せ
女房子供に手を焼きながら生きて夏
面倒臭い友と麦酒を町酒場
H2A最終打上げ夏至一寸過ぎ
電線と海と原野と夏草と
登別分け入り足湯と森林浴
氷屋の主力はぶっ欠き氷です(渋谷 道玄坂)
今夏の旅北海道を踏みしめた
氷旗木蔭を作る公園に
朝方はベッドに涼んで鳥声聞く
扇風機ベッドの横に佇たしめて
すててこのまんまの昼寐はたと覚め
「夏至は何時」「けふよ」と妻が厨より
水無月の水の楽園大台ヶ原
森林浴この獅子口の奥に瀧
山小屋は釣り橋の先大蛇嵓(ぐら)
山盛りに何か訳あり痩せ胡瓜
浅虫温泉花火がそもそも来にゃいけん
ます寿司の横に押し石どでかんと
足首の辺り冷たし沢蟹採
拡声機雨が降っても決行と(花火)
油断して手花火松葉の玉落とす
花火大会もめてゐるのは雨のせい
暑ければ少し休んで麦茶でも
誰か一人花火の席取りせにゃならん
無い袖は振れない馬券又外れ
大曲り煙はともかく雨は駄目
丸坊主にしたる毛虫を処刑せん
君達又一緒になったね強羅山荘
夏暁の大きな風にチと雀
老鶯の朝の挨拶一声のみ
思い出に流木アート夏休み
向日葵の投げ入れ夏を味はおう
暑さ凌げと出されて自家製ところてん
老鶯の長啼きけふのとっておき
夏暁や犬も歩けば立ち小便
花火会場この道ずっと行った先
蝉脱皮するには早い要垣
新しき蚊帳新緑の天降(あも)る如
ぎゅうと一杯やるのは牛乳亀遊館
亀遊館冷やすクーラー「霧ケ峰」
その体躯ぶち込み菖蒲湯溢れしめ
あぢさゐがいろいろ地蔵万寿院
今爺さん三人菖蒲湯浴びるべく
缶からの新茶ぐびぐびイートイン
けふ一日降らずに保った五月空
炎天下覗き込むバス時刻表
はつなつの壁に寄る癖駅前マック
立葵家康逝きて三百年
線香花火の一生牡丹、松葉、柳へと
くわばらくわばらねずみ花火が足許へ
梅雨入のマック何を勉強一学生
かぶりつくサムライマック梅雨最中
雨の音ハリハリ芙蓉の葉を打って
蒸し暑き日に来て湯浴み亀遊館
一日中曇天五月の湯に遊ぶ
擦り切れの薄黄色にして夏パジャマ
厳美渓水皺処々に顕つ処
鈴振橋輪行植田横に見て(こころ旅)
厳美渓川面に雲飛ぶ樹木飛ぶ
寿司食ひに大型連休ど真ん中
水中花知ってるようで知らない世界
素ばしこく掠りもしないつばくらめ
新品種カーネーションを母の日に
摩天楼より見下ろす新緑NYっぽい(鷹羽狩行先生にご挨拶)
ゴールデンウイークマカティアさんの紐育(ニューヨーク)
オホーツクブルーを一望おろんこ岩
大いなる藍甕作りの足仕事
自転車を押し街歩き半ズボン
首振ってそっぽ向いてる扇風機
クーラーは絶対壊れちゃいかんぜよ
真夏日に壊れちゃ大変空調機
吾と対峙するやうに置く扇風機
◼️秋
雨まみれの石榴捥ぎ来てスケッチす
猛けし石榴の心思はば獅子奮迅
台風をまぬがれがたく家に居る
手にすればはなびらの欠け野紺菊
一列に煤けて潰ゆまんじゅさげ
流燈の点滅逆巻く浪のうへ
月面を泳ぐやうに歩し家路
鼻息で判る勝利や運動会
秋風にあてなく歩くことが好き
望の月一旦山を離れけり
底紅の紅覗き込みホバリング
女の子上手に鬼灯ねぶる音
蜻蛉のカサリと羽を畳む音
蜻蛉の羽根を摘みて受け渡し
くよくよと何嘆くやら法師蝉
懸崖菊見ると云ふより覗き込む
懸崖の菊見る位置を探しをり
木瓜の実の中でもダントツに大きい奴
ムカシトンボと云ふ名のとんぼあったっけ
大野分過ぎればもう直ぐ運動会
白芙蓉時を重ねて酔ふ程に(酔芙蓉)
空高く高く湘南赤とんぼ
やゝ荒く土用の盆浪芥引き
まんまるに出る月度胸も月譲り
安納芋のドラ焼餡はうすむらさき
菜箸の丈のすらりと針魚焼く
運動会で海老釣競争よーいどん
村上げて商売止めの運動会(漁師村)
色付きのどぶろくピンクまったりと
どぶろく作り酒米は夢ピリカ
どぶろくの旗はたはたと北海道
地平線あそこにワイナリー葡萄畑
晴れ約す明日運動会をがんばろう
大台ヶ原霧が立ち込め立往生
拡声機雨が降っても決行と(運動会)
昔バスに棚あり終戦直後の頃
じゃがいもはレンジャー、ユマテラ、エトセトラ(マグドナルドにて)
高温で二度揚げポテト半夏生
夕風に吹かれどうしの葭の絮
鯣買ふに日出づる國の天子の札
竹槍で戦ふつもりが目眩し(原爆投下さる)
お盆の踊り決して浮かれちゃいけません
◼️冬
くしやんとくしゃみし了えれば皺の寄るその鼻
見覚えの墨屋の番頭目で挨拶
熾り来る炭火ぬくしと手をさすり
神農の虎めんこしと頭を突かれ
探梅のこころもとなき道辿り
焼鳥の串打ち手順手捌きよく
焼鳥の串打ち手際よかりけり
焼鳥の缶詰遠慮して置きたし
国民食焼鳥炭火で丁寧に
外人にもてもて今治焼鳥ぞ
焼きむらを作らぬやうに焼くのがコツ
焼鳥の鳥は長州黒かしわ(山口県)
焼鳥のもも肉塩と出し醤油で
長時間斑なく焼ける備長炭
先づ「皮」から今治焼鳥堪能せよ
書き方教室寒と云う文字分解し
十二月仕事の山を取り崩し
大竹しのぶ波乃久里子は同族で(同じ穴の貉)
備長炭の原材料は姥目樫
くろがねに匹敵紀州備長炭
製炭師窯焚き紀州備長炭
十月やエビ一月で採り尽くす(三重県南伊勢町)
特急あづさ吹雪く中行く大糸線
十二月じきに寒風シベリアより
日高本線海をすれすれ冬かもめ
腕っ節強そうソ連生まれの蟹
太腕のタラバがよさそうこれにしよう
ストーブで煮物ことこと五能線
漢江が凍った雪風なんのその
◼️新年
もう戦せぬと決めたる國の春
福引の景品可もなく不可もなく
福引の引き当つものにマッチ函
死んでゐる蛸泳がせて海老とる漁
海老漁は海老と蛸との一対一
偽物の蛸踊らせて海老とる術(伊勢海老漁)
エビ漁のお手伝いには傷物エビ
アジ、カマス、カンパチ主役は伊勢海老
傷物エビ髭折れ、足欠け大特価
蛸に睨まれたら逃げよと伊勢海老教えられ
競りのこゑ正月エビの出荷時
双六のここまで来たら一休み
◼️相撲
◼️雑
節約をゆるがせにせぬ昭和っ子
日本語の宜しさをもてホ句作り
よれよれの作務衣の紐を固結び
鈴蘭型の電燈いかにも大正風
街歩き高田純次はすぐはしゃぐ
地井さんの次が純次よ街歩き(地井武男vs高田純次)
白い線の真上が僕の返り道
呼び鈴を押す一軒家絵本カフェ
人情咄筋の通らぬことばかり
横濱市歌小学校で丸暗記
開港記念日横濱市歌を鼻歌に
赤々と沈む太陽インド洋
航空便混みをり布哇(ハワイ)はかろうじて(当日迄にクリスマスカード着便の可能性)
坊ちゃん刈りラフに見えても繊細で
例会に出立そこにありふもの羽織り
ご飯粒こそぎ落として釜払ふ
大太鼓の鳴る中蘭陵王の舞(雅楽)
隈研吾目じゃない羊鳴鳴氏
間伸びして波乃久里子の物言ひは
間伸びして大竹しのぶの物言ひは
通る度雄叫び上げる高(たか)鉄橋
輪行の何か気になる雲の形(なり)(NHKこころ旅)
佳き漁には逃げてくものを視る力(或る海女曰く)
擬似餌で脅かす漁法絶え南伊勢
るーるーるるう躰に入ってる歌詞歌ふ
用水路の水音ちょろちょろ青鬼集落(あづみ野)
一仕事ほっかいどうならわっかない
真っ暗闇関東内陸深夜の雨
日めくりに日をめくる音無無無無無
断捨離の入口に立つ我れ今夏
差し潮や浪たゆたへる股間かな
別嬪で鱈の化身のやうな女(ひと)(田村隆一曰く)
稲村ヶ崎は砂鉄の宝庫散策す
字引きとは言葉の海を渡る舟
日高本線此処は廃線まぬがれて
流れ来る歌は河島英五調(新宿)
歌ふなら酒と泪と男と女
こころ旅窓の景色もそこそこに
六角の親友の店エレキで合奏
室蘭本線キハ143に乗り
試聴するなら語りのやうな歌が佳し
180°海の室蘭鼻先に(室蘭本線)
伴奏はカントリーウエスタン六角呑み鉄(室蘭本線 六角精児)
登別硫黄の香りの地獄谷
おしゃまんべと云へば彼の人誰だっけ(芸人 由利徹)
階段の踏み面(つら)低く道玄坂(芸者衆の便宜の為)
書き止めん流れる時の一瞬に
未完の市街図ダビッド・シケロイス壁画(メキシコ 世界ふれあい街歩き)
市場にて写生未来の画学生
妖怪を封じ込めし故牛石と(大台ヶ原)
穴熊に居なほり将棋負けまじく
持久戦よしんば飛車をとられても
三回も二階へ洗濯日和かな
捨て石の学徒動員雨の中
この寺にびくともしない力石
動員てふ言葉にギクリ雨土砂降り
万札で相すいません散髪代
婆抜きの婆がそろそろ来る筈だ
であるなら首据え替えよ担当大臣
魚好き深海魚とて嫌いじゃない
ロック・ベビー愛しあっているかい君
きよしろう又問う完全復活を
君どう生きたいのと問うあの歌手あをびょうたん
ディ・ドリーム・ビリーバー彼女はクインでもう居ない
「ラブミーテンダー」などとふざけんじゃねえ
泣きじゃくる声が筒抜け楽屋裏
スロウバラード切なし自分の応援歌
緊まるのは尻のみならずサウナの衆
サウナに入る尻のぷるんは皆若者
ポンコツと謂はるゝ道理湯浴みの尻
富士さんを見ながらこだまの止まる駅
シャープペンシルするする書けて己が職歴
隙間縫ってバイク疾走16号(国道)
常連客と話しこもごもマッサージ師
亀遊館客来て閑無しマッサージ師
サウナの後「ショートで」「合点承知の介」
ラジオよりどかどかうるさいきよしろう(忌野清志郎)
とんがった処をエレキで清志郎
自分のLIVEを聞くのが大好き清志郎
トランジスタラジオポッケに清志郎
清志郎音楽駄目でフォークにロック
佳(よか)声で鳥がお控けえなすってと
仕上げにはトリマーからから散髪屋
厳美渓川面に映る雲の影
厳美渓水量たっぷり用水路
空飛ぶ車紹介万博お昼のニュース
韓国版日本居酒屋おもしろや
ファンタメロンMとスパチキ定番コース
レアアース急騰打出の小槌欲し
池に浸け水中乾燥ひのき材(伊勢神宮にて)
心柱候補の檜木すくすくと
心柱腐るを継いで又千年(新薬師寺)
精緻なもの和傘のろくろ作りかな
竹細工竹人形の阿波踊り
和傘作り竹を使った佳き仕事
和傘作り和傘伝統守る為
知床のオロンコ大岩知らなんだ(斜里町)
米不足ないない尽し何時迄や
この戦必ず勝つと云ったが負け
ところが又浪曲ぷっつん又停電
以上
(妄言陳謝)
#
by 575fudemakase
| 2025-07-01 04:00
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最近の嘱目句あれこれ30 2025年 (高澤良一)
◼️春
荏柄天神進学祈願もそそくさと
ぴんぼけの桃いろ能なし大つつじ
モグラ跡やっと春めく土突き上げ
やどかりの捨て家しかと白日下
逢う魔が時体重預けぶらんこす
紋白蝶と行き遇ふ旅も他生の縁
空見渡す限り黄砂の浅黄ぞら
花時のこれ見て呉れの象の芸
牛乳をのんですっきり昭和の日
鳥雲に申告敬遠面白や(大リーグ)
先づは万作縮れ花見す谷なれや
踏んまへる足しろしろとさし汐や(干潟)
春闘近し殺し文句の三つや四つ
又空へ吹き戻さるゝ花吹雪
経の如滑らかに出てほうほけきょ
海牛ののさばり出たり磯牧場
蒸風呂とぶつくさぬかす田螺かな
天気崩れ気味花も下り坂
月の下浅蜊の砂を吐かせをり
泥牛庵のさくら散るなり急斜面(金澤八景)
ジョギングして腹を減らさん苜蓿
かわら土塀くねくねすみれの裏参道
二月堂灯点し頃の東大寺
二月堂茶所にたいまつささくれて
行きがけの駄賃に虎杖ぶっ叩き
茶はぬるめ、いやいや熱め、茶のみ季(どき)
恋しきもの昭和、明治座でサザエさん
水面に顔出し蛙の目くりくり
受験絵馬三人三色の願ひごと
何言ってんだか田舎ぺーの下手鶯
春氷突けばひょこひょこ池の央
◼️夏
思ひきり叩き潰さん蚊の慾目(よくめ)
毛糸、毛皮、毛衣、毛虫は大嫌い
丸坊主庭の毛虫に先越され
くちびるに何を言はせるナタデココ
お茶会の竹籠統べるクレマチス
立ち葵淡淡として素湯の味
順追って咲く花下から銭葵
お友達ヤマサ、ヒゲタの両醤油(醤油作る)
涼しげや持ち手一つの買物籠
再確認す仙人掌のとぼけ咲
わんぱくの水馬(あめんぼ)飛んだり跳ねたりす
わんぱくの水馬(あめんぼ)鉄脚意のままに
わんぱくの水馬(あめんぼ)鋼(はがね)の脚を持つ
水馬(あめんぼ)の躰の締まり感ず指
百合並みに黙りこくって山の昼
直ぐ動き出す死に下手な金亀子
暇人のかがんぼ相手に手酌酒
終日の雨にずぶ濡れ石榴の花
一夏を掛けっ放しの幽霊図
しとしとと降る雨ぶよが待ちゐたり
あぢさゐの頭を突く雨や梅雨半ば
庭中の葉っぱを打ちに梅雨入あめ
梅雨入の雨がぱちぱち蕗叢打ち
空映す余地あり浮草混める鉢
あぢさゐのたっぷり濡るゝ朝の雨
洗濯機朝から頑張る子供の日
蚊一つで夜も寝られぬ蒸気船(狂歌に「泰平の眠りを覚ます上喜撰たった四はいで夜も眠れず」あれば)
潜水服したたか濡らし通り雨
茫然と何考えてゐる朝茶かな(新茶)
宮毘羅(くびら)大将ふんぞり反って雷下の館(やかた)
この濁世抜け出るやうに蚊帳を出る
あめんぼの喧嘩したあとむつまじげ
蛇いちごあの赤何処か諂(へつら)う赤
蛇いちごのあの赤おべっか使ふ赤
苺にまぶす砂糖多しとこゑありぬ
母真似て苺潰しが上手な娘(こ)
スプーン裏もて苺器用に潰す術(すべ)
竹炭をしつらふことも梅雨支度
とろとろの旬の蓴菜硝子器に
大学の名句ありけり葵月
只見送る許りの夕空胸団扇
真夏日を報ずニュースの殖え来る日々
我楽多で埋まる小部屋を夏仕様
大夕立上がったばかり今しがた
ゲリラ雨に遇ふ貌つきの素っ頓狂
針穴を通すごとくに縫うホタル
富士さんはうしろになりぬ蟾蜍
じっとしてゐても暑さの俘虜なり
着替えねば水着がかわく痒くなる
この居間に何しに来たと藪蚊打つ
一節のみ後をだんまり夏うぐひす
蟻んこの貌をつん出す石の庭
裾分けの奈良漬齧る湯治宿
金葎一際強く稲光り
夏掛けにひっくるまって妻昼寝
液肥遣り肌着汗ばむ庭仕事
近寄っても身じろぎもせぬ青さぎ
大空をのっぺらぼうの夏が逝く
薄明の低空飛行をする藪蚊
玄関から蚊を入れた奴前へ出ろ
千葉、兵庫醤油造りの熱心県
醤油造りに釈迦力発揮する両県
老鶯のお呼びでござるかと参上
頼めるは己が地力とてるてる坊主
雷光に素破と動ける影一つ
見てをれば足腰使ひ棒振り虫
応対に出づるすててこ馴れて来て
涼風に不二さん添へて島茶店
良寛の手鞠程なる額の花
蔵壁に反響しるき閑古鳥
梅雨入の鐘きく朝方ぼんやりす
ほら鳴った雷一雨もう来るぞ
時宜通り六月六日は「梅仕事」
外面は明るくされども話がピーマン(作る俳句も同傾向)
育ち盛りの仔牛に万緑惜しげもなく
新緑の風ふきこめるベッドの上
杜撰なる枇杷の採り方雨のなか
いよいよ夏、日蔭選んで歩く道
黴の季節、カンピロバクターやっつけよ
◼️秋
馬鹿野分に吹き倒されし大銀杏
買物籠素材はくるみの木の皮で
蝉籠にむべ活け野性味をかもす
八十に四つ踏み込む竹の春
あけびの蔓温泉(ゆ)に浸け編める籠職人
野沢温泉あけびの皮の籠作り
今宵月明るくでかい空の央(おう)
酩酊のおももち芙蓉の酔倒れ(酔芙蓉)
辞書替りにスマホを使ふ敬老日
美術の秋十二神将決めポーズ
膏(あぶら)ぎる鮭の切身に進む食
空腹(すきばら)にしみこむライチ(茘枝)味の水
文庫(ふみくら)出づれば半月映す阿字ケ池
湯治客同士夜長の皺くらべ
人も又糞(はこ)して秋の旅続け
河原なでしこふすぼる色に河
防波堤で根釣だぶりと寄せる潮
薄が原小野小町の骸骨図
惜しみなく赤い木の葉と黄の木の葉
紅葉狩皆より遅れ老たりな
鳩の世話了ればいちぢくもいで食ぶ
雨まみれなるいちぢくに金蠅が
コスモスの隣りがミズヒキ、植物図鑑
金剛力士の寄せ木三千パーツの秋(東大寺)
◼️冬
みかん盛る籠はまんまる竹素材
荒ぶ世に生れかはらば隼に
枝付きの柿も売らるゝ十夜道
老ぬれば休み休みの十夜道
先々に十夜雲置く鎌倉行
とっとき着の作務衣おろして十夜講
雨の日のお出かけレインブーツの白
三笠通りをニーハイブーツ黒闊歩
空風の紛れ込んだる栃木北
牡蠣揚げて小綺麗な店麻暖簾
昔団欒と云へば、返答「火燵にみかん」
アロエ咲く伊豆半島のとっぱづれ
チャドクガの毒針毛は五十万(山茶花垣)
チャドクガの貌は見えねど喰盛
日溜りの布団を歩く冬の蠅
冬の景、枯れた田んぼに鴨が来る
歩み出す一天に雲十夜道
めちゃうまの上ががちゃうま勇魚かな
酒前に鯨赤味を堪能す
月並みな花を月下の花八手
多分禽がもたらせしもの八手
燗酒に聞きながすそのおべんちゃら
◼️新年
初詣でごにょごにょお願い申し上げ
願はくば上々吉を初詣
年明ければつくねんとして不二の山
銭の恩忘れませんぞ白蛇様(鎌倉銭洗弁天)
親子してをがんで巡る七福神
振り出しに戻る双六ばからしや
目出度さを満喫六十ヨ州かな
電線に貌を並べる初雀
鼻紙を取り出し「ちん」して初詣
年酒遣り一人機嫌のお元日
一昨年並みの元日したりけり
今年もやご覧の通りのお正月
華々しき年など要らず寄る年や
◼️相撲
◼️雑
早口にちんぷんかんのなむあみだ
かあかあとからすは山へ夕飯過ぎ
茶会了って
この娘(こ)たちどうしよう竹籠の花達
耳つきの竹籠茶人に好まれし
無二のもの籠の編み方人そのもの
花籠は蝉籠清朝初期のもの
三亀松風音曲愉快つんつるてん
オルフェウスの首描くルドンの死の景色(オディドン・ルドン)
寝がてらにマンボウの夢期待して
花々のらしさ描きしルドンかな
ルドン好みの青を基調のパステル画
厚塗りのむらさきルドンのパステル画
ルドン描く蜘の目深い精神性
ルドン描く電球の中の人の顔
煌々とルドンの描く黒の人顔
見て納得大正ロマン門司港駅
土偶のまとふ文様縄が関係して
世は全てデジタル、しかし時計はアナログで
句を作る目的、ワクワクしてますか
呑み鉄てふ六角さんのなりゆき旅(NHK BS 六角精児)
コロナの撲滅、計り知れない科学の発達
大佛の再建資金だうなることやら
【東大寺の大仏(盧舎那仏)は、天平時代に造立され、平安時代末期に焼失後、鎌倉時代に俊乗房重源によって再建されました。その後、戦国時代に再度焼失し、江戸時代に公慶上人によって再建されました】
大佛の見方のポイント横よ鼻筋
東大寺堂守る亀に阿呍の相(すがた)(屋根の部分)
東大寺の大鐘撞くは大鐘家
東大寺の大鐘中に入って見よ
東大寺の大鐘落ちたことありし
亀の甲並べて好日阿字ケ池
ホ句作り一茶の言葉漁りをり
故有りて田んぼを有す東大寺
花飾り立てゝも所詮むさい家
五七五(ごしちご)國の蕩児の手になる袖珍本(しゅうちんぼん)
自家製の干物作りも見ずなりぬ
醗酵のお陰で記さるもの「清酒」(ラベル)
包丁研いで己が器量の試し斬り
六十で年寄り扱ひ其(そ)は昔
その装(なり)もシック昼からシネマ観に
掃除とて昼間は錠下る共同湯
雨をんなヘッドホンしてノーメイク
新聞紙丸めて靴に湿気とり
老人の絞り出すよな屁が一つ
わがボロ着切り裂き畳を乾拭きす
毘羯羅神将ふんぞり反って悪口雑言
お上手と云はれてプロに鰐淵氏
言葉を種にして俳諧の門こぢあけぬ
陸前豊里唯々静かに佇む山(NHK こころ旅)
牛乳をしみじみと飲む昭和っ子
甘党で砂糖が好きな昭和っ子
句作りも打って反省打たれて感謝
日産が出て行く横須賀震度七(不況)
逝く人は大方逝きて残る人
以上
(妄言陳謝)
#
by 575fudemakase
| 2025-06-16 05:58
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俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase
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▽ある季語の例句を調べる▽
《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
《方法1》 残暑 の例句を調べる
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次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
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[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
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